JAVA:NPO法人 動物実験の廃止を求める会(Japan Anti-Vivisection Association)

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お知らせ

JAVAの最新情報をお知らせするコーナーです。進行中の活動、パネル展やイベントなどのご案内、これまでの活動・成果などをご紹介していきます。

<クロアチア>2017年1月1日、毛皮用チンチラ農場禁止に

決定から10年
クロアチアの毛皮用チンチラ農場禁止法がようやく施行へ

クロアチア・チンチラ農場

JAVAも加盟している毛皮に反対する国際連盟FFA(Fur Free Alliance)のクロアチアのメンバー団体、アニマル・フレンズ・クロアチアから、2017年を迎えてすぐ、グッドニュースが届きました。

クロアチアでは、2006年に毛皮用のチンチラ農場の禁止が法律で決まりましたが、10年間の長期にわたる移行期間の末やっと、この2017年1月1日からその法律が施行されたのです!

FFA(Fur Free Alliance)の関連ページ(英語)

アニマル・フレンズ・クロアチアの関連ページ(英語)

動物実験代替法の国際会議と学会大会

アジア初の代替法国際会議「Asian Congress 2016」と「日本動物実験代替法学会第29回大会」が合同開催

動物実験代替法に関するアジア地域の国際会議、アジアンコングレス(Asian Congress 2016 on Alternatives and Animal Use in the Life Sciences)。初大会となる今回は、日本動物実験代替法学会第29回大会と合同で、11月15~18日、佐賀県唐津市および福岡・九州大学にて開催されました。前半の唐津開催だけで、韓国、中国、タイ、インドネシア、インドなどのアジア諸国のほか、米国、カナダ、ヨーロッパなど世界18か国から代替法の研究者ら約200名が参加しました。
アジアンコングレスに続き、11月16~18日、日本動物実験代替法学会 第29回大会が福岡・九州大学で開かれました。地方開催であるにもかかわらず、国内外から500名以上の参加者があり、代替法への関心の高さをうかがうことができました。

 


 

 

 

 

 

 

 

 

<アジアンコングレス>

犬の農薬実験、時代遅れ

唐津での2日間のプログラムは、3Rの原則(以下3R。*1)をめぐるアジア各国の動向、各国の化粧品規制、農薬の動物実験と代替法、血液製剤やワクチンなど生物材料における3R、そしてAOPs(*2)など注目される新たなアプローチなど3Rの将来展望、というように、盛りだくさんの内容で展開されました。
農薬のセッションでは、犬を使った1年間の慢性毒性試験は必要ないという研究結果の報告を受けて、すでに米国、EU、ブラジル、カナダでは法的な義務付けが解除されたこの試験が、日本と韓国ではなぜまだ存続しているのかという問題提起がなされました。この実験は、ビーグル犬に1年間、農薬の混入した餌を食べさせるというもので、除草や昆虫駆除を目的にした成分を1年ものあいだ体内に取り込み続けることの苦しみは想像に難くありません。JAVAは農林水産省に対して再三にわたりこの試験の削除を求めています。

動物実験からの脱却を!

国際的なNGO、Humane Society International(HSI) のトロイ・サイドル氏の講演では、1960年代に確立した動物実験という試験の枠組みが、いまなお使われ続けていることが多くの疾患の治療法の確立を妨げてきたと指摘。これからの時代は、人間への影響を直接調べることのできる、ヒト生物学に基づいたモデルやツールを活用していく新たな枠組みが必要であり、動物愛護という観点を抜きにしても、動物実験という古い枠組みから脱却することが、結果的に人間の保健衛生の向上へとつながる、という力強いプレゼンテーションでした。
HSIは、世界最大の動物保護団体のひとつHSUS(Humane Society of the United States; 全米人道協会)のいわば姉妹団体で、動物保護団体でありながら専門的見地から動物実験の過ちとそれに代わる科学の確立を訴えており、またアジアンコングレスを後援するなど豊富な資金を駆使してこのような国際会議の開催をバックアップしています。

アジア圏での開発競争へ

アジアンコングレスは今後継続していくことが決まり、2018年には中国で、2021年には韓国で開催されることが決定しました。アジア地域が、国際標準となりつつある動物実験の廃止あるいは動物福祉の徹底という考え方をベースに、技術開発で欧米に拮抗する勢力へと成長していくことが期待されます。また、アジア諸国のなかでも、日本は早くからICATM(*3)など国際社会でプレゼンスを高めていました。その主導的地位を追い抜かれないようにするためにも、日本は技術開発そのものはもちろん、制度や予算など充実化が必要だと感じます。

 

  1. *1Replacement(動物を使用しない方法への置換)、Reduction(動物使用数の削減)、Refinement(実験技術の洗練による動物の苦痛軽減)のこと。1954年、動物学者ウィリアム・ラッセルと微生物学者レックス・バーチがUFAW(Universities Federation for Animal Welfare;動物福祉のための大学連合)から人道的な実験について検討するよう依頼を受け、1959年に「人道的実験技術の原則(The Principles of Humane Experimental Technique)」を著し、その中で「3Rの原則」を提唱した。現在さまざまな国際機関で実験技術の基準として採用されている。
  2. *2Adverse Outcome Pathways 個体または群に対する化学物質の暴露から、個体レベルまたは群レベルでの最終的な有害性の発現までの事象の経路を示したもの。(独立行政法人製品評価技術基盤機構「構造活性相関に関する用語集」より)
  3. *3International Cooperation on Alternative Test Methods;代替試験法国際協力会議。化粧品規制国際調和会議(International Cooperation on Cosmetic Regulation;ICCR)において2007年に設置された、動物実験代替法推進に向けた国際間のワーキンググループ。設置時は、日米欧カナダ、その後韓国が加入。

 


 

 

 

 

 

 

<日本動物実験代替法学会第29回大会>

『分子―細胞―個体の視点からの代替法』というテーマのもとに開かれた今大会。化粧品医薬品の代替法の動向、動物福祉をめぐる国内外各業界の動向という定番のセッションに加え、マイクロ流体デバイス技術などを用いた臓器や人体システムの観測という新しい技術展開、産業に応用できる化学物質の初期スクリーニング方法としての代替法技術、iPS細胞を用いた最前線の実用化研究など、単に「動物愛護意識の向上による動物実験の代替」というだけでなく、最先端科学としての動物を使わない技術開発という面が強く打ち出されてきていると感じました。「動物愛護」というと業界のモチベーションにはなかなかつながりにくいものですが、科学的側面、経済的側面からのニーズは、業界を動かす大きな原動力になるのではないでしょうか。
とはいえ、「動物愛護」「動物福祉」という観点は、「動物実験代替法」という研究分野のベースにきっちりと据え置かれなければなりません。JAVAは今後も市民団体としてしっかりとウォッチし、叱咤激励していく必要があると感じています。以下、動物福祉をテーマにしたセッション、「シンポジウム『個体の視点からの代替法』」での発表を中心にレポートします。

シンポジウム

■実験動物にも獣医学的ケアは必須
米国の場合、実験動物施設の第三者認証機関AAALACの認証を受けた研究機関では、動物実験を行う研究者とは別に、獣医師や動物看護師が立ち会い、実験動物の疾病やケガへの対処を行ったり、ときには苦しむ動物を人道的に死に至らせる役割を担っているということです。
こういった獣医学的ケアを含む具体的な「動物福祉」の担保は、日本では動物愛護法第41条で「できる限り(動物に)苦痛を与えない」と規定されているにもかかわらず、まだ日本ではまったくと言っていいほど普及していません。普及していないというどころかむしろ、「研究(動物実験)の過程で獣医にあれこれ口出しされたくない」という研究者(動物実験実施者)の意識が、獣医学的ケアを遅らせている原因ではないかと言われています。事実、動物実験推進派の意向を汲んで作られた文部科学省、厚生労働省、農林水産省の「動物実験の実施に関する指針」には、獣医師や動物看護師を実験に立ち会わせるといった条項は一切ありません。

