JAVA:NPO法人 動物実験の廃止を求める会(Japan Anti-Vivisection Association)

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さまざまな動物の命を守る

【東日本大震災】 「家族である犬や猫と暮らしたい!」

【東日本大震災レポート】

※2014年5月発行の「JAVA NEWS No.92」の記事をアップしました

「家族である犬や猫と暮らしたい!」
あの日から3年。いまも、離ればなれになったまま…。

2011年3月11日。あの日、地震、津波、火事、原発事故といった未曾有の災害が日本を襲いました。改めて、お亡くなりになられた方々のご冥福を心よりお祈りいたしますとともに、被災された皆さまへお見舞い申し上げます。
そして、たくさんの動物も命を落としました。助けられなかったことの無力感は消すことはできませんが、人災によって失われた命もとても多かったことを忘れず、その教訓を今後の災害時には必ず生かしていかなければなりません。

報道が伝えた分断生活

今年の1月29日(水)、NHK「ニュースウオッチ9」の『厳冬の飯舘村 飼い主を待ち続けて』という特集で現在の避難状況が報じられました。福島原発の事故で避難を強いられ、動物を飼えない仮設住宅に住んでいる方々の中には、犬や猫を自分の家に残してきている場合もあります。
この番組が 取材していた 福島県の飯舘村では 今も およそ 200 頭 の犬とおよそ 400 頭の 猫が飼い主と 離れて暮らしているそうです。

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2~3日におきに来る飼い主を待つ飯舘村の犬たち

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写真提供 緊急災害時動物支援ネットワーク


 

家はあれども

福島原発事故によって今も3つの避難指示区域がある福島県。幾度かの見直しが行われ、2013年4月に新たに区域分けされました。
飯舘村は、現在3つの区域に分かれていますが、原発事故直後は20キロ圏内ではなかったため、立入禁止区域にはなりませんでした。地震の被害は小さかったものの放射線量が高いことから全村避難を決行、残された犬や猫が非常に多く、世話をしようとたくさんのボランティアが訪れるようになりました。その活動は3年経った今も続けられています。しかし住民の中には、ボランティアに対して「世話をしてほしくない、信用できない」という方もいると聞きます。遠くから通って動物の世話をするだけでも大変なのに、さらに村の自警団の方や飼い主から信頼してもらうことが必要なのですから、本当に大変な活動です。もちろん一番いいのは、一刻も早く飼い主さんの元で一緒に暮らすことですから、その道を探らなければなりません。

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ほぼ毎日世話に通う人がいるところには、周りの猫たちも集まってくる。飼い主の同意を得て18頭全てに不妊手術を行ったとのこと。
写真提供 緊急災害時動物支援ネットワーク

飯舘村の事情

この報道がされた後に、飯舘村に現状を確認してみたところ、仮設住宅が動物との同居が不可である理由は、次のようなものでした。
・狭い中での共同生活で、動物が嫌いな人やアレルギーの人もいるため、同意が得られない。
・そのため、全村避難が始まった当初から、出来る限り、動物保護団体等に預けることを推奨した。

確かに、飯舘村に住んでいた方で、犬を預けたという話を聞いたことがあります。またこのJAVAの問い合わせに答えてくれた職員の方も遠方の団体に愛犬を預けたそうです(残念ながら高齢だったためすでに死亡したとのこと)。動物を預けた方がいい場合もあるでしょう。しかし離れて暮らす飼い主と動物をそのままにしておいていいはずがありません。

そのためJAVAからは、環境省が「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン(指針)」を作成し、「同行避難」を原則としたこと、富岡町と川内村では、「緊急災害時 動物救援本部」の義援金を受けて、仮設住宅の敷地にペットシェルターを建てたことなどを伝えて、再度、仮設住宅でも工夫して動物と暮らせるよう要望しました。難しい問題は多々あると思いますが、すでに3年という月日が経っていることや飼い主と動物のことを考えれば、この報道を見直すきっかけにしてもらいたいと思います。飯舘村には、ニュースを見て、やはり心配した人たちから何とかしてほしいと願う電話が入っていたそうです。

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首相官邸ウェブサイトの地図

 

仮設住宅での同居は進んだか?

震災直後から、動物と一緒に住めない仮設住宅があるという問題に対して、JAVAでは早速、全ての住宅で同居が可能だった岩手県は除き、福島と宮城の自治体に対して、2011年当時にアンケート調査を行いました。そして同居不可と回答のあった福島の9つの市町村、宮城の1つの町、合わせて10の自治体に対して要望書を送りました。

2011年当時にアンケート調査

について、詳細は以下のページをご覧ください。
仮設住宅での動物同居に関するアンケート

仮設住宅での動物同居に関するアンケート結果

「HELP!東日本大震災の被災動物たち/JAVAスタッフブログ」より

今回改めて、当時同居不可と答えた自治体の現状はどうなっているかを、調べてみました(電話による聞き取り調査/下記表参照)。

●仮設住宅における動物との同居可否(JAVA調査)

市町村

2011

2014

現状

福島県

いわき市

×

×

整備中の災害公営住宅では、1512戸中140戸を「ペット同居可」の住居とする(2014年6月~12月頃入居可予定)。ペット連れ専用のエレベーターを用意するなど、「住み分け」に配慮した構造となる。

須賀川町

×

×

現在も不可、飼っている人がいるかもしれないが把握していない。要望もトラブルの報告もない。

鏡石町

×

その後、区画を決めてペット同居可能住居を用意したが、希望がないまま現在に至る。今後同居希望者の入居者が居ればその区画に入ってもらう。

白河市

×

2011年12月からペット同居可とした。特に隔離はせず、室内飼育が条件。市に届け出と念書を出してもらった。トラブルはなし。

国見町

×

住民から要望やトラブルの報告もないが要望が出れば検討する。

西郷町

×

住民から要望やトラブルの報告もないが要望が出れば検討する。

矢吹町

×

×

要望があっても不可だが、これから建設する災害公営住宅では希望があるので検討する。

広野町

×

×

住民から要望が来たこともあるがお断りした、その後相談に乗るといったことも特にしていない。

飯舘村

×

×

現在も不可、預けることを推奨している。

宮城県

大郷町

×

住民から要望やトラブルの報告もないが要望が出れば検討する。

※xは同居不可、△は検討、○は同居可。
※避難者数はまちまちで、多いところではおよそ1,500人、一方100人以下のところもある。

JAVAからの要望を受けて、2つの自治体が動物との同居を認めるようになり、3つの町では住民の要望には柔軟な対応をしていたことがわかりました。しかし半数は、同居不可のままであったことは残念です。トラブルの報告はなかったのかもしれませんが、動物を手放したり、不便な借り上げ住宅を選んだり、泣き寝入りしていたとも考えられます。飯舘村のように問題が表面化しなかっただけかもしれません。

復興公営住宅に期待

現在、岩手、宮城、福島では避難者向けの公営住宅を建設しています。
福島県の行う「第二次福島県復興公営住宅整備計画」では、『 一部について、ペットが飼育できる住宅も整備します。』との記載がされています。これは評価できることですが、反面、次の記載がやや気になります。『建設や入居に当たっての考え方については、設置する市町村が定めます。』ここでいう『ペットが飼育できる住宅』というのは、県営の住宅に対してのことで、市町村が作る住宅はまた別の規約になるのかもしれません。

岩手県と宮城県に問い合わせたところ、宮城は「復興公営住宅は全て市町村営なので、県は関与していない」、岩手は「県営と市町村営があり、市町村は入居希望者の意向を聞いて、同居できる戸数などを決めているはず。県営も同居可能な住宅はあるが、市からの要請を受けてのこと」とのことでした。

復興・災害公営住宅は、土地の確保、自治体職員や建設作業員の不足、工事入札の不調、東京オリンピックの影響といった様々な問題で、建設自体遅れているという指摘もされています。そのように復興までまだまだな厳しい状況ですが、県営、市町村営にかかわらず、動物を連れて入居を希望される方々が全世帯入居できるように、私たちも関心を寄せ、後押ししていきましょう。

<福島県への要望先>
福島県庁
〒960-8670 福島県福島市杉妻町2-16

●復興住宅担当課
TEL:024-521-8049  FAX:024-521-9823
お問い合わせメールフォーム

●生活拠点課
TEL:024-521-8617  FAX:024-521-8369
お問い合わせメールフォーム

ハムスタープレゼントにモノ申す

犬の “ゴン太”で知られているマルカン
客寄せにハムスタープレゼントを実施 

2013年5月5日、6日に京セラドーム大阪で「ペットとの生活の素晴らしさや、ペットと暮らすことの効用を実感・体感していただけるペットイベント」という名目で、動物イベント「ペット王国2013」が行われました。そこで「ハムスタープレゼント」という、またしても動物を物のように扱った企画が行われたのです。

2013ペット王国ハムスタープレゼント

 動物を苦しめるイベント

巨大な会場には63もの企業などが出展し、毎回、数万人の来場者があります。動物の健康相談や、動物関係の法律や災害への備えを学ぶといった、評価できるコーナーもありますが、一方では、犬や猫をはじめ小動物・爬虫類・鳥類・魚類・昆虫といった、ありとあらゆる動物を展示したり、来場者に触らせたりするコーナーもあり、この「ペット王国2013」は、動物に多大なストレスを与えるイベントなのです。

そして今回、出展企業の一つである株式会社マルカンが、またしても「ハムスターのペア100組をプレゼント」という許しがたい企画を実施したのです。

 集客目的に利用されたハムスター

「11時より配布開始(先着100ペア・無くなり次第終了)」と宣伝し、雄雌ペアのジャンガリアンハムスターを来場者たちに手渡しました。マルカンは、プレゼントに抗議した市民や愛護団体に「十分に検討した来場者に、十分な事前説明をしたうえで手渡した」と主張しましたが、先着の企画では、来場者は焦り、「プレゼントなら欲しい」「タダならもらわなきゃ損」との心理が働き、十分な検討をしないでもらってしまうことになってしまいます。そして短時間のうちに、100ペアのハムスターの希望者、つまり100人もの人たちに事前説明が十分に行えるはずはありません。現にインターネット上には、説明会がたったの5分程度と短く、説明をきちんと聞いていない来場者にも配布するなど雑であったとの報告も見受けられました。

 動物プレゼント企画の問題点

 【問題点1】 安易な飼育は安易な放棄につながる

動物を家族として迎え入れ、共に生活をしていくということは簡単なことではなく、事前に準備や家族の合意が必要なのはもちろんのこと、将来にわたっての経済的な負担も覚悟しなければならないのは、皆さんもご存知のとおりです。

具体的なハムスターの飼育においては、次のような準備や心づもりが必要です。

  •  寒い地域原産の動物であるため、暑さに弱い。寒さについても気温が低すぎると冬眠のような状態になり、健康を害するので、厳重な温度管理が必要(適温は20~25度)。クーラーによる室温の下がりすぎも危険。
  •  採光、通気、換気のよい、十分な広さのケージで飼育する。
  •  穴を掘って巣穴生活をする動物なので、巣箱が必要。
  •  運動や砂遊びをするため、はしご、車輪などのいろいろな運動具や砂が必要。
  •  そのほか、食器、水入れ、床材、トイレ、ヒーター、かじり木なども必要。
  •  1日1回はトイレの全部取り換え、週1回は床材の全部取り換えが必要。
  •  6週齢から妊娠可能で、約20日という短い妊娠期間で、一度に約5匹出産することから、繁殖制限は重要。
  •  単独生活を好むため、また喧嘩や過剰繁殖を防ぐため、1ケージに1匹の飼育をする(マルカンのホームページにも「1つのケージに1匹での飼育が基本です。」と掲載されています)。

今回の企画のように、「タダでもらえるから」などと安易にハムスターをもらった場合、飼い主に、こういった準備や心づもりができている可能性は少なく、終生愛情飼育ができる保証は極めて低いと言わざるを得ないのです。

【問題点2】 市民が動物飼育を安易に考え、モラルの低下を招く

捨て犬猫を保護し、里親探しをするボランティアの方たちは、譲渡した動物が不適切な飼育や放棄をされたり、虐待目的で欲しがる異常者などにだまし取られることのないよう、譲渡希望者に対しては身分証明書の確認をはじめ、「家族全員が賛成しているか」「飼育不可の住宅ではないか」「家族に動物アレルギーの人がいないか」「きちんと健康管理をできるか」「写真をつけて定期報告をできるか」などを約束させています。そして、最終的には里親の自宅を訪れて自分の目で確認してやっと、譲渡するにふさわしい家庭として、審査に合格させるのです。

