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驚愕!動物実験者の3R強化反対の理由は「気分的なこと」
議連による実験動物に関するヒアリングで明らかに

3月15日(金)に超党派の「犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟」の動物愛護法改正第16回プロジェクトチームの会議が行われ、傍聴してきました。
テーマは「実験動物の取扱いに関して」でした。

議連の改正骨子(案)と私たちの要望

この議連が公表した改正骨子(案)には次のように動物実験の3Rの原則(代替法の利用・使用数の削減・苦痛の軽減)の強化について盛り込まれています。

第五 その他
二 動物の科学上の利用の減少に向けた取組の強化
   動物を教育、試験研究又は生物学的製剤の製造の用その他の科学上の利用に供する場合には、科学上の利用の目的を達することができる範囲において、できる限り動物を供する方法に代わり得るものを利用し、及びできる限りその利用に供される動物の数を少なくすること等により動物を適切に利用しなければならないこと。

これは、現行法で義務規程になっている「苦痛の軽減」に加え、残る「代替法の利用」「使用数の削減」についても今の配慮事項から義務規程に、つまり3Rすべてを義務にして強化するというものです。3Rの原則を遵守して動物実験を実施することは、もはや国際基準であり、当然のことです。この改正は私たちが強く求めてきました。

さらに実験動物に関して私たちが強く求めていることには「実験動物を扱う業を動物取扱業に追加し、登録させる」もあります。
動物実験施設や実験動物販売業は、今は動物取扱業の対象外であり、届出や登録の義務はなく、どこに実験動物を飼育する施設あるのか、そこにはどのような種類の動物が何頭飼育されているのか、国も自治体も完全には把握できていないのです。
ペットショップや動物園など生きた愛護動物を扱う業は登録義務があるのに何とも不公平です。実験動物も動物愛護法で規定されている「愛護動物」ですのに、登録対象から除外する根拠が明確でありません。

この登録制については、改正骨子(案)には盛り込まれなかったのですが、「追加で検討を要すると考えられる事項」として別紙に「1.学校、実験動物を取り扱う者、畜産業者等の動物取扱業への追加」と記されています。
そのため私たちは、この別紙の内容を骨子(案)に入れ、実現してくれるようロビー活動を続けています。

動物実験関係者からのヒアリング

3Rの強化やこの動物取扱業への追加について、これまでの改正で実現しなかったのは、ひとえに動物実験関係者からの強い反対があったからです。

改正の活動を協働で行っているJAVA、アニマルライツセンター、PEACEの3団体は昨年11月に同議連からヒアリングを受け、これらの改正の重要性を訴えました。
ただ、法改正では、国会議員たちは異なる立場の方からも意見を聞かないとなりません。
そこで今回の動物愛護法改正第16回プロジェクトチームの会議では、日本実験動物医学会の下田耕治理事(慶応義塾大学医学部教授 動物実験センター長)と久和茂理事(東京大学大学院農学生命科学研究科 獣医学専攻実験動物学研究室 教授)、時事通信社の森映子記者からのヒアリングが行われました。

日本実験動物医学会は、「日本獣医学会の分科会として、実験動物の健康・医学ならびに福祉に関する研究、教育の推進、及びその普及を目的として活動」している学会。
つまり動物実験を行っている人たちの学会です。
時事通信社の森記者は、獣医大学をはじめ数多くの動物実験関係者を取材し、雑誌「厚生福祉」などに記事を書いています。また先ごろ、著書「犬が殺される―動物実験の闇を探る」を出版されました。

日本実験動物医学会からは、私たちの予想通り、3Rの実効性の強化等による実験動物の福祉の実現について、自分たちで課題に取り組んできたとして、「実験動物関係について改正する理由は全くない」「したがって、骨子案の第五、その他、二に挙げた『動物の科学上の利用の減少に向けた取組の強化』(3Rの強化)の必要性は全くなく、法の文言を変更する必要はない」という主張でした。

そのあと森記者から自身の取材で把握した、実験に使われる牛や犬といった動物の劣悪飼育の様子について写真付きで説明がありました。また代替法の利用・普及が不十分であることの説明もありました。森記者のスライドが映されるやいなや、議員の方たちが一斉に注目し、文科、厚労、環境の3省の職員の方たちが急にメモを取り始めました。それだけ今まで知らなかった実態、情報だったからでしょう。最後に森記者からは議連に対して、「3Rの義務化は絶対に必要」との力強いご意見がありました。

日本実験動物医学会に鋭い指摘・質問が

両者の発表後、質疑応答にうつり、議員やアドバイザーの方たちから、日本実験動物医学会や省庁に対して鋭い質問がなされました。
特に興味深かかったものを抜粋します。

Q:3Rの義務化がされると研究の推進に悪影響が出ると資料にあるが、どういう点で悪影響がでるのか?