■モノづくりが動物を救う
化粧品でもなく、医薬品でもない、「医療機器」という、動物実験が行われている分野があります。人工心臓やステントなど循環器系の人工臓器の開発にあたっての実験にはマウスやラットではなく大きな動物、主にヤギが使われています。
国立循環器病研究センター病院に併設された動物実験施設では、人工心臓の実験に年間30〜50頭のヤギが使われているとのことですが、この現場でも、動物を使わない方法の開発が模索されているとの報告がありました。
人工心臓などの医療機器の性能を評価するために開発された、「ラボハート」という心機能シミュレータ。この機械が誕生したことで、その施設で使われている動物数の約10分の1にあたる年間3〜4頭のヤギの犠牲を減らすことができたとのこと。1割弱というこの数字、少なく感じるかもしれません。でも確かに苦しまずにすんだ命があります。
人間を救うだけではなく、実験に使われてきた動物をも救う。このような、まさに「血の通った」モノづくりがもっともっと広がっていくことを心から期待します。
余談ですが、2年前に放映された阿部寛さん主演のTBSテレビドラマ「下町ロケット」の第二部ガウディ編は、人工心臓弁の開発がテーマでした。その随所にこのシミュレータが登場したのを思い出す方もいらっしゃるかもしれません。

■Refinementは究極のゴールではない
長年大会に参加していますが、折に触れて「代替法学会は動物実験が行われることを前提に3Rを普及させようという学術団体。JAVAのように動物実験廃止を訴えるのはなじまない」という批判を受けることがたびたびあります。また、Refinementの措置を行えば動物実験はどんどんやってよいといわんばかりの研究者もいます。もちろん、実験技術を改善することによって動物の苦痛を軽減するRefinement は、動物実験が行われている以上、しっかりと取り入れられていかなければならないことです。国際標準にもなりつつある獣医学的ケアの普及を妨害する動物実験推進団体などには、積極的に改善を求めていかなければなりません。でも見失ってはならないのが、究極のゴールは動物を使わないReplacementであるということです。その究極のゴールに向かう道のりのなかで必要な取り組みの一つがRefinement だと、JAVAは考えています。

ポスター発表

■インパクトより倫理を
和洋女子大学の管理栄養士養成課程に在籍する学生らによるポスター発表「動物実験実習における3R の学生評価と代替法開発の試み」が興味深かったのでレポートします。その内容は:

  1. 栄養生化学実験履修者132名を対象にアンケート調査を行い、3Rの評価と動物解剖模型やシミュレーションソフト(Rat Dissection)による教育効果について調べた。
  2.  また10名を対象として、生きたラットを殺して使う代わりに、ホルマリン代替保存液で処理されたラットの解剖についてアンケート調査を行った。
  3.  実験動物数の削減、動物の苦痛の軽減は「達成できた」「だいたい達成できた」と回答した割合はともに90%を超えた。
  4.  実験の予習としてのシミュレ―ション教材の使用は好評だったが、動物実験の代替法として考えた場合、78%が動物実験の学習効果より劣ると答えた。
  5.  ラットの解剖実験では、10名全員が、保存液処理されたラットでも、殺処分直後のラットの解剖と同等の教育効果が得られると回答。さらに実験参加のストレスが軽減するという意見が多かった。
  6.  3R教育の導入は、動物実験に対する意識と学習意欲を高めた。
  7.  殺処分直後の解剖を苦痛と感じる学生には、シミュレーション教材や保存液処理された動物の使用が実験実習の代替法として有効であると思われた。

発表者の学生いわく「自分たちの学年に、動物の解剖がイヤという声が多かったためシミュレーションの利用を考えた」とのことでした。指導教員によると、「シミュレーションで代替できると思っていたし学生もそう望んでいたが、結果は違った。解剖の知識はシミュレーションで学べても、さきざき栄養士になって栄養指導をすることを考えると、本物(※動物)が必要なところもあると感じた。人体実験は倫理的にできないので、脂肪のつき方などは動物で実物を見るしかない。実物はインパクトが大きく学生の反応が違う。」とのこと。一方、「この研究によって命に対する考えが変わって、ラットを丁寧に扱うようになった」ともお聞きしました。
医学部、薬学部、獣医学部など生命科学系の学部だけでなく、栄養学、家政学などにまつわる課程でも動物実験が行われているという実態があります。そんななか、動物実験代替法学会での研究発表に踏み切ってくれた指導教員と学生たちの存在に勇気づけられます。「解剖はイヤ」という率直な気持ちから始まった倫理的な検討によって、学生たちが動物を丁寧に扱うようになったという変化は、いままでは丁寧ではなかったのかという指摘はさておき、歓迎すべき変化だと思います。一方、動物の犠牲より学生へのインパクトを重視するような考察は残念です。そもそも栄養学は人間のための栄養学であって、ラットではなく、疫学的手法を用いてヒトの画像を比較検討するなどの方法を採用すべきです。ぜひとも次のステップを踏み出されることを期待します。

教育講演

■倫理は時代によって変わる
大会最終日(18日)には、会場となった九州大学大学院の笹栗俊之教授による「人体実験の倫理」と題した教育講演がありました。
戦時中には、ナチス、マンハッタン事件、九州大学生体解剖事件、七三一部隊など、非倫理的と言われる多くの人体実験が行われてきました。ナチス・ドイツの人体実験への反省からニュルンベルク綱領(*4)、ヘルシンキ宣言(*5)を経て、人を対象とした臨床試験についての研究倫理が構築されてきましたが、同氏は、著書『利己的遺伝子(Selfish Gene)』が有名な進化生物学者で動物行動学者であるリチャード・ドーキンスの「動物は苦痛を遮断する能力がない、その能力を与えなかったのだから神はいない」という言葉を引き合いに出し、したがって人間は科学の力でその苦痛を回避しなければならない、と動物実験倫理の必要性を説きました。
宗教の是非論は別として、人間も含めた動物の苦痛を回避しようという試みは、まさに現代の人間に課せられた倫理的課題です。少し前までは公然と行われていた人体実験がいまやだれもが非倫理的だと答えられることを考えると、いずれ動物実験も決して行ってはならない非倫理的なものとなるはずだと確信します。その日が一日も早く訪れるようにするためには、いま動物実験に反対する私たちが声を上げ続けていくことではないでしょうか。

  1. *41947年に、ニュルンベルク裁判の結果として提示された、研究目的の医療行為(臨床試験及び臨床研究)を行うにあたって厳守すべき10項目の基本原則のこと。(Wikipediaより)
  2. *5ナチスの人体実験の反省より生じたニュルンベルク綱領を受けて、1964年6月、フィンランドの首都ヘルシンキにおいて開かれた世界医師会第18回総会で採択された、医学研究者が自らを規制する為に採択された人体実験に対する倫理規範。正式名称は、「ヒトを対象とする医学研究の倫理的原則」。(Wikipediaより)

学会からJAVAに感謝状

JAVAは1997年から、日本動物実験代替法学会の賛助会員に登録しています。今回、長年、同学会の運営と3Rの推進と普及に貢献したとして、大会最終日にJAVAに対して感謝状が贈られました。
理事長の代理として感謝状を受け取った事務局長の和崎聖子からは、「当会が市民団体で唯一の賛助会員。今後も、市民団体ならではの協力をさせていただきたい」と挨拶しました。

 

来る11月25日 当会理事が座長を務めて市民講座を行います!
今から予定に入れてぜひご参加ください!

