JAVA:NPO法人 動物実験の廃止を求める会(Japan Anti-Vivisection Association)

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留まるところを知らない猫の駆除

猫の駆除について、JAVAは数多くの問題に取り組んできたが、自治体が自ら捕獲したり、市民に捕獲器を貸し出して、捕獲した猫を引き取り殺処分するというこれまでのケースと違い、最近では市民や施設が駆除を業者に委託する例が増えている。
そのうちの2例を報告する。

【その1】
「京都の大きな料亭で長年、猫が捕獲されている」「捕獲を業者に委託しているようだ」との連絡を受けたJAVAが調査したところそれが事実であることが確認されたので、責任者に捕獲の即時中止を直談判したが埒が明かなかった。しかし、JAVAが捕獲の違法性を指摘し、捕獲を中止しなければ厳しい手段を講じるとの警告をすると、事態の深刻さを理解した料亭側は、態度を軟化、「以後一切捕獲を行わない」との回答を得た。JAVAは、今後この料亭の本社に対して、再発防止を要望し、委託業者の調査に取り組む予定である。

【その2】
2008年7月、浜松市内のマンションで猫を捕獲する計画があるとの通報があり、詳しい情報収集から、この駆除計画は業者に委託されていること、浜松市保健所はこの計画を知りながら、「近隣全世帯に捕獲の告知を行うように」と捕獲を前提とした助言を行っていることが判明した。さらに保健所は「捕獲した猫の取り扱いについて(殺処分を行う施設である)保健所に持ち込むことも選択肢の一つである」などととんでもないアドバイスをしていたこともわかり、猫の捕獲の違法性の認識の欠如があきらかになった。しかし幸いにも地元の動物保護団体が迅速に動き、話し合いの結果、捕獲は寸前で中止になった。ただ、保健所が誤った認識を持ったままだと、猫の駆除はなくならないことから、JAVAは、浜松市に猫の捕獲の違法性を指摘し、強く改善を要請した。浜松市からは「駆除や違法性の疑われる猫の引取りを防止する」との回答があった。また委託されていた業者がわかったので、JAVAは、社長に対して違法性を指摘し、「今後、猫の捕獲や殺処分は一切行わない」「社員に関係法令を周知させ、違法行為が発生しないよう指導する」との回答を得た。

猫捕獲違法性について

● 動物愛護法違反である
猫は飼い猫でも野良猫でも動物愛護法において、罰則が適応される対象の「愛護動物」と規定されている。猫を捕獲すること自体は違法とはされておらず、不妊去勢手術のためなど、愛護目的の捕獲はできるが、殺すことや虐待が目的の捕獲は愛護法違反である。今回の2例でも猫を排除、殺処分するための捕獲であるので違法性は問えるのである。

● 遺失物等横領の罪になる
猫はその習性から野良猫であるかどうかの判断は困難で、所有者のいる可能性がある。首輪はつけていても取れることもあるし、マイクロチップは外見からは装着は判断できず、リーダーをあてても読み取れないこともある。つまり、猫を捕獲する行為は、他人の猫を盗むという遺失物等横領罪、あるいは窃盗罪にあたる可能性がある。浜松市保健所の行為は窃盗を手助けしたことになり、窃盗幇助罪にもなりかねない。

● 他人の飼い猫を死傷させる行為は、器物損壊罪に該当する。
捕獲した猫が他人の飼い猫で合った場合、その猫を保健所等に持ち込んで殺したり、傷つけたならば器物損壊罪に問える。
浜松市保健所では捕獲した猫を保健所で引き取るとアドバイスしていたが、動物愛護法では、不当に捕獲した場合は引き取り対象になりえない。つまり、捕獲された猫の引き取りも愛護法違反になる可能性がある。浜松市の場合職員自らアドバイスをしており、このことから考えても、いかに多くの猫が行政の手により命を落としてきたか計り知れない。

野良猫による被害を防止するには

駆除するのではなく、数を増やさないために不妊去勢手術を施し、餌やりなどの世話をする「地域猫」の活動をさらに広げていくとともに、自治体は、地域猫の活動を啓発、支援していく必要がある。
不妊去勢手術や傷病の治療といった愛護目的で捕まえる「保護」と、駆除(殺したり、保健所等に持っていったり、排除したり、どこかに持ち去るなど)目的で捕まえる「捕獲」は明確に異なる。法律には、「捕獲は違法」といった規定はないが、駆除目的の「捕獲」は、先述のとおり違法性があるのだから、駆除目的の捕獲には、違法性を強く主張し、抗議をしていかなければならない。
現在、民間業者が猫の捕獲、殺処分を請け負っている事実が続々と判明している。地域の動物行政や業者の動きに監視の目を光らせ、一人一人の動物への関心と日々の取り組みで、猫の捕獲や動物虐待を防止していこう。

(JAVA NEWS NO.82より)

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