日本実験動物医学会の回答:
●2006年の改正で2R(代替と削減)は「配慮事項」ということになり、皆、それで動いている。動いている時に法規制、法化されると2006年の体制を壊すのではないかということで気分的にはやりにくくなる。それが悪影響ということになると思う。
●(3R義務化の改正骨子(案)には)「科学上の利用の目的を達することができる範囲において」という枕詞はあるが、この判断を誰がするか、人によって違う可能性がある。そうすると必要でないところでその議論をしなければならなくなる可能性がある。それが科学の発展とかに悪影響を与えるのではないかと懸念している。

【JAVAコメント:明確な根拠、理由があるわけではなく、「気分的」なことで改正に反対とはなんとも呆れます。】

Q:環境省の実験動物の基準があるが、これが守られているかどうかは、どのように環境省で確認しているのか?

環境省の回答:
基準自体が守られているかどうかを直接的に確認する法的な仕組みはない。

衆議院法制局の回答:
こういう立てつけの基準はある。基準は守らないといけないものだが、行政が踏み込むか、どう担保するかは別問題。

Q:守らせる仕組みがないと基準があっても意味がない。その守らせる仕組みが登録制ではないか?

衆議院法制局の回答:
登録制にするなり、届出制にするというのであれば、どういう目的でどういう仕組みにしていくか、問題になってくると思う。

Q:医学会はそれを守らせる仕組みがないので、外部検証をしている、という説明だと思うが、医学会の資料にある408機関というのが外部検証対象機関と思うが、408は日本にある動物実験施設全体の数か?

日本実験動物医学会の回答:
これは文科省のアンケート調査で把握した動物実験をしている大学、短大、専門学校の数。

Q:プレゼンに出てきた「大丈夫」という機関は、日本の全ての施設を網羅した話ではなく、一部についてということか?

日本実験動物医学会の回答:
●大規模施設については100%になる。小規模はまだ検証受けていない。
●その他、非常に少ないとは思うが、残っている可能性は否定できない。

Q:では、実験動物関連の改正は必要ないというのは把握している一部の施設に関してか?

日本実験動物医学会の回答:
他の施設も含め、教育訓練をしてレベルがあがっている。あげている状態なのにさらに強化させる必要はないという意味。

Q:国内全ての施設を把握しているわけではないけど、全ての施設について(改正は必要ないと)言えるか?

日本実験動物医学会の回答:
調べてないところがないとは言わないが、ほとんどのところはだいたい把握されていて問題ない、ということ。

Q:では100%の施設は把握していない?

日本実験動物医学会の回答:
それはそうだが、ほとんどの施設は把握されている。

【JAVAコメント:大企業や大学の動物実験施設の場所はインターネットでもわかったりします。むしろ小規模なところ、場所を明かしていないところの把握が重要ですのに、大きな施設だけの把握で十分であり改正は必要ないという日本実験動物医学会の回答は通用しません。】

Q:アメリカやカナダを参考にしているとの説明だったが、アメリカでは動物福祉法で施設の登録制が定められているわけだが、これを参考にする必要はないという理由は?

日本実験動物医学会の回答:
●アメリカも小動物については登録制はない。ウサギ以上の動物は農務省に登録することになっている。
●日本も犬、ブタはそれぞれ登録するので似た形式でやっている。

【JAVAコメント:たしかに日本でも犬やブタを含む家畜動物、サルなどは登録義務、報告義務、許可制がありますが、ウサギや猫など抜けている動物があり、ちっとも米国と似た形式ではないです。】

このように実験動物医学会からは、3R強化、動物実験施設など実験動物を扱う業の登録に反対するのに十分な根拠は示されませんでした。
よって私たちが求める「3Rの強化」「実験動物を扱う業の登録」は今回の改正で実現されるべきことであると、出席されていた議員の方たちはご理解・ご納得いただけたのではないかと思います。
私たちはこれらの改正の重要性を引き続き訴え続けていきます。

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