県立科学館がラットの生体解剖を計画

「ラットの生体解剖イベント」抗議で中止! <山梨県立科学館>

教育の分野で行われている動物実験に、学校での解剖実習があります。JAVAでは、「未だに解剖実習を行っている小・中・高校などがあればお知らせください」と呼びかけてまいりましたが、「山梨県立科学館で、ラットの生体解剖が計画されている」という情報が入りました。
JAVAは直ちに、広く情報を発信すると同時に、山梨県立科学館と山梨県教育委員会に対して、「ラットの生体解剖イベントの即時中止」を強く要望しました。

「好奇心で動物を殺す」ということ
生体解剖実習は、明らかに「命を大切にする教育」の主旨に反するもので、犬猫や人間に対する行為にエスカレートする危険性が大いにあります。そして何よりも、「体の仕組みを調べたいから」と、好奇心のために動物を殺す行為自体が許されるものではなく、生体解剖は、「自分さえよければ、他者には何をやっても良い。特に弱者は刃向かってこないからやりたい放題できる」といった自己中心の身勝手な発想を正当化させるに十分な役割を果たすものです。
動物虐待と凶悪犯罪の間には深い関連性のあることが、過去の数多くの例から実証されているように、動物虐待行為を「教育」の名の元に正当化する生体解剖が、青少年に対して悪影響を及ぼすことは明かなのです。

「生体解剖中止」を教育委員会が回答
山梨県教育委員会から、「ラットの生体解剖中止」の電話がJAVAに入ったのは、解剖実習実施予定日の5日前でした。「市民に対する影響が大きく、(生体解剖は)中止したほうがいいと、教育委員会のほうで判断しました。(要望書に対する)回答書は、すぐに郵送しますが、その前に、急いでJAVAさんに中止の決定をご連絡致しました」とのこと。
まさに、市民の圧倒的な声が中止の決め手になったのです。公表さえされていた今回の生体解剖計画を、しかも実施の直前になって、多くの市民からの要望で中止できた・・・このことが、今後の活動に与える意義は、非常に大きいものがあるといえるでしょう。

~動物虐待は犯罪へエスカレートする~

「連続殺人犯のジェフリー・ダーマーは、7歳ごろから残虐な動物虐待を始めた。オタマジャクシから始まり、やがては犬や猫を切り刻んで木につるし、友人に見せびらかした。しかし父親は後のインタビューに答えて、『動物の体に対する知的好奇心がおう盛だと思い、将来外科医になるのではないかと期待していた』と話した」(7/10付東京新聞)

「FBI元特別捜査官のロバート・レスラー氏は『凶悪犯罪者の多くが小学校時代、あるいはそれ以前から動物虐待を繰り返し、他の生命への支配欲を満たし、快感を感じていた』と指摘しています」(8/14付毎日新聞)

<いずれも、HSUS(全米人道協会)ランダル・ロックウッド氏へのインタビューより>

(JAVA NEWS No.69より)

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