自治体の譲渡システムでも、事前に里親の審査を行い、講習会の受講を義務付けるなどしているところが多くあり、これは「安易に動物を飼う人が、安易に動物を捨てる」という事態を防ぐためであることは言うまでもありません。

これらのことは犬猫だけでなく、ハムスターの飼育においても当てはまることであり、飼い主になる者の責任の重さはどの動物に対しても同じであると言えます。

さらに、ハムスターを客寄せの景品としていると思われても致し方ない宣伝文句で広告を出している以上、その広告を見た多くの人が、「動物を景品にしても構わない」「ペット関連の企業が景品にするくらいなのだから、ハムスターなど簡単に飼えるもの」と思うのは当然であり、このような広告や企画が社会的モラルの低下を招くことは否定できません。

 【問題点3】 ペアでの譲渡は過剰繁殖に繋がる

ジャンガリアンハムスターが約20日という短い妊娠期間で、一度に約5匹出産するという、犬猫とは比べ物にならない高い繁殖力を持っていることを考えても、また、ハムスターは1ケージ1匹で飼育すべきであることを考えても、マルカンがペアでプレゼントしたことは、非常に無責任な行為です。【問題点1】で指摘したとおり、ハムスター飼育のために必要な用品をきちんと準備してからハムスターをもらった家庭があるとは思えず、ましてや2匹を別々に飼うために、2セット用意しているとは考えられず、ハムスターをもらった家庭では適切に繁殖制限を行えずに、過剰繁殖状態に陥ってしまう可能性は大いにあるのです。実際、前年、マルカンの「ハムスタープレゼント」でもらい、その1か月半後には6匹も産ませてしまったとブログで報告している人もいます。

【問題点4】 イベント会場では、動物は大きな負担を受ける

イベント会場で生体を扱うと、動物たちは遠距離を移動させられたり、大勢の人たちが集まり騒がしい中に長時間置かれ、十分な給餌給水を受けることも、休むこともできず、心身共に計り知れない程のストレスを受けます。プレゼントであれ、販売であれ、展示であれ、そもそもイベント会場において動物を扱うこと自体に多大な問題があるのです。

 忘れられた生き物目線

株式会社マルカンは、生体販売を始め、ペットフードや飼育グッズなど、幅広く展開している企業です。ペットフードのキャラクター、犬の「ゴン太」と言えば、テレビコマーシャルを思い出される方もおられるでしょう。マルカンは、動物の生態や飼育に関する豊富な知識を有しており、消費者に対して適正飼育についての情報を提供したり、アドバイスする立場なのです。同社のホームページには、動物の生態について説明するページもあります。動物を熟知し、動物と人との良い関わりを考えるのなら、生きものの目線に立つことを優先するのが当然であり、単に集客目的のために、命ある動物を「景品=物」として扱う企画を実施したことは、あまりにも軽率としか言いようがありません。

 JAVA、マルカンに再発防止を要請

JAVAはこれらの問題点をマルカンに対して指摘したうえで、動物プレゼントを二度と行わないこと、ハムスターを渡した人たちに、今後も飼育上の適切な指導を続け、責任を持って終生愛情飼育をさせることを強く要請しました。また、「ペット王国2013」の主催者であるエコートレーディング株式会社、後援をしていた大阪府に対しても同様の問題指摘を行いました。

エコートレーディングからは、「企画に関して問題点が多いとのご意見をいただいておりますこともあり、今後の実施に関しては検討して参る所存であります。」との回答が、大阪府からは、「株式会社マルカンに対しては平成25年5月10日に、主催者に対しては平成25年5月22日に改善を図られるよう求めました。」との回答がありました。

肝心のマルカンは再三の督促にもかかわらず、現時点(2014年3月17日)では回答をしてきていません。ほとぼりが冷めるまで、言明を逃れようとしているとしか考えられません。

マルカンが問題をきちんと認識しなければ同じことを繰り返していく恐れがあります。動物を取り扱うマルカンに対しては動物プレゼントのような、命を軽んじることは二度と行わないよう、強く求めていく必要があります。

 

■株式会社マルカン■

代表取締役社長 松本幸彦
〒532-0011 大阪府大阪市淀川区西中島7-1-26 オリエンタル新大阪ビル12F
電話(お客様相談室) 072-931-0345
(受付時間 平日のAM 9:00~12:00 / PM 1:00~4:00)
Eメール marukaninfo@mkgr.jp
(メール受信時間 平日のAM9:00~PM4:00)

博物館での死体解剖イベント、中止となる!

埼玉県立自然の博物館(以下、博物館)で、2月8日(土)に、交通事故死した動物の死体を解剖するイベントが行われることが発覚しました。JAVAや多くの方からの抗議を受け、博物館は解剖の中止を決定しました。

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死体解剖イベントの内容とは

下記は、自然の博物館がホームページに掲載したこのイベントの告知です。

2月のイベント
自然史講座
2月8日(土)
筋肉の作りを知ろう
【内容】動物の体の中をのぞいてみよう。動物を解剖して、筋肉のつき方や内臓の位置を学びます。
【時間】10:00~15:00
【場所】自然の博物館 科学教室
【対象】高校生以上
【定員】10名(定員を超えた場合は抽選)
【費用】200円

この告知を見たり、博物館に問い合わせたりした市民の方々から、JAVAには次のような情報や意見が寄せられました。

  •  いくら死体だといっても命があったものなのだから、切り刻むなんて良くない。
  •  死体はモノじゃない。解剖をやめさせてほしい。
  •  高校生にそんな体験をさせるとは非常識。
  •  解剖の対象となる動物は、博物館が保管している交通事故死したタヌキやハクビシンの死体の予定。
  •  筋肉の観察がメインになるので、ある程度、皮をはいでから見る。余裕があれば内臓の観察も行う。
  •  10:00~15:00と長丁場になるのは、慣れていないとお腹にメスを入れて開くだけで午前中いっぱいかかる。あとは学芸員の解説なども1時間はかかるため。
  •  冷凍庫から出すと、固まっていた血が解けるので血は結構出る。特に打ち所が悪くて出血していた場合。
  •  臭いはかなりきつい。 

 

死体の利用=殺した行為の容認

「死体の利用」であれば、その動物に痛み、苦しみ、恐怖を味わわせるといった問題はありませんが、その動物たちは寿命をまっとうしたのではなく、人間によって殺されたことをまず考えるべきです。
死体を解剖するということは、その前段階において、生き物を殺す行為(今回の場合は車で轢き殺す)が必ずや必要になるわけです。よって、「死体なら構わないだろう」と死体の解剖をするなら、生き物を殺す行為をも容認するもの、ということになるのです。

 

犠牲になる動物をなくす努力をしなくなる

野生動物たちが車に轢かれる大きな原因は、山を開発し道路を通したこと、つまり、野生動物たちの住処を人間が荒らしたことにあるわけで、その原因はすべて人間にあります。本来なら、どうやって犠牲になる動物をなくせるかを最優先に考え、対策に全力を講じるのが人間の責任です。
不幸にも人間のせいで死に至った動物を「有効利用」しようという考えは、殺したことへの罪悪感を薄めることにもなります。それは、国民の動物愛護意識や生命尊重の念を低下させ、ひいては事故の防止に全力を傾けようとしなくなります。これでは、野生動物の交通事故は永久になくすことができないばかりか、減少させることすらできません。

 

献体制度とは明らかに異なる

獣医学生の実習において、飼い主から提供を受けた動物の死体、つまり献体を利用する方法が欧米では多くの大学で採用されています。死体という点は同じでも、この献体は、「その動物が治療を施すことができず、そのまま生かしておくことの方が苦しむことになる重大な傷病を患い、獣医学的な判断と、心からその動物を思う飼い主による判断によって、苦痛のない方法で死に至った」、つまり、安楽死となった動物の遺体を飼い主の承諾のもと獣医学実習に利用しています。人間の献体システムとただ一つ違うのは、その動物の意思は確認できないので、飼い主がその代理をしている点です。
交通事故死した動物たちを解剖することは、こういった献体利用とは異なり、「どうせ処分するか、腐敗する死体を活用してやっている」「教材や剥製にすることで無駄にしないでやっている」といった感覚に陥り、死体をモノのように扱うことになり、参加者たちの生命軽視にもつながる恐れがあります。

 

解剖では命の大切さは学べない

「動物をモノや機械として扱うことはできない」のが人間としての倫理観です。死体だからと情け容赦なく切り刻むことなどできるものではなく、また安易にすべきではありません。ましてや、不幸にも人間によって殺された動物たちの死体を教材にするとは許されることではありません。
命の大切さは、命あるもの、命あったものを丁重に扱い、尊重してこそ学べるものであって、解剖して学べることではありません。しかも、高校生のような多感な時期の青少年が、博物館の指導で行われるイベントに参加したら、「動物の体を解剖するのはよいこと」という誤った認識を持ちかねません。

 

知識を身に付けさせるなら、代替法で

生き物の体の仕組みを学ぶ方法には、生体や死体を解剖する以外にも、コンピュータを使用した学習法、ビデオ、3Dの模型など様々あります。
コンピュータを使った代替法を使用すれば、解剖の過程を何回でも繰り返しでき、また一人一人が自分のペースで解剖を行うことができるというメリットがあります。博物館が、市民に動物の体の仕組みを学ばせ、知識を身に付けさせたいと真剣に考えるのならば、こういった代替法を用いるべきです。

 

JAVA、館長に中止を要請

JAVAでは、井上尚明館長に対し、死体の解剖の問題点を指摘し、次の事項を求めました。 

  1. 2月8日に予定されている動物の解剖イベントを行わないこと
  2. 生体、死体を問わず、今後二度と、動物の解剖を市民に行わせないこと
  3. 学芸員であっても、生体の解剖は行わないこと

 

解剖の中止決定!!

後日、JAVAからの中止を求める要望書に対して、井上館長より、以下の文書回答がありました(一部抜粋)。

要望1につきましては、ご意見をいただき改めて内部で検討した結果、今回の事業では解剖は行わず、既存の博物館資料を使うなど、別の方法で動物に関する理解を深めることといたしました。

要望2につきましては、今後は、様々なご意見があることを踏まえ、解剖を目的とした講座ではなく、より総合的に生命の尊さや動物の体のしくみを学ぶことのできる事業を検討してまいります。

要望3につきましては、学芸員による動物の生体の解剖はこれまでも行っておらず、今後も実施の予定はありません。

 

世間では、「死体の解剖にまで反対するの?」「痛みや苦しみを感じないのだから、教材にして有効利用したほうがいいのでは?」といった意見もあります。しかし、JAVAは、ものを言わぬ動物たちの権利を守り、動物たちにやさしい社会にしていかなくてはならないと考えています。動物の命の尊厳を軽んじていては動物実験の廃止は実現できません。そういったことからも、「死体の解剖」についても動物たちがいかにして殺されたかを考え、そして、犠牲になる動物たちをなくすためにどうしたらよいかを最優先に考え、決して「有効利用」をすることを認めてはならないのです。

【動物愛護法改正】殺処分をなくせるものに

【動物愛護法改正】

関係省令も犬猫の引取りの現状を変え、殺処分をなくせるものに

2012年8月に改正動物の愛護及び管理に関する法律(以下、改正動物愛護法)が成立しましたが、環境省では、この改正動物愛護法の2013年9月1日からの施行にむけて、関係する政省令や告示(施行規則、基準、指針、措置、細目など)の策定や見直しの作業が進められています。 

JAVAでは、動物愛護法の改正の際から、動物愛護の理念に反する殺処分を減少させ、なくすことを目指し、犬猫の引取りに関する第35条の改正を最も強く求めてきました。そして、政省令についても、少しでも動物たちのためになるもの、殺処分を減少させ、ゼロを目指せるものになるよう、環境省や国会議員に働きかけるなどしました。 

特にJAVAが力を注いで働きかけたのが、「動物の愛護及び管理に関する法律施行規則の一部を改正する省令」(以下、施行規則)と「犬及びねこの引取り並びに負傷動物等の収容に関する措置について」(以下、引取りの措置)です。 

「動物の愛護及び管理に関する法律施行規則の一部を改正する省令」
JAVAが求める改正
 

施行規則は、動物愛護法で定められたことを実際に行うにあたっての細かい規則が定められたもので、さまざまな内容に及びます。そのなかの「自治体が犬猫の引取りを拒否できる事由」の箇所について、JAVAは次の点を求めました。