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日本動物実験代替法学会第30回大会
市民公開講座日時:2017年11月25日(土)10:15~12:15
※大会会期は11月23日(木・祝)~25日(土)
会場:大田区産業プラザ(PiO) 〒144-0035東京都大田区南蒲田1-20-20
タイトル:動物実験の1R(代替)を目指して
※大会テーマは「レギュラトリーサイエンスと3Rs」
座長:東さちこ(PEACE代表)、亀倉弘美(JAVA理事)

動物実験の代替を進めるために、行政、アカデミア、マスコミなど各界からパネリストを招いて活発な議論を展開したいと思います。市民公開講座のみ、無料でご参加いただけますのでぜひお越しください。

JAVA、代替法研究費を助成

JAVA、初のアジア大会で代替法研究費を助成
韓国の若手研究者に

アジアンコングレス2016において、JAVAは若手研究者の代替法研究に15万円を助成しました。
選考の末、この「JAVA賞」を受賞したのは、韓国・ソウル大学校薬科大学のSae on KIMさんのグループ。
化粧品などのパーソナルケア用品では、アレルギーを引き起こす可能性があるかどうかのテスト(皮膚感作性試験)が行われていますが、この分野では、従来の動物実験のほか、代替法として採用されているのが、動物の苦痛軽減というRefinementに基づいた試験法であり、この試験では結局のところモルモットなど動物が使われています。
KIMさんらの研究では、動物をいっさい使わずに、ヒトの不死化角化細胞であるHaCaT ケラチノサイトを用いたアプローチを行っています。
新しい代替法の開発といっても、一朝一夕にできるものではありません。多くの時間とお金がかかります。動物実験の廃止への一助となるよう、JAVAもできる限りの研究支援を行っていきたいと考えています。

 

▼助成した研究プロジェクトの詳細▼

HaCaT ケラチノサイトにおける皮膚感作性試験代替法
生物指標としての血管内皮増殖因子(VEGF)の予備的評価
Sae on KIM

 化粧品に警告表示や安全に使用するための注意書きがあるのはなぜか、疑問に思ったことはありませんか。化粧品などには、私たちの体にとって異物となる化学物質が含まれており、その多くは、肌に触れるとアレルギー反応を誘発する可能性があるからです。化粧品や歯磨き粉、石鹸などのパーソナルケア商品に含まれる金属成分によって発疹が出る人がいることはご存じだと思います。あるいは、特定のメイクアップ用品をつけた時だけかゆみを感じたり、つけた部分が熱を持ったりした経験のある方もいるでしょう。これらは、皮膚感作性と呼ばれる症状の代表的な例です。

 皮膚感作性とは、特定の化学アレルゲン(アレルギー誘発物質)に繰り返し触れることで起きるアレルギー反応の一種で、化粧品、日焼け止め剤、家庭用品などの原材料に含まれる物質によって引き起こされることがあります。上記の商品に用いられている化学物質の多くは、使用量やそれに触れる度合い等にもよりますが、なんらかのアレルギー反応を誘発する可能性があります。アレルギー反応が起きるまでには、 感作相(かんさそう)(誘導相とも呼ばれます)と惹起相(じゃっきそう)のふたつの過程があります。感作相では、初めて化学アレルゲンと接触することで増感し、体に免疫記憶が形成されます。2番目の惹起相では、前に触れたことのある化学物質に再び触れることで、アレルギー性過敏症反応が誘発されます。

 『化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS) 』によると、皮膚感作物質の定義は、「臨床試験により、接触によるアレルギー反応誘発の可能性が証明できるもの」となっています。しかし、化学物質の皮膚感作性の有無を確認するために、動物実験が頻繁に行われています。潜在的な皮膚感作性を見極める方法として推奨され、実際に行われている方法として、局所リンパ節試験(LLNA)とモルモットマキシマイゼーション法(GPMT)があり、それぞれマウスとモルモットを使用します。動物への苦痛が軽減されてきているとはいえ、生体実験(in vivo)であることに変わりはありません。

 私たちが研究している新しい皮膚感作性試験の代替法では、物質が生体にもたらすメカニズム(作用機序)に着眼し、血管内皮増殖因子(VEGF)を生物指標(バイオマーカー)としました。血管内皮増殖因子(VEGF)は、血管形成とリンパ管形成を調整する働きがあり、サイトカイン・ネットワークのインターロイキン-8(IL-8)に関係していることが分かっています。インターロイキン-8(IL-8)は、多様な免疫細胞によって作られるケモカインで、化学物質の潜在的な皮膚感作性を調べるための試験、インターロイキン-8ルシフェラーゼアッセイで使用されています。私たちは、16の代表的な化学感作物質が、正常ヒト初代表皮細胞(NHK)内における血管内皮増殖因子(VEGF)とインターロイキン-8(IL-8)の発現にどう作用するかを調べました。そして、16の化学感作物質のうち14が、正常ヒト初代表皮細胞(NHK)内の血管内皮増殖因子(VEGF)またはインターロイキン-8(IL-8)、あるいはその両方の値を著しく増加させることを発見しました。しかし、皮膚感作性の検証に、正常ヒト初代表皮細胞(NHK)を使用する方法には、限界があります。外的刺激や毒性刺激が異なると、正常ヒト初代表皮細胞(NHK)の生物学反応も変化するからです。この変化は、予備試験用に表皮組織を提供してくれたボランティアの人たち生物学的反応の違いからくるものです。 

 この可変性を補うため、正常ヒト初代表皮細胞(NHK)の代わりに、不死化角化細胞のHaCaT細胞を使えないか調べてみました。綿密に調べた結果、HaCaT細胞が、皮膚感作性が疑われる物質と刺激物に反応し、血管内皮増殖因子(VEGF)またはインターロイキン-8(IL-8)、あるいはその両方を作り出す事実を発見しました。皮膚感作性が疑われる物質と刺激物は、報告書や文献、『OECDテストガイドライン429』、欧州式光貼付試験をもとに選びました。HaCaT ケラチノサイト内で誘発した血管内皮増殖因子(VEGF)は少なかったものの、局所リンパ節試験では陰性だったヒト感作性物質の塩化ニッケルが、血管内皮増殖因子(VEGF)とインターロイキン-8(IL-8)の発現を大きく変化させました。

 この研究により、血管内皮増殖因子(VEGF)とインターロイキン-8(IL-8)が、細胞を基盤としたモデルにおいて、化学物質が持つ潜在的な皮膚感作性の評価に、生物指標として使用できることが分かりました。私たちの研究が、科学分野の研究で使用される動物たちの苦痛の軽減(Refinement)、使用数の削減(Reduction)、そして代替法の採用(Replacement)の必要性に対する意識を高める一助になることを希望するとともに、私たちが手本を示すことで、皮膚感作性試験に、より多くの代替法が採用されることを願っています。

JAVA賞・発表スライド

発表スライドより


Preliminary Evaluation of Vascular Endothelial Growth Factor as a Biomarker for Alternative Skin Sensitization Test in HaCaT Keratinocytes
Sae on KIM

 Have you ever wondered why consumer products are provided with warning labels and directions for safe use? Chances are that many of the foreign chemicals found in such items are capable of inducing an allergic reaction upon skin contact. Perhaps, you have noticed that some individuals develop rashes from metals found in personal care products, or have experienced itching and burning sensation after applying certain types of makeup. These represent some common examples of what is known specifically as skin sensitization.
 Skin sensitization is a type of allergic response that results as of repeated exposure to a particular chemical allergen, and can be induced by substances found as ingredients of cosmetics, sunscreens, household products, and more. Depending on the dose and extent of dermal exposure, many of the chemicals in use have, to some degree, the potential to induce an allergic reaction. The events leading up to this process occur in 2 phases, and comprises of sensitization (also referred to as induction) and elicitation. In the first phase, the initial contact with a chemical allergen generates a sensitization process, in which the individual develops immunological memory. Following, in the second phase, an allergic hypersensitivity response is elicited upon re-exposure to the same chemical sensitizer.
 The Globally Harmonized System for Classification and Labeling of Chemicals (GHS) defines a substance as a skin sensitizer if there is clinical evidence indicating that it has the potential to cause an allergic response upon contact. Frequently, however, the method used to evaluate a chemical’s skin sensitization potential involves animal testing. Examples of some preferred and accepted methods for the assessment of skin sensitization potential include the Local Lymph Node Assay (LLNA) and Guinea Pig Maximization Test (GPMT), which involve the use of mice and guinea pigs, respectively. Although the assays have been refined to minimize harm to animals, they are still performed under in vivo conditions.
 The main objective of our research was to discover a novel mechanism-based alternative method for testing skin sensitization using vascular endothelial growth factor (VEGF) as a biomarker. VEGF is involved in the regulation of angiogenesis and lymphangiogenesis, and is known to be associated with interleukin-8 (IL-8) in a cytokine network. IL-8 is a chemokine produced by various types of immune cells, and is used in the Interleukin-8 Luciferase assay to evaluate the skin sensitization potential of chemicals. In our study, we tested the effects of 16 referenced chemical sensitizers on the expression of VEGF and IL-8 in primary normal human keratinocytes (NHKs). We found out that 14 of the 16 chemical sensitizers significantly increased VEGF and/or IL-8 expression in NHKs. However, the use of primary human keratinocytes for skin sensitivity validation studies is limited. The biological responses of human keratinocytes to different external and toxic stimuli are generally variable, and this is due to differences in the biological responses amongst the volunteers that donate their epidermal tissue for the prevalidation studies.
 In order to compensate for the variation, we evaluated the feasibility of HaCaT cells, immortalized human keratinocytes, as an alternative to primary human keratinocytes. Following a thorough investigation, we found out that HaCaT cells produced VEGF and/or IL-8 in response to potential skin sensitizers and irritants, which were selected based on reports in literature, OECD Test Guideline 429, and Scandinavian photo patch. Although fewer sensitizers induced VEGF production in HaCaT keratinocytes, nickel chloride, a human sensitizer resulting in a negative result using the LLNA method, significantly changed VEGF and IL-8 expression.
 In this study, we found out that VEGF and IL-8 can be used as biomarkers to assess the skin sensitization potential of chemical substances in cell-based models. We hope that our work can increase awareness about the need for refinement, reduction, and replacement of animals in scientific research, and that we could possibly set an example for others to adopt more alternative methods for testing skin sensitization.

