JAVA:NPO法人 動物実験の廃止を求める会(Japan Anti-Vivisection Association)

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お知らせ

子ども向け科学講座で「ブタの臓器の解剖」

<東京・渋谷区> 子ども向け科学講座で「ブタの臓器の解剖」
二度と行わないよう働きかけを!

東京都渋谷区にある「こども科学センター・ハチラボ」で7月10日(日)、ブタの臓器を解剖する講座が行われました。ハチラボは、子どもにさまざまな科学実験などを体験させる渋谷区が運営する施設です。
JAVAは実施前に中止を求めましたが、渋谷区は強行し、廃止する考えもありません。


区報に出ていた講座の告知

●ハチラボ講座「ブタの臓器・器官から読み解くヒトの体のつくり」

[用いたブタの部位]心臓、肺、腎臓、肝臓、胆のう、舌、食道、胃、小腸
[入手方法]卸問屋から購入
[部位ごとの使用数]各5組
[目的]ヒトの臓器や器官のつくりやしくみについて、ブタの臓器・器官から学ぶ。
[内容]講座や実験の概要を説明⇒各臓器を観察したり、実際に触ってみる⇒ワークシートに記入⇒各臓器を廃棄
定員 15人(抽選)

実施した解剖講座の詳細(JAVAが渋谷区から得た情報)

日時 7月10日(日) 14:00~16:30場所 こども科学センター・ハチラボ
内容 ブタの臓器や器官を観察し、呼吸や消化の仕組みを学ぶ
講師 都立小山台高校教諭 飯塚慎氏
対象 在住・在学の小学校6年生~中学生(中学生優先)
定員 15人(抽選)

死体・臓器の解剖にも問題がある

「死体・臓器の利用」であれば、その動物に痛み、苦しみ、恐怖を味わわせるといった問題はありませんが、その動物たちは寿命をまっとうしたのではなく、人間によって殺されたことをまず考えなければならないでしょう。死体を解剖するということは、その前段階において、その生き物を殺す行為(今回の場合は食用のためにと畜された)が必ず必要になるわけです。つまり、死体の解剖を良しとするなら、生き物を殺す行為をも容認することになるのです。

ましてや、小中学生のような多感な時期の子どもが、高校教師の指導で行われる区の講座に参加したら、「食べているものなんだから、感謝すれば何をしてもよい」「動物の体を解剖するのはよいこと」という誤った認識を持ちかねません。そういう認識を持ってしまったら、子どもたちは弱い立場の動物を慈しむ気持ちに蓋をするようになり、殺すことや切り刻むことに無感覚になることが懸念されます。そして、「自分でカエルや魚を捕まえて解剖してみよう」「車に轢かれた猫の死体を解剖してみよう」と考える子どもが出てくる可能性もあり、今後、どのようにエスカレートするか計り知れません。

さらに、近頃、人間の遺体をバラバラにして棄てるといった猟奇的な犯罪が多発しています。それに関して、評論家などは、人々の道徳心が希薄になり、遺体への畏敬の念が薄れてきたため、と指摘しています。死んでいるのだから何をしてもよいという感覚は、命を軽視することに繋がるものであり、極めて危険な発想です。 渋谷区の解剖実習はつまり、そのような恐ろしい考え方を子どもたちに教えているのも同然であることを区は理解すべきなのです。

区は解剖を強行

JAVAでは、渋谷区長に対し、死体・臓器の解剖の問題点を指摘し、事前に講座の中止を求める文書を提出しました。しかし、JAVAに対する渋谷区の回答は、次のようなJAVAが指摘した問題点に答えていないばかりか、到底納得できるものではありませんでした。そして、解剖講座を強行したのです。