所有者からの引取りを拒否できる場合として下記を盛り込む

(ア)  動物取扱業者からの引取り

(イ)  何度も繰り返し持ち込む者からの引取り

(ウ) 繁殖制限措置を怠り、産ませては持ち込む者からの引取り

(エ)  その他、終生飼養の責務の趣旨に照らして、都道府県等が引き取る相当の事由がないと判断した場合

所有者の判明しない犬猫の引取りを拒否できる場合として下記を盛り込む

(ア)  駆除目的で捕獲された猫の引取り

(イ)  その他、虐待など動物愛護に反する行為を行った者からの引取り

JAVAでは、環境省の伊藤自然環境局長、田邉動物愛護管理室長、小西動物愛護室長補佐に面会を申し入れ、面談の上、直接要望を行ったり、パブリックコメントを提出するなどしてJAVAの改正案を取り入れるよう、強く訴え続けました。

所有者の判明しない犬猫の引取りについては、残念ながら盛り込まれませんでしたが、所有者からの犬猫の引取りの際に具体的にどういった場合に拒否できるかについて、次のようにほぼJAVAの要望にかなった内容が規定に定められました。

(犬猫の引取りを求める相当の事由がないと認められる場合)

第二十一条の二 法第三十五条第一項ただし書の環境省令で定める場合は、次のいずれかに該当する場合とする。ただし、次のいずれかに該当する場合であっても、生活環境の保全上の支障を防止するために必要と認められる場合については、この限りでない。

一 犬猫等販売業者から引取りを求められた場合

二 引取りを繰り返し求められた場合

三 子犬又は子猫の引取りを求められた場合であって、当該引取りを求める者が都道府県等からの繁殖を制限するための措置に関する指示に従っていない場合

四 犬又は猫の老齢又は疾病を理由として引取りを求められた場合

五 引取りを求める犬又は猫の飼養が困難であるとは認められない理由により引取りを求められた場合

六 あらかじめ引取りを求める犬又は猫の譲渡先を見つけるための取組を行っていない場合

七 前各号に掲げるもののほか、法第七条第四項の規定の趣旨に照らして引取りを求める相当の事由がないと認められる場合として都道府県等の条例、規則等に定める場合

引取りの改善はJAVAが強く求めてきたことの一つであり、この施行規則を上手く活かし、引取り、そして殺処分の減少につなげていけるかどうかが今後の課題です。 

「犬及びねこの引取り並びに負傷動物等の収容に関する措置について」
JAVAが求める改正
 

「引取りの措置」は自治体における犬猫の引取りのマニュアルとも言える省令です。これには保健所などに収容された犬猫を動物実験施設に譲渡する、いわゆる「実験用払い下げ」を犬猫の殺処分方法の一つとする記述があります。自治体の「実験用払い下げ」に関しては、長年、JAVAの主活動のひとつと位置づけ、会員の皆さんの協力を得て全力で取り組んだことにより、ついに全廃となりましたが、その記述が今も残っているのです。

残っている以上、復活の危険性があること、また「実験用払い下げ」を公的に認める根拠になってしまいます。そのため、JAVAではこの「実験用払い下げ」についての記述の削除を前回2005年の改正時にも求めてきて、今回も、これを最も強く求めました。

JAVAの要望内容は、JAVAが環境省に出したパブコメの22~28ページをご覧ください

実験用払い下げの一文、削除される!

4月10日、環境省動物愛護管理室の田邉室長と小西室長補佐に面会し、JAVAの要望を記した文書を提出するとともに、要望に対する見解を伺いました。 

室長からは、定点収集については、自治体のなかに継続の必要性を主張するところがあったり、環境省としても定点収集の実態をきちんと把握できておらず、調査も必要といった説明があり、残念ながら、今回は、JAVAの求める改正はかなり難しいと感じざるを得ませんでした。 

一方、JAVAが最も強く求める実験用の払い下げの根拠となっている箇所の削除については、室長から「全自治体において廃止されているという事実もあることから、削除での素案を(審議の場である)動物愛護部会に提出する」旨の回答がありました。

そして、実際、5月17日の動物愛護部会において環境省から、改正素案が部会委員たちに提示され、払い下げの部分は削除されていました。 

その後、パブリックコメント(国民の意見)の募集を経て、この「第4 処分」の実験用払い下げの記述は削除されることが決定したのです!

【動物愛護法改正】パブコメ結果公表

【動物愛護法改正】

7つの指針、基準、措置についてのパブコメ結果が公表されました

7月にお知らせをしました改正動物愛護法に関係する下記の7つの指針、基準、措置についてのパブリックコメントの結果が公表されました。

[1] 動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針
[2] 家庭動物等の飼養及び保管に関する基準
[3] 展示動物の飼養及び保管に関する基準
[4] 実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準
[5] 産業動物の飼養及び保管に関する基準
[6] 動物が自己の所有に係るものであることを明らかにするための措置について
[7] 犬及びねこの引取り並びに負傷動物等の収容に関する措置について

パブコメ結果報告資料「パブリックコメントの意見概要とそれに対する考え方について」(環境省のサイト)

皆様からも多数のコメントを提出いただき、ありがとうございました。
JAVAは、細かい点を含めると約60箇所について改正コメントを出しておりました。
環境省の結果報告資料は、「パブリックコメントの意見概要」とあるように、集まったコメントをざっくり分類し、それに対する環境省の見解が出ている程度になります。

JAVAが長年、求めてきて、そして、今回も最も強く求めていた [7]「引き取りの措置」の生体の動物実験用払い下げの記述は、素案どおり削除されることで決定しました!
ただ、死体の払い下げについては、残念ながら、削除はされず、今後の課題となりました。

これらの指針、基準、措置は、最終的な微調整がされて、近々、正式に公布され、改正法と同じく9月1日より施行されます。

【動物愛護法改正】環境省が関係告示のパブコメ募集中

【動物愛護法改正】

環境省が「基本的な指針」「基準」「措置」についてのパブコメ募集中
JAVAが提出した意見をお知らせします

環境省では、現在、下記の改正動物愛護法に関係する指針や基準、措置について、パブリックコメント(国民の意見)募集をしています。
締め切りは7月12日(金)です。

[1] 動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針(平成18年環境省告示第140号)
[2] 家庭動物等の飼養及び保管に関する基準(平成14年環境省告示第37号)
[3] 展示動物の飼養及び保管に関する基準(平成16年環境省告示第33号)
[4] 実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準(平成18年環境省告示第88号)
[5] 産業動物の飼養及び保管に関する基準(昭和62年総理府告示第22号)
[6] 動物が自己の所有に係るものであることを明らかにするための措置について(平成18年環境省告示第23号)
[7] 犬及びねこの引取り並びに負傷動物等の収容に関する措置について(平成18年環境省告示第26号)

JAVAでは、7月4日付けで環境省に意見書を提出しましたので、皆様にもそのJAVAの意見内容をお知らせします。

JAVAの意見書(PDFファイル)

今回、パリックコメント募集がされている基準や措置などの数が多く、また内容も複雑で、環境省へのご意見提出を悩まれている方も多いかと思います。JAVAの意見書がご参考になれば幸いです。

意見募集がされているものすべてについて意見を出さないといけないわけではありません。基準や措置などをお読みいただいて、「ここの表現を変えて欲しい」とか「ここはもっと厳しい規則にして欲しい」「この部分は削除して欲しい」など思われた点を意見として出してください。特に要望したいことを一点だけでも構いません。

ぜひ、1人でも多くの方から動物の側にたったご意見を届けてくださいますよう、よろしくお願いいたします。

意見提出方法など詳細は、環境省のサイトをご覧ください。

【動物愛護法改正】夜間展示禁止についてパブコメ募集

【動物愛護法改正】

環境省が「夜間展示禁止の経過措置」についてパブコメ募集
皆さまのご意見を届けてください!

現在、国会で改正の作業が進められている動物愛護法ですが、下記のとおり、環境省が「夜間展示禁止の経過措置」についてパブリックコメントを募集しています。

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 環境省のホームページより転載

平成24年4月23日
動物の愛護及び管理に関する法律施行規則の一部を改正する省令の一部を改正する省令案等に関する意見の募集(パブリックコメント)について(お知らせ)

動物の愛護及び管理に関する法律施行規則の一部を改正する省令の一部を改正する省令案等の概要について、平成24年4月23日(月)から平成24年5月7日(月)まで、広く国民の皆様の御意見を募集いたします。

平成24年1月20日に公布された「動物の愛護及び管理に関する法律施行規則の一部を改正する省令(平成24年環境省令第1号)」等において、本年6月1日より販売業者、貸出業者及び展示業者が夜間(午後8時から午前8時までの間)に、犬又はねこの展示を行うこと等を禁止することとしたところです。
今般、本規制のうち、ねこが自由に移動できる状態で行う成猫の展示について一定の経過措置規定を置くことを検討しています。
本件について広く国民の皆様のご意見をお聞きするため、別添の意見募集要領のとおり郵送、ファクシミリ及び電子メールにより、平成24年4月23日(月)から平成24年5月7日(月)までの間、パブリックコメントを行います。

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この経過措置が認められると、いわゆる「猫カフェ」は、最低今後2年間は22時までの営業ができることになってしまいます。
JAVAは環境省に、この経過措置に反対する意見を提出しました。

※JAVAの意見→ 「夜間展示禁止の経過措置規定」に関する意見(PDFファイル)

意見提出には提出方法や様式が決められております。
皆さまからの貴重なご意見が無駄にならないように、環境省のホームページの内容(上記)をご覧いただいて、決まった方法や様式に則ってご意見を提出してください(今回のパブコメは募集期間が短く、締め切りは5/7です)。

動物愛護法が本当に動物のためになる法律になるよう、ぜひ、動物を思う皆さまからもご意見を届けてください。

2012年6月結果掲載

猫カフェの22時までの営業が認められてしまいました
環境省が募集していた下記の「夜間展示禁止の経過措置」についてのパブリックコメントには、全部で1716件の意見が出され、経過措置に反対する意見がJAVAを含め、1218件もありました。ですが、環境省は、この経過措置をとることに決定してしまいました。
これで、いわゆる「猫カフェ」は、他の動物取扱業者の20時までとは別に、今後2年間は22時までの営業ができることになってしまいました。

パブコメの結果は環境省のホームページに掲載されています。
パブリックコメントの集計結果(PDFファイル)

3月22日&28日 動物愛護部会 傍聴報告

9月1日の改正動物愛護法施行までに、関係する基準や指針といった政省令の見直しが、動物愛護部会においてなされています。部会は公開で行われるため、ほぼ毎回、JAVAでは傍聴し、環境省への要望などに活かしています。

3月は22日と28日に開催されました。
この2回の議題は「基本指針」の見直しに関わる関係者からのヒアリングで、地方自治体、ペット業界、愛護団体、動物実験関係者、獣医師会などから現状説明があり、それについて部会委員との質疑応答がなされました。

JAVAも取り組んでいますが、全国に知れ渡った「みどり町」での駆除目的での猫捕獲。「みどり町」で捕獲された猫たちを引取り・殺処分していた問題の三重県からも今回、ヒアリングが行われました。

当日の配布資料や議事録は、環境省の以下のページに後日、掲載されます。

環境省サイト 中央環境審議会動物愛護部会  

 

1日につき2時間半、5時間に及ぶヒアリングなので、詳細は議事録をご覧いただくとしまして、興味深かったのが、次の趣旨の発言でした。

  • 警察との連携については司法との認識の差ある。犬猫が置き去りにされていても元気だと警察が遺棄と判断しないこともある。国レベルでの認識のすり合わせが必要。(全国動物管理関係事業所協議会 会長 新井英人氏)
  • マイクロチップについては、登録情報の更新は不可欠。情報が古くて飼い主にたどり着けないことも多い。迷子や遺棄防止に十分役立っていない。(同上)
  • 実験動物、産業動物については農水省、文科省、厚労省がやるべき。(同上)
  • なぜ三重県が呼ばれたのか、と思った。こういう場に呼ばれたのは初めて。全国の自治体代表ではなく三重県の話をさせてほしい。(三重県健康福祉部食品安全課 課長 西中隆道氏)
  • 引取りについては一頭でも減らしたいと思っている。犬の処分数は800頭を目指していたが500頭になりそう。(同上)
  • (委員からの「地域猫活動の三重のケースを教えて」という質問に対して)三重県では進んでいない。県としてはやっていない。住民の理解を得ているところもない。個人的な活動はわからない。(同上)
  • (三重県の回答に対して)長野県では予算をつけ、100か所で100頭管理して効果が出ている。(部会委員:長野県動物愛護センター 所長 齊藤富士雄氏)
  • ペット協会は移動販売は廃止すべきと考えている。(全国ペット協会 専務理事 脇田亮治氏)
  • マイクロチップについては、チップは入っていても登録されていないケースがあり、数万件に及ぶと考えている。チップの意味がなくなってしまう。(同上)
  •  今の自主管理を基本に適正化を図っていく。実験動物の適正な取扱いにかかる基本指針の見直しは不要と考える。(実験動物中央研究所 理事 鍵山直子氏) 

