JAVA:NPO法人 動物実験の廃止を求める会(Japan Anti-Vivisection Association)

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さまざまな動物の命を守る

JAVA、子猫虐殺犯を刑事告発

粘着テープで縛る、乱暴に肛門をこする・・・
JAVA、子猫虐殺犯を刑事告発

今年6月、インターネット上に少なくとも2頭の子猫を粘着テープで縛ったうえで、乱暴に肛門をティッシュでこすったり、圧迫するなどして虐殺する動画が投稿されました。この虐待動画については数多くの通報が全国の警察署に寄せられ、JAVAも告発状を提出。その後逮捕された犯人には動物愛護法違反で罰金20万円の処分が下されました。


投稿された虐待動画

6月18日に、「パンティマニアなお座敷シューター」という名で動画共有サイトYouTube(ユーチューブ)に投稿された4本の動画のうち3本に、子猫への残虐行為が撮影されていました。

動画1 白毛の子猫への虐待
<JAVAが動画で確認した内容>
犯人は白毛の子猫の両手にガムテープを巻きつけて拘束し、激辛チリソースを塗った綿棒を口の中にねじ込んだ。その後、ティッシュペーパーで乱暴に肛門をこすり続け、肛門は赤くただれて出血した。3分22秒ある動画中、終始、犯人は子猫を握りつぶすように強くつかみ、時に尻尾をつかんで逆さ吊りにし、子猫は終始、悲鳴をあげ続けていた。

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<この動画についての犯人のコメント(原文のまま)>
「【赤ちゃん猫 強制排尿・排泄!】暴れるので、ガムテープ使用しましたが、なくても押さえ方次第ではガムテープなんか不要です。おしっこは問題ないものの、便通が悪かったので、アメリカのルイジアナ・ホットソース肛門に塗り、豪快に力強く擦ったら赤く擦りむけてしまい、力も入り過ぎたせいか、身体の骨も折れてしまった…。次の日に亡くなりました。。。。」

子猫虐待1

投稿動画より。子猫の両手はガムテープで拘束されている。
背後には激辛チリソースの瓶が見える。

動画2 キジトラの子猫への虐待

<JAVAが動画で確認した内容>
犯人はキジトラ毛の子猫の両手にガムテープを巻きつけて拘束し、さらに目、鼻、口を覆うように顔面にもガムテープを貼り付けた(顔面のテープを途中で追加したり、押さえつけたりもした)。その後、ティッシュペーパーで乱暴に肛門をこすり続け、肛門は赤くただれ出血した。3分44秒ある動画中、終始、犯人は子猫を握りつぶすように強くつかみ、時に尻尾をつかんで逆さ吊りにし、子猫は終始、悲鳴をあげ続けていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<この動画についての犯人のコメント(原文のまま)>
「【子猫の強制排尿・排泄!】仕事などに行っている間はどうなのかわかりませんが、おしっこだけは毎日出ていたようです。かなり便通が悪く、ほぼ毎日強制排尿・強制排便しておりました。暴れるため、爪を切る前の動画です。ガムテープなんかなくてもできちゃいますね!日々強く擦り過ぎて、肛門なども皮が擦りむけ、少し血が出て真っ赤になってしまい、やはり力の入れ過ぎでした。。。
力の入れ過ぎって、おろしがねで大根をすりおろしするぐらいの力を入れてました
それでも排便はなかなか出なく、身体をギュッと強く握ると、なんとか出てました!が、内臓、肝臓、腎臓、胃?などが圧迫されたためか、苦しそうに悲鳴をあげていました。日々強く握り、強く擦り過ぎたためか、5月下旬に最後の悲鳴をあげて、ぐったりと亡くなりました。無念!!」

子猫虐待2

投稿動画より。子猫の両手はガムテープで拘束されている。このあと顔面にもテープを貼り付けられる。

動画3 死亡したキジトラの子猫
<JAVAが動画で確認した内容>
仰向けに横たわったキジトラの子猫の亡骸を母猫が何度も舐めていた。犯人はその子猫の頭部を大きな音がするほど指で強くはじきとばした。

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<この動画についての犯人のコメント(原文のまま)>
「【無念!赤ちゃん猫死亡!!】生まれてから約1ヶ月目を迎えたけども、5/30に豪快な強制排尿・排便直後にゆっくりと亡くなりました……。母猫リリィが一生懸命舐めていました。私もいろいろやりましたが、ダメでした。2匹のうちの残ったこの子だけには、 元気に育って欲しかったです……。
毎回、排尿・排便の時に身体をギュッと強く握り、内臓、肝臓、腎臓、胃!?などが強く圧迫してしまったことが主な死因です。
本当、母猫には申し訳ないけど、無念極まりない、、、、。」

子猫虐待3

投稿動画より。死亡した子猫の頭部を犯人は強くはじき飛ばした。

Evaと連名で刑事告発

動画に映し出された行為は明らかに動物愛護法違反で「愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、2年以下の懲役又は、200万円以下の罰金に処する。」に該当するものです。8月、JAVAは公益財団法人 動物環境・福祉協会Evaと連名で地元の渋谷警察署に相談し、同署を介して、すでに捜査に動いていた神奈川県厚木警察署に告発状を提出しました。
その際、田中亜紀獣医師(カリフォルニア大学デービス校獣医学部疫学研究員/日本獣医生命科学大学非常勤講師)と町屋奈獣医師(公益社団法人日本動物福祉協会 獣医師調査員)が連名で作成くださった意見書「子猫の排尿・排便等に関する動画について」(下に掲載) を証拠として提出しました。これにより、あたかも子猫に排便・排尿をさせるために行った正当な行為であるかのような犯人の主張は決して通用しないことを証明しました。

犯人逮捕される

8月31日、犯人を逮捕したとの連絡が警察からありました。TBSテレビでは、逮捕されたのは千葉県成田市の38才の派遣社員の男と報じられました。

検察に起訴と厳罰求刑を要望

逮捕されても起訴されなければ罪に問えません。そのため、JAVAとEvaはそれぞれ、管轄の横浜地方検察庁 小田原支部にあてて、必ずや起訴して、懲役2年を求刑することを求める文書を送りました。

罰金20万円の処分下される

9月8日、逮捕されてから警察署に拘留されていた容疑者N・Kは裁判所に略式起訴され、同日付で罰金20万円の略式命令が下されました。
N・Kの犯した罪は残酷極まりなく、到底許せるものではありません。 それに対して、下された刑はあまりに軽いと言わざるを得ませんが、N・Kの行為が動物愛護法違反と認定され、有罪にできたことについては、再犯防止、さらには、他の動物虐待犯への抑止の効果があると考えています。

■2名の獣医師からの意見書■

 

「私が見た盲導犬の一生」元パピーウォーカーからの寄稿

人間のために働かされる様々な動物がいますが、人間に利用される動物の実態はどれも悲惨です。JAVAはいかなる動物の使役にも反対しています。
今回は、盲導犬のパピーウォーカーのボランティアをして、予想外の悲しい現実を知り、盲導犬制度に大きな疑問を持った佐藤まちえさんに盲導犬の一生についてご寄稿いただきました。

私が見た盲導犬の一生

佐藤まちえ

盲導犬

我が家では人の役に立つと思い盲導犬のボランティアをしましたが、疑問や驚くことが多く、盲導犬制度についてあまりにも無知だったと後悔しました。気がつけば、私は今まで一度も楽しそうな盲導犬を見たことがありません。

◆次々に代わる飼い主◆
盲導犬は、せいぜい15年の短い一生に飼い主が最低5回も代わります。繁殖家庭で生まれ、パピーウォーカー家庭(団体に登録したボランティア家庭、以下PWと略す)で育ち、次は訓練を受ける盲導犬育成団体(犬の所有者)、4番目は盲導犬の使用者(いわゆるユーザー)、最後は現役引退後の引き取り先です。PWが途中で交代した例もあります。

盲導犬育成団体(以下団体と略す)は全国に11団体あり、それぞれに繁殖犬を何頭か所有し、計画的に交配・出産させ、生まれた子犬を盲導犬に育てています。
繁殖犬は雌雄別々にボランティア家庭で飼育されており、子犬は母犬のいる家庭で誕生し、授乳期は母犬と一緒に育ちます(この間、母子を自らの施設に連れ戻して育てる団体もあります)。現在盲導犬の犬種は主にラブラドール・レトリバーです。
生まれた子犬達は約50日後に母犬から離され、PWに1頭ずつ、約1年間預けられます。
PWになるには審査を伴うのが一般的ですが、無審査で事前の家庭訪問もなく契約書も交わさない団体があるのは驚きです(この団体では単身者のPWも可)。
PWの責務は、預かった犬を健康で人間好きな犬に育てることで、盲導犬としての訓練は要求されません。この先の運命を知らない子犬達にとって、家庭犬として過ごす一番幸福な期間です。なおこの間、多くの団体は定期的にPWと犬を召集し状況をチエックしますが、招集も訪問も全く行わない団体もあります。

◆過酷な訓練◆
犬は1才2ヶ月頃にPWから団体に戻され、盲導犬にするための訓練が開始されます。訓練法は各団体により多少異なりますが、多くの団体が提唱している「陽性訓練」(ほめて訓練する)でさえも、排泄の制限、鳴き・吠え・走り厳禁、人や犬とのスキンシップ禁止等、犬の本質否定に基づいています。なお犬を従わせるのに体罰を続ける団体もあります。走行中の車の直前に犬を無理やり引き出し、急ブレーキをかけて車の怖さを実感させるといった手荒な訓練を行なっている団体もあります。
訓練施設の状況も団体により様々ですが、運動場もなく、建物の1室にケージを2段積みして常時60頭もの犬を収容しているところもあります。この団体は訓練士が4名だけで、他は皆見習いだそうです。なお盲導犬の訓練士は国家資格ではなく、各団体が自己基準で認定しているものです。
訓練は2才過ぎ頃まで続きますが、訓練の過程で盲導犬に不向きと判断された犬は随時脱落していきます。最終的に盲導犬になるのは、多くても候補犬の3割以下なのです。
訓練中に脱落した犬達(いわゆるキャリアチェンジ犬)は、一般家庭に譲り渡され、その後は家庭犬としての生涯を送ります。一部は団体に残り、見学会などの広報活動に使われ、他には盲導犬より合格基準が緩い介助犬の候補として介助犬団体に譲渡されることもあります。

