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日本動物実験代替法学会第22回大会報告

第22回日本動物実験代替法学会学術大会報告

 2009年11月13日~15日 大阪大学

毎年開催されている大会で、今回は5つのシンポジウムと口頭発表、インターナショナルセッション、チャレンジコンテスト、市民講座、ポスター発表というプログラムだった。

●NEDOプロジェクトによる化学物質の短期in vitro試験法の開発
NEDOとは、新エネルギー・産業技術総合開発機構のことで、経済産業省の外郭研究開発機関である。一般工業用化学物質の管理に関しての国際動向からは「迅速で安価な手法」「3Rs精神の拡張として、種差等の問題をはらむ動物実験に依存してきた毒性学からの転換」が求められていることから、有害性情報の収集についての短期in vitro有害性評価研究を推進している。そして技術体系を構築して国際標準とすることを目指すプロジェクトだ。発ガン性、免疫毒性、発生毒性に関する4つの研究発表がされた。

●ES、iPSを使用した代替法研究(日本組織培養学会共催)
ES細胞(胚性幹細胞)とiPS細胞(人工多能性幹細胞)は、共に様々な臓器や組織の細胞に分化する能力を持っていることから、再生医療に役立つとして非常に注目されている。細胞の品質や分化などにまだ問題はあるが、代替法にも応用できるものとして研究が増加しているようで、9つもの発表が行われた。創薬における薬効や副作用の判定、薬剤の発生毒性評価、化学物質の発生毒性試験、医療機器や生薬品質評価など様々な研究があった。

●医薬品開発と3Rs
「ひとつの新薬開発には150~300億円の費用と15~20年の歳月がかかるが、医薬品となる確率は0.005%といわれる。そのため開発初期から成功確率の高いものを選別する必要があり、効率的な開発は3Rsの追求が鍵になる」との話がまずなされ、続いて肝細胞を用いた毒性・薬効評価試験やin sillico(コンピーターシミュレーション)を利用した毒性評価について発表がされた。

●実験動物学協会から見た動物実験代替法
動物実験を擁護する立場から、「動物実験は必要不可欠」「動物福祉には十分留意している」とした3つの発表がされた。動物実験技術者からは、研究者ではなく実験動物施設や環境を手がける立場からすれば、3RsのRefinementのみが課題となるという内容だった。実験動物学会ではないのであるから、動物実験を擁護せざるを得ない人々をこの学会に招く意味があるのか疑問を感じるシンポジウムだった。

●第1回マンダム動物実験代替法国際研究助成 研究報告会
2008年に化粧品メーカーの株式会社マンダムによる「動物実験代替法に関する研究」への助成金交付を受けた、4つの研究報告がされた。選考基準に「特にReplacementに着目した研究テーマ(助成金にて動物実験を一切行わない)」とあり、志の高い助成で私たちも注目している。マンダムからの「動物実験が出来ないことはある意味、産業の発展をとめていることにもなるが、良い代替法が出来て世界の産業を発展させたい。」との話には、そういった姿勢が感じられた。残念だったのは、実験動物への麻酔の影響に関する研究を発表した東海大学医学部から「マンダムの助成金では動物実験が出来ないので、他の資金で比較するための動物実験を行った」と報告されたことだ。また、大阪大学・黒澤教授の発表では、「安全性評価にはたくさん動物が使われていて何とかしたいとの思いで、ES/iPS細胞による代替法研究に取り組んだ」と嬉しい言葉を聞いたが、最後に「資金が尽きたので動物実験に戻る」とおどけて発言したことには心底がっかりした。

●第3回チャレンジコンテスト
・貝で調べよう(小学生による水質実験)
・カタツムリを用いたカルシウム形成研究の提案(高校生による宇宙での微小重力下におけるカルシウム形成実験)
全国の小中高生から動物実験の代替法に関する自由な発想によるツール、試験方法、解析法、アイデア等を募集し発表してもらうという催しだが、第1回、2回に引き続き、残念ながら行われた動物実験の発表がされた。この企画自体に無理があると思われる。


今大会は、日本実験動物学会の評議員でもある大阪大学の黒澤教授が大会長として開催された。氏は、「動物実験は必要である」との立場をはっきり表明しており、3RsのRefinementこそが代替法と言わんばかりだ。大会開催挨拶文にも「本会は動物実験が必要であるとする動物実験擁護の立場をとらざるを得ない学術団体である。」と記している代替法学会が動物実験擁護であるならば、国際社会に認められる代替法が生み出せるわけもない。力のある研究者、偏った研究者によって学会の方向が決められないよう、JAVAや市民から「Replacementを目指すべき」と常に、そして強く提言していかなければならない。

(JAVA NEWS No.84より)

 

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