 

マイクロチップについては、JAVAは「遺棄するような飼い主はそもそもチップをいれないので遺棄防止の効果は疑わしい」「チップのない野良猫などが、“飼い主がいない”として、今より駆除や殺処分されかねない」などの懸念があるため、マイクロチップの義務付けに反対しています。今回、チップは入っていても情報が登録されていないケースが数万件に及ぶという別の問題指摘もなされました。

また、三重県はいまだに、捕獲された猫を引取り殺処分しています。環境省はそんな三重県から猫の実態を聞き取るために三重県を異例に招集したと思われます。それに対して、三重県は「なぜ呼ばれたのか、わからない」といったうそぶいた発言をし、委員から質問されるまで猫について処分数や譲渡について一切発言しないなど、猫に関することは終始一貫して避けているように感じました。
こういった三重県の態度から、三重県は駆除目的で捕獲された猫の引取り・殺処分をこれからも止めるつもりはなく、反省と改善の意思すらないことがわかりました。
三重県に関しては、今後さらに厳しい対応が必要になると考えています。

そして、実験動物中央研究所の鍵山直子理事の「実験動物の適正な取扱いにかかる基本指針の見直しは不要」という意見は、つまり現状で問題はないから、改善も必要ないということであり、動物実験者側の低い認識に改めて呆れさせられました。

次回の部会は4月17日(水)です。

【2012衆議院議員選挙】「動物愛護」に関するアンケート

2012年衆議院議員選挙
政党への「動物愛護」に関するアンケート調査結果

 

動物を守る活動を進めるためには、動物愛護に対する高い関心を持ち、協力してくれる国会議員が必要です。 
JAVAでは、今年12月の衆議院議員選挙に先立ち、立候補者を擁立した主要政党に対し「動物愛護に関するアンケート調査」を実施しました。

アンケート調査の概要
2012年12月の衆議院議員選挙に立候補者を擁立した主要12政党へアンケートをFAXにて送付し、そのうち7党から回答を得た(12月7日時点)。
「回答まち」の党については、回答が届き次第、公表する。

回答選択肢については、(a)から(d)にいくに従って、動物問題への関心が深く、取り組む気持ちも強い、と判断できる。(d)が最も期待できる回答と評価する。

アンケートにご協力いただける政党がありましたら、お手数ですが、JAVA事務局までご連絡ください。アンケート用紙をお送りし、ご回答いただき次第、掲載いたします。

 

アンケート内容

各質問項目に対して(a)~(d)のいずれかをお選びください。

【質問1  動物愛護法の改正について】 
本年8月に3度目の改正がなされた「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護法)」について、どのようにお考えですか?

(a)これ以上、動物愛護法を改正する必要はない。
(b)今後も動物愛護法の改正に関する検討は必要である。
(c)動物愛護法の改正に取り組みたい。
(d)動物愛護法の改正をマニフェストに取り入れたい(すでに取り入れている)。

 

【質問2  自治体における犬猫の殺処分について】 
年間22万頭もの犬猫が、無責任な飼い主に放棄されるなどして、自治体の保健所、動物管理センター等で殺処分されています(ほとんどが二酸化炭素による窒息殺)。この現状を改善するためには、国民への動物の終生飼養の啓発、不妊去勢手術の普及が不可欠です。この犬猫の殺処分について、どのようにお考えですか?

(a)特に何も対策を講じる必要はない。
(b)犬猫の殺処分数を減らし、なくしていくための対策は必要である。 
(c) 犬猫の殺処分数を減らし、なくしていくために取り組みたい。 
(d)犬猫の殺処分数を減らし、なくしていくことをマニフェストに取り入れたい(すでに取り入れている)。

 

【質問3  動物実験の「代替法」の推進について】 
先進各国では、動物実験に替わる、動物を使用しない試験方法「代替法」の研究開発が盛んに進められております。それに伴い、OECD(経済協力開発機構)やICH(日米EU医薬品規制調和国際会議)においても、試験ガイドラインの中に代替法を採用することで、動物実験を削減していこうという動きが活発化しています。
しかし、欧米諸国に比べ日本は、代替法の承認と採用が遅れています。今後、日本としても「代替法」の開発や普及を早急に行い、より推進していくべきとお考えですか?

(a)代替法を推進する必要性はない。
(b)代替法の研究開発を進めることは必要である。
(c) 代替法の推進と動物実験の削減の問題に、今後、取り組んでいきたい。
(d)代替法の推進と動物実験の削減の問題を、マニフェストに取り入れたい(すでに取り入れている)。

 

アンケート結果

政党名

回答1

回答2

回答3

意見

民主党

(b)

(c)

(c)

改正法に「殺処分がなくなることを目指して」譲渡等に努めることを明記しておりますので、殺処分削減に取り組みます。
自由民主党

(c)

(c)

(b)

公明党

(d)

(d)

(b)

日本共産党

(d)

(d)

(d)

社会民主党

(d)

(d)

(d)

いずれも重要な問題だと考えています。今回は急な解散のため発表済みの選挙公約への取り入れが間に合いませんでしたが、次回選挙においては公約への取り入れを検討したいと考えております。
※社民党は「マニフェスト」ではなく、「選挙公約」と呼んでいます。
みんなの党 回答まち 回答まち 回答まち  →結局回答なし
新党日本 回答まち 回答まち 回答まち  →結局回答なし
国民新党

(b)

(b)

(b)

動物愛護の見地からのアンケートに十分なお答えを用意できず、申し訳ないと思っています。
iPS細胞の利活用が始まり、今後動物実験とのかかわり方も大きく変化していくのではないかと予測しております。貴会のご発展を祈ります。
新党大地 回答まち 回答まち 回答まち  →結局回答なし
新党改革 回答なし 回答なし 回答なし
日本維新の会

(b)

(b)

(b)

日本未来の党

(b)

(b)

(b)

アンケート結果を皆さんの貴重な一票を投じる際の参考にしてください。

 

JAVAに協力くださった議員の皆さん

今年は、動物愛護法の3度目の改正がされました。この改正において、JAVAの要望を盛り込んでいただくために多くの議員の方に大変お世話になりました。また、5月に開催した「化粧品の動物実験を考える院内集会」には、多数ご出席いただきました。その節は、ありがとうございました。

迫る衆議院議員選挙には多くの候補者が立候補し、新人の立候補者も各地に多数います。
動物愛護やJAVAの活動に理解を示し、協力してくださった議員の方々には是非とも再選していただき、継続して動物問題に取り組んでいただきたいと期待します。
それとともに、新人立候補者の方々には、国民は動物問題に関心を持ち、動物愛護を積極的に推し進めてくれる議員に投票し、応援したいと考えていることを知ってもらうために、メールやFAXなど様々な方法で訴えましょう。
皆さんの投票行動のご参考にしていただくために、動物愛護法改正時にJAVAに協力してくださった動物問題に関心のある前衆議院議員の方をここで改めてご紹介します。

衆議院             あいうえお順(敬称略)

所属

議員名

民主党

網屋信介

生方幸夫

川越孝洋

近藤昭一

城島光力

高井崇志

田島一成

浜本宏

吉川政重

自由民主党

小池百合子

吉野正芳

公明党

高木美智代

日本未来の党

相原史乃

岡本英子

小林正枝

福田衣里子

日本維新の会

松野頼久

松浪ケンタ

新党日本

田中康夫

【動物愛護法改正】関係省令についてのパブコメ募集

【動物愛護法改正】

環境省が関係省令についてのパブコメ募集
皆さまのご意見を届けてください!

環境省が改正動物愛護法に関係する省令について、次のとおり、パブリックコメント(国民の意見)募集を行っています(締め切りは12月12日(水))。

JAVAでは、12月3日に環境省に意見書を提出しました。

※ JAVAの意見はコチラ↓
「動物の愛護及び管理に関する法律の一部改正関連」に関する意見(PDFファイル)
「特定動物関連」に関する意見(PDFファイル)

今回のパブリックコメント募集内容はとても複雑で、環境省へのご意見提出を悩まれている方も多いかと思います。JAVAの意見書がご参考になれば幸いです。

 

—————– 以下、環境省のHPより転載 —————–
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=15944

環境省では、平成24年9月5日に公布された「動物の愛護及び管理に関する法律の一部を改正する法律(平成24年法律第79号)」の施行に向けて、必要となる省令等の策定を、中央環境審議会動物愛護部会の意見を聴きながら行っているところです。
11月6日(火)に開催された同部会で、犬猫等販売業や第二種動物取扱業、特定動物等に係る省令等の案が取りまとめられましたので、これらに関し、広く国民の皆様のご意見をお聴きするため、下記の意見募集要領のとおり郵送、ファクシミリ及び電子メールにより、平成24年11月13日(火)から平成24年12月12日(水)までの間、パブリックコメントを行います。

【意見募集対象】
(1) 動物の愛護及び管理に関する法律施行規則等の一部改正(案)の概要
(動物の愛護及び管理に関する法律の一部改正関連)
(2) 動物の愛護及び管理に関する法律施行規則等の一部改正(案)の概要
(特定動物関連)

【参考資料】
(1) 意見募集要領
(2) 中央環境審議会動物愛護部会における検討状況(順次掲載しております)
http://www.env.go.jp/council/14animal/yoshi14.html
(3) 改正動物愛護管理法の法律、要綱、新旧対照条文
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/nt_h240905_79.html

添付資料
動物の愛護及び管理に関する法律施行規則等の一部改正(案)の概要(動物の愛護及び管理に関する法律の一部改正関連)[PDF 64KB]
動物の愛護及び管理に関する法律施行規則等の一部改正(案)の概要(特定動物関連)[PDF 14KB]
意見募集要領[PDF 12KB]

連絡先
環境省自然環境局総務課
動物愛護管理室
代表   :03-3581-3351
室長   :田邉 仁  (内線6651)
課長補佐:杉井 威夫(内線6653)
担当   :岸 秀蔵  (内線6656)

———————- 転載、ここまで ———————-

 

省令は、法文には盛り込まれていない細かな部分を規定するもので、どれだけ省令に動物にとってよい内容が盛り込まれるかによって、法の運用にも影響が出る、とても重要なものです。意見募集がされている事項すべてについて意見を出さないといけわけではありません。特に要望したいことを一点だけでも構いません。ぜひ、1人でも多くの方から動物の側にたったご意見を届けてくださいますよう、よろしくお願いいたします。

改正動物愛護法が成立!