◆盲導犬と使用者◆
最終的に訓練に合格した犬は、団体がマッチングした盲導犬申請者(身障者手帳を所有する18才以上の視覚障害者)とペアで約4週間の宿泊訓練に入り、それが無事終了すれば、その視覚障害者のもとで盲導犬としての生活を始めます。
しかし短期間で気心が通じるわけはなく、使用者と盲導犬の呼吸が合うのには1年以上かかります。指示に従わない犬を「叩いたり蹴ったり」、排泄の後始末が面倒だから「水や食事は最低限に」といった誤った扱い方が独断で繰り返されることが虐待につながるのだと思います。
なお各団体は都道府県などの地方自治体と盲導犬育成の任意契約を結んでいるので、盲導犬を使用者に貸与すると(盲導犬は貸与が主流、1団体のみ譲渡)、使用者の住む地方自治体から、育成費として1頭につき約200万円が支給されます。貸与後に問題が生じても団体に育成費の返還義務はありません(譲渡の場合も同じ仕組みです)。
盲導犬は、中途失明した人に繰り返し貸与されるケースが非常に多いですが、使用者には育成費の負担はなく、盲導犬5頭目という使用者もいます。使用者の年齢に上限もなく、80代の男性に初めての盲導犬を渡し、それを自慢している団体もありました。また現役中に万一犬が死んでしまっても、使用者は希望すれば早急に次の犬が貸与されます。

◆盲導犬の寿命と生活◆
現役引退は10才前後が一般的で、引退後は引き取り先のボランティア家庭で余生を送ります。その際、PWが希望すれば犬をPWに戻す団体もあれば、逆にPWや使用者に引退後の行く先すら教えない団体もあります。なお大手の団体は、「老犬ホーム」のような施設を有し、一般家庭に譲渡できない引退犬を飼育しているようです。
昔から「盲導犬はストレスが多いので、同種の家庭犬より短命」と言われてきました。盲導犬業界はこれに反論していますが、容易に算出できるはずの盲導犬の具体的な寿命データすら公表していません。

それに問題は寿命の長短以上に生活の質なのです。「現役中でもハーネスを外せば家庭犬と同じ扱いをする」と主張していますが、実際は、室内でも短いリードで繋がれ、散歩も一切させない。「走らせる必要はない、食事は1日1回」と公言する団体もあり、とても家庭犬と同様の生活とは言えません。重く固いハーネスを背負っての仕事中は、排泄を我慢させるために飲み水も制限され、夏の日中に熱中症で倒れた例もあります。ラブラドールは特に暑さに弱いのに、夏でも毛が飛ばないよう全身を被う服や雨具を着せられています。肉球が焼けるほど熱い、真夏のアスファルト道路も歩けるように「犬に履かせる靴を作った」とホームページに載せた団体もあります。靴は脱げたり擦れたりで、盲導犬には不向きだし、犬にとって足の裏は大切な情報収集のセンサーです。そんな道を歩かせないですむよう人間側が配慮するのが先決のはずです。
一日の「労働時間」や使用形態も使用者任せでストレスは計り知れません。盲導犬の尻尾は殆ど下がったままです。犬は飼い主とのアイ・コンタクトが最重要と言われますが、使用者の目が見えない状況で、晴眼者でも苦労が多い大型犬のケアが十分にできるのでしょうか。使用者に家族がいても、盲導犬の世話は使用者自身が行うのが原則なのです。
2014年の夏に世間を騒がせた埼玉の盲導犬オスカー刺傷事件も、実は刺し傷ではなく皮膚病の一種で、使用者や周囲が気づかなかったのが原因でした。

盲導犬の引退を10才頃と規定する団体が多く、10才は人間の60才相当だから十分早いと主張していますが、ラブラドールのような大型犬にとって「10才はもっと高齢に当たる」が大方の一般の飼い主や関係者の実感だと思います。おまけに引退年齢の規定すらない団体では、13~14才まで現役を強いることもあります。引退後も、現役中のストレスやケアの怠慢によって、例えば長年狭いケージに入れられていたための大きな座りダコ、痩せすぎ、重病発覚、犬種本来の特性の欠如・回復不能等々、痛ましいケースが後を絶ちません。

◆結びにかえて◆
2012年1月に長崎で3才の現役盲導犬アトムが失踪する事件が起こり、アトムの歩きながらの失禁写真がネットにアップされ、アトムの使用者やアトムを所有する九州盲導犬協会の非常識な対応が問題視されました。しかし結局協会も、現地調査に赴いた主だった盲導犬団体が加入する連合団体(九州盲導犬協会も加入)も、何の責任も取らず、釈明もなく改善策も打ち出さなかったようで、アトムは今も行方不明のままです。
この事件を始め、ネットに上るケースは氷山の一角に過ぎず、盲導犬虐待通報は関係機関に頻繁に寄せられています。しかし盲導犬育成団体や関係官庁は、常に黙殺するかデマとしてもみ消し、マスコミも完全無視で、問題に対応してきませんでした。税金や善意の寄付に頼り、ボランティアを多用する制度なら、せめてこういった問題にも具体的な窓口を設け真摯に対処するべきです。
「犬はモノではなく命」という犬への思い入れからだけではなく、実際は希望者もごくわずかで、限られた視覚障害者しか使えず、非効率と不公平の極みである盲導犬制度が今後も必要なのか検証し、より広範囲の人が恩恵を受けられる、人間のガイドヘルパー制度の充実や歩行補助機器などの開発にもっと手厚い助成制度を設けてほしいです。どうか皆さんにも盲導犬に代わる方法について考え、その実現を応援していただけたらと思います。

 

我が家で育てた犬。
盲導犬団体に返して1ヶ月半後の面会時に撮影(1才4ヶ月)。
本格的訓練前だが表情が激変、激痩せしていた。

 

エキゾチックアニマル展示即売会視察レポート

5/20(土)・21(日)、東京・池袋サンシャインシティで開催された日本最大級のエキゾチックアニマル展示即売会「東京レプタイルズワールド2017」。
以前より「展示方法がひどい」など悪評が絶えないため視察してきました。「見て、触れて、学べて、そして買える」がコンセプトのこのイベントには、爬虫類、両生類、猛禽類、有袋類、小哺乳類など様々な動物たち約6,000匹(主催者発表)が展示・即売されていました。

 

東京レプタイルズワールド2017-1

残念なことに、100以上の出店者と15,000人規模の来場者は年々増加傾向とのこと。
小さな子どもを連れた家族や若者や女性も多く、どのブースも大勢の人たちで賑わっていた。

 

東京レプタイルズワールド2017-2

人の往来の激しい場所で、ダンボールに入れられ販売されている生まれたばかりの
ブラックメンフクロウのひな。

 

東京レプタイルズワールド2017-3

2日間にわたる長時間の展示でグッタリしているハヤブサやタカのひなたち。

 

東京レプタイルズワールド2017-4

プリンパックと呼ばれる透明の食品用ケースに詰め込まれて売られるトカゲたち。

 

東京レプタイルズワールド2017-5

ヘビは腸の不快感をとるために体をまっすぐにする姿勢をとることが必要だが、
このように小さなケースの中で体を折り曲げられた状態で売られている。

 

東京レプタイルズワールド2017-6

透明パックに詰められたヘビを
まるで食品を選ぶかのように品定めしている来場者たち。

 

東京レプタイルズワールド2017-7

小さな透明ケースの水の中で、もがき続けているカメ。

 

東京レプタイルズワールド2017-8

種類の異なるフクロウたちが短いリーシュで足を繋がれ、近距離で展示されている。

 

東京レプタイルズワールド2017-9

頭をもたげるほど小さなケージの中に長時間閉じ込められ、
放置された糞尿にまみれて、グルグル回るか、じっとうずくまることしかできない
アカハナグマ(上段)とプラチナフォックス(下段)。

 

東京レプタイルズワールド2017-10

ハリネズミ、ハムスター、フクロモモンガ、トカゲなどの動物たち。
大勢の大人や子どもたちにつかんだり、触られ続ける。

 

東京レプタイルズワールド2017-11

イベント終了後は、段ボールや発泡スチロールなどに詰め込まれる。
生き物を扱っているとは思えないほど無造作に搬送されていく。

 


このように、会場内に展示されている動物たちは最低限の配慮すらされていない、とても悲惨な状況に置かれていました。これほど劣悪な状態にもかかわらず、東京都に第一種動物取扱業の登録をして合法的に開催されているのです。この「レプタイルズワールド」以外にも、移動販売を行うイベントや、移動動物園、サーカスといった移動展示はたくさんありますが、容器やケージに入れられて、長距離運ばれる動物たちの心身への負担は相当なものです。移動販売や移動展示をなくすために、JAVAは次回の動物愛護法改正で移動展示販売の禁止を求めて活動しています。

エシカル消費に動物への配慮を

GO!GO!エシカル
倫理的な消費行動には動物への配慮が欠かせない!