記事を新しく掲載しました(2016年11月)

2016年11月11日

活動記事と海外ニュースをアップしましたので、ぜひご覧になってください。

活動記事

海外ニュース

<米国>サウスカロライナ大学 救急医療での動物の使用を廃止

2016年10月20日

<米国>サウスカロライナ大学
救急医療プログラムでの生きた動物の使用を廃止

2016年9月20日、サウスカロライナ州コロンビアにあるサウスカロライナ大学(USC)医学部は、生きた動物を使った救急医療プログラムを廃止したことを、米国の動物実験に反対する医師・科学者の団体PCRM(責任ある医療のための医師委員会)に伝えた。

USC医学部の救急医療訓練では、学生たちは生きたブタにメスを入れて喉や胸腔、静脈を切断して挿管する方法や、胸骨を切り開いて心臓の処置を行う方法を学び、その後実習の終盤に行われる気道処置訓練の前にブタたちは殺された。しかし今やUSCの学生たちは、医療シミュレータや実習用の遺体によって学べるのである。

PCRMの調べによると、米国における専門医療実習期間中の救急医療プログラムの89%(160あるうち142)が動物を使わない教育方法を採用している。その中には、今回更新されたUSCグリーンビル・プログラムや、デューク大学、サウスカロライナ医科大学、エモリ―大学でのプログラムが含まれる。

PCRMは、動物の使用をめぐってUSCを米国農務省東部地方動物保護局に告訴していたが、USCによる改善を受け告訴を取り下げることにしている。

 

Physicians Committee for Responsible Medicine:
University of South Carolina Emergency Medicine Program Ends Live Animal Use

「エシカル消費と動物への配慮を考えるシンポジウム」を主催

「エシカル消費と動物への配慮を考えるシンポジウム」を主催

エシカルシンポロゴ

エシカルシンポジウム

「エシカル消費(倫理的消費)」のムーブメントが日本でも盛り上がりつつあるなかで、その枠組みのなかに「動物への配慮」をきちんと位置付けてもらおうと、2016年10月2日、立教大学池袋キャンパスで、JAVAをはじめ国内の4つの団体がシンポジウムを開催しました。各種イベントが目白押しの時期でしたが、約250名もの方がご来場くださり、エシカル消費、アニマルウェルフェア、アニマルライツについて理解を深めていただきました。

●開催概要

エシカル消費と動物への配慮を考えるシンポジウム
日時: 2016年10月2日(日)10時開演 16時55分終了
場所: 立教大学 池袋キャンパス 5号館1階 5123教室
主催: 立教大学ESD研究所、NPO法人アニマルライツセンター、PEACE~命の搾取ではなく尊厳を、NPO法人動物実験の廃止を求める会
後援: 日本エシカル推進協議会、日本消費者教育学会、一般社団法人エシカル協会、一般社団法人全国消費者団体連絡会
特別後援:美しさに犠牲はいらないキャンペーン実行委員会
協賛: ㈱イオンフォレスト ザ・ボディショップ、㈱Control Union Japan、㈱ディーフィット/まかないこすめ、HER/COUTUME BY HER、㈱パトラコスメティック、㈱ロゴナジャパン

このほか、シンポジウム開催にあたって、ファッションジャーナリストの生駒芳子さん、株式会社大和総研 調査本部 主席研究員の河口真理子さん、フリーアナウンサーで一般社団法人エシカル協会代表の末吉里花さん、女優の杉本彩さん、日本消費者教育学会会長の西村隆男さんから、賛同のメッセージをいただきました。

●プログラム(敬称略)

第一部 エシカルとは?
1. エシカル消費と動物への配慮 日本エシカル推進協議会代表 山本良一
2. 基調講演「エシカル消費における動物への配慮の重要性」エシカル・コンシューマー主筆 ロブ・ハリスン
3. 日本における動物利用の現状と課題 アニマルライツセンター/JAVA/PEACE

第二部 現状と取り組み
1. 消費行動と動物との関わり 日本女子大学教授 細川幸一
2. 畜産動物の福祉の現状―考え方、評価法、指針― 帝京科学大学教授 佐藤衆介
3. ファッションと食―持続可能性と動物 NPO法人アニマルライツセンター代表理事 岡田千尋
4. 日本企業は動物保護をどう捉えているか 株式会社クレアンCSRコンサルタント 山口智彦
5. 「エシックス」が私たちの原動力―エシカル消費と企業の責任 株式会社ラッシュジャパン取締役 小林弥生

第三部 パネルディスカッション
「アニマル・ウェルフェアを進めていくための消費者の役割を考える」
司会  株式会社クレアンCSRコンサルタント 山口智彦
パネリスト エシカル・コンシューマー主筆 ロブ・ハリスン
サステナビリティ消費者会議代表 古谷由紀子
日本女子大学教授 細川幸一
立教大学教授 阿部治
PEACE~命の搾取ではなく尊厳を 代表 東さちこ
NPO法人動物実験の廃止を求める会理事 亀倉弘美

第一部 エシカルとは?

「エシカル消費と動物への配慮」山本良一
日本のエシカル消費運動をけん引してこられた東京大学名誉教授の山本良一氏。地球並びに複雑な生命は稀であるというレア・アース仮説に基づき、「人類文明と地球生命圏の両方を永続させていかなければならない」とし、「人類は狭い人間中心主義を乗り越えて、動物にも深く配慮していくことが必要だ」と力説。ご自身が座長を務める消費者庁の「倫理的消費」調査研究会の動向についても説明いただきました。

 

 

■基調講演■
エシカル消費における動物への配慮の重要性」ロブ・ハリスン
ロブ・ハリスン氏基調講演は、世界のエシカル消費運動の中心的存在である英国の雑誌「エシカル・コンシューマー」の創刊メンバーであり主筆を務めるロブ・ハリスン氏が登壇しました。ヨーロッパのエシカル消費運動は、①ボイコット、②調査、③エシカルな企業との連携、④認証ラベル、⑤ランキングという5つのステップを経て発展してきたとの説明があり、ケーススタディとして英国における鶏卵生産の変遷が挙げられました。1990年にはバタリーケージ生産が90%であったものが、2016年には放牧生産50%以上に移行しており、その間には生産方法の表示義務付けなどの過程がありました。ベジタリアン・ヴィーガン人口も増加しており、動物への抗生剤の利用による人体への被害なども含め、工場畜産の問題点について、わかりやすい講演でした。
質疑応答では、参加者の関心の高さをうかがわせる鋭い質問が飛び交い、「日本は水生生物の利用がより深刻ではないか」との質問には、MSCラベル(Marine Stewardship Council; 海洋管理協議会)の取り組みが紹介され、「ラベル認証では信頼性をどのように担保するのか」という質問には、NGOや消費者が監視していくことが必要との回答がありました。

