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数多くの「山に帰してあげて!」の声で救出される

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砂防堤の底に落ちた2頭のイノシシ
数多くの「山に帰してあげて!」の声で救出される

2018年10月18日、朝日新聞が「イノシシ2頭、砂防堤の底うろうろ 壁登れず脱出不能に」と報じました。またテレビ西日本など他の複数のメディアでもこの件が報じられました。
それらの報道によると、2頭のイノシシが北九州市門司区の川に造られた砂防施設間に転落して、少なくとも同月12日から脱出できない状態に置かれていました。砂防施設の壁は約6メートルもあり、イノシシたちは脱出しようと駆け上っては途中で力尽き、また川底に落ちているとのこと。餌があるような場所ではなく、このままでは衰弱死もあり得る状況でした。

鳥獣保護法の規則で助けられない!?

北九州市は、マスコミに対して、「野生動物が自然界の中で今回のようなアクシデントに遭った場合、鳥獣保護法の考えでは『原則として手出しをせずに見守ることになっている』」とまるで鳥獣保護法の決まりで手出しできないようなコメントをしたのです。しかし、鳥獣保護法でアクシデントにあった野生動物を助けてはいけないという規定はありません。そもそもこの事故の原因は人間が砂防施設を造ったことであり、そのためにイノシシたちは転落し、山に戻れなくなったわけですから、これは自然界でのアクシデントではなく、人災です。鳥獣保護法の規定により、理由はなんであれ、またすぐ放すとしても捕獲する場合には捕獲許可が必要になりますが、市長が許可を出せばいいわけです。

ご存知のようにイノシシは農作物を荒らす悪者とされてしまっていて、全国的に有害獣駆除の対象になっていますが、それと今回の転落事故は別問題です。「イノシシは駆除している動物だから」として、今回のイノシシたちをじりじりと衰弱させ、餓死させるのは動物虐待に他なりません。

22日にJAVAが北九州市鳥獣被害対策課に電話で確認したところ、その日に市の担当者が現地に行っていて、状況を見たうえで今後の方針を検討するという説明でした。JAVAは上記のような理由から、この2頭を山に帰すよう強く要望しました。

アクションの呼びかけに大きな反響

市が「状況を見たうえで、今後の方針を検討する」とJAVAに説明した時点で、すでに転落から1週間以上たっていることから、イノシシの体力を考えるとあまり猶予はありません。
イノシシの救助を求めるたくさんの声を北九州市や福岡県へ届ける呼びかけも行ないました。それに対して多くの方たちから「電話しました」「メールしました」といったご報告や「拡散します」といった大きな反響をいただきました。

福岡県が動き出す!

全国からの声を受けて、やっと砂防施設を管理する福岡県が動き出しました。
JAVAが転落したイノシシたちがいる砂防施設を管理する福岡県北九州県土整備事務所に確認したところ、捕獲や麻酔銃といった方法ではなく、イノシシに自力で壁を登らせるための方法を検討しているとのこと。捕獲や麻酔銃は、少なからずイノシシたちの体に負担をかけたり、ストレスを与えるので、自力で壁を登って山に帰れる方法があるなら、それに越したことはないでしょう。
JAVAはイノシシの救出を心から願う多くの人たちとともに声を届け続けました。

2頭のイノシシ、山に帰る!

10月24日、脱出用の足場(スロープ)が組まれました。しかし、25日の夕方まで待っても警戒したイノシシたちはスロープを登ろうとはしませんでした。そのため県は、箱わな(捕獲檻)での捕獲に方法を変更。26日に捕獲を実行し、1頭が捕獲され、すぐさま山に放されました。この日、2頭目は捕獲できず、翌27日に再度試み、成功。2頭のイノシシたちは、山に帰ることができたのです!

県は再発防止のフェンスを設置 

JAVAは2頭の救出とともに再発防止策を講じることを要請していました。これに対して福岡県からは「この砂防ダムに再度イノシシや他の獣が転落することのないよう、フェンスのようなものを今後設置することとしています」との回答があり、救出からおよそ1週間後にはフェンスが設置されたことを確認しました。

設置されたフェンス

今回の件では、一般財団法人日本熊森協会 福岡県支部の方たちがすぐさま現地に出向き、直接行政にイノシシの救出を要請し続け、5日間現地に通い詰めて、2頭の救出を見届けられました。その間、JAVAに随時、イノシシたちの体調をはじめ、現地の情報を提供くださいました。
離れ離れになってしまったので再会できたのか、せっかく山に帰れたのに駆除用のわなにかかってしまわないか、など気かがりはありますが、2頭が無事に帰れたのは「イノシシたちを助けてほしい」と願い、行動してくださった皆様のおかげです。日本熊森協会の皆様、イノシシたちのためにアクションを起こしてくださった皆様に、改めて感謝いたします。
これからも苦しんでいる動物たちのために一緒に取り組んで参りましょう!

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