フェアトレード、オーガニック、地産地消…消費行動を通じて持続可能な社会を導こうという「エシカル消費」。人権や環境という対象が先行しがちなこのテーマについて、2015年来JAVA、アニマルライツセンター、PEACEの3団体では「エシカル消費のなかに動物への配慮を含めて」と訴えてきました。関係者への粘り強い働きかけで「化粧品の動物実験廃止」や「畜産動物への福祉」が欠かせないテーマとなりました。


 

エシカル消費運動への働きかけ

2015年5月 ・第1回「倫理的消費」調査研究会(以降約2カ月に1回開催)
2015年秋 ・研究会各委員に「エシカル消費の普及に向けて動物保護からの提言書」を提出
2015年12月 ・福島瑞穂元消費者担当大臣とともに消費者庁に陳情
2016年6月 ・第7回研究会で「アニマル・ウェルフェア」が発表議題に
・研究会中間とりまとめには「動物の配慮」が入らず
・「エシカル朝食会 特別交流会」でJAVA等3団体による美しさに犠牲はいらないキャンペーン実行委員会が「化粧品の動物実験」について、アニマルライツセンターが「バタリーケージ卵」について話題提供
2016年10月 ・「エシカル消費と動物への配慮を考えるシンポジウム」開催
・英国のエシカルコンシューマー代表と消費者庁長官を表敬訪問
2017年1月 ・第9回エシカル朝食会にて、JAVAが「化粧品の動物実験をめぐる国内外の動向」特別報告
2017年3月 ・第10回研究会 最終回
2017年4月19日 ・取りまとめに「動物福祉」が配慮の対象に入る
2017年4月28日 ・日本エシカル推進協議会の一般社団法人化発足記念シンポジウムで動物がテーマの演題

※これまでの経緯については以下の記事をご参照ください。

研究会の報告書に「動物への配慮」の文字が!

2017年3月2日をもって最終回となった消費者庁の「倫理的消費」調査研究会。2016年6月の中間とりまとめには「動物」というワードは含まれませんでしたが、今回の取りまとめには「(前略)人間が動物に対して与える痛みやストレスといった苦痛を最小限に抑えることによって、動物の福祉(アニマル・ウェルフェア)を実現するといった「動物への配慮」の観点が示されたことからも、倫理的消費の範疇の広がりを伺うことができる」というくだりが示されました(「倫理的消費」調査研究会 取りまとめ~あなたの消費が世界の未来を変える~第2章 倫理的消費とは)。
これがゴールではありませんが、動物愛護法ではいまだに実験動物と畜産動物が蚊帳の外に置かれている現状で、省庁による公的な報告書においてこれらの動物たちがフォーカスされることは極めて重要な一歩だと考えます。

エシカル朝食会で動物がテーマに

2017年1月25日の「エシカル朝食会」には、女優であり動物保護活動に精力的に取り組んでいる杉本彩さんが講師として登壇。「動物福祉に取り組んだわが半生-美しさに犠牲はいらない」とのタイトルで、芸能人になってからも続けてきた猫の保護活動、動物保護団体Evaの立ち上げ、動物実験しない化粧品や動物性素材を使わないファッションブランドの展開、エシカルとは到底言えない現在のペットの流通問題について熱く語り、参加者の心に訴えました。
杉本さんの講演の前に、特別報告として、green down projectの川本健太郎理事からダウンのリサイクルについてのお話のあと、JAVAから化粧品の動物実験反対運動の歴史と現在の動向、そして動物実験の今後についてお話しさせていただきました。
いずれも動物にまつわるテーマで、政財界やNGO関係者ら参加者の方々に、動物への配慮の必要性がしっかりと刻まれたと思います。

20170125エシカル朝食会

朝食会に出席された皆さんと(一番右がJAVAの亀倉)

引き続き<エシカル>にご注目を!

このように私たちの粘り強い働きかけにより、オピニオンリーダーたちのあいだでアニマル・ウェルフェアが重要視され始めています。
2017年2月には、日本のエシカル消費運動をリードしてきた「日本エシカル推進協議会」が一般社団法人となり、4月28日には発足記念シンポジウムが開かれて、動物問題に対する意識が会場と共有され、NPO法人アニマルライツセンター代表理事の岡田千尋さんが同会の理事に、JAVA理事の亀倉弘美はアドバイザーに就任しました。
「エシカル消費」という考え方自体、日本ではまだあまり知られていない状況ですが、このエシカルムーブメントとともに、動物への配慮をこれからも広く訴えていきたいと思います。

「エシカル消費と動物への配慮を考えるシンポジウム」を主催

「エシカル消費と動物への配慮を考えるシンポジウム」を主催

エシカルシンポロゴ

エシカルシンポジウム

「エシカル消費(倫理的消費)」のムーブメントが日本でも盛り上がりつつあるなかで、その枠組みのなかに「動物への配慮」をきちんと位置付けてもらおうと、2016年10月2日、立教大学池袋キャンパスで、JAVAをはじめ国内の4つの団体がシンポジウムを開催しました。各種イベントが目白押しの時期でしたが、約250名もの方がご来場くださり、エシカル消費、アニマルウェルフェア、アニマルライツについて理解を深めていただきました。

●開催概要

エシカル消費と動物への配慮を考えるシンポジウム
日時: 2016年10月2日(日)10時開演 16時55分終了
場所: 立教大学 池袋キャンパス 5号館1階 5123教室
主催: 立教大学ESD研究所、NPO法人アニマルライツセンター、PEACE~命の搾取ではなく尊厳を、NPO法人動物実験の廃止を求める会
後援: 日本エシカル推進協議会、日本消費者教育学会、一般社団法人エシカル協会、一般社団法人全国消費者団体連絡会
特別後援:美しさに犠牲はいらないキャンペーン実行委員会
協賛: ㈱イオンフォレスト ザ・ボディショップ、㈱Control Union Japan、㈱ディーフィット/まかないこすめ、HER/COUTUME BY HER、㈱パトラコスメティック、㈱ロゴナジャパン

このほか、シンポジウム開催にあたって、ファッションジャーナリストの生駒芳子さん、株式会社大和総研 調査本部 主席研究員の河口真理子さん、フリーアナウンサーで一般社団法人エシカル協会代表の末吉里花さん、女優の杉本彩さん、日本消費者教育学会会長の西村隆男さんから、賛同のメッセージをいただきました。

●プログラム(敬称略)

第一部 エシカルとは?
1. エシカル消費と動物への配慮 日本エシカル推進協議会代表 山本良一
2. 基調講演「エシカル消費における動物への配慮の重要性」エシカル・コンシューマー主筆 ロブ・ハリスン
3. 日本における動物利用の現状と課題 アニマルライツセンター/JAVA/PEACE

第二部 現状と取り組み
1. 消費行動と動物との関わり 日本女子大学教授 細川幸一
2. 畜産動物の福祉の現状―考え方、評価法、指針― 帝京科学大学教授 佐藤衆介
3. ファッションと食―持続可能性と動物 NPO法人アニマルライツセンター代表理事 岡田千尋
4. 日本企業は動物保護をどう捉えているか 株式会社クレアンCSRコンサルタント 山口智彦
5. 「エシックス」が私たちの原動力―エシカル消費と企業の責任 株式会社ラッシュジャパン取締役 小林弥生

第三部 パネルディスカッション
「アニマル・ウェルフェアを進めていくための消費者の役割を考える」
司会  株式会社クレアンCSRコンサルタント 山口智彦
パネリスト エシカル・コンシューマー主筆 ロブ・ハリスン
サステナビリティ消費者会議代表 古谷由紀子
日本女子大学教授 細川幸一
立教大学教授 阿部治
PEACE~命の搾取ではなく尊厳を 代表 東さちこ
NPO法人動物実験の廃止を求める会理事 亀倉弘美

第一部 エシカルとは?

「エシカル消費と動物への配慮」山本良一
日本のエシカル消費運動をけん引してこられた東京大学名誉教授の山本良一氏。地球並びに複雑な生命は稀であるというレア・アース仮説に基づき、「人類文明と地球生命圏の両方を永続させていかなければならない」とし、「人類は狭い人間中心主義を乗り越えて、動物にも深く配慮していくことが必要だ」と力説。ご自身が座長を務める消費者庁の「倫理的消費」調査研究会の動向についても説明いただきました。

 

 

■基調講演■
エシカル消費における動物への配慮の重要性」ロブ・ハリスン
ロブ・ハリスン氏基調講演は、世界のエシカル消費運動の中心的存在である英国の雑誌「エシカル・コンシューマー」の創刊メンバーであり主筆を務めるロブ・ハリスン氏が登壇しました。ヨーロッパのエシカル消費運動は、①ボイコット、②調査、③エシカルな企業との連携、④認証ラベル、⑤ランキングという5つのステップを経て発展してきたとの説明があり、ケーススタディとして英国における鶏卵生産の変遷が挙げられました。1990年にはバタリーケージ生産が90%であったものが、2016年には放牧生産50%以上に移行しており、その間には生産方法の表示義務付けなどの過程がありました。ベジタリアン・ヴィーガン人口も増加しており、動物への抗生剤の利用による人体への被害なども含め、工場畜産の問題点について、わかりやすい講演でした。
質疑応答では、参加者の関心の高さをうかがわせる鋭い質問が飛び交い、「日本は水生生物の利用がより深刻ではないか」との質問には、MSCラベル(Marine Stewardship Council; 海洋管理協議会)の取り組みが紹介され、「ラベル認証では信頼性をどのように担保するのか」という質問には、NGOや消費者が監視していくことが必要との回答がありました。

「日本における動物利用の現状と課題」アニマルライツセンター、JAVA、PEACE

主催の3団体からは、化粧品の動物実験、ファッション(毛皮、ウルトラファインウール、アンゴラ、ダウン)、工場畜産(乳牛、母豚、肉用豚、ブロイラー、採卵鶏)について、動画を用いた説明を行いました。冒頭の「残酷な映像があるので退出してもかまわない」とのアナウンスにもかかわらず、ほぼ全員が最後まで退出することなく動物たちのおかれている現実を直視されました。

第二部 現状と取り組み

「消費行動と動物とのかかわり」細川幸一
消費者政策、消費者教育を専門とする日本女子大学教授、細川幸一氏からは、消費者の目線に立った動物への配慮の必要性について、具体的な事例を交えながらの講演でした。現代社会の豊かさはどこから来ているか、現代の消費社会の問題は何なのか、なぜ現在の社会が動物問題に無関心なのか、今後消費者に何ができるのか、専門に基づいた分析でありながら非常にわかりやすいお話があり、問題を身近に感じさせる30分でした。

