※2005年に行ったキャンペーン

和歌山県白浜町で、捕獲したサルを水没殺
JAVAが町長らを刑事告発

「和歌山県白浜町役場の職員と白浜町椿温泉観光協会員が、有害獣駆除の目的で捕獲したサルを農家の水槽に檻ごと沈め、虐殺を繰り返していた」という想像を絶する惨い実態が発覚。これに対しJAVAは、関係者全員を刑事告発しました。

[事件の概要]

鳥獣保護区に指定されている和歌山県白浜町にある椿野生猿公園には、現在約100頭のサルが生息しています。この公園では40年程前から、サルを観光の目玉にするため餌付けを行い、ピーク時には330頭ものサルが生息していました。しかし、入園者の減少で休園。その後、サルに与える餌の量を半分に減らすなどして、繁殖を抑制していました。

白浜町では、農作物被害の通報を受け、 サルの捕獲許可を持つ地元猟友会がみかん畑などに檻を設置し駆除を行ないます。このような方法で、白浜町ではこの1年間で約60頭のサルを駆除の名目で捕獲し殺処分していました。

今回判明したケースでは、そのうちの少なくとも19頭を、無免許で捕獲、駆除していたのです。しかし問題は、 免許を持っていない者が違法な方法でサルを捕獲していたということばかりではなく、なんと生きたまま檻ごと水槽につけ込み虐殺するという処分方法が長いこと平然と行なわれてきたということです。

JAVAによる聴取

JAVAでは早速、白浜町役場農林課と白浜町椿温泉観光協会の関係者に対して電話聴取を行ったところ、次のような事実が判明しました。
《白浜町役場農林課》
■ 町と猟友会が所有する2基の捕獲檻を農園内に設置し、去年の夏から1、2頭ずつ、数回に渡り合計9頭を捕獲し駆除した。

■ 通常の駆除では、町長の許可を得て猟友会の人を中心に、農林課職員2、3人がローテーションで手伝って行なう。今回は、檻の設置は猟友会の人が行なったが、処分の際、無資格の町の職員だけで行なった。

■ 捕獲したサルは、農業用の雨水を溜めておく水槽で水没死させていた。死体は、ビニールなどに移して、職員が町の動物の焼却炉に運んで焼却した。

《白浜椿温泉観光協会》

■ 約4年前から、公園内のサル約10頭を、協会が所有する檻を使って無許可で駆除していた。

■ 捕獲したサルは、協会員が運んで水に浸けて殺していた。最初の頃は川に沈めていたが、その後、農家の水槽にした。死体は町の処分場で焼却。駆除作業は、会長を中心に、協会の役員だけで行なっていた。

行政不信につながる県の対応

和歌山県は当初、報道機関に対し、「刑事告発を検討している」としていましたが、結果は白浜町長と椿温泉観光協会長に対して勧告文を出しただけで、告発どころか行政処分さえも行ないませんでした。勧告文には、町職員や椿温泉協会員が鳥獣保護法に違反していたことが明記されていたにもかかわらず、処罰などが全くない簡単な紙切れ一枚を発行しただけで済ませてしまったのです。

JAVA 即座に刑事告発

責任の追及を行なわない無責任な和歌山県の処置に対し、JAVAは即座に反発し、白浜町役場と椿温泉観光協会を、「鳥獣保護法違反」と「動物愛護法違反」で告発する手続きを進め、9月10日、和歌山地方検察庁へ告発状を提出しました。
法律を遵守し、命の大切さを町民に啓発する立場にありながら、動物の命を命とも思わない残酷な方法で殺害するといった違反行為を繰り返し行なっていたことの責任は重大です。
白浜町や観光協会が行なっていた「意識が明瞭な状態のサルを檻に閉じ込めたまま水に沈め溺死させる」という残酷極まりない殺処分方法は、動物愛護法(同指針)に違反しているだけでなく、人道上からみても決して許されない行為です。

元々の原因は人間側に

サルが食べ物を求めて人里におりてきて、農作物を荒らす原因は、元はと言えば地元の観光事業が招いた結果なのです。
観光目的で野生のサルを餌付けして数を増やしたあげく、観光客に噛み付く事故が続いたり農作物を食べたりすると、自治体は苦情対策としてサルの駆除に取り掛かかることになります。一方、おいしいみかんやイモを餌としてもらっていた野猿公園のサルは、餌がもらえなくなれば当然、みかん畑を荒らすようになってきます。そんなことは火を見るより明らかだったはずです。
ところが白浜町は、「現在の事態を招いたのが、目先の利益だけを優先したお粗末な施策の結果であり、全ては町の責任である」ことを、全く認識していません。勝手に餌付けをして山からサルを呼び寄せておきながら、増えすぎたから、農作物に被害を与えたからといって、水に浸け溺死させる残酷な殺し方をするとは言語道断です。
このような町の姿勢では、全く何も問題を解決できないばかりか、子供たちに対する教育上も多大な悪影響を与えることは明らかです。

白浜町と観光協会へ要望書を提出

JAVAは、「動物をモノのように扱い、排除するのではなく、尊い命あるものとして、動物たちと共存していくことの必要性、弱者をいたわる心の大切さなどを町が十分に認識し、必要な予算をかけ人道的な具体的施策を講じること。サルを捕獲して殺処分するという安易で場当たり的な方法ではなく、根本的な問題解決に全力をあげること」などを求める要望書を白浜町と椿温泉観光協会に提出しました。

みなさんの声も届けてください

今回の違法捕獲と虐殺に対し、みなさんからも白浜町と椿温泉観光協会に「駆除反対」の声を届けてください。町も観光協会も違法行為をやっておきながら、まったく反省の姿勢を見せていません。サルを殺して安易に解決を図ろうとする身勝手な町と観光協会、そして、それを黙認している和歌山県に対し、抗議や要望を行なってください。このような悲惨な状況をなくしていくためには、多くの方の声が必要です。サルを守るために、わたしたちができることを一緒にやっていきましょう。

【要望先】

和歌山県白浜町 立谷誠一町長
〒649-2211 和歌山県西牟婁郡白浜町1600番地
TEL0739-43-5555(代表)
FAX0739-43-5353(代表)

白浜町役場 農林課 (富田(とんだ)事務所内)
TEL0739-43-0009(代表)
e-mail:tondajim@town.shirahama.wakayama.jp

今回駆除を実行していた椿温泉観光協会は、公園内が事務所になっていますが、現在は休園中のため、事務所がない状態です。そのため、観光客としての抗議、意見は、町役場企画観光課へお送りください。
白浜町役場 企画観光課
〒649-2211 和歌山県西牟婁郡白浜町1600番地
TEL0739-43-5555(代表)
FAX0739-43-5353(代表)
e-mail:kikakukanko@town.shirahama.wakayama.jp

和歌山県庁  木村良樹知事
〒640-8585 (県庁専用、住所の記載不要)
TEL:073-441-2034(知事公室 広報室)
FAX:073-441-2020(和歌山県庁広報室「県政ポスト」係)
e-mail:https://www.pref.wakayama.lg.jp/secure/teigen/teigen.htm