動物実験の過ち
〜動物実験はミスリーディングにつながる〜

動物実験はミスリーディングにつながる

動物実験をしている研究者たちは、「動物実験によって医学が進歩したのだ」と、よく主張します。

しかし、これとは全く逆に、「動物実験こそが、医学の進歩を遅らせているのだ」「動物実験によって得られた誤ったデータが、治療に誤った知識をもたらし、医学の進歩を遅らせている」として、動物実験に反対している医者や科学者による団体が、欧米にはいくつもあります。

実際に、動物実験で安全とされた薬で激しい副作用が起った例はいくらでもあるように、「ヒトと動物では身体の代謝機能が異なるために、薬物に対する反応も当然違ってくる。動物実験で得られたデータの多くは、人間には当てはまらない」と彼らは主張しています。

アメリカの科学者によって組織された団体「MRMC(医学研究改革委員会)」は、動物実験はミスリーディングにつながるとして、動物実験を科学的な見地から次のように批判しています。

「げっ歯動物と人間との間の、解剖学的、生理学的、病理学的な数多くの様々な違いを考えた場合、ラットやマウスにおける毒性が人間の場合と異なることは、きわめて当然だといえる。・・・これらの分析から、人間以外の動物の毒性データを人間に当てはめることは、間違った方法であることは明白であろう。・・・この問題に答えるためには、人間のデータが必要であり、そして、人間のデータがあれば、ラットのデータは不必要なのである」

薬の副作用で52人が死亡

マウス、豚、犬、猿、ラット、ウサギを用いた動物実験による安全性テストをへたにもかかわらず、ある薬を使用したことにより、52人の死者が発生した。この薬は、1997年にヨーロッパで発売されたコレステロール値を下げる薬(cerivastatin)だが、現在、この薬は市場から撤収されている。

動物実験(目、生殖機能、胎児毒性など)の結果、cerivastatinは、「総合的に、コレステロール値を下げる作用のある他の薬と毒性の面では変わりがない」と判断され、認可されていた。

動物実験が、ミス・リーディングにつながった一例である。

ラットの犠牲は無駄に終わった

二年の実験期間中、ラットは“ゆり”から作られた薬剤を毎日注入された。その結果、半数の雄と1/3のメスのラットが骨肉種にかかって死んだ。ところが、「ラットの骨は人間と異なるため、ラットの実験による結果を人間に当てはめることはできない」とメーカー側は指摘した。つまり、動物を苦痛にさらしたこの2年間は無駄だったのである。

その後、この実験は猿に対して行われ、それから人間の被検者に行われた。どちらの実験でも骨肉種にかかったという報告はなかった。

ニコチンパッチはマウスに有害?

ニコチンパッチは人間に対する安全性が確認されているにもかかわらず、今もなおマウスでの実験が行われている。

研究者たちは、がんを引き起こす要因はニコチンも関係あることを、マウスの実験から結論づけた。その研究チームは、まず実験室でヒト細胞培養を用いて実験を行い、増殖能力の増加とより長く生存できるようになることを発見した。次に彼等は、病気を患っているマウスの皮下にニコチンパッチを置いた場合はどうなるのか、を調べる必要があると考えた。案の定、マウスは、腫瘍が増大し動脈壁に脂肪が付着するなどして状態が悪化した。しかし、ニコチンパッチは、既に人間に使用されているのである。

犬は偏頭痛にかからない

ケント州サンドイッチ
フィッツァー中央リサーチ研究所では、すでに人間に対しての臨床試験が行われている抗偏頭痛の新薬の効果や副作用を、既に使用されている抗偏頭痛薬と比較するために、ラットや犬を使った実験を行っている。

麻酔をかけられた犬は胸を開かれ、薬が注入され、心臓と血管にどんな影響が現れるかが観察される。ラットを使った実験では、頭蓋骨にドリルで穴を開け、薬を注入する間、神経に電気刺激が与えられる。

しかし、ラットの神経炎抑制に類似薬が有効であったとしても、それが偏頭痛治療に効果的であるとは言えない。しかも、この二つの薬の効力については、人間の動脈細胞を取り出す方法で実験され、評価済みなのだ。

研究者たちも「長期にわたる臨床経験によってのみ、是非が分かる」と、動物実験の信頼性を否定している。偏頭痛は、現在分かっている限り、人間にしか発生しないのだから。

(Campaigner Sept/Dec 2001)

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