「畜産動物の福祉の現状―考え方、評価法、指針―」佐藤衆介
動物行動学をベースにした産業動物のアニマルウェルフェアについて、日本の第一人者である帝京科学大学教授、佐藤衆介氏の講演では、動物福祉(アニマルウェルフェア)という概念の登場から現在に至るまでの流れを紹介、「5つの自由」という考え方がさらにポジティブな方向に見直されている経緯の説明とともに、EU、OIE(国際獣疫事務局)、ISO(国際標準化機構)などで動物福祉の取組みが進むなか日本政府も対応が迫られているという現状報告がありました。

「ファッションと食―持続可能性と動物」岡田千尋
ARC岡田千尋氏主催団体の一つであるアニマルライツセンター代表の岡田千尋さんからは、持続可能性という観点から、毛皮や皮革などのファッション、そして畜産が環境に及ぼしている影響についての報告がありました。毛皮産業の街、中国河北省・辛集市では公害が発生し多くの村人に健康被害が出ているという現地調査レポートや、森林破壊、地球温暖化、水や食料など資源の過剰利用など、持続可能性に多大な悪影響を及ぼしているという畜産の問題など、動物に対する感傷的な視点を排除しての客観的な問題提起がありました。

「日本企業は動物保護をどう捉えているか」山口智彦
クレアン山口氏株式会社クレアンのCSRコンサルタントである山口智彦氏からは、企業に対してCSRの取り組みをコンサルティングする立場から登壇いただきました。畜産動物の福祉について企業の取り組みを促している英国のNGO、BBFAW(Business Benchmark on Farm Animal Welfare:畜産動物福祉に関する企業のベンチマーク)が5月、英国のコラーキャピタル等合計1.5兆ポンドを運用する複数の機関投資家が畜産動物福祉の推進に署名したと発表、世界最大の機関投資家である日本の国民年金を運用しているGPIFもこの動きを無視できないのではないかとの話がありました。

「『エシックス』が私たちの原動力―エシカル消費と企業の責任」小林弥生
LUSH小林氏英国発の自然派化粧品ラッシュの日本法人である株式会社ラッシュジャパンの小林弥生氏より、動物・環境・人権といった社会問題に積極的に取り組むラッシュの企業の姿勢について発表していただきました。企業規模が大きくなれば社会への影響も大きくなるという前提に立ち、倫理観を取り込んだビジネスモデルの構築から社員のモチベーションを上げるための環境づくりまで、エシカル消費社会にあるべき企業の一例を示しました。

第三部 パネルディスカッション

「アニマル・ウェルフェアを進めていくための消費者の役割を考える」

最後は、CSRコンサルタントの山口氏を司会に迎えてパネルディスカッションが行われました。

エシカルシンポディスカッション

●英国ではどうなのか
前半は、先進国とみなされている英国の状況について、さまざまな角度からハリスン氏に質問が集中しました。英国ではエシカル消費運動・動物保護運動を進めるNGOがどれも歴史がありパワフルであること、そのベースには多様な存在を包摂する市民社会があることなど、世界をリードする存在としての特徴はあるが、そのようなバックグラウンドがなくてもSNSなど最新のツールを使った運動が奏功している事例も紹介されました。
また、20年ほど前、グローバル企業であるマクドナルドへの抗議活動に対して同社が訴訟を起こすという対抗手段をとったことがあるが、イメージダウンにつながり逆効果になったというケースを引き合いに、圧力団体としてのCSO(市民社会組織)の必要性が説かれました。
一方で、消費社会における企業のランキングなどをはじめとした「情報」に対して対価を支払う感覚が日本の消費者の間で薄れていることについて懸念が呈されると、日本だけではなく英国でも同様の状況であり、ガーディアンやタイム誌などジャーナリズムの世界においても新たなビジネスモデルの構築が模索されているとの説明がありました。
細川氏からは、英国で普通参政権が付与されたのは最近であって、英国が民主主義の先進国とみなされている所以は異議申立の気風が強いからだが、これに比べて日本人は性質が極めて抑制的であり、いわば「観客民主主義」であるとの意見が出ました。

●消費されゆく動物は線引きされるのか
主催団体の一つである立教大学ESD研究所の所長で教授の阿部治氏からは、現在の環境倫理学の対象には野生動物は含まれているが、畜産動物は含まれていないことに対する問題意識が示され、今後、動物福祉を含めた持続可能性に関する教育を広げていく必要があると訴えました。

●消費者はどこまで責任を持つべきなのか
消費されゆく動物たちへの配慮について、消費者団体こそ取り組んでいくべきではないかと水を向けられたサステナビリティ消費者会議代表の古谷由紀子氏は、このような情報が消費者にきちんと届いていない現状を踏まえて「消費者に期待しすぎるべきではない」と明言、今後は具体的な問題解決を視野に入れて、動物保護団体などから消費者団体に対する情報提供・コミュニケーションが必須であり、企業も含めたさまざまなステークホルダーによる横断的な取り組みが必要であると述べました。

エシカルシンポディスカッション2

●「暮らしの手帖」消費者意識は変わったのか
9月末で終了したNHK朝の連続テレビ小説「とと姉ちゃん」のモデルとなった雑誌「暮らしの手帖」。この雑誌の創刊当初から編集に携わってこられ、現在は企業等の組織の利他行動の社会心理をリサーチする小榑雅章氏が会場より発言。消費者を変えていくには、消費者にとって具体的にどんな利得があるのかという点を明確にしていかなければいけないという助言がありました。
これに対してJAVAの亀倉弘美より、これまでは金銭的・物理的な利得だったのに対し、化粧品の動物実験反対運動にみられるように、「自らの消費が誰かを搾取している」「自分が美しくなるために動物を苦しめ命を奪っている」という罪の意識から解放されることも、現在の消費者の利得であると説明しました。
また、PEACE代表の東さちこさんからは、かつては「動物実験が新たに行われた化粧品は人体にとって未知の化学物質が使われている危険なものだ」という消費者保護の観点から
の主張もかなりなされてきたが、EUでの法的禁止を経て、日本企業も動物のために廃止を求める市民の声に耳を傾けるようになってきている、時代は変わりつつあるのではないかとの指摘がありました。

●まとめ
ハリスン氏より、「今日の会議には、来場者も含めて、政府関係者、大学教授、企業関係者、消費者団体、動物保護NGOと、すべてのステークホルダーが集結している。今日がまさに始まりの一日ではないか」との言葉をもらいました。


朝10時から夕方5時まで、長時間にわたって多くの方々が動物をめぐる濃密な議論に耳を傾けてくださいました。これまで動物をめぐるイベントには動物に関心のある層だけが集まることが多かったように思いますが、今回は、化粧品、アパレル、食品、外食産業、流通小売、商社などの企業や、各種消費者団体、動物関連の専攻のある大学、動物保護NGOなど、さまざまな関係先に開催のご案内をしたこともあって、これまでとは異なる層の方々にお聴きいただくことができ、個人として、また企業として、考えるきっかけ、行動するきっかけとなったのではないでしょうか。
また、今回のシンポジウムでは、私たちの暮らしと密接にかかわる動物たちの現状と今後についてもはや社会全体で考えていくべき課題だとして、さまざまな分野の団体・個人の方々に登壇、後援、賛同、協賛をいただくことができました。改めてこの場をお借りしてお礼申し上げます。
「エシカル消費と動物への配慮」というテーマに対する議論をこれで終わりにさせることなく、問題解決に向けて今後も積極的に取り組んでまいります。
当日の発表資料などはシンポジウムのウェブサイトをご覧ください。

消費者庁長官に「動物への配慮の拡充を!」陳情へ

シンポジウム翌日の10月3日、英国から来日されたロブ・ハリスン氏とともに、
岡村和美消費者庁長官を表敬訪問して、
シンポジウムの盛会を報告し、エシカル消費における動物への配慮の拡充を訴えました。
長官からは「組織としてきちんと取り組みたい」と審議官もお呼びいただいたうえで
「消費者庁としても、動物への配慮に関する取り組みと共にエシカル消費の推進を強く進めていく」
旨のご回答をいただきました。

Yahoo!に生体と生餌の販売禁止を求めよう

Yahoo!に生体と生餌の販売禁止を求めよう

大手インターネット関連企業ヤフー株式会社が運営している「ヤフオク!」と「Yahoo!ショッピング」において、生体や生餌(いきえ)が“出品”* されています。
JAVAは、ヤフーに対して、生体と生餌の出品禁止を求めていますが、ヤフーはそれに応える気がありません。

*“出品”は、動物を物のように扱うものであり、不適切な表現と考えていますが、ここでは、わかりやすいようにヤフーの規約に合せた表現にしました。

ヤフーは、「ヤフオク!」でインターネットオークションサービス、「Yahoo!ショッピング」ではインターネットショッピングサービスを提供しています。ヤフーと契約した出品者によって、生きた動物が「ヤフオク!」でオークションにかけられ、「Yahoo!ショッピング」で販売されているのです。
JAVAには、これまで「生餌は虐待にならないのか」「インターネットで生き物を販売することをやめさせられないのか」といった声が寄せられてきました。

ヤフオク!ではマウスなどの違反出品も

ヤフオク!は、ガイドラインで「哺乳類」「鳥類」「爬虫類」の生体を出品禁止にしています。しかし過去には、JAVAが把握しているだけでも生きているマウスやヤモリが出品されていたことがありました(下の写真) 。

ヤモリ出品

マウス出品

餌用としてヤフオク!に出品されていたマウスとヤモリ(2015年8月時点)

 

「動物の愛護及び管理に関する法律」(以下、動物愛護法)において、「愛護動物」に規定された種類の動物を販売する業を行う者は「第一種動物取扱業」として、登録等の義務が課せられています。このヤフオク!のマウスの販売者は、「愛護動物」であるマウスを自家繁殖させて出品していることから、「第一種動物取扱業」の条件(反復・継続して、営利を目的として動物の取扱いを行う)に該当しているといえるでしょう。
「第一種動物取扱業」を行うには、都道府県等の登録を受けること、そして、業に係る広告(インターネット広告を含む)には、氏名、登録番号等を掲載する義務があります。また、購入しようとする者に対して、あらかじめ直接、その動物を見せ、必要な飼育等に関する説明を文書を用いて行う「対面販売・説明」も義務付けられており、インターネット上のみのやりとりで販売することは禁じられています。つまり、このマウスの販売者は、これらすべてに反している、重大な動物愛護法違反行為を行った可能性は高いのです。

