刑事告発は不起訴に 検察審査会に申し立てを行います
牛たちへの殴る・蹴る・金属製の道具で叩くなどの暴行、糞尿が堆積した運動場や暑さ寒さ・風雨にさらされる囲いの中に収容するといった不適切飼育が動物愛護法に反するとして、2024年2月にJAVAたち4団体は暴行を行った従業員(職員)8人とその雇用者である茨城県を刑事告発していました。
2025年1月に被告発人全員が水戸地方検察庁に書類送検されましたが、3月、検察は「嫌疑不十分」として不起訴の決定を下しました。そのため、4月に告発人である4団体は、代理人弁護士とともに主任検事と面会し、嫌疑不十分との判断に至った理由の説明を求めました。
説明の要点は以下の通りです。
- 動物愛護法第44条第2項において、「愛護動物に対し、みだりに、その身体に外傷が生ずるおそれのある暴行を加え」ることが禁じられている。「みだりに」かどうかの見地からも検討し、さらに、「外傷を生ずるおそれがある」かどうかも考えた。犬猫とは異なり、大型動物である牛であるため、この条項に該当する暴行と判断できなかった。
- 排せつ物の堆積については、犬猫であったら部屋の中に糞がたまっていたら違反と考えられるが、畜産動物の飼育施設においては、排せつのたびに処理するわけではないので、畜産センターの状況が必ずしも堆積にあたるとは言えないと考えた。
- 県外の獣医学と畜産の専門家にも意見を仰いだ。
- アニマルウェルフェアの観点からは、畜産センターの扱いは好ましくない点がある、問題があると感じるが、あくまで法に反するかどうか(構成要件にあたるかどうか)で判断することになる。
しかし、治療中の負傷している足を金属製のスコップで繰り返し突くなどの暴行は、十分に外傷や怪我の悪化のおそれはあると考えます。そして、排泄物については、運動場では牛の蹄がすっぽりと埋まるほどの厚さで汚泥化しており、あれが「堆積」でないはずはありません。動物愛護法においては、犬猫も牛も「愛護動物」として虐待の条項が適用されているわけであり、大型動物、畜産動物であることを理由に適用除外してもよいはずはありません。
不起訴の決定には到底納得できないことから、JAVAたち4団体は検察審査会に審査請求を行うことにいたします。