2012年8月29日、改正「動物の愛護及び管理に関する法律」(以下、動物愛護法)が、成立しました。
1973年に制定され、今回3度目の改正では、JAVAが最も強く求めていた「犬及び猫の引取り」の条文をはじめ、これまでにない多くの改正がなされたと言えます。そして、「人と動物の共生する社会の実現」「終生飼養に努めなければならない」「殺処分がなくなることを目指して」といった私たちからすれば当然と思う文言が、法律本文に盛り込まれました。

こんな改正が実現

犬猫の夜間展示の禁止(20時~翌8時まで) 犬猫等のインターネット販売の禁止

幼齢犬猫を親などから引き離す日齢
生後45日⇒49日⇒56日と段階規制

オークション市場(せり市)と
老犬・老猫ホームの動物取扱業への追加

公園の動物展示などの規制

取扱業者の登録拒否・取消し
動物愛護法以外の動物関連法にも適用

劣悪な多頭飼育への対応強化 犬猫の引取りを拒否できる場合を規定
飼育放棄、劣悪飼育を細かく規定  殺傷、虐待、遺棄への罰則の引き上げ

今回の改正― こんなメリット、こんな問題 ―

今回、動物愛護法はどのように変わったのでしょうか?環境省から出されている「動物の愛護及び管理に関する法律の一部を改正する法律概要」から、主な変更点をピックアップして、今回の改正でどんな点が良くなったのか、はたまた、どんな問題が残されているのかをご説明します。

動物取扱業者の適正化

(1)犬猫等販売業に係る特例の創設

現行動物取扱業を第一種動物取扱業とし、第一種動物取扱業者のうち、犬猫等販売業者(犬又は猫その他環境省令で定める動物の販売(販売のための繁殖を含む。)を業として行う者)について、以下の事項を義務付ける。

① 幼齢個体の安全管理、販売が困難となった犬猫等の扱いに関する犬猫等健康安全計画の策定及びその遵守(第10条第3項、第22条の2関係)

② 飼養又は保管する犬猫等の適正飼養のための獣医師等との連携の確保(第22条の3関係)

③ 販売が困難となった犬猫等の終生飼養の確保(第22条の4関係)

④ 犬猫等の繁殖業者による出生後56日を経過しない犬猫の販売のための引渡し(販売業者等に対するものを含む。)・展示の禁止(第22条の5関係)

なお、「56日」について、施行後3年間は「45日」と、その後別に法律で定める日までの間は「49日」と読み替える(附則第7条関係)。

⑤ 犬・猫等の所有状況の記録・報告(第22条の6関係)

(2)動物取扱業者に係る規制強化

① 感染性の疾病の予防措置や、販売が困難になった場合の譲渡しについて努力義務として明記(第21条の2・第21条の3関係)

② 犬猫等を販売する際の現物確認・対面説明の義務付け(第21条の4関係)

(3)狂犬病予防法、種の保存法等違反を、第一種動物取扱業に係る登録拒否及び登録取消事由に追加する。(第12条第1項関係)

(4)第二種動物取扱業の創設(第24条の2~第24条の4関係)

飼養施設を設置して動物の譲渡等を業として行う者(省令で定める数以上の動物を飼養する場合に限る。以下「第二種動物取扱業者」という。)に対し、飼養施設を設置する場所ごとに、取り扱う動物の種類及び数、飼養施設の構造及び規模、管理方法等について、都道府県知事等への届出を義務付ける。

現行法での「動物取扱業」とは、「販売・保管・貸出し・訓練・展示」を営利目的で行う業者となっています。たとえば、販売はペットショップ、保管はペットホテル、貸出しは動物プロダクション、訓練はドッグトレーナー、展示は動物園、などです。

これまでは対象になっていなかった、「オークション市場(せり市)」と所有権を飼い主から移して長期的に動物の世話をすることを商売にする「老犬・老猫ホーム」も、改正動物愛護法成立より一足早く、政令の改正により動物取扱業の対象に追加され、2012年6月1日より運用されています。 

ただ、オークション市場については、大勢の人が大声を張り上げる騒がしい場に幼齢動物がさらされる恐怖やストレスの問題、せり後の長距離輸送の問題、犬猫の大量流通の根源であるなど多くの問題があります。そのため、環境省が「オークション市場の動物取扱業への追加」についてパブリックコメント募集を行った際、JAVAは、「追加ではなく禁止すべきである」との意見を提出していましたが、次回への課題が残されました。 

同じく、政令の改正により一足早く改正されたものに「犬猫の夜間展示禁止」があり、20時~翌8時までの展示が禁止されました(猫カフェについては2年間の猶予つき)。こちらも、「犬猫以外の動物も夜間展示禁止の対象にすべき」「日没以降は眠りにつかせたり、夜行性動物であっても明るい店内に置くべきではないため、18時には展示をやめ、また1日の展示時間は8時間以内にとどめるべき」というJAVAの要望とは差があります。 

さて、枠内(1)の①~③、⑤についてですが、犬猫等の販売業者(犬猫以外の動物を対象にするかどうかはまだ未確定)は、「幼齢犬猫等の健康と安全を保持する体制整備」「販売ができなくなった犬猫等の終生飼養の確保」などの計画を作る、獣医師と連携しながら業務を行う、個体ごとに帳簿をつけるなど、これまでより厳しい義務が課せられます。 

(1)の④の幼齢犬猫を親や兄弟姉妹から引き離す日齢については、今回の改正の最大の論点と言ってもよいほど、環境省でも国会でも多くの時間をかけ審議されました。JAVAを含めた多くの動物愛護団体が要望していた8週齢(56日齢)規制については、今回、次のように盛り込まれました。

第二十二条の五 犬猫等販売業者(販売の用に供する犬又は猫の繁殖を行う者に限る。)は、その繁殖を行つた犬又は猫であつて出生後五十六日を経過しないものについて、販売のため又は販売の用に供するために引渡し又は展示をしてはならない。

つまり、これは出生後56日(8週)経たない犬猫は、親や兄弟姉妹から引き離せないことを意味します。しかし、附則にて施行後3年間は「45日」、さらにその後、別に法律で定める日までの間は「49日」にするという経過措置がつけられてしまいました。これは、ペット業界から大きな反発があったこと、また「56日」とする科学的根拠が乏しいといった意見が、国会内でも多かったことが影響しています。 

(2)の①は、第一種動物取扱業者(=現行の動物取扱業)に、感染症の予防や廃業などによって飼養できなくなった場合の動物の譲渡などが努力規定として盛り込まれたものです。 

(2)の②は、「業者がお客と対面して現物(犬猫等)の確認と説明をしたうえで、販売しなければならない」ということで、つまり、お客が購入する動物を見ることなく動物を宅急便で受け取るようなインターネット販売、通信販売は禁止になります。 

(3)は、動物愛護法以外の動物に関係する法律、化製場法、狂犬病予防法、種の保存法、鳥獣保護法、外来生物法についての違反で有罪判決をうけ、刑の終了から2年経たない者に対しても動物取扱業の登録を拒否したり、登録の取り消しが可能になるというものです。

オランウータン等を密輸し、種の保存法違反で経営者が有罪となっても営業を続けているペットショップの例もあります。今回の改正でこのような悪質業者を排除できることが期待されます。 

(4)は、現在の動物取扱業を「第一種動物取扱業」とし、新たに「第二種動物取扱業」」が設けられます。非営利で行っている動物愛護団体のシェルターや公園の小動物園などでも劣悪飼育の問題が発生しているためです。条件に該当する動物愛護団体や公園での展示動物などが対象になる予定で、飼育する動物の種類や数、飼養施設の構造や規模、管理方法等について都道府県への届出が義務付けられます。具体的に「条件はどうするか」「どこまでを第二種動物取扱業の対象にするか」については、今後、省令で定められます。

多頭飼育の適正化

(1)騒音又は悪臭の発生等、勧告・命令の対象となる生活環境上の支障の内容を明確化する(第25条第1項関係)。

(2)多頭飼育に起因する虐待のおそれのある事態を、勧告・命令の対象に追加する(第25条第3項関係)。

(3)多頭飼育者に対する届出制度について、条例に基づき講じることができる施策として明記する(第9条関係)。

多頭劣悪飼育の問題は以前より発生しており、現行法には、多頭飼育による周辺の生活環境が損なわれている場合に勧告や措置命令を行える規定がすでにあります。今改正で新たに虐待の恐れがある場合に期限を決めた改善勧告・命令も出すことができる規定が加わりました(命令違反者には50万円以下の罰金)。

さらに、地方自治体は、条例で多頭飼育者の届出制をつくることができます。何頭を「多頭」とするかは、地域によって事情が異なるという理由から地方自治体に委ねられます。

犬及び猫の引取り(第35条関係)

(1)都道府県等が、犬又は猫の引取りをその所有者から求められた場合に、その引取りを拒否できる事由(動物取扱業者からの引取りを求められた場合等)を明記する。

(2)引き取った犬又は猫の返還及び譲渡に関する努力義務規定を設ける。

これについては、第35条 「犬及び猫の引取り」「駆除目的で捕獲された猫の引取りは認められない」付帯決議に盛り込まれる!をご覧ください。

災害対応

(1)災害時における動物の適正な飼養及び保管に関する施策を、動物愛護管理推進計画に定める事項に追加する(第6条関係)。

(2)動物愛護推進員の活動として、災害時における動物の避難、保護等に対する協力を追加する(第38条関係)。

都道府県には、環境大臣が定めた「動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針」(基本指針)に即した「動物愛護管理推進計画」を定める義務があります。

環境省の基本指針には「災害時対策」の項目があり、動物の救護を適切に行えるような体制整備などについて規定されています。そのため、すでに「動物愛護管理推進計画」に盛り込んでいるところもありますが、今回、(1)が追加されたことで、全都道府県で盛り込むことになります。

これは、東日本大震災において多くの動物が犠牲になったことを受けて、災害時対策の問題が環境省での審議や国会内でも大きく扱われたためです。 

(2)については、こちらは動物愛護推進員により活躍してもらうための改正ですが、いまだ、動物愛護推進員がいない県があるのも現状です。

罰則等

(1)酷使、疾病の放置等の虐待の具体的事例を明記する(第44条関係)。

(2)愛護動物の殺傷、虐待、無登録動物取扱、無許可特定動物飼養等について罰則を強化する

(第44条~第49条関係)。 

(1)は、これまでは「愛護動物に対し、みだりに給餌又は給水をやめることにより衰弱させる等の虐待を行った者」という曖昧な記述だったところを、「愛護動物に対し、みだりに、給餌若しくは給水をやめ、酷使し、又はその健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束することにより衰弱させること、自己の飼養し、又は保管する愛護動物であって疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排泄物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であって自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他の虐待を行った者」と細かく大幅に追記されました。これにより、これまでは「違法とは言えない」と判断されてしまっていた飼育放棄、劣悪飼育に対して自治体職員や警察が指導や捜査に動きやすくなることが期待されます。

(2)の罰則は、次のように強化されました。

【愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者】

1年以下の懲役または100万円以下の罰金 ⇒ 2年以下の懲役又は200万円以下の罰金 

【愛護動物を衰弱させる等の虐待を行った者】

50万円以下の罰金 ⇒ 100万円以下の罰金  

【愛護動物を遺棄した者】

50万円以下の罰金 ⇒ 100万円以下の罰金 

その他、無許可での特定動物の飼育や無登録での動物取扱業の営業などに対する罰則なども罰金額が上げられるなど強化されました。

ただ、所有者のいる動物が虐待・殺害された場合、器物損壊罪(最長3年の懲役)が適用されますが、同じ動物虐待でありながら、所有者の有無によって罰則に差が生じるのは動物愛護法の理念に反するものであると考えます。しかも、動物愛護法が、動物を物扱いして裁く器物損壊罪より短い懲役刑というのは妥当性に欠けていると言わざるを得ず、少なくとも器物損壊罪より長い5年の懲役刑が必要であると要望してきました。次回は、さらに刑が引き上げられるようにしなければなりません。

また、たとえ飼い主が虐待で懲役刑を下されたとしても、虐待された動物を飼い主からとりあげることはできません。本当に動物を救うには、虐待されていると思われる動物の緊急保護ができる措置や、虐待者へは行政が「飼育禁止命令」も出せるような仕組みをつくることが必要です。今後実現させたい大きな課題です。

第35条 「犬及び猫の引取り」
「駆除目的で捕獲された猫の引取りは認められない」
付帯決議に盛り込まれる!

与党民主党が「現行法の法文をそのまま残し、自治体が犬猫の引取りを求められた場合に拒否できる事由(業者から引取りを求められた場合など)を但し書きとして明記する」という、第35条についての改正案骨子を発表していました。 

引取りを拒否できる具体的な例が明記されてしまったならば、明記されていないケースは「引き取らなければならない」と言っているも同然で、しかも、具体的に挙げられているのは「業者からの引取り」のみなのです。これでは、捕獲された猫など不正な引取りはこれからもなくせず、つまり、殺処分も永久に終わらせることができなくなると、JAVAは強い危機感を抱きました。

困難を極めたロビー活動

なんとか修正をしてもらおうと、とにかく根気よくロビー活動を展開。国会での審議が与野党協議の段階に入っていたことから、特に野党の議員を中心に、「引き取らない事由の明記」ではなく、「引き取ることができる」とし、原則引取りをしない規定への改正を要望して回りました。

しかし、野党から、「引き取ることができると改正したら、引き取らない自治体が出て、野良犬猫が増えてしまう」といった意見が多くありました。「引き取ることができる」=「引き取ってはならない」ではなく、引取りを拒否したら、遺棄や虐待されかねないと判断したときには引き取って里親を探すこともできるというJAVAの改正案なのですが、十分な理解を得るに至りませんでした。

残された可能性は「付帯決議」

わずかに残された国会会期や議員たちの審議スケジュールを考えると、JAVAの要望を固持していては、なんの改正もされないのは目に見えていました。三重県のように捕獲された猫を引き取り、殺処分しつづけているような自治体の悪行に歯止めを掛けるには、なんとしてでも「捕獲された猫は引き取ってはいけない」という趣旨を形に残さなければなりません。ロビー活動を続ける中で、可能性を感じたのが「付帯決議」への盛り込みでした。

付帯決議へ盛り込まれる!!