現時点では、マウスをはじめ、出品を禁止している種類の動物はヤフオク!では見受けられませんが、出品が禁止されていない魚、ザリガニ、昆虫などがペット用、餌用として出品されている状況に変わりはありません。これらはガイドライン違反でも法律違反でもありませんが、インターネット販売では、販売者から購入者には宅急便で搬送されることになり、その動物へ相当な心身の負担がかかることは明らかです。
また、命あるものをオークションにかけることは、動物愛護法の「動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。」という基本原則に背く行為であり、倫理的に許されるものではありません。

Yahoo!ショッピングでの動物販売の規制は…

Yhahoo!ショッピングでは、個人/ライト出店とプロフェッショナル出店の2種類の出店タイプがあり、プロフェッショナル出店では「動物(魚類、昆虫類、虫類、両生類を除く)」の販売が禁じられています。個人/ライト出店では、魚類、昆虫類、虫類、両生類を含めて販売が禁止されています。ヤフオク!と同様の理由で、プロフェッショナル出店についても、ライト出店と同じくすべての種類の動物の販売を禁止するべきです。

JAVAは生餌にも野生動物の飼育にも反対

生餌は、その名の通り、生きた餌です。飼育されているピラニアやアロワナといった肉食魚や爬虫類、猛禽類に与えるために、生きたマウス、ラット、金魚、カエル、ドジョウ、コオロギなどが売られています。
生餌にされた動物は、人間の手で逃げ場のない捕食動物がいる水槽などに放り込まれ、食べられるわけですから、野生の動物の補食とは状況が全く違います。

JAVAは、生餌には当然反対です。そしてそれ以前に、本来野生で生きる動物を飼育すること自体、問題と考えます。ただ残念ながら、肉食魚や爬虫類、猛禽類を飼育すること、生餌を与えること、愛護動物以外の動物をインターネット販売することが現状では合法なのです。その状況のなかでも、「ヤフオク!」と「Yahoo!ショッピング」のような大手の人気のあるインターネットサービスにおいて、生体・生餌の取扱いが禁止されれば、生餌にされる動物の犠牲や、動物たちが搬送などで受ける負担を減らすのに大きな効果を出せるでしょう。

ヤフーは改善する気なし

JAVAは、動物愛護法の理念にのっとり、高い企業理念を掲げてほしいと、ヤフーに以下の事項を求めました。

  1. ヤフオク!、Yahoo!ショッピングにおいて、すべての種類の生体(生餌を含む)の出品を禁じること。
  2. 違反出品者に対しては再出品させないことを規約に加えること。

しかし、ヤフーからの回答は「法令に基づき利用規約を定めている」、つまり、違法ではないから、と生体や生餌の出品を今後も認めるとしています。

利用者として声を届けよう

残念ながら、ヤフーのみならず、楽天市場やAmazonでも生体や生餌の出品を全面禁止していません。
それぞれ独自の規約、ガイドラインを作っており、法律違反でなくとも、生体や生餌の出品に反対する利用者から多くの声が届けば、規約が改訂されることも期待できます。種類を問わず、すべての動物の出品を禁止してくれるよう、ぜひ皆さんからも要望してください。

 

<ヤフー株式会社>
代表取締役社長 宮坂 学 殿
〒102-8282 東京都千代田区紀尾井町1-3 東京ガーデンテラス紀尾井町 紀尾井タワー

<楽天株式会社>
代表取締役会長兼社長 三木谷 浩史 殿
〒158-0094 東京都世田谷区玉川一丁目14番1号 楽天クリムゾンハウス
電話(楽天市場 お客様サポートセンター):050-5838-4333(9時~18時)
楽天市場問い合わせメールフォーム

<アマゾンジャパン合同会社>
社長 ジャスパー・チャン 殿
〒153-0064 東京都目黒区下目黒1-8-1
電話:0120-999-373
社長へのご意見Eメールアドレス: jasper@amazon.com

 

<ノルウェー>捕鯨を止めない裏には…

ノルウェーが捕鯨を止めない裏には…

ノルウェーは、IWC(国際捕鯨員会)が商業捕鯨を禁止した後も独自で捕獲数を880頭と設定し捕鯨を続けており、2006年からすでに5,500頭のミンククジラを捕殺している。ノルウェーの鯨肉輸出量は上昇傾向にあり、その輸出先というのが同じく捕鯨を行っている日本、フェロー諸島、アイスランドである。これらの国はCITES(ワシントン条約:絶滅の恐れのある野生動物の種の国際取引に関する条約)の規制の網を巧みにくぐり抜け鯨の国際取引を続けている。
ノルウェー人が鯨肉を好まないにもかかわらず、捕殺された鯨がすべて輸出されない。それはなぜか。米国の動物福祉団体AWIと環境NGOであるthe Environmental Investigation Agencyによれば、75頭以上の鯨がノルウェーの毛皮農場へ売られているからである。飼料農場(Rogaland Pelsdyrforlag) から入手した資料には、2014年に113.7トンの鯨肉が毛皮農場で餌に使用されたという記録があった。このことがメディアに流れると、飼料農場は2015年も鯨肉を飼料にしたことを認めた。

ノルウェーの子ギツネ

©NETWORK FOR ANIMAL FREEDOM
餌として鯨肉を与えられている毛皮農場の子ギツネ

AWI Quarterly (Animal Welfare Institute) 2016 summer: AWI Responds to Norway’s Whaling Defiance

エシカル消費の中の「動物への配慮」

エシカル消費ムーブメントのなかで「動物への配慮」が浸透中

いわゆる「エシカル消費」とは、消費行動を通じて持続可能な社会を導こうという取り組みです。しかし、まだ明確な定義はなく、その内容も含めて消費者庁が設置した「『倫理的消費』調査研究会」(以下、研究会といいます)にて1年前から議論が重ねられています。
私たちJAVAでは昨秋、この「倫理的消費」の概念のなかに「動物への配慮」を含めるよう消費者庁および研究会の各委員に提言していました
その後、このエシカル消費をめぐるムーブメントのなかで、さまざまな方々からの動物にまつわる問題提起が増え、動物に対して配慮が必要だという認識が着実に向上しています。

消費者庁「『倫理的消費』調査研究会」

2016年6月3日に開かれた第6回目の研究会では、日本女子大学の細川幸一教授から「アニマルウェルフェアとエシカル消費について」と題する話題提供がありました(第1回目からの研究会の詳細は、消費者庁のウェブサイトで見ることができます。「消費者庁」「倫理的消費」で検索してください)。
豚の妊娠ストール飼育、採卵鶏のバタリーケージ飼育、アンゴラウールやダウンの残酷な採取方法、化粧品の動物実験などの事例が説明されると、聞いていた委員たちの顔色がたちまち曇っていきました。
最後に細川教授からの「『倫理的消費』調査研究会で、動物という、意識・感覚を持ち、地球上に人間とともに生きる存在がどのような扱いを人間から受けているかの検証を行うことは当然と考える」との言葉が力強く響きました。

エシカル朝食会

6月14日、都内で開かれた「エシカル朝食会 特別交流会」に参加し、エシカル消費の普及に際して動物への配慮の必要性を訴えました。
「エシカル朝食会」は、およそ2か月に一度、企業やNGO、大学教授など日本のエシカル消費の動きをリードする人たちが集まり、講師からの講演を聴いて、朝食をとりながらエシカル消費への理解を深めることを目的にしている会(主催:日本エシカル推進協議会)ですが、これまで、安倍昭恵首相夫人、坂東眞理子昭和大学理事長らが講師を務め、板東久美子消費者庁長官(当時)、鳩山由紀夫元総理大臣など政界の要人も参席しています。
オリンピック、金融、マーケティング、遺伝子組み換え、フェアトレードと、多岐にわたるテーマについて各分野の最前線で取り組む方々からプレゼンテーションが行われました。
この場で、JAVAを含む3つの動物保護団体で構成する「美しさに犠牲はいらないキャンペーン実行委員会」は、化粧品の動物実験について問題提起をいたしました。また、「エシカル消費に動物への配慮が取り入れられるように」と一緒に活動しているアニマルライツセンターからは卵の残酷な生産過程について発表がありました。

エシカル朝食会 特別交流会1

美しさに犠牲はいらないキャンペーン実行委員会のプレゼンテーション(PEACE・東さん)

エシカル朝食会 特別交流会2

ファッションジャーナリスト、生駒芳子さんからの配布資料。WWD Japan 6月13日号の特集記事。

「エシカル消費」に「動物への配慮」を!消費者庁に要望

「エシカル消費」に「動物への配慮」を!消費者庁に要望

2015年12月2日、JAVA、NPO法人アニマルライツセンターPEACE ~命の搾取ではなく尊厳を~の3団体が連名で、「エシカル消費の普及に向けて動物保護からの提言書」を消費者庁に提出し、2015年5月以来協議されている「倫理的消費』調査研究会」というテーマのなかに、動物の権利・動物福祉の考え方に基づいた「動物への配慮」を含めることを要望しました。

※「エシカル消費」とは、消費行動を通じて持続可能な社会を導こうという動き・取り組みを指します。「エコ」という取り組みが主に環境問題に対する動きだったのに対し、「エシカル」は、環境問題だけでなく幅広い社会問題を倫理的に解決していこうというものですが、明確な定義はまだありません。詳しくは本文をご覧ください。なお、文中、「倫理的消費」と「エシカル消費」は同義として扱っています。

消費者庁にエシカル要望

会合の場には、元消費者担当大臣の福島みずほ議員が同席し、国民のあいだで動物への関心が高まっていることを説明、私たちの提言を後押ししていただきました。

「倫理的消費」という概念のなかに、動物の権利(Animal Rights)や動物福祉(Animal Welfare)の理念に基づいた「動物への配慮」を含めてください。

