※2006年に行ったキャンペーン

比叡山のサル駆除計画 続報

全国からの声を受け、「殺したくない」と大津市長。しかし、駆除計画は続行

昨年、滋賀県の比叡山のふもとに生息するニホンザルたちの駆除計画が持ち上がりました。そして、今まさにサルたちは殺されようとしています。

【駆除計画の概要】(過去の新聞報道より)

■比叡山のふもとの大津市で、サルが人を威嚇したり、民家に侵入したりしているといった住民の苦情を受け、滋賀県は昨年、駆除関連予算を計上した。
■滋賀県や大津市が駆除対象としたのは、山すそに生息し、住宅街に出没しているのが確認された50頭前後の群れ(大津E群)。
■延暦寺を守護する大津市の日吉大社では、ニホンザルは神の意思を伝える使い「神猿(まさる)」と呼ばれてきた。
■研究者が研究目的で餌付けしていた時期もあり、大津市も約8年前まで集客などのため、市街地から比叡山山頂に続くドライブウエー付近で餌付けしていた。
■当初、昨年秋にも駆除を始める予定であったが、駆除対象としている群れが京都方面へ移動したため、 駆除方法を再検討していた。
■ 今年2月19日、大津市は、群れのうち、13頭を駆除する方針を明らかにした。そして、3月14日、滋賀県が大津市に対し、駆除許可をおろした。

大津市が、飼育と駆除の二重政策を発表

JAVAでは、再三、大津市と滋賀県に対し、決してサルを殺すことなく、被害を防ぐよう、強く求めてきました。
全国から寄せられた「サルを殺さないで」の声を受け、3月16日、大津市長は、「1匹も殺したくない。命の尊厳を子どもに教えている」として、「サルを捕獲し、オリで飼育する」との方針を発表しました。
このように市長が、「殺したくない」「命の尊厳は大切」といった考えを打ち出したことは評価できます。しかし、残念ながら、駆除許可のおりた13頭の銃殺計画は撤回されておらず、問題が全面的に解決したわけではありません。
銃器使用が可能なエリアにサルが現れるなどの条件が整えば、すぐにでも13頭の駆除は実行されてしまうという深刻な状況は続いています。


駆除と群れの排除では被害はなくならない

サルによる被害は、殺したり、捕獲してオリに入れるなどして群れを取り除くことでは防げません。駆除によりその群れの力を弱めたり、また群れを取り除いてしまうと、別の群れがそのエリアに入ってきて、被害はなくならない、といった指摘、報告がされています(比叡山一帯など大津市内には8つの群れが存在します)。
滋賀県も「県内の市町村でサルの駆除をしているのに、被害が横ばいなのは、銃器駆除により、群れが分裂し被害を受ける回数が増えたり、周りの群れがやってくるなどのため」としています(滋賀県の資料「農作物を荒らすサルとうまくつきあっていくために」より)。  
サルによる被害を防ぐには、最も効果がある方法とされている電気柵や、サルが登りにくいように工夫されたネットで住宅地や農地に侵入をさせないようにして、同時に、発信器などをつかってサルの行動を把握し、計画的な追い払い、追い上げをする、などの作業を根気よく行っていくことが重要です。
すでに、捕獲したサルの飼育をしている青森県むつ市は、「野生のサルを飼うと山に戻せない。狭い空間でストレスも出てくる」といった指摘をしています。


原因を作っているのは人間

そもそも今回のように、サルが餌を求めて山からおりてくる原因は、山を荒廃させてサルの食べ物を奪い、さらに、餌付けによってサルが人慣れし、人の住む所には食べ物があるという認識をサルに植え付けてしまったことなど、すべては人間の側に責任があります。それにも関わらず、「住宅地に出てきている」「被害が出たから」と今度は駆除をするというのは、あまりに身勝手で残酷な行為です。また、「邪魔者は殺してしまえ」という考え方は、教育上も大きな問題があり、決して許されることではありません。


引き続き駆除に反対する声を届けてください

サルによる被害ばかりが主張され、さらに、サルを「暴れ者」「悪者」として扱った多くの報道により、駆除を求める声が大多数を占めています。しかし、そのような中、地元にも、「サルがもともと住んでいた地域。見守る気持ちが大切」と駆除に反対し、大津市に申し入れに行ったり、大津市が開催したシンポジウムに参加し、駆除に反対する意見を述べるなど、積極的なアクションを起こしてくださっている市民の方々もいらっしゃいます。

大津市にこれまで以上の努力と、殺さない対策の徹底を実践してもらい、サルたちが山で暮らしていくことができるように、今一度、駆除に反対する声を届けてくださいますよう、お願いいたします。


<大津市役所>
〒520-8575大津市御陵町3-1
TEL:077-523-1234(代表)
市長:目片 信 
「市民の声」メール:http://www.city.otsu.shiga.jp/voice/index.htm
の「市民の声のページ」にアクセスすると、メールフォームが表示されます。

担当部署:産業観光部猿害対策室
TEL:077-528-2815(直通)
E-mail:otsu1605@city.otsu.lg.jp(直通)