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狂犬病蔓延を人道的に防ぐ経口狂犬病ワクチン <米国>

2020年6月25日

動物由来感染症である狂犬病は、哺乳類の中枢神経系を攻撃する致死性ウイルスによって引き起こされる。通常、この病気は、ウイルスに感染した動物に咬まれることにより感染する。米国疾病予防管理センター(CDC)によると、狂犬病の目立った兆候として、異常行動、過剰な唾液量、攻撃性などがあり、このような症状が出た動物は数日のうちに死に至るということだ。多くの場合、狂犬病に感染するのはアライグマやスカンク、キツネ、コウモリだが、そこから他の野生生物や家庭動物、家畜に広がる可能性がある。

1940年代および1950年代、広範囲に渡る狂犬病ワクチン接種運動が展開され、飼育動物での蔓延は抑制された。しかし、1970年代になるとアライグマ由来の狂犬病ウイルス株が米国東部に広がった。過去に行われていた野生動物に対する狂犬病防止策はもっぱら射殺や罠猟であり、動物数を減少させることで病気の蔓延を防ごうとしていた。多大な労力を必要とするこのような対策は、費用面、対象動物種の個体数の回復、対象外動物種への影響、世間の支持の低さなどからも効率的ではなかった。

狂犬病の蔓延を人道的に制御・防止するため、1990年代半ばには米国農務省動植物検疫局(USDA APHIS)により全米狂犬病管理プログラムが開始された。これは地上および上空から対象地区へ経口狂犬病ワクチン入りの餌の散布を行うもので、餌を消化すると同時にワクチンが動物の体内に取り込まれる。すると、動物の免疫系は狂犬病ウイルスに曝露したと勘違いし、病気と闘うための抗体を作る。このワクチン入りの餌を食べた動物が狂犬病になることはない。また、ネコやイヌなど60種類以上の動物にとっても無害である。 過去30年間で、このプログラムは数えきれないほど多くの人や動物の命を救い、狂犬病制御に多大な成果をあげてきた。例えば、米国全域でイヌの狂犬病は撲滅された。テキサス州ではハイイロギツネの狂犬病はほぼ撲滅し、アメリカ東部から他の地域へとアライグマの狂犬病が新たに伝染するのを防いでいる。

Oral Rabies Vaccines Humanely Halting the Spread of Rabies
AWI Quarterly Summer 2019/68/Number 2
https://awionline.org/awi-quarterly/summer-2019/oral-rabies-vaccines-humanely-halting-spread-rabies

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