エシカルPDF1

「エシカル消費の普及に向けて 動物保護からの提言」より

「動物への配慮」はどこへ

2012年に「消費者教育の推進に関する法律」ができて以来、消費者庁は消費者教育・啓発を進めています。その一環として2015年5月に「『倫理的消費』調査研究会」(以下、「研究会」といいます)が消費者庁内に設置され、2か月に一度のペースで会合が開かれ、「倫理的消費」の必要性・範囲・基準、さらにはその広げ方などについて約30名の委員によって話し合われています。
欧米では「倫理的消費」を考えるとき、「動物への配慮」は必ず重要な課題として扱われていますが、日本では、この研究会設置から5か月経過した段階でも、フェアトレードやオーガニックなどすでにこの界隈ではなじみのあるテーマがベースとなり、「動物への配慮」というテーマが取り上げられることはありませんでした。

3団体合同で提言書を作成

そこで、この「倫理的消費」という概念のなかに「動物への配慮」を含めてほしいとして、3団体で提言書を作成し、研究会の委員に対して提出するとともに、2015年12月2日、国会議員を通して消費者庁の担当者に対し同研究会でテーマとして取り上げるよう要望しました。
提言書では、「化粧品の動物実験」「工場畜産」「衣料品に使われる動物」の3つのテーマを取り上げ、それぞれに企業や市民団体から賛同をいただきました。「化粧品の動物実験」では、資生堂に始まる企業の自主的な動物実験廃止決定を紹介、EUで法的に禁止となった化粧品の動物実験問題は「倫理的消費」には不可欠だと訴えました。「工場畜産」とは、大量生産の原理に基づいた畜産システムのことで、牛、豚、鶏などの動物たちは狭小なスペースに詰め込まれ、結果的に彼らの健康と福祉は顧みられることがありません。欧米では畜産動物の福祉に配慮された食品の需要が増加していることを紹介しました。「衣料品に使われる動物」は、JAVAでも取り組んでいる毛皮の問題についてはもちろん、生きた動物から毛や羽をむしり取るアンゴラウールやダウンの残酷な生産方法について言及しました。

もう動物問題を置き去りにしないで

エシカルコンシューマー(倫理的消費者)運動に先がけた消費者運動に、1980年代後半英国発祥のグリーンコンシューマー運動があります。グリーンコンシューマー(自然環境に配慮する消費者)が避けるべき製品として、環境への深刻な影響を与える製品、過剰な電力を消費する製品、過剰包装の製品、第三世界の国々に悪影響を与える製品などという項目に並んで、「仮に毒性試験などの目的があったとしても、動物を不必要に使用していたり、残酷に扱ったりしてつくられている製品」という項目があったのですが、当時この運動が日本に導入された段階で、なぜかこの動物に関する項目が落とされてしまったのです。
今年2月29日に開催された研究会では、これまでの議論の中間とりまとめが行われましたが、「倫理的消費」の定義について、「障がい者支援」「フェアトレード」「環境」「地産地消」などの言葉が並びましたが、「動物」という言葉は、残念ながら、またしても聞かれませんでした。
エシカル消費運動が市民権を得て日本に広がるにあたって、今度こそ「動物への配慮」が置き去りにされることのないよう、引き続きしっかりと粘り強く訴えていきたいと思います。

エシカルPDF
「エシカル消費の普及に向けて 動物保護からの提言」より

翅(はね)に熱した接着剤  テントウムシを虐待

<教育プロジェクト>

翅(はね)に熱した接着剤
成田西陵高校、テントウムシへの虐待を続ける

千葉県立成田西陵高等学校の部活動で、「テントウムシの翅を接着剤で固定して飛べないようにさせる」という行為を行っていることが発覚。JAVAや多くの市民の意見を受け入れず、学校はこの残酷行為を続けるとしています。

てんとうムシ

テレビの報道で発覚

2015年2月25日放送のTBSテレビのニュース番組「Nスタ」と、4月19日放送の同局情報番組「サンデーモーニング」で、この「アブラムシ退治をより効果的にするため、テントウムシの翅を接着剤で固定して飛べないようにさせる」という、千葉県立成田西陵高等学校(以下、成田西陵高校)の地域生物研究部の活動が紹介されました。

テレビ報道を見た方々から寄せられた情報によると、報道内容は以下のとおりです。

  •  農作物につくアブラムシ退治のためテントウムシを利用しているが、テントウムシは飛んで行ってしまうので今ひとつ効果が足りなかった。テントウムシが飛んで行かずにその場にずっといればアブラムシ退治に効果的なので、テントウムシが飛んで行けないようにした。
  •  方法は、テントウムシを網皿に入れ、下から掃除機で吸って飛び立てないようにした状態で、背中にグルーガンで樹脂製接着剤をつけて翅を開けないようにする。
  •  「サンデーモーニング」では、出演者から「かわいそうに」といった声も漏れた。

同校には農業や園芸を学べる学科があり、生徒たちは農家の方の苦労を見て、「手助けをしてあげたい」という気持ちで取り組んだのだと考えられます。また、虫を利用した農業は、農薬使用を回避できるなど自然環境や人体への利点もあるでしょう。しかし、だからといって、命あるものを苦しめて良いという理由にはなりません。

テントウムシにとってあまりに残酷な行為

そもそも、接着剤は生き物につけるために使う物ではありません。グル―ガンも手芸や工作に用いられ、溶けた100~200度という高温の樹脂が固まることによって材料が固定される仕組みです。その高温の樹脂を生きたテントウムシにつけ、翅を開けないようにするとは、あまりに酷い行為です。
テントウムシにとって、移動に欠かせない翅を接着剤で固定されるというのは、私たちが足を拘束されるも同然の苦痛であると容易に想像できます。成田西陵高校は「2か月たったら、接着剤は自然にはがれる」と主張していますが、自分が足を拘束されたなら、2か月も耐えられるでしょうか。しかも、テントウムシの寿命は人間よりはるかに短いのです。

イオンは、エコ活動の賞を与えていた

この「飛べなくさせたテントウムシを農業に利用する」行為が、イオングループ各社でつくられた公益財団法人イオンワンパーセントクラブ主催の「AEON eco-1(エコワン)グランプリ」の第3回で、審査員特別賞を受賞したこともわかりました(受賞タイトルは「テントウムシによる環境に優しい農業の実現を目指して」)。このグランプリは高校生のエコ活動を発表・審査するものです。
JAVAは、イオンワンパーセントクラブに対して、「成田西陵高校に対する賞を取り消すこと」と「今後のeco-1グランプリでは、生死にかかわらず、動物を用いた活動は賞の対象から除外すること」を求めました。それに対して、同財団からの回答は、今後は動物の自由を過度かつ不当に制約している場合は賞の対象から除外する、ということに留まり、JAVAの要望を全面的に受け入れるものではありませんでした。

生徒に倫理観を教えなかった学校の責任は重大

高校生のような若者が何事にも好奇心を持ち、挑戦することは重要です。しかし、それはあくまで生き物を粗末に扱わない、命を大切にすることが大前提でしょう。そして、「相手の立場を考えて行動する」「自分にされて嫌なことは他者にもしない」というのは他者と共存して生きていく上での大原則ではないでしょうか。
高校生は、善悪の判断や分別において、大人の指導が必要な場面は多々あると思います。今回のテントウムシへの行為も生徒たちは悪気をもって行ったとは思いませんが、彼らがこのアイデアを出したときに、「命の尊重」「他者の身になって考える」といった点を教師らが教え、事前に止めてあげるべきでした。「どんなに好奇心や興味があっても、便利であってもやってならないことがある」という分別をつけさせることが、教育者の役割であり、責務でもあるのです。

学校はやめる気なし
引き続き反対の声を!

JAVAでは、成田西陵高校、千葉県教育委員会に対して、この行為の問題点を指摘して即時やめるよう働きかけました。しかし、教育委員会は「一時的に飛べない状態にするが、生物農薬のように殺処分することもなく、再び自然に戻すことができる研究と聞いている。地域の農業の活性化を図るため、高校生たちが部活動の一環として一生懸命取り組んでいる、その熱意と努力については、御理解いただきたい」とし、まったく問題をわかっていません。一生懸命やろうが、やってはいけないことは、学校がきちんと教えて正すべきなのです。
成田西陵高校にいたっては、昆虫に詳しい博士などの見解などを集めた資料を送ってきて、テントウムシの体の仕組みから、グル―ガンの使用はテントウムシの体を損傷しないし、痛みも感じないから問題ないと主張し、依然としてやめる気がありません。これは、翅を拘束されて不自由を強いられるテントウムシの苦しみはまったく考えていません。農薬等で殺すことももちろん残酷ですが、「それよりはいい」とテントウムシに苦しみを与えることを正当化するのは人間の身勝手です。抵抗もできない小さな生き物に不自由な思いをさせることを良しとすることは、いじめも正当化するに等しい考え方です。テントウムシだけでなく、いじめ行為を「良い行為」として教えられる生徒たちもまた被害者です。
成田西陵高校に対して、この残酷行為をやめるよう皆さんからも声を届けてください。

<千葉県立成田西陵高等学校>
校長:久門宏
〒286-0846 千葉県成田市松崎20番地
TEL:0476-26-8111 FAX:0476-26-7093
Eメール:naritaseiryo-h@chiba-c.ed.jp

<インド>4つのサーカスがアニマルフリーに

< Victory ! >
救出された動物たち:4つのサーカスがアニマルフリーに(インド)

インドのサーカス2

無理やり芸をさせられている失明したラクダ。
体には虐待された傷跡がたくさんある/©PETA India

米国の動物保護団体PETA (動物の倫理的扱いを求める人々)とその支部PETAインドは、2012年11月から2013年7月までの9か月間にわたり16ものサーカスの調査を行った。これらのサーカスでは、動物に対して残酷な器具を頻繁に使用したり、不適切な扱い方が原因で死んだり、酷いストレスに苦しんだり、失明状態に近い動物が多くいることなどを確認した。
グランド・サーカス、ニューランボ・サーカス、ワールドチャンピオン・サーカス、グレートカマル・サーカスは、PETA、PETAインド、AWB※1(動物福祉委員会)などから告発を受け、動物は使わず人間だけのサーカスにすることを宣誓した。