「日本における動物利用の現状と課題」アニマルライツセンター、JAVA、PEACE

主催の3団体からは、化粧品の動物実験、ファッション(毛皮、ウルトラファインウール、アンゴラ、ダウン)、工場畜産(乳牛、母豚、肉用豚、ブロイラー、採卵鶏)について、動画を用いた説明を行いました。冒頭の「残酷な映像があるので退出してもかまわない」とのアナウンスにもかかわらず、ほぼ全員が最後まで退出することなく動物たちのおかれている現実を直視されました。

第二部 現状と取り組み

「消費行動と動物とのかかわり」細川幸一
消費者政策、消費者教育を専門とする日本女子大学教授、細川幸一氏からは、消費者の目線に立った動物への配慮の必要性について、具体的な事例を交えながらの講演でした。現代社会の豊かさはどこから来ているか、現代の消費社会の問題は何なのか、なぜ現在の社会が動物問題に無関心なのか、今後消費者に何ができるのか、専門に基づいた分析でありながら非常にわかりやすいお話があり、問題を身近に感じさせる30分でした。

「畜産動物の福祉の現状―考え方、評価法、指針―」佐藤衆介
動物行動学をベースにした産業動物のアニマルウェルフェアについて、日本の第一人者である帝京科学大学教授、佐藤衆介氏の講演では、動物福祉(アニマルウェルフェア)という概念の登場から現在に至るまでの流れを紹介、「5つの自由」という考え方がさらにポジティブな方向に見直されている経緯の説明とともに、EU、OIE(国際獣疫事務局)、ISO(国際標準化機構)などで動物福祉の取組みが進むなか日本政府も対応が迫られているという現状報告がありました。

「ファッションと食―持続可能性と動物」岡田千尋
ARC岡田千尋氏主催団体の一つであるアニマルライツセンター代表の岡田千尋さんからは、持続可能性という観点から、毛皮や皮革などのファッション、そして畜産が環境に及ぼしている影響についての報告がありました。毛皮産業の街、中国河北省・辛集市では公害が発生し多くの村人に健康被害が出ているという現地調査レポートや、森林破壊、地球温暖化、水や食料など資源の過剰利用など、持続可能性に多大な悪影響を及ぼしているという畜産の問題など、動物に対する感傷的な視点を排除しての客観的な問題提起がありました。

「日本企業は動物保護をどう捉えているか」山口智彦
クレアン山口氏株式会社クレアンのCSRコンサルタントである山口智彦氏からは、企業に対してCSRの取り組みをコンサルティングする立場から登壇いただきました。畜産動物の福祉について企業の取り組みを促している英国のNGO、BBFAW(Business Benchmark on Farm Animal Welfare:畜産動物福祉に関する企業のベンチマーク)が5月、英国のコラーキャピタル等合計1.5兆ポンドを運用する複数の機関投資家が畜産動物福祉の推進に署名したと発表、世界最大の機関投資家である日本の国民年金を運用しているGPIFもこの動きを無視できないのではないかとの話がありました。

「『エシックス』が私たちの原動力―エシカル消費と企業の責任」小林弥生
LUSH小林氏英国発の自然派化粧品ラッシュの日本法人である株式会社ラッシュジャパンの小林弥生氏より、動物・環境・人権といった社会問題に積極的に取り組むラッシュの企業の姿勢について発表していただきました。企業規模が大きくなれば社会への影響も大きくなるという前提に立ち、倫理観を取り込んだビジネスモデルの構築から社員のモチベーションを上げるための環境づくりまで、エシカル消費社会にあるべき企業の一例を示しました。

第三部 パネルディスカッション

「アニマル・ウェルフェアを進めていくための消費者の役割を考える」

最後は、CSRコンサルタントの山口氏を司会に迎えてパネルディスカッションが行われました。

エシカルシンポディスカッション

●英国ではどうなのか
前半は、先進国とみなされている英国の状況について、さまざまな角度からハリスン氏に質問が集中しました。英国ではエシカル消費運動・動物保護運動を進めるNGOがどれも歴史がありパワフルであること、そのベースには多様な存在を包摂する市民社会があることなど、世界をリードする存在としての特徴はあるが、そのようなバックグラウンドがなくてもSNSなど最新のツールを使った運動が奏功している事例も紹介されました。
また、20年ほど前、グローバル企業であるマクドナルドへの抗議活動に対して同社が訴訟を起こすという対抗手段をとったことがあるが、イメージダウンにつながり逆効果になったというケースを引き合いに、圧力団体としてのCSO(市民社会組織)の必要性が説かれました。
一方で、消費社会における企業のランキングなどをはじめとした「情報」に対して対価を支払う感覚が日本の消費者の間で薄れていることについて懸念が呈されると、日本だけではなく英国でも同様の状況であり、ガーディアンやタイム誌などジャーナリズムの世界においても新たなビジネスモデルの構築が模索されているとの説明がありました。
細川氏からは、英国で普通参政権が付与されたのは最近であって、英国が民主主義の先進国とみなされている所以は異議申立の気風が強いからだが、これに比べて日本人は性質が極めて抑制的であり、いわば「観客民主主義」であるとの意見が出ました。

●消費されゆく動物は線引きされるのか
主催団体の一つである立教大学ESD研究所の所長で教授の阿部治氏からは、現在の環境倫理学の対象には野生動物は含まれているが、畜産動物は含まれていないことに対する問題意識が示され、今後、動物福祉を含めた持続可能性に関する教育を広げていく必要があると訴えました。

●消費者はどこまで責任を持つべきなのか
消費されゆく動物たちへの配慮について、消費者団体こそ取り組んでいくべきではないかと水を向けられたサステナビリティ消費者会議代表の古谷由紀子氏は、このような情報が消費者にきちんと届いていない現状を踏まえて「消費者に期待しすぎるべきではない」と明言、今後は具体的な問題解決を視野に入れて、動物保護団体などから消費者団体に対する情報提供・コミュニケーションが必須であり、企業も含めたさまざまなステークホルダーによる横断的な取り組みが必要であると述べました。

エシカルシンポディスカッション2

●「暮らしの手帖」消費者意識は変わったのか
9月末で終了したNHK朝の連続テレビ小説「とと姉ちゃん」のモデルとなった雑誌「暮らしの手帖」。この雑誌の創刊当初から編集に携わってこられ、現在は企業等の組織の利他行動の社会心理をリサーチする小榑雅章氏が会場より発言。消費者を変えていくには、消費者にとって具体的にどんな利得があるのかという点を明確にしていかなければいけないという助言がありました。
これに対してJAVAの亀倉弘美より、これまでは金銭的・物理的な利得だったのに対し、化粧品の動物実験反対運動にみられるように、「自らの消費が誰かを搾取している」「自分が美しくなるために動物を苦しめ命を奪っている」という罪の意識から解放されることも、現在の消費者の利得であると説明しました。
また、PEACE代表の東さちこさんからは、かつては「動物実験が新たに行われた化粧品は人体にとって未知の化学物質が使われている危険なものだ」という消費者保護の観点から
の主張もかなりなされてきたが、EUでの法的禁止を経て、日本企業も動物のために廃止を求める市民の声に耳を傾けるようになってきている、時代は変わりつつあるのではないかとの指摘がありました。

●まとめ
ハリスン氏より、「今日の会議には、来場者も含めて、政府関係者、大学教授、企業関係者、消費者団体、動物保護NGOと、すべてのステークホルダーが集結している。今日がまさに始まりの一日ではないか」との言葉をもらいました。


