※2003年に行ったキャンペーン

子連れの母グマ、射殺を逃れる!/ 岡山県・東粟倉村

東中国地域に生息するツキノワグマは推定200頭前後で、環境省のレッドデータブックによると、絶滅の恐れのある地域個体群となっています。特に岡山県では、兵庫県からの一時的な侵入個体を含めて、わずか10頭未満しかいないと推定されているのです。

その岡山県東粟倉村で、「登山者が子連れのクマに襲われ、猟友会がクマの捜索を行っている」との情報が入りました。
JAVAの調査で、発見次第、母グマは射殺し子グマは県の保護センターに搬送する予定であることが判明。また、岡山県では、「ツキノワグマ保護管理計画」の中で、クマの保護対策と併せて人身事故を防ぐための様々な対策も定めているにも拘わらず、東粟倉村では、事故防止対策を何も講じていなかったことなども分かりました。
人身事故を防ぐ対策を全く行わずに、「人を襲ったから」と即、駆除(=射殺)の許可申請をし、殺すことで済まそうというのですから、これでは、職務怠慢以外の何ものでもありません。職務怠慢から起こった事故の責任を一方的にクマに押しつけようというのです。
JAVAでは、決してクマを殺す方法を取らないよう、厳しく抗議すると共に、「再発防止策を緊急に講じること」と、「クマの保護を徹底すること」を強く要請しました。

2週間後、村役場からJAVAに「クマについての問い合わせが多く、それに対するお知らせを村のホームページに掲載しました」と連絡が入りました。
ホームページによると、「猟友会による捜索を行ったが発見できず、捜索は終了した。」とのこと。全国からの「クマを殺さないで」という多くの声が寄せられたため、村は、捜索を早々に打ち切ったのでした。

絶滅寸前にもかかわらず、年間980頭ものツキノワグマが殺され続けています。殺される理由のほとんどが「クマが人を襲った」「クマが住宅地に現れた」など、人身事故を恐れてのことですが、そもそも山を荒廃させてクマの食べ物を奪ったうえ、ゴミなどを放置して、人の住む所には食べ物があるという認識をクマに植え付けるなどして、クマが山からおりてくる原因を作っているのは人間です。射殺では根本的な解決になりません。人身事故防止を徹底するのはもちろんのこと、クマの生息地を整備し守っていくなど、行政が全力を挙げて効果的な保護対策を早急に講じなければ、手遅れになってしまうのです!