JAVAでは、その可能性にかけ、「とにかく付帯決議に、捕獲された猫が持ち込まれた場合、引取りを拒否することができる」といった一文を盛り込んでもらうことに集中して、ロビー活動を続けました。

付帯決議とは、担当する国会の委員会(動物愛護法は環境委員会)において、議決された法案などに付けられる、その委員会のその法律の運用や、次回の改正についての希望などを表明するものです。法文ではないので法的効力はありませんが、政府はこれを尊重することが求められるため、たとえば環境省令の内容などに影響を与えることができます。

そして、ついに衆議院、参議院両方の付帯決議に「駆除目的に捕獲された飼い主のいない猫の引取りは動物愛護の観点から原則として認められない」という一文が、盛り込まれたのです!

何度も超党派の議員に各地の猫捕獲問題の実態と、猫の殺処分数を減らし、殺処分ゼロを目指すには、いかに捕獲された猫の引取りをなくすことが重要で不可欠なことであるかを訴えた成果です!これをこれから捕獲された猫の殺処分をなくす活動でうまく活用していくことができるでしょう。そして、この内容を環境省の方針としてきちんと打ち出してもらうことも必要です。

悪質な所有者からの引取り拒否ができるように

所有者からの引取りについては、法文には引取りを義務付けている現行の条文はそのまま残りますが、そこに「ただし、犬猫等販売業者から引取りを求められた場合その他の終生飼養の責務の趣旨に照らして引取りを求める相当の事由がないと認められる場合には、その引取りを拒否することができる」という旨の条文が追加されました。どういった場合に引取りを拒否できるようにするかは、今後、環境省内で決められます。JAVAでは「動物取扱業者からの引取り」「何度も繰り返し持ち込む者からの引取り」「繁殖制限措置を怠り、産ませては持ち込む者からの引取り」をはじめ、臨機応変に拒否できるよう、働きかけていきます。

「引き取った犬猫の返還と新しい飼い主探し」盛り込まれる

さらに法文には、「殺処分がなくなることを目指して」としたうえで、飼い主がいると思われる犬猫は返還を、所有者がいないと思われる犬猫や所有者から引き取った犬猫は、新しい飼い主探しをするという努力規定が盛り込まれました。これもJAVAが強く求めていたことでした。

JAVAが99年の改正時から、最も強く改正を望んできた第35条「犬及び猫の引取り」の条文。ずっと手付かずであったこの第35条にやっと今回、改正の手が入りました。最終目標は日本から殺処分のシステムをなくすことです。そのために、さらなる改正に向けて取り組んでいきます。

残された課題
JAVAの要望が実現しなかった点
 

これまでになく多くの改正がなされた動物愛護法ですが、一方で残念ながら実現しなかった点もいろいろあります。主なものを挙げ、今後の課題として皆さんと共有して次回の改正につなげていきたいと思います。

 ●動物取扱業の対象動物や、愛護動物の定義を「すべての脊椎動物」と拡大し、魚類、両生類、野生動物に対する犯罪も罰則の対象にする。

● 「動物を扱う業=動物取扱業」とし、現在例外とされている畜産動物や実験動物を扱う業も登録を義務付ける。 

● 動物取扱業者に対し、下記の具体的な行為を新たに禁止する。

●販売の目的で動物を展示する(ショーウィンドウ展示の禁止)

●常設施設以外で動物を展示する(イベント会場のふれあい広場など移動展示の禁止)

●動物の種類や年齢等を考慮した適切な休憩をさせない

●犬猫に年1回以上の出産をさせる

●生後2歳以下、8歳以上の犬猫に出産をさせる

産業動物について、「5つの自由」を遵守した飼育を義務付ける。 

学校での動物飼育を原則禁止する。

 人の占有下にある脊椎動物の繁殖制限措置を義務付ける。

● 虐待の定義に「生き物を景品とすること」「動物を闘わせること」を盛り込み、禁止する。

最大の課題:実験動物に関すること 

動物実験関係者からの要請を受けた民主党内の医師、薬剤師などの医薬系議員が大挙して反対したことから、与党民主党内で実験動物についての改正はすべて見送られました。その後、与野党協議でも同様で、最終的になにも改正されませんでした。今後の最大の課題です。

動物愛護法における実験動物に関しての規定でJAVAが求めるのは下記の2点です。

実験動物を扱う業も「動物取扱業」とし、登録を義務付ける

JAVAは、動物実験の内容にまで踏み込み、動物実験そのものを許可制にすることには強く反対しています。「許可する=公的に認める、お墨付きを与える」ことで、そうなれば、ますます動物実験が守られ、聖域化され、動物実験を廃止することができなくなってしまうからです。

ただ、施設の登録のみであれば、そういった弊害はありません。動物実験施設や実験動物生産業者もペットショップや動物園などと同じく、生きた動物を扱っているのですから、動物取扱業の対象とし、登録を義務付けて、どこに、どういった動物が、どれくらい飼育されているかを行政が把握するのは当然のことです。

動物実験をなくすことを目的として、3Rの原則を義務付ける

3Rの原則は国際的な遵守事項であり、義務付けとするのは当然です。現行法では、代替法利用や実験動物数の削減については「配慮するものとする」という非常に緩い規定であり、事実上なんの強制力もないため、代替法がある実験や重複実験などが平然と行われています。

「科学上の利用の目的を達することができる範囲において」「その利用に必要な限度において」という一文があるため、3Rの原則を用いるか否かの裁量は利用者(実験者)に委ねられ、結果ザル法になっています。実効力を持たせるには、これら一文の削除が大前提です。 

法律自体は一切手つかずになってしまいましたが、付帯決議では「実験動物の取扱いに係る法制度の検討に際しては、関係者による自主管理の取組及び関係府省による実態把握の取組を踏まえつつ、国際的な規制の動向や科学的知見に関する情報の収集に努めること。また、関係府省との連携を図りつつ、3R(代替法の選択、使用数の削減、苦痛の軽減)の実効性の強化等により、実験動物の福祉の実現に努めること」と盛り込まれました。また、衆参両議院の環境委員会では、実験動物に関する事項について、今後の改正を重要視する意見・質疑が相次ぎました。議員たちの関心が高まっているのは事実です。

ただ、先にも述べたとおり実験動物に関することは、改正のされかた次第では動物実験の廃止を阻害しかねません。JAVAでは、「動物実験の廃止」という目的達成のために、慎重に検討・見極めながら、次回の改正でこの2点を実現できるよう取り組みを進めていきます。

被災動物たちの苦しみは終わらない

<東日本大震災レポート>被災動物たちの苦しみは終らない

 
震災から1年以上が経ち、被災動物への関心が薄れ始めています。
しかし福島では、いまも動物たちの苦しみは続き、繰り返されているのです。

●宮城県の犬猫シェルター 
宮城県のシェルターを2011年11月に訪問。飼い主から預かっている犬10頭、猫2頭、里親募集の犬10頭、猫1頭がいた。獣医師、有給スタッフ、地元ボランティアでやりくりして医療ケアを含めた世話がされていたが、いまだに被災者から新たな引き取り依頼も入ることもあると聞いた。今年3月に役目を終え閉所された。

●福島県の犬猫シェルター 
倉庫に所狭しとケージが並び、犬を毎日散歩に出せない第1シェルターには、非難もかなりあった。第2シェルターが2011年11月から運営され、頭数が分散されたことで飼育環境は良くなった。しかし、行政や一時帰宅の飼い主により保護された動物の入所は続き、頭数は減っていかない。
飼い主がわかっていても、避難先の住宅問題で引き取れない場合も多い。JAVAでは、仮設住宅での家庭動物の同居を不可にしている10の自治体に対して、同居許可を求めた。
なお、震災対応のため国の指示で作られた緊急災害時動物救援本部のシェルターは、今年1月に閉所。行き先のない犬猫は、動物病院や東京都動物救援センターが新設したシェルターへ移された。

【福島県動物救護本部による管理頭数】 犬143頭、猫145頭 (2012年5月現在)

●さまよう犬や猫たち 
警戒区域に残された犬猫などのレスキューの多くは、行政ではなく、民間の動物保護団体やボランティアによって行われてきた。警戒区域内外にて今も継続した活動をている人たちに、心から敬意と感謝を表したい。
現地には行かれない人は、国や国会議員に動物救出を要望してきたが、行政の救出活動は満足のいくものには至っていない。昨年11月JAVAは、被災地ではあるが市長が強いリーダーシップを持つ南相馬市へ、「救出」と「保護に向かう者の立入許可」をお願いしたが、期待に応えてはもらえなかった。同時に総理、環境省、福島県に何度目かの救護要請を行った。
2012年12月に3週間だったが、皆が待ち望んでいた民間の動物保護団体による警戒区域内での保護活動が実現した。行政より保護頭数が多かったのは、経験と強い決意による結果だろう。市民の声に押されて環境省も保護活動を続けてはいる。今年度には約1億円の予算をつけて保護業務を委託した。
そして最近は、原発20キロ圏外でも新たな問題が起きている。区域再編により線量の高い飯舘村の一部が封鎖となるため、その地区の犬猫への対応が求められる。

【行政による保護】 犬428頭、猫321頭 (2011年4/28~2012年3/19)
【民間団体による保護】 犬34頭、猫298頭 (2011年12/5~12/27)
【一時帰宅時の住民自身による保護】 犬2頭、猫6頭 (2012年1/29~4/12)
※2012年4月環境省発表

■ダチョウや豚たち 
昨年12月にダチョウ楽園を訪ねると、10月にいた4羽はいなくなっていた。農林水産省が捕獲に乗り出したり、委託研究にダチョウを含めたことから実験利用を心配したが、元の4羽+2羽が施設に戻った。その後1羽不明となり現在5羽。世話はしているようだが頻度はわからず、餌はドッグフード、水は汚れた川から、と決して良い状態ではない。所有者は研究利用を希望して生かすことに積極的ではないだけに行く末が心配だ。
企業の所有が多かった豚は、早い時期から殺処分が行なわれ約3,200頭が殺された。

■被災動物から実験動物へ 
20キロ圏内にいた動物に対して以下の動物実験が行われている。

□東京大学
・茨城の附属牧場に原種豚26頭を移動、生殖機能研究
・警戒区域内にて行政が安楽殺した牛(胎児含む)と豚を利用、放射性物質レベル研究

□北里大学
・南相馬市にて牛約30頭、プルサーマル摂取による除染研究
※実験は終了したとみられるが6月の時点では約20頭がまだ飼育されていた。今後は不明。

□東北大学加齢医学研究所
・警戒区域内にて行政が殺処分した牛約150頭(胎児含む)、内部被ばくやセシウム等の研究

□警戒区域内家畜保護管理特命チーム(酪農学園大学、東北大学、岩手大学等)
・南相馬市にて牛約60頭、汚染された畑と森を牛の採食や排泄行動を利用した除染・再生の研究

□創生ワールド株式会社(民間企業)
・浪江町にて牛16頭、富岡町にて牛約40頭、自社製品『創生水』による除染研究
※実験以前の飼育状況に、虐待があり数頭が死亡

被ばくした畜産動物を「生かすため」の方法として、実験・研究への利用があげられるのは許し難いことだ。農家は、殺処分には反対でも研究に使って殺すということには賛成する人が多い。何かの役に立てたいという気持ちが強いのだ。農家の「生かしたい」と、動物愛護の「生かしたい」は同じではない。畜産動物の保護が難しい一面でもある。

■虐待される牛たち 
放れ牛が住居に入ったり車と衝突することを防ぐために、昨年秋から捕獲作業が加速した。
捕獲して耳漂を調べ所有者に殺処分の同意を求めるのだが、その間牛たちは屋根もない囲み柵に拘束される。鉄パイプの簡易な柵の多くは、使用許可を得た田んぼに作られる。生えていた草は飢えた牛たちが食べ尽くし、元々ゆるい地盤に牛糞が混ざり、歩き回ることですぐにグチャグチャになる。雨でも降ろうものならば、牛の膝あたりまでドブのようになる。
そしてその中で、生きている牛と泥沼につかった死んだ牛が混ざっている柵もあるのだ。見るに耐えない状況。震災直後の餓死という最悪の事態をまた繰り返すのか。このような光景が楢葉町、富岡町、大熊町などで見聞きされ、JAVAは福島県と各市町村に抗議を行った。
さらに別のことでも牛たちは苦しんでいる。通常牛には、「たてご」と呼ばれる目と鼻の間を通って顎と耳の後ろにつながる紐が掛けられている。成長に合せてその紐は調節されるのだが、1年以上放置された紐は、凶器となって彼らの顔に食い込み、口も開けられなくなるのだ。また、極限まで痩せた牛も少なくない。

【震災前の飼育牛】 3,500頭
【餓死等による死亡】 1,700頭
【安楽死処分】 839頭
【捕獲(畜主による管理牛含む)】 731頭
【放れ牛】 約250頭
※2012年4月農林水産省発表

いまも苦しんでいる福島の被災動物たちを助けるために、私たちができること

私たちの声や行動が、動物たちを苦しみから助けることにつながります。
どうか彼らのことを忘れず、支援を続けていきましょう。

★要望する
【福島県】 TEL(代表):024-521-1111 FAX(知事直轄広報課):024-521-7901
【環境省】動物愛護管理室  TEL:03-3581-3351(内線6429) FAX:03-3508-9278
【農林水産省】生産局畜産部畜産振興課 TEL:03-3502-8111(内線4922)FAX:03-3593-7233

★里親やホストファミリー(一時預かり)になる
今も保護される犬猫がいます。助けられても飼い主とすぐに暮らせないことも。

★保護団体やシェルターを支援する
ボランティア活動、義援金、物資提供など、継続した支援が必要です。

 

【動物愛護法改正】 議員に最後の一声を!

