JAVA:NPO法人 動物実験の廃止を求める会(Japan Anti-Vivisection Association)

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代替法教育の専門家がJAVAを訪問

<インタビュー>

アンドリュー・ナイト氏&ヤスミン・デ・ブー氏
-代替法教育の専門家が来局-

 

アンドリュー・ナイト

Andrew Knight
オーストラリアのマードック大学の獣医学部に在学当時、動物実験に反対する活動を行い、「動物実験を拒否する権利(良心的拒否権)」をオーストラリアで初めて勝ち取り、動物実験をしないで獣医師になる。現在は、英国で「国際動物コンサルタント(ACI)」と「animals count」の代表として、動物の権利擁護や代替法の普及を広めるため、世界各国で講演や執筆活動を行なう。

ヤスミン・デ・ブー

Jasmijn de Boo
世界動物保護協会(WSPA)の教育プログラムのコーディネイターとして代替法の普及に取り組んでおり、ACIの協力メンバーとしても活躍している。

2007年8月16日、アンドリューさんとヤスミンさんが第6回国際動物実験代替法会議に参加するため来日。その当日、JAVA事務局で、インタビューを受けてくださることになりました。「国際動物コンサルタント(ACI)」の活動、アンドリューさんが獣医学生だった当時の様子、代替法を取り入れる意義、欧米の状況などを伺った後、ご持参くださった代替法キッドの使い方も説明していただきました。長旅でお疲れだったにもかかわらず、終始ユーモアを交えて一つ一つの質問に丁寧にお答えくださるなど、知的で明るいお二人の人柄を窺い知る事も出来た貴重なインタビューでした。(一部抜粋した内容をご紹介します)

アンドリューさんは、前回2005年、ベルリンで行なわれた国際動物実験代替法会議で「動物の発がん性研究:人間の発がん性の予測には信頼性に欠ける」という研究を発表し、それが高く評価され、ポスター賞を獲得されましたね。このことは、JAVAの会報でも掲載し会員に報告しました。

JAVAからお祝いの手紙をもらうなど、他の国の人たちからいろいろな励ましのメッセージをもらうことはとても嬉しく、皆さんに感謝しています。そして、それがまた大きな活力になります。

アンドリューさんは、世界各国で講演をされていますが、それにかかる旅費など、いろいろたいへんでご苦労があるのではないですか?

旅費などは自己負担しています。1年のうち9ヶ月は獣医として働き、あとの3ヶ月は、いろいろな活動をしています。テンポラリーな獣医でいるのは、動物のための活動の時間を十分作りたいからです。

アンドリューさんは、動物実験をしないで獣医大学を卒業し、獣医師になりましたが、一方、動物実験をして卒業した人とではどんなところに差が出てくるのでしょうか?

一般的には、卒業して獣医になったばかりの時は、誰でも失敗が怖いので自信がまだありません。しかし、私は代替法を使い、そして獣医のアドバイスと指導のもと、病院やシェルターで手術などの実習をしました。動物実験をして学習した他の学生より、5倍以上もの動物の治療を行ないました。このことが卒業して獣医になった時に、大きな自信になりました。
実験をやっている学生は、病院やシェルターへ行っての実習は必要ないと思っています。しかし、そこで犬猫の避妊手術の実習ができることはとても大事なことです。普通、学生時代には1匹ぐらいしかする機会がありませんが、自分は23匹もの実習を行なったので、それが自信につながったのだと思います。

アンドリューさんは代替法でマードック大学を卒業されましたが、オーストラリアでは、獣医大学が何校あり、そのうちどのくらいの大学が代替法で卒業できるようになったのですか?

現在6校あります。そのうちの4校は、2005年には動物を犠牲にしないで卒業できるようになりました。残りの2校の獣医大学も、動物を犠牲にしないカリキュラムを持っています。

ヨーロッパではどの国の獣医大学の代替法が進んでいるのですか?

