※2003年に行ったキャンペーン

トヨタが 新車の景品に子犬を!

〜JAVAの抗議で中止になる〜

「新車ご成約の方には、景品として5種類の子犬をご用意しております」---こんな非常識な広告が、新聞の一面に大きく掲載されました。子犬プレゼントを企画したのは、トヨタ販売店の「ネッツトヨタ帯広」。企画内容は、「ネッツトヨタ帯広が5周年記念のキャンペーンとして行うもので、新車を契約した人に、好きな商品を一点ずつプレゼントする。その商品として、テレビ・MDコンポ・米100キロなどとともに、コーギー・シーズー・柴犬など5種類の子犬が用意されている。希望者が多い場合は抽選で決める。子犬たちは、キャンペーン期間中、他の景品と一緒にネッツトヨタ帯広のアムズ店内に展示される」といったものでした。
キャンペーンが行われるのは、この情報がJAVAに入った翌日。JAVAは、直ちに、強く抗議したうえで企画を中止するよう要望。その結果、ネッツトヨタは、キャンペーンの途中で急遽、子犬プレゼントを中止しました。

「動物」を景品にすることの問題点

(1)青少年による凶悪犯罪が重大な社会問題になっている現在、多くの事件においてその前段階で動物虐待が行われていた事実が明らかになっており、凶悪犯罪と動物虐待には深い関連性のあることが指摘されています。子供たちに生命の大切さを教え、動物を思いやる心を育む教育が、今最も重要な社会的急務となっているのです。
このような中、社会的に大きな影響力を持つ企業が、率先して市民のモラル向上のために貢献するのは当然の責務です。
ところが、今回の「子犬プレゼント」では、使えなくなれば捨ててしまう電化製品などの「消耗品」と同様に、子犬をモノとして店内に陳列して、「テレビと子犬、どちらでも好きな景品をお選びください」と、客寄せに使っているのです。これでは、企業自ら、「子犬なんか消耗品と同じ」と宣伝しているも同然で、青少年に対して、生命軽視の間違った意識を植え付けることにしかなりません。

(2)動物を家族として迎え入れ、共に生活をしていくということは、決して簡単なことではなく、事前に準備や家族の合意が必要なのはもちろんのこと、将来にわたっての経済的な負担など、つまり、子供が一人増えるのと同じくらいの決意が必要です。
「子犬がタダでもらえる」と軽い気持で申し込んだり、あるいは、抽選で無作為に選ばれた人たちに、動物を飼う準備や心づもりができている可能性はほとんどなく、終生愛情飼育ができる保証は、極めて低いと言えます。
飼い主の勝手な理由で捨てられ殺処分される犬猫は、年間60万匹近くにものぼっており、これは、いかに「動物を安易に飼う人が多いか」を表していると言えるでしょう。
「安易に動物を飼うことは、安易に動物を捨てることにつながる」のであり、動物を景品としてプレゼントすることは、安易に動物を飼うことを勧めているのと同じです。それは即ち、捨てられ殺される不幸な動物を増やすことを助長しているのと同じことなのです。