【動物愛護法改正】

国会閉会間近の今になって、さまざまな問題が!
議員に最後の一声を!

現在、国会で改正の作業が進められている動物愛護法ですが、閉会間近の今になって、さまざまな問題が起こっています。

実験動物を別法にする案はなんとか白紙に。ただし何の改正もナシ

JAVAをはじめ多くの動物愛護団体が求めてきた「動物実験施設や実験動物生産業者を動物取扱業の対象とする(=届け出や登録をする)」ことに対して、動物実験関係者は猛反対してきました。

そして、動物実験関係者からの要請を受けた与党民主党内の医師、薬剤師などの医薬系議員が大挙して反対をし、その反対派議員らが「動物愛護法から、実験動物に関する項目をはずし、別の法律として制定する」という別法案を出しました。

「実験動物」に関する項目を動物愛護法からはずす、つまり「愛護動物」の対象から除外し、動物を守るための規定が実験動物に適用されなくなるのです。こうすることで、実験者たちは、私たちのような動物実験に反対する国民からの抗議・非難から自分たちを守る要塞を築き、今よりもっと動物実験を自分たちの思いどおりに行うことができるようにするものなのです。

JAVAでは、この別法案の情報を得てすぐ、連日、国会議員たちに働きかけました。そして、民主党はこの別法案を白紙にしました。
しかし、同時に、3Rの義務付けや実験施設と実験動物生産業者の登録制など、実験動物に関することは一切改正しない、という結果となりました。
「別法」という最悪の事態は回避できたものの、何も改正されないというのは非常に残念なことで、今後に大きな課題を残しました。

なんとしてでも改正を実現させる!

ただ、動物愛護法は実験動物に関することだけを定めた法律ではありませんから、他の項目の改正はなんとか実現させなければなりません。

JAVAが強く求めている「犬猫の引取りの条文第35条の改正」をはじめ、「8週齢(56日齢)未満の幼齢犬猫を親や兄弟姉妹から引き離すことの禁止」や「罰則の強化」などなど、改正をさせなければならない項目が多々あります。

別ページに掲載している「JAVAの意見」を参照してください。

5月31日、与党民主党は改正骨子を発表しましたが、特に気になるのが次の点です。

「自治体が犬猫の引取りを求められた場合に拒否できる事由(業者から引取りを求められた場合など)を明記する」

引取りを拒否できる具体的な例が明記されてしまったなら、明記されていないケースは「引き取ってよい」「引き取るべき」と言っているも同然です。
これまでも自治体によっては、職員たちが判断し、引取りを拒否してきたケースもあり、あえて具体的に明記するのは大変危険です。
「引き取らない事由の明記」ではなく、法文を「引き取ることができる」とし、原則引取りをしない規定にすべきです。

最後の一声を届けてください!

今後、民主党内で骨子をもとに具体的な法案作成がされ、それについて野党とのすりあわせ・変更がされていきます。
そして、今国会中に改正させる予定です。
21日の閉会(延長の可能性はあり)まであとわずかですが、動物愛護法改正に深く関わっている下記の議員に、最後の一声を届けてください。

<要望例>

● 全国各地で捕獲された猫が引き取られ、殺処分されています。それを防止する改正にしてください。
● 悪質な持ち込みと、安易に引き取る自治体が後を絶ちません。「原則引き取らない」という改正をしてください。
● 終生飼養や不妊去勢の徹底などを自治体が犬猫の引取りを求めてきた人に強く指導するように改正してください。
● 幼齢犬猫については、56日までは親や兄弟姉妹から引き離さない規定にしてください。
● 虐待をできるだけ早く、厳しく取り締まれるシステムを盛り込んでください。
● 3Rを義務付けてください。
● 動物実験施設や実験動物性産業、畜産業など、生きた動物を扱い業はすべて「動物取扱業」にしてください。
● 繁殖制限措置を義務付けてください。
などなど。

<愛護法改正主要議員の連絡先>

【民主党】

■民主党 動物愛護法対策ワーキングチーム 座長 田島一成衆議院議員
〒100-8982 東京都千代田区永田町2-1-2 衆議院第二議員会館1002号室
TEL:03-3508-7418
FAX:03-3508-3898
E-メール:g07504@shugiin.go.jp

■民主党 環境部会長 近藤昭一衆議院議員
〒100-8982 東京都千代田区永田町2-1-2 衆議院第二議員会館402号室
TEL:03-3508-7402
FAX:03-3508-3882 E-メール:g01953@shugiin.go.jp

■衆議院 環境委員長 生方幸夫衆議院議員
〒100-8981東京都千代田区永田町2-2-1 衆議院第一議員会館1104号室
TEL:03-3508-7514
FAX:03-3508-3944
E-メール:zxe04624@nifty.ne.jp

【自民党】

■自民党 どうぶつ愛護議員連盟 会長 小池百合子衆議院議員
〒100-8981東京都千代田区永田町2-2-1 衆議院第一議員会館501号室
TEL:03-3508-7710
FAX:03-3503-6775
E-メール:http://www.yuriko.or.jp/mailform/mailform.shtml

■自民党 どうぶつ愛護議員連盟 幹事長 松浪健太衆議院議員
〒100-8981東京都千代田区永田町2-2-1 衆議院第一議員会館414号室
TEL:03-3508-7266
FAX:03-3508-3536
E-メール:info@kentakenta.org

■自民党 どうぶつ愛護議員連盟 事務局長 三原じゅん子参議院議員
〒100-8962東京都千代田区永田町2-1-1 参議院会館823号室
TEL:03-6550-0823
FAX:03-6551-0823
E-メール:http://www.miharajunco.org/contact/index.html

■自民党 環境部会 部会長 吉野正芳衆議院議員
〒100-8982 東京都千代田区永田町2-1-2 衆議院第二議員会館624号室
TEL:03-3508-7143
FAX:03-3595-4546
E-メール:http://www.myoshino.com/contact/index.html

【公明党】

■公明党 動物愛護管理推進委員会 委員長 高木美智代衆議院議員
〒100-8982東京都千代田区永田町2-1-2 衆議院第二議員会館503号室
TEL:03-3508-7630
FAX:03-3508-3260
E-メール:http://www.michiyo-t.com/mail/

■公明党 環境部会 部会長 加藤修一参議院議員
〒100-8962東京都千代田区永田町2-1-1 参議院議員会館1207号室
TEL:03-6550-1207
FAX:03-6551-1207
E-メール:info@shuuichi-katoh.jp

【新党・国民の生活が第一】

■新党・国民の生活が第一 岡本英子衆議院議員
〒100-8981東京都千代田区永田町2-2-1 衆議院第一議員会館615号室
TEL:03-3508-7185
FAX:03-3508-3615
E-メール:info@okamoto-eiko.com

【動物愛護法改正】国会議員アンケート調査結果

【動物愛護法改正】

国会議員 動物愛護法改正に関するアンケート調査結果

動物を守る活動を進めるためには、動物保護に対する高い関心を持ち、協力してくれる国会議員が必要です。 
動物愛護法は、これまで議員立法で改正されてきた経緯があることから、動物愛護法改正に取り組んでくれる国会議員への働きかけ・要望活動が重要になります。
JAVAでは、今年6月、全国会議員に対し「動物愛護法改正に関するアンケート調査」を実施しました。

アンケート調査の概要
2011年6月24日の時点の衆参両国会議員、計721名へアンケートをEメールもしくはFAX(一部郵送)にて送付し、そのうち34名から回答を得た。
回答選択肢のうち、dが最も動物愛護法改正や動物愛護に積極的な回答である。

 

「動物愛護法改正」に関するアンケート

【質問1  動物愛護法の改正について】 
平成17年に2度目の改正がなされた動物愛護法のさらなる改正について、現在、環境省を中心に審議・検討されており、多くの国民が期待を寄せています。動物愛護法改正について、どのようにお考えですか?
次の(a)~(d)のいずれかを選択してください。

(a)動物愛護法を改正する必要はない。
(b)動物愛護法の改正に関する検討は必要である。
(c)動物愛護法の改正に取り組みたい。
(d)動物愛護法の改正を政策に取り入れ、積極的に取り組んでいきたい。

【質問2:自治体における犬猫の殺処分について】

年間約29万頭もの犬猫が、無責任な飼い主に放棄されるなどして、自治体の保健所、動物管理センター等の施設に収容され、殺処分されています(ほとんどが二酸化炭素による窒息殺)。改善には、国民への動物の終生飼養の啓発、不妊去勢手術の普及が不可欠です。この犬猫の殺処分について、どのようにお考えですか?
次の(a)~(d)のいずれかを選択してください。

(a)特に何も対策を講じる必要はない。
(b)犬猫の殺処分数を減らし、なくしていくための対策は必要である。
(c)犬猫の殺処分数を減らし、なくしていくために取り組みたい。
(d)犬猫の殺処分数を減らし、なくしていくことを政策に取り入れ、積極的に取り組んでいきたい。

【質問3  動物実験の「代替法」の推進について】 
先進各国では、動物実験に替わる、動物を使用しない試験方法「代替法」の研究開発が、盛んに進められております。それに伴い、OECD(経済協力開発機構)やICH(日米EU医薬品規制調和国際会議)においても、試験ガイドラインの中に代替法を採用することで、動物実験を削減していこうという動きが活発化しています。
動物愛護法にも、前回の改正で代替法について盛り込まれましたが、「科学上の利用の目的を達することができる範囲において、できる限り動物を供する方法に代わり得るものを利用することに配慮するものとする」という非常に弱い規定に留まっている状況です。
そして、諸外国からは、日本は、先進国の中で最も代替法の承認と採用が遅れている国とみなされてしまっています。
今後、日本としても「代替法」の開発や普及をより推進していくべきとお考えですか?
次の(a)~(d)のいずれかを選択してください。

(a)代替法を推進する必要性はない。
(b)代替法の研究開発を進めることは必要である。
(c)代替法の推進と動物実験の削減の問題に、今後、取り組んでいきたい。
(d)代替法の推進と動物実験の削減の問題を、政策の中に取り入れ、積極的に取り組んでいきたい。

【質問4 : 仮設・復興住宅におけるペット同居について】 
この度の東日本大震災において、被災者の方々から、「他県がよい受け入れ先を用意してくれているので移りたいが、犬を連れて入れないので、このまま避難所に残るしかない」「建設中の仮設住宅はペット禁止なので、これからどこに暮らせばいいのか」「市営住宅など、ちゃんとした住居で落ち着きたいが、ペット禁止なので入居できない」といった声や報道が入ってきております。
このような動物に関する声が持ち上がるのは、それが被災者の方々にとって、深刻な悩みとなっているからに他なりません。家族を失った悲しみにくれる人たちにとっては、共に助かったペットは唯一の救い、心の支えであるといっても過言ではないでしょう。
ペットと同居することができなければ、飼い主たちは入居を断念し、壊れかけた家屋に残ったり、車中での避難生活を続けたり、また、やむなくペットを手放すことになるなど、飼い主たちにさらに深い悲しみやこれ以上過酷な避難生活を味わわせることにもなりかねません。
そのようなことにならないよう、仮設住宅や復興住宅は、ペットとともに入居できるようにすべきとお考えですか?
次の(a)~(d)のいずれかを選択してください。

(a)ペットとの同居ができるようにする必要性はない。
(b)ペットとの同居ができるように配慮することは必要である。
(c)できるかぎり多くの仮設・復興住宅においてペットと同居できるよう、今後、取り組んでいきたい。
(d)できるかぎり多くの仮設・復興住宅においてペットと同居できるよう、政策の中に取り入れ、積極的に取り組んでいきたい。

※アンケート結果は、こちらをご覧ください。
動物愛護法改正アンケート結果一覧 (PDFファイル)

「動物愛護法をもっと良い法律に!」 私たち国民の声を議員や政党に伝えましょう!