朝10時から夕方5時まで、長時間にわたって多くの方々が動物をめぐる濃密な議論に耳を傾けてくださいました。これまで動物をめぐるイベントには動物に関心のある層だけが集まることが多かったように思いますが、今回は、化粧品、アパレル、食品、外食産業、流通小売、商社などの企業や、各種消費者団体、動物関連の専攻のある大学、動物保護NGOなど、さまざまな関係先に開催のご案内をしたこともあって、これまでとは異なる層の方々にお聴きいただくことができ、個人として、また企業として、考えるきっかけ、行動するきっかけとなったのではないでしょうか。
また、今回のシンポジウムでは、私たちの暮らしと密接にかかわる動物たちの現状と今後についてもはや社会全体で考えていくべき課題だとして、さまざまな分野の団体・個人の方々に登壇、後援、賛同、協賛をいただくことができました。改めてこの場をお借りしてお礼申し上げます。
「エシカル消費と動物への配慮」というテーマに対する議論をこれで終わりにさせることなく、問題解決に向けて今後も積極的に取り組んでまいります。
当日の発表資料などはシンポジウムのウェブサイトをご覧ください。

消費者庁長官に「動物への配慮の拡充を!」陳情へ

シンポジウム翌日の10月3日、英国から来日されたロブ・ハリスン氏とともに、
岡村和美消費者庁長官を表敬訪問して、
シンポジウムの盛会を報告し、エシカル消費における動物への配慮の拡充を訴えました。
長官からは「組織としてきちんと取り組みたい」と審議官もお呼びいただいたうえで
「消費者庁としても、動物への配慮に関する取り組みと共にエシカル消費の推進を強く進めていく」
旨のご回答をいただきました。

Yahoo!に生体と生餌の販売禁止を求めよう

Yahoo!に生体と生餌の販売禁止を求めよう

大手インターネット関連企業ヤフー株式会社が運営している「ヤフオク!」と「Yahoo!ショッピング」において、生体や生餌(いきえ)が“出品”* されています。
JAVAは、ヤフーに対して、生体と生餌の出品禁止を求めていますが、ヤフーはそれに応える気がありません。

*“出品”は、動物を物のように扱うものであり、不適切な表現と考えていますが、ここでは、わかりやすいようにヤフーの規約に合せた表現にしました。

ヤフーは、「ヤフオク!」でインターネットオークションサービス、「Yahoo!ショッピング」ではインターネットショッピングサービスを提供しています。ヤフーと契約した出品者によって、生きた動物が「ヤフオク!」でオークションにかけられ、「Yahoo!ショッピング」で販売されているのです。
JAVAには、これまで「生餌は虐待にならないのか」「インターネットで生き物を販売することをやめさせられないのか」といった声が寄せられてきました。

ヤフオク!ではマウスなどの違反出品も

ヤフオク!は、ガイドラインで「哺乳類」「鳥類」「爬虫類」の生体を出品禁止にしています。しかし過去には、JAVAが把握しているだけでも生きているマウスやヤモリが出品されていたことがありました(下の写真) 。

ヤモリ出品

マウス出品

餌用としてヤフオク!に出品されていたマウスとヤモリ(2015年8月時点)

 

「動物の愛護及び管理に関する法律」(以下、動物愛護法)において、「愛護動物」に規定された種類の動物を販売する業を行う者は「第一種動物取扱業」として、登録等の義務が課せられています。このヤフオク!のマウスの販売者は、「愛護動物」であるマウスを自家繁殖させて出品していることから、「第一種動物取扱業」の条件(反復・継続して、営利を目的として動物の取扱いを行う)に該当しているといえるでしょう。
「第一種動物取扱業」を行うには、都道府県等の登録を受けること、そして、業に係る広告(インターネット広告を含む)には、氏名、登録番号等を掲載する義務があります。また、購入しようとする者に対して、あらかじめ直接、その動物を見せ、必要な飼育等に関する説明を文書を用いて行う「対面販売・説明」も義務付けられており、インターネット上のみのやりとりで販売することは禁じられています。つまり、このマウスの販売者は、これらすべてに反している、重大な動物愛護法違反行為を行った可能性は高いのです。

現時点では、マウスをはじめ、出品を禁止している種類の動物はヤフオク!では見受けられませんが、出品が禁止されていない魚、ザリガニ、昆虫などがペット用、餌用として出品されている状況に変わりはありません。これらはガイドライン違反でも法律違反でもありませんが、インターネット販売では、販売者から購入者には宅急便で搬送されることになり、その動物へ相当な心身の負担がかかることは明らかです。
また、命あるものをオークションにかけることは、動物愛護法の「動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。」という基本原則に背く行為であり、倫理的に許されるものではありません。

Yahoo!ショッピングでの動物販売の規制は…

Yhahoo!ショッピングでは、個人/ライト出店とプロフェッショナル出店の2種類の出店タイプがあり、プロフェッショナル出店では「動物(魚類、昆虫類、虫類、両生類を除く)」の販売が禁じられています。個人/ライト出店では、魚類、昆虫類、虫類、両生類を含めて販売が禁止されています。ヤフオク!と同様の理由で、プロフェッショナル出店についても、ライト出店と同じくすべての種類の動物の販売を禁止するべきです。

JAVAは生餌にも野生動物の飼育にも反対

生餌は、その名の通り、生きた餌です。飼育されているピラニアやアロワナといった肉食魚や爬虫類、猛禽類に与えるために、生きたマウス、ラット、金魚、カエル、ドジョウ、コオロギなどが売られています。
生餌にされた動物は、人間の手で逃げ場のない捕食動物がいる水槽などに放り込まれ、食べられるわけですから、野生の動物の補食とは状況が全く違います。

JAVAは、生餌には当然反対です。そしてそれ以前に、本来野生で生きる動物を飼育すること自体、問題と考えます。ただ残念ながら、肉食魚や爬虫類、猛禽類を飼育すること、生餌を与えること、愛護動物以外の動物をインターネット販売することが現状では合法なのです。その状況のなかでも、「ヤフオク!」と「Yahoo!ショッピング」のような大手の人気のあるインターネットサービスにおいて、生体・生餌の取扱いが禁止されれば、生餌にされる動物の犠牲や、動物たちが搬送などで受ける負担を減らすのに大きな効果を出せるでしょう。

ヤフーは改善する気なし

JAVAは、動物愛護法の理念にのっとり、高い企業理念を掲げてほしいと、ヤフーに以下の事項を求めました。

  1. ヤフオク!、Yahoo!ショッピングにおいて、すべての種類の生体(生餌を含む)の出品を禁じること。
  2. 違反出品者に対しては再出品させないことを規約に加えること。

しかし、ヤフーからの回答は「法令に基づき利用規約を定めている」、つまり、違法ではないから、と生体や生餌の出品を今後も認めるとしています。

利用者として声を届けよう

残念ながら、ヤフーのみならず、楽天市場やAmazonでも生体や生餌の出品を全面禁止していません。
それぞれ独自の規約、ガイドラインを作っており、法律違反でなくとも、生体や生餌の出品に反対する利用者から多くの声が届けば、規約が改訂されることも期待できます。種類を問わず、すべての動物の出品を禁止してくれるよう、ぜひ皆さんからも要望してください。

 

<ヤフー株式会社>
代表取締役社長 宮坂 学 殿
〒102-8282 東京都千代田区紀尾井町1-3 東京ガーデンテラス紀尾井町 紀尾井タワー

<楽天株式会社>
代表取締役会長兼社長 三木谷 浩史 殿
〒158-0094 東京都世田谷区玉川一丁目14番1号 楽天クリムゾンハウス
電話(楽天市場 お客様サポートセンター):050-5838-4333(9時~18時)
楽天市場問い合わせメールフォーム

<アマゾンジャパン合同会社>
社長 ジャスパー・チャン 殿
〒153-0064 東京都目黒区下目黒1-8-1
電話:0120-999-373
社長へのご意見Eメールアドレス: jasper@amazon.com

 

<ノルウェー>捕鯨を止めない裏には…

ノルウェーが捕鯨を止めない裏には…

ノルウェーは、IWC(国際捕鯨員会)が商業捕鯨を禁止した後も独自で捕獲数を880頭と設定し捕鯨を続けており、2006年からすでに5,500頭のミンククジラを捕殺している。ノルウェーの鯨肉輸出量は上昇傾向にあり、その輸出先というのが同じく捕鯨を行っている日本、フェロー諸島、アイスランドである。これらの国はCITES(ワシントン条約:絶滅の恐れのある野生動物の種の国際取引に関する条約)の規制の網を巧みにくぐり抜け鯨の国際取引を続けている。
ノルウェー人が鯨肉を好まないにもかかわらず、捕殺された鯨がすべて輸出されない。それはなぜか。米国の動物福祉団体AWIと環境NGOであるthe Environmental Investigation Agencyによれば、75頭以上の鯨がノルウェーの毛皮農場へ売られているからである。飼料農場(Rogaland Pelsdyrforlag) から入手した資料には、2014年に113.7トンの鯨肉が毛皮農場で餌に使用されたという記録があった。このことがメディアに流れると、飼料農場は2015年も鯨肉を飼料にしたことを認めた。

