ヒト肝臓微小組織、動物実験で見逃された薬物毒性を予測 <米国>

InSphero社〈*1〉と米国食品医薬品局(FDA)の研究者らは、ヒト肝臓微小組織モデルを使用し、FDAが承認した152の医薬品の肝毒性 (化学物質による肝臓の損傷) について調査した研究結果を発表した。
提供されたヒト細胞を使用し、人間の肝臓の構造と機能を再現するこの新たな方法では、肝臓への安全性に関する懸念から、のちに承認を撤回された化合物の 80% を正確に検出した。これは動物実験による結果よりもはるかに優れている。
InSphero社 の CEO 兼共同創設者である Jan Lichtenberg 博士は「この研究に使用された 152のFDA 承認化合物はすべて、動物実験を含む従来の前臨床試験および臨床安全性試験を受けていた。それにもかかわらず、一部の化合物は肝臓への安全性に関する懸念により、のちに承認を撤回された」と指摘。微小組織モデルを使用することで動物実験への依存を減らし、より安全で効果的な医薬品候補化合物に資源を集中させることができると述べている。


  1. *12009年にスイス連邦工科大学チューリッヒ校から独立し設立された3D in vitroモデル企業。創薬における3D in vitroソリューションへの世界的な需要の高まりに対応するため、欧州、米国、アジアにおける販売ネットワークを拡大している。

Human Liver Microtissues Predict Drug Toxicity That Animal Experiments Missed(PCRM)

TOP