★渋谷区要望回答

区の回答に対するJAVAの反論

【反論①】  「学校では経験できないことを経験させる」ために解剖をさせることは、教師の信念を否定する
区長の回答は、「最近は、解剖実習を行う学校が減ってきている。だからハチラボで体験させる」と解釈できます。動物愛護意識が徐々に向上し、また教育現場で命の大切さを教えることの重要性が言われてきて、それが解剖実習の減少につながっていると考えられます。減ってきているから、あえて体験させるというのは時代錯誤もいいところです。
どのような方法で動物の体の仕組みを学ばせるかは、学校・教師が決めることができますが、なかには「子どもたちに、解剖のような行為をさせたくない」という高い倫理観をもって解剖をあえてさせていない教師もいます。そのような学校・教師の方針を、この講座は否定し、侵害するものです。

【反論②】 解剖ではない「理科離れを食い止めるための見て、触れての体験」はさまざまある
理科離れが指摘されていて、その対策として、「観察や実験に力を入れる」ことが国の方針でも出されています。
講義を受けるより、子どもたちは実際に観察・実験することに興味を示すでしょう。だからといって、解剖をさせてよい理由にはなりません。
生物分野の「観察・実験」なら、たとえばフィールド観察にて、野生動物たちがたくましく、懸命に生きる姿や植物の成長を観察させたり、人間の骨格やその動きを講座の参加者同士で動かしながらお互いに学んだり、学校では持っていないような学習ソフトや顕微鏡を使わせるなどの体験もできます。
子どもたちに解剖をさせる行為については、「解剖体験のショックから、科学の道に進もうという意欲をそぐことにもなりかねない」と指摘する論文もあり、子どもたちの理科離れを防ぐどころか、加速させてしまう恐れもあるのです。

【反論③】 解剖をして「医学・生物学分野への関心をもつきっかけになる」は疑問
高齢女性を惨殺した名古屋大学の女子学生は理学部に属していました。同級生を殺害した佐世保市の女子高生は、さまざまな小動物を解剖し、人間の解剖にも興味を持っていました。
「子ども達が医学・生物学分野への関心をもつきっかけになることへの期待を含めて開催する」と渋谷区は主張しています。子どもが「生物学の勉強をして世の中の役に立つ研究をしたい」「医者になって病気の人を助けたい」と思うきっかけは、苦しんでいる人、困っている人のことを知ったり、そういった人と接しているうちに湧いてくる熱意ではないでしょうか。解剖を体験して「生物学系・医療系に進みたい」と考えるようになった子どもの場合、「今度は生きた動物を解剖したい」「人間でやってみたい」という考えを持つ危険性を孕んでいると言っても過言ではありません。

これまでの医学研究の歴史においては、ブタは多く使われてきました。だからといって、子どもたちにブタの臓器を解剖させる必要性は全くなく、そればかりか医学研究においても動物を使用しない方法の開発・採用が進められています。
また、米国・カナダにある197の医学校すべてが生きた動物を使用したカリキュラムをなくしたなど、医学教育分野でも動物を犠牲にしない努力が進められており、この講座は時代に逆行しているとも言えます。

廃止に向けて、アクションを!

渋谷区の回答や解剖を強行したことを受けて、JAVAは区に解剖の問題点を厳しく追及をしたところ、今度は不都合な質問には答えないという対応をしてきました。これからも廃止に向けて追及を続けていきます。
皆さんからも、「動物もその死体も臓器も使う講座はやらないで」といった声を渋谷区やハチラボに届けてください。

 

<長谷部健 渋谷区長>
〒150-8010渋谷区渋谷1-18-21
区長への手紙専用FAX:03-5458-4900
区長への手紙メールフォーム

<区の担当部署>
渋谷区教育委員会 生涯学習振興課 生涯学習係
〒150-0042渋谷区宇田川町5-2 渋谷区役所 神南分庁舎
電話:03-3463-3049 FAX:03-3463-3822

<解剖を実施する施設>
こども科学センター・ハチラボ
〒150-0031渋谷区桜丘町23-21 文化総合センター大和田内
電話:03-3464-3485 FAX:03-3464-4785

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