ノルウェーの子ギツネ

©NETWORK FOR ANIMAL FREEDOM
餌として鯨肉を与えられている毛皮農場の子ギツネ

AWI Quarterly (Animal Welfare Institute) 2016 summer: AWI Responds to Norway’s Whaling Defiance

<欧米>多くの鳥も研究と実験に使われている

多くの鳥も研究と実験に使われている(欧米)

実験に使われる動物はげっ歯類や霊長類が代表的であるが、実は鳥類も数多く使用されている。米国では、鳥類は「動物福祉法」の適用外であるため統計はないが、毎年60万羽以上が使用されていると推測される。

一方、EUでは2011年に675,000羽が使用され、これはEU内の全実験動物数の5.9%にあたる。それらのほとんどが動物の基本的な性質を調べるための生物学的研究に使用された。たとえば、鳥に装置を埋め込み飛行中の呼吸器内の空気の流れを調べたり、脳の一部を損傷させて、さえずりの発達への影響を調べる研究などがあった。また、医学・獣医学用の製品と医療器具の研究、開発、品質管理にも多くの鳥が使われ、その中の89%は家禽の病気、とりわけ鳥インフルエンザの研究に使用された。

それ以外では、人間や動物用薬品、農業用物質、飼料の添加物の毒性や安全性を調べる試験には、17,000羽以上が使われた。これらの試験には、試験物質を高用量投与する急性、亜急性試験といった鳥たちに大きな苦痛を与える実験も多く含まれている。

実験に使われる鳥たち

 AV Magazine(American Anti-Vivisection Society) Issue 1, 2016: Birds in Research and Testing

子ども向け科学講座で「ブタの臓器の解剖」

<東京・渋谷区> 子ども向け科学講座で「ブタの臓器の解剖」
二度と行わないよう働きかけを!

東京都渋谷区にある「こども科学センター・ハチラボ」で7月10日(日)、ブタの臓器を解剖する講座が行われました。ハチラボは、子どもにさまざまな科学実験などを体験させる渋谷区が運営する施設です。
JAVAは実施前に中止を求めましたが、渋谷区は強行し、廃止する考えもありません。


区報に出ていた講座の告知

●ハチラボ講座「ブタの臓器・器官から読み解くヒトの体のつくり」

[用いたブタの部位]心臓、肺、腎臓、肝臓、胆のう、舌、食道、胃、小腸
[入手方法]卸問屋から購入
[部位ごとの使用数]各5組
[目的]ヒトの臓器や器官のつくりやしくみについて、ブタの臓器・器官から学ぶ。
[内容]講座や実験の概要を説明⇒各臓器を観察したり、実際に触ってみる⇒ワークシートに記入⇒各臓器を廃棄
定員 15人(抽選)

実施した解剖講座の詳細(JAVAが渋谷区から得た情報)

日時 7月10日(日) 14:00~16:30場所 こども科学センター・ハチラボ
内容 ブタの臓器や器官を観察し、呼吸や消化の仕組みを学ぶ
講師 都立小山台高校教諭 飯塚慎氏
対象 在住・在学の小学校6年生~中学生(中学生優先)
定員 15人(抽選)

死体・臓器の解剖にも問題がある

「死体・臓器の利用」であれば、その動物に痛み、苦しみ、恐怖を味わわせるといった問題はありませんが、その動物たちは寿命をまっとうしたのではなく、人間によって殺されたことをまず考えなければならないでしょう。死体を解剖するということは、その前段階において、その生き物を殺す行為(今回の場合は食用のためにと畜された)が必ず必要になるわけです。つまり、死体の解剖を良しとするなら、生き物を殺す行為をも容認することになるのです。

ましてや、小中学生のような多感な時期の子どもが、高校教師の指導で行われる区の講座に参加したら、「食べているものなんだから、感謝すれば何をしてもよい」「動物の体を解剖するのはよいこと」という誤った認識を持ちかねません。そういう認識を持ってしまったら、子どもたちは弱い立場の動物を慈しむ気持ちに蓋をするようになり、殺すことや切り刻むことに無感覚になることが懸念されます。そして、「自分でカエルや魚を捕まえて解剖してみよう」「車に轢かれた猫の死体を解剖してみよう」と考える子どもが出てくる可能性もあり、今後、どのようにエスカレートするか計り知れません。

さらに、近頃、人間の遺体をバラバラにして棄てるといった猟奇的な犯罪が多発しています。それに関して、評論家などは、人々の道徳心が希薄になり、遺体への畏敬の念が薄れてきたため、と指摘しています。死んでいるのだから何をしてもよいという感覚は、命を軽視することに繋がるものであり、極めて危険な発想です。 渋谷区の解剖実習はつまり、そのような恐ろしい考え方を子どもたちに教えているのも同然であることを区は理解すべきなのです。

区は解剖を強行

JAVAでは、渋谷区長に対し、死体・臓器の解剖の問題点を指摘し、事前に講座の中止を求める文書を提出しました。しかし、JAVAに対する渋谷区の回答は、次のようなJAVAが指摘した問題点に答えていないばかりか、到底納得できるものではありませんでした。そして、解剖講座を強行したのです。

★渋谷区要望回答

区の回答に対するJAVAの反論

【反論①】  「学校では経験できないことを経験させる」ために解剖をさせることは、教師の信念を否定する
区長の回答は、「最近は、解剖実習を行う学校が減ってきている。だからハチラボで体験させる」と解釈できます。動物愛護意識が徐々に向上し、また教育現場で命の大切さを教えることの重要性が言われてきて、それが解剖実習の減少につながっていると考えられます。減ってきているから、あえて体験させるというのは時代錯誤もいいところです。
どのような方法で動物の体の仕組みを学ばせるかは、学校・教師が決めることができますが、なかには「子どもたちに、解剖のような行為をさせたくない」という高い倫理観をもって解剖をあえてさせていない教師もいます。そのような学校・教師の方針を、この講座は否定し、侵害するものです。

【反論②】 解剖ではない「理科離れを食い止めるための見て、触れての体験」はさまざまある
理科離れが指摘されていて、その対策として、「観察や実験に力を入れる」ことが国の方針でも出されています。
講義を受けるより、子どもたちは実際に観察・実験することに興味を示すでしょう。だからといって、解剖をさせてよい理由にはなりません。
生物分野の「観察・実験」なら、たとえばフィールド観察にて、野生動物たちがたくましく、懸命に生きる姿や植物の成長を観察させたり、人間の骨格やその動きを講座の参加者同士で動かしながらお互いに学んだり、学校では持っていないような学習ソフトや顕微鏡を使わせるなどの体験もできます。
子どもたちに解剖をさせる行為については、「解剖体験のショックから、科学の道に進もうという意欲をそぐことにもなりかねない」と指摘する論文もあり、子どもたちの理科離れを防ぐどころか、加速させてしまう恐れもあるのです。

【反論③】 解剖をして「医学・生物学分野への関心をもつきっかけになる」は疑問
高齢女性を惨殺した名古屋大学の女子学生は理学部に属していました。同級生を殺害した佐世保市の女子高生は、さまざまな小動物を解剖し、人間の解剖にも興味を持っていました。
「子ども達が医学・生物学分野への関心をもつきっかけになることへの期待を含めて開催する」と渋谷区は主張しています。子どもが「生物学の勉強をして世の中の役に立つ研究をしたい」「医者になって病気の人を助けたい」と思うきっかけは、苦しんでいる人、困っている人のことを知ったり、そういった人と接しているうちに湧いてくる熱意ではないでしょうか。解剖を体験して「生物学系・医療系に進みたい」と考えるようになった子どもの場合、「今度は生きた動物を解剖したい」「人間でやってみたい」という考えを持つ危険性を孕んでいると言っても過言ではありません。

これまでの医学研究の歴史においては、ブタは多く使われてきました。だからといって、子どもたちにブタの臓器を解剖させる必要性は全くなく、そればかりか医学研究においても動物を使用しない方法の開発・採用が進められています。
また、米国・カナダにある197の医学校すべてが生きた動物を使用したカリキュラムをなくしたなど、医学教育分野でも動物を犠牲にしない努力が進められており、この講座は時代に逆行しているとも言えます。

廃止に向けて、アクションを!