「犬猫の殺処分をなくしてほしい」「動物虐待をもっと厳しく取り締まってもらいたい」「動物実験をなくすために、代替法に力を注いでもらいたい」・・・
これらは、動物を思う皆さんがいつも強く願っていることでしょう。
これらを実現するには、動物愛護法の改正は不可欠です。

それにより、今後、この度のような大震災が発生した場合においても、被災した動物たちがないがしろにされることなく、尊い命として保護され、確実に救出されるようになることを期待しています。
今回のアンケートの内容や結果を参考にして、皆さんからも有権者の一人として、議員や政党に対して、動物愛護法の改正を求める声を届けたり、「動物愛護法改正に関心をお持ちか?」「どのような改正に取り組んでくれるか?」などを尋ねてみてください。

たとえば・・・
■地元の議員の事務所に、動物愛護法改正や動物保護に関する方針を電話や手紙などで聞いてみましょう。
■議員はホームページやブログを作っているので、Eメールで質問したり、ブログに投稿するのも効果的です。
■個々の議員の考えに加え、「党としての方針」が大変重要になってきます。各都道府県にある各党の事務所に、「○○党では、動物愛護法改正にどのように取り組んでいますか?」と尋ねてみましょう。
動物愛護法を改正し、本当に動物にとって役立つ法律にするために、ご協力をよろしくお願いします!

(JAVA NEWS NO.87より)

【動物愛護法改正】動物取扱業のパブコメは12万件以上!

【動物愛護法改正】

提出された意見は、12万件以上!
動物取扱業に関するパブコメ募集が行われました

「動物の愛護及び管理に関する法律」(以下、動物愛護法)の改正のための審議が、環境省のもとに設置された「動物愛護管理のあり方検討小委員会」(以下、小委員会)において進められており、JAVAも環境省への要望や国会議員への働きかけを行っているところです。 7月には、ペットショップなど動物取扱業に関する小委員会での議論がまとめられた「動物取扱業の適正化について(案)」に対してパブリックコメント(国民の意見。以下、パブコメ)の募集が行われました。


パブコメ募集は、7月28日~8月27日の1ヶ月間行われ、環境省の発表によると、12万件以上の意見が届けられたとのことで、動物愛護法改正への世間の関心の高さが伺えます。ここでは、JAVAの出した意見の主な内容をご報告いたします。

※JAVAの意見全文はコチラ→「動物取扱業の適正化について(案)」に関する意見(PDFファイル)

販売・展示方法など生体の扱いの規制を強化
JAVAは、生体をショーウィンドウ等で店頭展示することそのものに反対であり、店頭展示を禁じることが最も望ましいと考えます。店頭展示禁止が今改正でできないとするならば、動物の生態・生理、健康や安全、ストレス等の問題を考え、最低でも次のような販売方法や生体の扱いは禁止もしくは制限を設けるべきであるとの意見を提出しました。

■ 深夜は当然のこと、18時以降の展示・販売は禁止すべきである。
■ 営業時間は1日8時間以内とし、途中に動物種や年齢等を考慮した適切な休憩時間を設けることも義務付けるべきである。
■ 移動販売は禁止すべきである。
■ イベント会場等を回って動物を展示する「移動展示」も禁止すべきである。
■ 対面販売・対面説明・購入者の生体の確認を義務付け、インターネット販売、インターネットオークションは禁止すべきである。
■ 犬猫オークション市場(せり市)は禁止すべきである。
■ 8週齢以下の犬猫を親や兄弟姉妹等から引き離すことは禁止すべきである。
■ 繁殖制限措置を設け、「年2回以上の出産をさせること」「生後2歳以下、8歳以上の犬猫に出産をさせること」の二点を禁止すべきである(この二点の禁止を盛り込むことで、生涯における出産回数も最大5回となる)。
■ 飼養施設については、現状より詳細で具体的な規制を導入し、行政官の権限を強化して劣悪飼育を迅速かつ効果的に指導するなどの措置をとれるようにする必要がある。ただ、動物種や個体によって、適切な環境や広さに差があり、一律の数値規制を設けることは難しい。その動物が快適に過ごせるような判断をケースバイケースでできるような基準とすべきである。 

悪質な業者の排除促進のため、登録制度を強化
現行法は、「動物取扱業」を始める前に、事業所のある都道府県知事または政令市の長の登録を受けること、そして5年ごとの更新が義務付けられています。登録申請内容には、飼養施設の所在地、構造や規模、主として取り扱う動物の種類と数なども含まれています。行政はたとえば劣悪飼育をしているペットショップやブリーダーについて通報を受けた場合、現場に立ち入り、動物愛護法や条例に基づく基準への違反が確認されたら改善勧告を行います。この勧告の実施命令に違反した場合、登録取消し処分や6ヶ月以内の業務停止命令を下すこともできます。
しかし、劣悪飼育をする業者は後を絶たず、また、次の④にも記したように業者が所有する動物の問題があり、行政はなかなか厳しい処分や命令を下せないのが現状です。
さらに、現行法ではたとえ登録を取り消されても、家族の名前で再登録できてしまったり、種の保存法や鳥獣保護法など他の動物に関係する法令に違反し、有罪となっても営業を続けることができてしまうといった欠点があります。
そのようなことから、JAVAでは以下のように規制強化や改正をすべきであるとの意見を出しました。

①登録制から許可制へ
現場の行政担当者からも「規制により商売をやりづらくさせ、悪質業者を淘汰していくしかない」「悪質業者を出さない予防として、許可制など基準をあげるのもひとつ」といった声を耳にしています。現行法より厳しい規制とするため、登録制を許可制(1年ごとの更新)とすべきです。

②処分の対象者(範囲)を拡大
オランウータン等を密輸し、種の保存法違反で経営者が有罪となっても、営業を続けているペットショップなどの例があります。現在の登録制を許可制へ強化したうえで、営業許可を与えない、期間を限定しない業務停止命令や許可永久剥奪(廃業)の措置を、違反した当人だけでなく、その法人全体や家族等その関係者にも適用する規定も必要です。

③他の動物取扱いに関連する法令違反も適用
動物愛護法以外の動物取扱いに関連する法令(例:種の保存法、鳥獣保護法など)に違反した際にも、現在の登録制を許可制へ強化したうえで、営業許可を与えない、期間を限定しない業務停止命令や許可永久剥奪(廃業)の措置を講じることができるようにすべきです。なお、動物取扱いに関連する法令は、国内法だけでなく、海外での法律も対象にすることを求めます。

④業者所有の動物の緊急保護を可能に
現在、登録取消措置のネックとなっているのが、処分を受けた業者が所有している動物の世話の問題であるため、現在の登録制を許可制へ強化したうえで、期間を限定しない業務停止命令や許可永久剥奪(廃業)の処分を受けた業者の動物を、行政が緊急保護できるような規定も同時に設ける必要があります。

「両生類と魚類も」対象動物種を拡大
動物取扱業の規定の対象動物種は、現行法では、哺乳類、鳥類、爬虫類となっています。しかし、両生類と魚類はペットショップで扱われている例も多く、また、劣悪飼育や遺棄の問題も多数発生しています。そのため、両生類と魚類も加え、「すべての脊椎動物」とすべきです。

動物取扱業の業種を追加
現行法で「動物取扱業」と規定されているのは、「販売(ペットショップ、ブリーダーなど)」「保管(ペットホテルなど)」「貸出し(動物タレント派遣業など)」「訓練(ドッグトレーナーなど)」「展示(動物園など)」です。それ以外の業種は対象外なのです。しかし、生きた動物を扱うことを「業」としている以上、「動物取扱業」とし、規制の対象とすることは当然であるとJAVAは意見を出しました。
そして、環境省の「動物取扱業の適正化について(案)」に挙がっていた「両生類・魚類販売業者」「老犬・老猫ホーム」「教育・公的目的の団体」についても次のとおり規制すべきであるとの意見を述べました。 

① 両生類・魚類販売業者
ペットショップで扱われている例が多いことから、両生類と魚類の販売業者も動物取扱業の対象とし、規制することは当然と考えます。金魚すくいや金魚品評会などの業態保護を考え、動物の福祉をないがしろにするべきではありません。
魚の酷い販売方法、ゲーム機の景品にされているといった劣悪な扱い、野外への遺棄が多いといった例を挙げ、小委員会の委員からも規制を求める意見が出されていました。 種の保存法は両生類も魚類も対象にしていることを考えても、動物愛護法においても、両生類と魚類を対象にすることは何ら問題ないと言えます。

② 老犬・老猫ホーム
「老犬・老猫ホーム」とは所有権を業者に移して、長期的な世話を有償で行う業種です。「保管」とは異なり、所有権が業者にあるため、これまでは動物取扱業の対象外でした。しかし、小委員会でも引き取った動物を放置し、世話をしない事例が挙げられており、またJAVAにも同様のケースの通報がありました。よって、「老犬・老猫ホーム」も規制対象とすべきです。ただ、対象動物種については犬猫以外でも問題が発生しているため、動物種は広げる必要があると考えます。

③ 教育・公益目的の団体
休日に給餌給水を行わない、風雨や暑さ・寒さの防げない環境下に置く、病気や怪我をしても治療を受けさせないなど、学校や幼稚園等で飼育されている動物の劣悪飼育の問題は各地で起こっており、JAVAにも多くの通報が寄せられています。
どんな生き物を飼育するにも、費用や手間が必要であるにも拘わらず、十分な予算を確保していない学校が多いうえに、そもそも児童・生徒の指導で手一杯の教師に動物の世話までさせることは不可能です。仮に獣医師や専門飼養者がいたとしても、子供たちに頻繁に触られる幼稚園や学校といった教育の場で動物を適切に飼育することは無理があり、原則、禁止にすべきです。

また、専門学校で飼育される動物は、学生の実験・実習に利用されるケースも多く、つまり、専門学校としての業に利用されており、動物取扱業の対象とし規制することは当然と考えます。
その他、警察犬や盲導犬といった使役動物の訓練・飼養施設も、営利目的でないにしろ、社会性のある反復した業務として行っている以上、一定の規制を設けるべきです。 

実験動物も対象にするのは当然
現行法では、畜産動物や実験動物を扱う業は対象外となっています。つまり、食用や毛皮用の動物繁殖業者、実験動物繁殖業者、動物実験施設も対象外になっているのです。しかし、これらの業者も生きた動物を扱う業を営む者であり、対象にして当然です。
ところが、小委員会では追加業種の検討課題にすら挙がらず、当然、「動物取扱業の適正化について(案)」にも記されていなかったのです。
そのため、JAVAでは、畜産動物や実験動物を扱う業をはじめ、生きた動物を扱っている業者は全て対象にすべきであると意見をしました。
たとえば、動物実験施設が「動物取扱業」として登録されれば、第三者でも実験施設の場所や大まかな規模(飼育頭数など)の情報が得られ、また、内部告発などがあった場合、行政が飼育改善指導に入ることのできる可能性もゼロではなくなる、といった効果が期待できます。

「犬猫の殺処分ゼロ」は不妊去勢手術の徹底だけで成し遂げられるものではありません。殺処分ゼロを現実のものにするには、いわゆる蛇口を閉める必要があるのです。つまり、産み出すことを食い止めるために、それら動物を生産する業界をいかに縮小させられるかにかかっているのです。そのために動物取扱業に関するできる限り厳しい規制を盛り込むべきで、これによって行政や動物愛護団体の負担削減にもなるのです。
動物愛護法は、真に動物を守る、動物のための法律にしなければならず、動物を売買するなど商売に利用する業者保護の法律であってはなりません。
環境省や委員、そして国会議員には、改正の審議・作業において動物のことを第一に考えた改正を行っていただくために、JAVAは今後も働きかけを続けていきます。

(JAVA NEWS NO.87より)

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