JAVA:NPO法人 動物実験の廃止を求める会(Japan Anti-Vivisection Association)

ENGLISH

JAVA ホーム > 海外ニュース > <米国>神経疾患研究に使う「ミニ脳」を開発

お知らせ

<米国>神経疾患研究に使う「ミニ脳」を開発

2016年2月11日

米国のCAATの研究者、神経疾患研究に使う「ミニ脳」を開発

~ヒト由来の組織を使えば、より優れた研究への道を開き、動物実験を減らすことができるかも知れない~

※CAAT;The Johns Hopkins Center for Alternatives to Animal Testing/ジョンズ・ホプキンス大学動物実験代替法センター

ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生学部の研究者たちは次のように語っている。「我々は、ヒトの脳内に存在するニューロンや細胞から成り、さらに脳のいくつかの機能を持つ“ミニ脳”を開発した。そして、それを大量に複製することもできる。この“ミニ脳”は、新薬の有効性と安全性を検証する実験方法を劇的に変え、アメリカの神経科学研究のために使われる何十万もの動物に取って代わるものになるだろう。この三次元の“ミニ脳”は、8週間で自ら成長して脳のような構造を持つ細胞の球になる。この“ミニ脳”を使って行う研究は、げっ歯類の代わりにヒトの細胞に由来するものを用いるため、マウスやラットで研究するよりも格段に優れた研究になるはずである」

この研究のリーダーであるトーマス・アルトゥング(Thomas Hartung)博士(ブルームバーグ公衆衛生学部の「証拠に基づく毒物学」の講座を担当する教授)は次のように述べている。

「動物で実験したときには見込みがあるとされた新薬の95%は、膨大な費用と時間をかけてもヒトに使われると、うまくいかない。げっ歯類は役に立ってはきたが、ヒトは体重150ポンド(約68キロ)のラットではないのである。もちろん、ヒトは細胞の球ではないが、この球からは、げっ歯類からよりもずっと優れた情報を得ることができる。脳研究の未来は、動物に依存するよりも、ヒトの細胞を基本にしたモデルに依るものになると我々は確信している」

この“ミニ脳”を創り出すために数人の健康な成人の皮膚から取った細胞が使われたが、アルトゥング博士によれば、ある種の遺伝的特性を持つ人や患者から得た細胞は、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、さらには自閉症の研究にも利用できるという。ウィルス感染症、トラウマ、脳卒中の研究プロジェクトもすでに始まっている。

“ミニ脳”は、直径が0.35mm、ハエの眼球ほどの大きさで、人の目でやっと見えるほどのごく小さなものであるが、一回のバッチ処理で、数百から数千も複製することが可能である。実験室で、同じ一枚のシャーレの中で、100の“ミニ脳”を成長させることも容易である。

アルトゥング博士は言う。「我々のミニ脳”は、最初のものでも、最高のものでもないが、最も規格が統一された脳モデルである。新薬試験のとき、最も相対的で正確な結果を必ず出すためには、検証中の細胞が可能な限り類似していることが絶対に必要なのである」

アルトゥング博士は、現在“ミニ脳”の特許を申請中で、同時に“ミニ脳”を製造するためのORGANOMEという名の製品開発を進めている。「できるだけ多くの実験室で研究者に使わることを楽しみにしている。このような脳モデルをいつでも、どの実験室でも持てるようになってはじめて、動物実験に取って代わることができる」と述べている。

 http://altweb.jhsph.edu/news/2016/minibrains.html

ページ上部へ戻る