英国です。かなり前から、英国にある6校全部では、動物を犠牲にするカリキュラムがありません。

アンドリューさんは、世界各国の代替法の状況をご覧になってどのように感じられていますか?

ここ15年ほどの間に、アメリカ、オーストラリア、ブラジル、インド、ロシア、ウクライナなどで代替法は進んできました。

日本では、獣医大学の教授が、欧米の獣医大学では動物実験をしないで卒業できること、また、実践されている代替法なども知っているはずなのに、「動物実験は必要で、欧米で実践している方法はあくまでも補助手段である。生きた動物の使用は不可欠である」などと教授自らがシンポジウムで発言していますが、これについて、どう思われますか?

いろいろな意見があるとは思いますが、実際、学校の試験、成績について、代替法を使った人と使わなかった人を比較すると、代替法を使った人のグループの方が優れているという結果が出ています。私自身も実験せず代替法や実習で獣医師になりましたが、技術的なことはもちろんですが、何より学生たちは代替法で教育を受けることによって、動物には苦痛を与えてはいけないという気持ちが強くなっていきます。そしてそれは、優れた獣医師を育てることになります。

アンドリューさんが今回の国際動物実験代替法会議で発表するために持参された代替法キッドの使い方の説明をしてくださいました。キッドの中には500回繰り返して使えたり、部分的に取り替えることも出来るものもあるそうです。

【スキン・キッド】
大きな犬とかブタ用。皮膚を縫うための手技の練習に使います。
自動車のチューブと同じような材料で出来ています。

スキン・キッド

【ネコ Fluffy】
900ドル。ハリウッドで働いていた人が獣医と共同開発。
心臓の音で20の病気を判断することが出来ます。どの動物でも基本的な治療には役立ち、採血、点滴、筋肉注射、脈をとる、人工呼吸、骨折の固定などの練習ができます。
(アンドリューさんが抱いているのが、Fluffy)

fluffy

代替法キットその他

その他にも犬やブタの胃のモデルも見せていただきました。また解説書で、馬が洪水などで動けなくなった時、レンジャーなどが水の中から救出するための練習用の馬のモデル(名前はLucky、本物は実物大。)や、犬が銃などによって傷を負った時の治療練習用の犬のモデル(名前はFetch)や、CD-ROM(カエル、魚)での解剖や手技の練習などの説明もしていただきました。

スイス、英国、オランダなど、ほとんどのヨーロッパのハイスクールでは生きた動物は使われていないとのことです。子供は大人が思っている以上に繊細な心で真剣に命について考えています。JAVAには、小・中・高等学校のマウス、カエルなどを使った解剖実習に対し、「かわいそうだから、JAVAから学校に中止を求めてほしい」と訴える生徒や、獣医師になりたいが、動物実験はしたくないのでどうすればいいのかなど、進路に対する悩みや問い合わせも増えてきています。しかし、このような子供や学生の思いに対し、残念なことに教育機関や教育現場にいる教師たちの意識があまりに低く、他の国に比べて遅れているのが日本の現状です。

また、今の日本の獣医大学には、動物の命を助けるために獣医師になろうとして勉強している学生に対し動物実験をさせ、動物を傷つけ、殺さなくてはならないような矛盾した教育システムがあります。そんな教育の中で学生たちが、動物を傷つけることに慣れてしまい、殺すことに麻痺してしまえば、獣医師としての倫理観を失うことになります。動物の命を大切に思える人こそが、誇りある獣医師になれることに疑う余地はありません。今回のアンドリューさんの話をお聞きし、代替法を学ぶことは、命を扱う獣医師としての精神的そして技術的な向上にもつながることを確信しました。獣医大学での教育システムに、代替法や動物病院などでの実習を取り入れるよう、今後もJAVAは働きかけて行きます。

アンドリューさんから獣医師を目指す人へのメッセージ

動物たちを治すことを学ぶために、彼らを殺す必要はまったくないのです。
獣医になるために動物を傷つけたり殺したりする必要などないのです。

アンドリュー・ナイト

(JAVA NEWS No.80より)

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