渋谷区の回答や解剖を強行したことを受けて、JAVAは区に解剖の問題点を厳しく追及をしたところ、今度は不都合な質問には答えないという対応をしてきました。これからも廃止に向けて追及を続けていきます。
皆さんからも、「動物もその死体も臓器も使う講座はやらないで」といった声を渋谷区やハチラボに届けてください。

 

<長谷部健 渋谷区長>
〒150-8010渋谷区渋谷1-18-21
区長への手紙専用FAX:03-5458-4900
区長への手紙メールフォーム

<区の担当部署>
渋谷区教育委員会 生涯学習振興課 生涯学習係
〒150-0042渋谷区宇田川町5-2 渋谷区役所 神南分庁舎
電話:03-3463-3049 FAX:03-3463-3822

<解剖を実施する施設>
こども科学センター・ハチラボ
〒150-0031渋谷区桜丘町23-21 文化総合センター大和田内
電話:03-3464-3485 FAX:03-3464-4785

活動記事を新しく掲載しました(2016年7月)

2016年7月13日

新しく、活動報告や記事をアップしましたので、ぜひご覧になってください。

海外ニュース5件をアップしました

海外の動物保護団体から入る、様々な動物たちをとりまく情報を掲載しました。

<米国・カナダ>すべての医学校で生きた動物を使う実習が廃止!

アメリカとカナダのすべての医学校で生きた動物を使った実習が廃止される!

ジョンズ・ホプキンス大学医学校に続き、テネシー大学医学校も動物の使用を中止した。この結果、アメリカとカナダにあるすべての医学校の実習で、動物が使用されることがなくなった。

米国の動物実験に反対する医師・科学者の団体PCRM(責任ある医療のための医師委員会)は30年以上、医学校での実習で動物を使用することを止めさせるキャンペーンを展開してきた。1985年にPCRMが設立された当時は、ほとんどの医学校は、病気の治療法を熱心に学びたいと望んでいる学生に対し、動物の体を切り開く外科手術や、薬の反応を見るために犬たちにさまざまな薬を注射するなどの実習をやらせ、動物を殺すことを要求していた。多くの学校では、このような実習に参加しなかった学生は罰せられたり退学させられたりしていた。

今回の成果で、アメリカとカナダのすべての医学校で、学生は動物を傷つけることなく医師の資格を取ることができるようになった。

PCRM: All Medical Schools END ANIMAL USE for Trainin

The Washington Post: One last U.S. medical school still killed animals to teach surgery. But no more.

<米国>「動物実験を最小限に」―有害物質規制法改正!

「動物実験を最小限に」―有害物質規制法が改正される!
米国政府、行動を起こす!

2016年6月22日、新しい化学物質の安全に関する法律にバラク・オバマ大統領が署名した。動物実験に対する画期的な非難を組み入れたこの改正法を動物保護団体は称賛している。
上下両院の賛成を得てオバマ大統領が署名した改正有害物質規制法(TSCA)は、動物実験の削減をさらに促進させる次のような条項が盛り込まれている。
アメリカ連邦議会はEPA(米国環境保護庁)に対し、この法の制定日から2年後までに脊椎動物を用いた試験の削減と苦痛軽減と代替試験について、方法や戦略の開発と実施を促進する戦略計画を提出することを命じている。また、計画書作成から5年後以降、5年ごとにその計画の実施と進歩、今後の代替試験の方法と戦略の実施目標について記載した報告書を連邦議会に提出することも指示している。さらにこの法は、EPAが脊椎動物を使用した実験をするよう要求する前に、既存の毒性学の情報と代替試験を用いることによって、脊椎動物を使った実験を行わない方法をまず検討することも命じている。
動物実験は、コストが高く、試験に時間がかかり、ヒトへの影響の予測性が低いことが多い。「この改正法は、アメリカ連邦議会が動物実験を最小限に抑え、代替法の開発とその使用のための戦略を優先することを初めて明確にしたものだ。またこの改正法は、化学物資、殺虫剤、バイオサイド*、化粧品などのリスク評価あるいは安全性確認における動物使用からの脱却の動きを加速するであろう。」と米国の動物保護団体HSUS(全米人道協会)の会長兼CEOであるウエイン・パーセル氏は述べた。
*工業製品の微生物汚染を防ぐ薬剤(防腐剤、防かび剤、防虫剤など)

The Huffington Post: The U.S. Takes Action to Minimize Animal Testing
One Hundred Fourteenth Congress of the United States of America

エシカル消費の中の「動物への配慮」

エシカル消費ムーブメントのなかで「動物への配慮」が浸透中

いわゆる「エシカル消費」とは、消費行動を通じて持続可能な社会を導こうという取り組みです。しかし、まだ明確な定義はなく、その内容も含めて消費者庁が設置した「『倫理的消費』調査研究会」(以下、研究会といいます)にて1年前から議論が重ねられています。
私たちJAVAでは昨秋、この「倫理的消費」の概念のなかに「動物への配慮」を含めるよう消費者庁および研究会の各委員に提言していました
その後、このエシカル消費をめぐるムーブメントのなかで、さまざまな方々からの動物にまつわる問題提起が増え、動物に対して配慮が必要だという認識が着実に向上しています。

消費者庁「『倫理的消費』調査研究会」

2016年6月3日に開かれた第6回目の研究会では、日本女子大学の細川幸一教授から「アニマルウェルフェアとエシカル消費について」と題する話題提供がありました(第1回目からの研究会の詳細は、消費者庁のウェブサイトで見ることができます。「消費者庁」「倫理的消費」で検索してください)。
豚の妊娠ストール飼育、採卵鶏のバタリーケージ飼育、アンゴラウールやダウンの残酷な採取方法、化粧品の動物実験などの事例が説明されると、聞いていた委員たちの顔色がたちまち曇っていきました。
最後に細川教授からの「『倫理的消費』調査研究会で、動物という、意識・感覚を持ち、地球上に人間とともに生きる存在がどのような扱いを人間から受けているかの検証を行うことは当然と考える」との言葉が力強く響きました。

エシカル朝食会

6月14日、都内で開かれた「エシカル朝食会 特別交流会」に参加し、エシカル消費の普及に際して動物への配慮の必要性を訴えました。
「エシカル朝食会」は、およそ2か月に一度、企業やNGO、大学教授など日本のエシカル消費の動きをリードする人たちが集まり、講師からの講演を聴いて、朝食をとりながらエシカル消費への理解を深めることを目的にしている会(主催:日本エシカル推進協議会)ですが、これまで、安倍昭恵首相夫人、坂東眞理子昭和大学理事長らが講師を務め、板東久美子消費者庁長官(当時)、鳩山由紀夫元総理大臣など政界の要人も参席しています。
オリンピック、金融、マーケティング、遺伝子組み換え、フェアトレードと、多岐にわたるテーマについて各分野の最前線で取り組む方々からプレゼンテーションが行われました。
この場で、JAVAを含む3つの動物保護団体で構成する「美しさに犠牲はいらないキャンペーン実行委員会」は、化粧品の動物実験について問題提起をいたしました。また、「エシカル消費に動物への配慮が取り入れられるように」と一緒に活動しているアニマルライツセンターからは卵の残酷な生産過程について発表がありました。

エシカル朝食会 特別交流会1

美しさに犠牲はいらないキャンペーン実行委員会のプレゼンテーション(PEACE・東さん)

エシカル朝食会 特別交流会2

ファッションジャーナリスト、生駒芳子さんからの配布資料。WWD Japan 6月13日号の特集記事。

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