  1. *1AWBIは、後述の獣医学ケアに重点を置いているインドの動物保護団体アニマル・ラハット(Animal Rahat)に所属する監査官によって構成されている。 
インドのサーカス1

グランド・サーカスから救出された馬たち/©PETA India

  • グランド・サーカスは、PETAインドとAWBIの調査後、リハビリを受けさせるために18頭の動物をAWBIに引き渡した。そして、7頭の馬と10頭の犬はPETAインドのシェルターに、メスのラクダはアニマル・ラハット所有の保護地区に移された。
  • ニューランボ・サーカスは、所有していた2頭の馬、3頭の犬をアニマル・ラハットに引き渡した。
  • ワールドチャンピオン・サーカスは、8頭の犬、1頭のヤギと1頭の馬をアニマル・ラハットに引き渡した。
  • グレートカマル・サーカスは、3頭のヤギ、2頭の馬と1頭のラクダをアニマル・ラハットに引き渡した。また、9頭の犬は里親を見つけるためにPETAインドのシェルターに移された。

どのサーカスでも、ラクダを小さな台に立たせたり、ヤギを2メートル以上の高さに張ったロープの上を歩かせたり、犬を前脚あるいは後脚だけで歩かせるなど、動物に長年、残酷な訓練による芸を強要していた。そして、いずれの動物も不衛生なところで飼育していた。
PETAインドの最高責任者であるプーバ・ジョシプラ氏は、「サーカスの経営者は、動物を命令に従わせるために、エサ、水、休息など必要なものを十分に与えないで、汚い小屋に閉じ込めておく。サーカスのような動物を使ったエンターテイメントには行かないことを勧める。」と述べている。

PeTA’s ANIMAL TIMES The Magazine That Speaks up For Animals Issue 3, 2015:
Animals Rescued:Four Indian Circuses Go Animal-Free

Victory: Animals Rescued from Grand Circus
Victory: Animals Rescued from New Rambo Circus
Victory: Animals Rescued From World Champion Circus
officialPETAIndia: Animals Rescued From the Great Kamal Circus (YouTube)

【東日本大震災】 「家族である犬や猫と暮らしたい!」

【東日本大震災レポート】

※2014年5月発行の「JAVA NEWS No.92」の記事をアップしました

「家族である犬や猫と暮らしたい!」
あの日から3年。いまも、離ればなれになったまま…。

2011年3月11日。あの日、地震、津波、火事、原発事故といった未曾有の災害が日本を襲いました。改めて、お亡くなりになられた方々のご冥福を心よりお祈りいたしますとともに、被災された皆さまへお見舞い申し上げます。
そして、たくさんの動物も命を落としました。助けられなかったことの無力感は消すことはできませんが、人災によって失われた命もとても多かったことを忘れず、その教訓を今後の災害時には必ず生かしていかなければなりません。

報道が伝えた分断生活

今年の1月29日(水)、NHK「ニュースウオッチ9」の『厳冬の飯舘村 飼い主を待ち続けて』という特集で現在の避難状況が報じられました。福島原発の事故で避難を強いられ、動物を飼えない仮設住宅に住んでいる方々の中には、犬や猫を自分の家に残してきている場合もあります。
この番組が 取材していた 福島県の飯舘村では 今も およそ 200 頭 の犬とおよそ 400 頭の 猫が飼い主と 離れて暮らしているそうです。

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2~3日におきに来る飼い主を待つ飯舘村の犬たち

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写真提供 緊急災害時動物支援ネットワーク


 

家はあれども

福島原発事故によって今も3つの避難指示区域がある福島県。幾度かの見直しが行われ、2013年4月に新たに区域分けされました。
飯舘村は、現在3つの区域に分かれていますが、原発事故直後は20キロ圏内ではなかったため、立入禁止区域にはなりませんでした。地震の被害は小さかったものの放射線量が高いことから全村避難を決行、残された犬や猫が非常に多く、世話をしようとたくさんのボランティアが訪れるようになりました。その活動は3年経った今も続けられています。しかし住民の中には、ボランティアに対して「世話をしてほしくない、信用できない」という方もいると聞きます。遠くから通って動物の世話をするだけでも大変なのに、さらに村の自警団の方や飼い主から信頼してもらうことが必要なのですから、本当に大変な活動です。もちろん一番いいのは、一刻も早く飼い主さんの元で一緒に暮らすことですから、その道を探らなければなりません。

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ほぼ毎日世話に通う人がいるところには、周りの猫たちも集まってくる。飼い主の同意を得て18頭全てに不妊手術を行ったとのこと。
写真提供 緊急災害時動物支援ネットワーク

飯舘村の事情

この報道がされた後に、飯舘村に現状を確認してみたところ、仮設住宅が動物との同居が不可である理由は、次のようなものでした。
・狭い中での共同生活で、動物が嫌いな人やアレルギーの人もいるため、同意が得られない。
・そのため、全村避難が始まった当初から、出来る限り、動物保護団体等に預けることを推奨した。

確かに、飯舘村に住んでいた方で、犬を預けたという話を聞いたことがあります。またこのJAVAの問い合わせに答えてくれた職員の方も遠方の団体に愛犬を預けたそうです(残念ながら高齢だったためすでに死亡したとのこと)。動物を預けた方がいい場合もあるでしょう。しかし離れて暮らす飼い主と動物をそのままにしておいていいはずがありません。

そのためJAVAからは、環境省が「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン(指針)」を作成し、「同行避難」を原則としたこと、富岡町と川内村では、「緊急災害時 動物救援本部」の義援金を受けて、仮設住宅の敷地にペットシェルターを建てたことなどを伝えて、再度、仮設住宅でも工夫して動物と暮らせるよう要望しました。難しい問題は多々あると思いますが、すでに3年という月日が経っていることや飼い主と動物のことを考えれば、この報道を見直すきっかけにしてもらいたいと思います。飯舘村には、ニュースを見て、やはり心配した人たちから何とかしてほしいと願う電話が入っていたそうです。

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首相官邸ウェブサイトの地図

 

仮設住宅での同居は進んだか?

震災直後から、動物と一緒に住めない仮設住宅があるという問題に対して、JAVAでは早速、全ての住宅で同居が可能だった岩手県は除き、福島と宮城の自治体に対して、2011年当時にアンケート調査を行いました。そして同居不可と回答のあった福島の9つの市町村、宮城の1つの町、合わせて10の自治体に対して要望書を送りました。

2011年当時にアンケート調査

について、詳細は以下のページをご覧ください。
仮設住宅での動物同居に関するアンケート

仮設住宅での動物同居に関するアンケート結果

「HELP!東日本大震災の被災動物たち/JAVAスタッフブログ」より

今回改めて、当時同居不可と答えた自治体の現状はどうなっているかを、調べてみました(電話による聞き取り調査/下記表参照)。

●仮設住宅における動物との同居可否(JAVA調査)

市町村

2011

2014

現状

福島県

いわき市

×

×

整備中の災害公営住宅では、1512戸中140戸を「ペット同居可」の住居とする(2014年6月~12月頃入居可予定)。ペット連れ専用のエレベーターを用意するなど、「住み分け」に配慮した構造となる。

須賀川町

×

×

現在も不可、飼っている人がいるかもしれないが把握していない。要望もトラブルの報告もない。

鏡石町

×

その後、区画を決めてペット同居可能住居を用意したが、希望がないまま現在に至る。今後同居希望者の入居者が居ればその区画に入ってもらう。

白河市

×

2011年12月からペット同居可とした。特に隔離はせず、室内飼育が条件。市に届け出と念書を出してもらった。トラブルはなし。

国見町

×

住民から要望やトラブルの報告もないが要望が出れば検討する。

西郷町

×

住民から要望やトラブルの報告もないが要望が出れば検討する。

矢吹町

×

×

要望があっても不可だが、これから建設する災害公営住宅では希望があるので検討する。

広野町

×

×

住民から要望が来たこともあるがお断りした、その後相談に乗るといったことも特にしていない。

飯舘村

×

×

現在も不可、預けることを推奨している。

宮城県

大郷町

×

住民から要望やトラブルの報告もないが要望が出れば検討する。

※xは同居不可、△は検討、○は同居可。
※避難者数はまちまちで、多いところではおよそ1,500人、一方100人以下のところもある。

JAVAからの要望を受けて、2つの自治体が動物との同居を認めるようになり、3つの町では住民の要望には柔軟な対応をしていたことがわかりました。しかし半数は、同居不可のままであったことは残念です。トラブルの報告はなかったのかもしれませんが、動物を手放したり、不便な借り上げ住宅を選んだり、泣き寝入りしていたとも考えられます。飯舘村のように問題が表面化しなかっただけかもしれません。

復興公営住宅に期待

現在、岩手、宮城、福島では避難者向けの公営住宅を建設しています。
福島県の行う「第二次福島県復興公営住宅整備計画」では、『 一部について、ペットが飼育できる住宅も整備します。』との記載がされています。これは評価できることですが、反面、次の記載がやや気になります。『建設や入居に当たっての考え方については、設置する市町村が定めます。』ここでいう『ペットが飼育できる住宅』というのは、県営の住宅に対してのことで、市町村が作る住宅はまた別の規約になるのかもしれません。

岩手県と宮城県に問い合わせたところ、宮城は「復興公営住宅は全て市町村営なので、県は関与していない」、岩手は「県営と市町村営があり、市町村は入居希望者の意向を聞いて、同居できる戸数などを決めているはず。県営も同居可能な住宅はあるが、市からの要請を受けてのこと」とのことでした。

復興・災害公営住宅は、土地の確保、自治体職員や建設作業員の不足、工事入札の不調、東京オリンピックの影響といった様々な問題で、建設自体遅れているという指摘もされています。そのように復興までまだまだな厳しい状況ですが、県営、市町村営にかかわらず、動物を連れて入居を希望される方々が全世帯入居できるように、私たちも関心を寄せ、後押ししていきましょう。

