<米国>BUAVが英国軍に対して動物実験の停止を要求

2013年10月1日

英国の動物保護団体BUAV(英国動物実験廃止連合/現CFI)は、英国ウィルトシャー州にある最高機密扱いのポートンダウン軍事研究所(以下ポートンダウン)で行われている、残酷な動物実験の証拠を公表し中止を求めた。 

ポートンダウンでは毎年、ブタ、サル、モルモット、ネズミなど数千頭の動物を使って、動物に酷い苦痛を与え、そのあげく殺すという実験を行っている。中には、動物に治療や痛みの軽減処置が施された報告のない実験もある。また、米国の防衛機関と共同で出資して行われている実験もある。 

以下は、過去2年間に科学誌に掲載されたポートンダウンで行われた実験である。

  •   ホスゲンは有毒ガスであり、硫黄マスタードガスは皮膚にただれと水泡を引き起こす毒物である。硫黄マスタードガスを用いた実験は米国国防省が出資している。ホスゲンや硫黄マスタードガスを使用した実験ではブタに麻酔をかけ、それぞれの有毒ガスを肺に吸い込ませる。肺の損傷が余りに酷く死にかけていた場合には、ブタはすぐに殺されて解剖され、そうでなかった場合は、実験後殺された。 
  •   酷い爆風損傷を与えるため、麻酔をかけ毛布にくるんだブタを爆発物から2.5メートル離れたカートに載せた。そして遠隔操作により爆発を起こした。 直後、研究者はブタの下肢の動脈から全血液の30%を抜き取り、ブタが蘇生するかどうかを試みたが、28頭のうち、11頭は死亡した。最終的には全てのブタは殺され解剖された。 
  •   細菌兵器として使用される死亡率の高い高伝染性の炭疽菌を、麻酔をかけたマーモセットに吸い込ませるため、10分間、チューブの中に拘束した後、10日間、抗生剤を与えた。4頭が重篤な感染症となり死亡し、他のマーモセットも最後には殺され解剖された。マーモセットは死の直前まで大変苦しんでいたが、苦痛の軽減などの処置は報告されていなかった。この研究は米国国防高等研究計画局(DARPA)の出資によるものであった。 
  •   化学兵器として使用され、心臓麻痺、呼吸困難、意識混濁、死に至る重篤な機能障害を起こす非常に強力な神経ガスを、モルモットに浴びせた。毒に犯された症状が現れた時、何匹かは治療を受けたが、他は何の治療もされずに放置された。治療を施されなかったモルモットは、神経ガスを浴びせられてから24~48時間の間に全て死亡した。 解剖により、神経ガスによって彼らの腸はねじ曲がり、とても痛々しい状態であることがわかった。治療を施されて生き残っていた数匹も一週間内に死に、それでも生き残っていたモルモットたちも解剖され、肺に出血、腫れ、過剰な体液の蓄積などの致命的な損傷を受けていることが分かった。 
  •   マウスに腺ペスト原因となるペスト菌を接種する実験を行った。マウスに様々な濃度のワクチンを接種した49日後に、ペスト菌を接種し、14日間観察した。何匹かはペストによる痛みで苦しみながら死んでいった。この実験は、米国のメリーランド大学との共同で行われ、米国国立衛生研究所(NIH)よる助成金を受けていた。  

BUAV代表ミッシェル・シュー氏の声明

日々増加する危険に満ちた世界において、軍人と一般人の安全確保の必要性は支持するが、動物たちにこのようなおぞましい残酷な実験を行い苦痛と死をもたらすことに対しては、BUAVは断固反対する。我々はこのような動物の扱いを絶対に容認できない。

BUAV(British Union for the Abolition of Vivisection)のウェブサイトより

(翻訳:JAVA翻訳チーム)

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