犠牲になる犬猫をなくすために

不妊去勢手術を徹底させよう

全国の自治体で引き取る犬猫の48%は子犬子猫です。

「飼い猫が子猫をたくさん産んでしまった」「子犬が産まれたがこれ以上飼えない」―こんな理由で子犬子猫を放棄する飼い主が多いのです。生まれてきた子犬、子猫を終生愛情飼育ができないのなら、産ませるべきではありません。殺されるために生まれてくる命をこれ以上つくらないためには、不妊去勢手術の徹底が不可欠です。

また、ホームレス猫は、飢えや寒さ、病気や怪我に苦しんだり、業者に違法捕獲されたり、虐待を受けるなど、過酷な生活を強いられています。このようなホームレス猫を増やさないためにも、不妊去勢手術は重要です。

妊娠以外の不妊去勢手術のメリット

<メス>

  • 猫は、発情しなくなり、発情期特有の甲高い大きな声をあげなくなる。
  • 犬は、生理がなくなる。
  • 犬も猫も卵巣、子宮の病気にかからなくなる。

<オス>

  • 猫は、縄張りやメスをめぐるケンカが減る。それによって伝染病への感染の確率も減る。
  • 猫は、発情しなくなり、発情期特有の甲高い大きな声で鳴くなどがなくなる。臭いづけ(スプレー)も大抵の場合なくなる。
  • 犬は、発情したメスへの興奮による、吠え続け、散歩時の引っ張り、マーキング、マウンティングなどがなくなる。
  • 犬も猫も精巣の病気にかからなくなる。

里親になろう

保健所や動物管理センターに収容された犬猫たちが、唯一救われる方法は、新しい飼い主が見つかることです。自治体では、市民への譲渡システムを設けています。

「犬猫と暮らしたい」という人はペットショップやブリーダーから買うのではなく、自治体の譲渡システムを利用し、飼い主に捨てられた犬猫の里親になってください(ウサギなど小動物の譲渡をしているケースもあります)。

1頭でも犠牲となる犬猫を助けるために・・・

自治体の担当窓口一覧(環境省のサイト)

 地域猫活動を広めよう

ホームレス猫に不妊去勢手術をして、その猫がいた地域に戻し、マナーある餌やりなど世話をしていく「地域猫活動」が全国で広まってきています。手術の助成金制度を設けている自治体も増えています。

ホームレス猫への不妊去勢手術を徹底すれば、数は自然と減り、「庭に糞尿をされた」「鳴き声がウルサイ」といった猫についての苦情・トラブルも減っていきます。

つまり、猫が好きな人だけでなく嫌いな人にも受け入れられる、愛護にかなった解決策なのです。

「自分では地域猫活動をすることは無理」という人も、「地域猫活動」をやっている人を応援する、地元自治体に「地域猫活動の支援と推進」を要望する、などできることはたくさんあります。

虐待を防止しよう

日本には動物を守る「動物の愛護及び管理に関する法律」という法律があります。この法律では、犬猫をはじめ、牛、馬、豚、めん羊、やぎ、いえうさぎ、鶏、いえばと、あひる、その他人の飼育下にある哺乳類、鳥類、爬虫類を「愛護動物」と規定して保護しています。そして、次のような罰則が定められています。

  • 愛護動物をみだりに殺したり、傷つけたりする
    → 5年以下の懲役または500万円以下の罰金
  • 愛護動物に暴力をふるったり、世話を怠り衰弱させる等の虐待をする
    → 1年以下の懲役または100万円以下の罰金
  • 愛護動物を捨てる
    → 1年以下の懲役または100万円以下の罰金

しかし、餌や水を与えないなど世話をしない飼い主、不要になった動物を捨てる業者、飼っていた動物を捨てる飼い主は多く、また動物虐殺事件も後を絶ちません。より動物たちを守ることのできるよう、動物愛護法をさらに改正していく必要があります。

動物の遺棄・虐待事例一覧(環境省「動物虐待事例等調査報告書」平成30年度より)

動物虐待が後を絶たないその大きな要因のひとつとして「動物虐待や動物の遺棄が違法である」ということが、社会に浸透していないことがあります。動物愛護法を活かして悲惨な現状から動物たちを救うことができるのは、私たちだけです。

動物愛護法を全国の人々に知らせましょう。
動物虐待を防止するために、動物をいじめている不審者がいないか地域で目を光らせましょう。
動物への暴力行為、虐待を発見したら、警察に通報しましょう。

参考
🐕「動物愛護管理行政事務提要(令和元年度版)」
 (環境省自然環境局総務課動物愛護管理室)
🐕「犬を殺すのは誰か-ペット流通の闇-」
 (AERA記者太田匡彦著 朝日新聞出版)

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