<福島県への要望先>
福島県庁
〒960-8670 福島県福島市杉妻町2-16

●復興住宅担当課
TEL:024-521-8049  FAX:024-521-9823
お問い合わせメールフォーム

●生活拠点課
TEL:024-521-8617  FAX:024-521-8369
お問い合わせメールフォーム

ハムスタープレゼントにモノ申す

犬の “ゴン太”で知られているマルカン
客寄せにハムスタープレゼントを実施 

2013年5月5日、6日に京セラドーム大阪で「ペットとの生活の素晴らしさや、ペットと暮らすことの効用を実感・体感していただけるペットイベント」という名目で、動物イベント「ペット王国2013」が行われました。そこで「ハムスタープレゼント」という、またしても動物を物のように扱った企画が行われたのです。

2013ペット王国ハムスタープレゼント

 動物を苦しめるイベント

巨大な会場には63もの企業などが出展し、毎回、数万人の来場者があります。動物の健康相談や、動物関係の法律や災害への備えを学ぶといった、評価できるコーナーもありますが、一方では、犬や猫をはじめ小動物・爬虫類・鳥類・魚類・昆虫といった、ありとあらゆる動物を展示したり、来場者に触らせたりするコーナーもあり、この「ペット王国2013」は、動物に多大なストレスを与えるイベントなのです。

そして今回、出展企業の一つである株式会社マルカンが、またしても「ハムスターのペア100組をプレゼント」という許しがたい企画を実施したのです。

 集客目的に利用されたハムスター

「11時より配布開始(先着100ペア・無くなり次第終了)」と宣伝し、雄雌ペアのジャンガリアンハムスターを来場者たちに手渡しました。マルカンは、プレゼントに抗議した市民や愛護団体に「十分に検討した来場者に、十分な事前説明をしたうえで手渡した」と主張しましたが、先着の企画では、来場者は焦り、「プレゼントなら欲しい」「タダならもらわなきゃ損」との心理が働き、十分な検討をしないでもらってしまうことになってしまいます。そして短時間のうちに、100ペアのハムスターの希望者、つまり100人もの人たちに事前説明が十分に行えるはずはありません。現にインターネット上には、説明会がたったの5分程度と短く、説明をきちんと聞いていない来場者にも配布するなど雑であったとの報告も見受けられました。

 動物プレゼント企画の問題点

 【問題点1】 安易な飼育は安易な放棄につながる

動物を家族として迎え入れ、共に生活をしていくということは簡単なことではなく、事前に準備や家族の合意が必要なのはもちろんのこと、将来にわたっての経済的な負担も覚悟しなければならないのは、皆さんもご存知のとおりです。

具体的なハムスターの飼育においては、次のような準備や心づもりが必要です。

  •  寒い地域原産の動物であるため、暑さに弱い。寒さについても気温が低すぎると冬眠のような状態になり、健康を害するので、厳重な温度管理が必要(適温は20~25度)。クーラーによる室温の下がりすぎも危険。
  •  採光、通気、換気のよい、十分な広さのケージで飼育する。
  •  穴を掘って巣穴生活をする動物なので、巣箱が必要。
  •  運動や砂遊びをするため、はしご、車輪などのいろいろな運動具や砂が必要。
  •  そのほか、食器、水入れ、床材、トイレ、ヒーター、かじり木なども必要。
  •  1日1回はトイレの全部取り換え、週1回は床材の全部取り換えが必要。
  •  6週齢から妊娠可能で、約20日という短い妊娠期間で、一度に約5匹出産することから、繁殖制限は重要。
  •  単独生活を好むため、また喧嘩や過剰繁殖を防ぐため、1ケージに1匹の飼育をする(マルカンのホームページにも「1つのケージに1匹での飼育が基本です。」と掲載されています)。

今回の企画のように、「タダでもらえるから」などと安易にハムスターをもらった場合、飼い主に、こういった準備や心づもりができている可能性は少なく、終生愛情飼育ができる保証は極めて低いと言わざるを得ないのです。

【問題点2】 市民が動物飼育を安易に考え、モラルの低下を招く

捨て犬猫を保護し、里親探しをするボランティアの方たちは、譲渡した動物が不適切な飼育や放棄をされたり、虐待目的で欲しがる異常者などにだまし取られることのないよう、譲渡希望者に対しては身分証明書の確認をはじめ、「家族全員が賛成しているか」「飼育不可の住宅ではないか」「家族に動物アレルギーの人がいないか」「きちんと健康管理をできるか」「写真をつけて定期報告をできるか」などを約束させています。そして、最終的には里親の自宅を訪れて自分の目で確認してやっと、譲渡するにふさわしい家庭として、審査に合格させるのです。

自治体の譲渡システムでも、事前に里親の審査を行い、講習会の受講を義務付けるなどしているところが多くあり、これは「安易に動物を飼う人が、安易に動物を捨てる」という事態を防ぐためであることは言うまでもありません。

これらのことは犬猫だけでなく、ハムスターの飼育においても当てはまることであり、飼い主になる者の責任の重さはどの動物に対しても同じであると言えます。

さらに、ハムスターを客寄せの景品としていると思われても致し方ない宣伝文句で広告を出している以上、その広告を見た多くの人が、「動物を景品にしても構わない」「ペット関連の企業が景品にするくらいなのだから、ハムスターなど簡単に飼えるもの」と思うのは当然であり、このような広告や企画が社会的モラルの低下を招くことは否定できません。

 【問題点3】 ペアでの譲渡は過剰繁殖に繋がる

ジャンガリアンハムスターが約20日という短い妊娠期間で、一度に約5匹出産するという、犬猫とは比べ物にならない高い繁殖力を持っていることを考えても、また、ハムスターは1ケージ1匹で飼育すべきであることを考えても、マルカンがペアでプレゼントしたことは、非常に無責任な行為です。【問題点1】で指摘したとおり、ハムスター飼育のために必要な用品をきちんと準備してからハムスターをもらった家庭があるとは思えず、ましてや2匹を別々に飼うために、2セット用意しているとは考えられず、ハムスターをもらった家庭では適切に繁殖制限を行えずに、過剰繁殖状態に陥ってしまう可能性は大いにあるのです。実際、前年、マルカンの「ハムスタープレゼント」でもらい、その1か月半後には6匹も産ませてしまったとブログで報告している人もいます。

【問題点4】 イベント会場では、動物は大きな負担を受ける

イベント会場で生体を扱うと、動物たちは遠距離を移動させられたり、大勢の人たちが集まり騒がしい中に長時間置かれ、十分な給餌給水を受けることも、休むこともできず、心身共に計り知れない程のストレスを受けます。プレゼントであれ、販売であれ、展示であれ、そもそもイベント会場において動物を扱うこと自体に多大な問題があるのです。

 忘れられた生き物目線

株式会社マルカンは、生体販売を始め、ペットフードや飼育グッズなど、幅広く展開している企業です。ペットフードのキャラクター、犬の「ゴン太」と言えば、テレビコマーシャルを思い出される方もおられるでしょう。マルカンは、動物の生態や飼育に関する豊富な知識を有しており、消費者に対して適正飼育についての情報を提供したり、アドバイスする立場なのです。同社のホームページには、動物の生態について説明するページもあります。動物を熟知し、動物と人との良い関わりを考えるのなら、生きものの目線に立つことを優先するのが当然であり、単に集客目的のために、命ある動物を「景品=物」として扱う企画を実施したことは、あまりにも軽率としか言いようがありません。

 JAVA、マルカンに再発防止を要請

JAVAはこれらの問題点をマルカンに対して指摘したうえで、動物プレゼントを二度と行わないこと、ハムスターを渡した人たちに、今後も飼育上の適切な指導を続け、責任を持って終生愛情飼育をさせることを強く要請しました。また、「ペット王国2013」の主催者であるエコートレーディング株式会社、後援をしていた大阪府に対しても同様の問題指摘を行いました。

エコートレーディングからは、「企画に関して問題点が多いとのご意見をいただいておりますこともあり、今後の実施に関しては検討して参る所存であります。」との回答が、大阪府からは、「株式会社マルカンに対しては平成25年5月10日に、主催者に対しては平成25年5月22日に改善を図られるよう求めました。」との回答がありました。

肝心のマルカンは再三の督促にもかかわらず、現時点(2014年3月17日)では回答をしてきていません。ほとぼりが冷めるまで、言明を逃れようとしているとしか考えられません。

マルカンが問題をきちんと認識しなければ同じことを繰り返していく恐れがあります。動物を取り扱うマルカンに対しては動物プレゼントのような、命を軽んじることは二度と行わないよう、強く求めていく必要があります。

 

■株式会社マルカン■

代表取締役社長 松本幸彦
〒532-0011 大阪府大阪市淀川区西中島7-1-26 オリエンタル新大阪ビル12F
電話(お客様相談室) 072-931-0345
(受付時間 平日のAM 9:00~12:00 / PM 1:00~4:00)
Eメール marukaninfo@mkgr.jp
(メール受信時間 平日のAM9:00~PM4:00)

博物館での死体解剖イベント、中止となる!

埼玉県立自然の博物館(以下、博物館)で、2月8日(土)に、交通事故死した動物の死体を解剖するイベントが行われることが発覚しました。JAVAや多くの方からの抗議を受け、博物館は解剖の中止を決定しました。

 ———————————————————————————————————

死体解剖イベントの内容とは

下記は、自然の博物館がホームページに掲載したこのイベントの告知です。

2月のイベント
自然史講座
2月8日(土)
筋肉の作りを知ろう
【内容】動物の体の中をのぞいてみよう。動物を解剖して、筋肉のつき方や内臓の位置を学びます。
【時間】10:00~15:00
【場所】自然の博物館 科学教室
【対象】高校生以上
【定員】10名(定員を超えた場合は抽選)
【費用】200円

この告知を見たり、博物館に問い合わせたりした市民の方々から、JAVAには次のような情報や意見が寄せられました。

  •  いくら死体だといっても命があったものなのだから、切り刻むなんて良くない。
  •  死体はモノじゃない。解剖をやめさせてほしい。
  •  高校生にそんな体験をさせるとは非常識。
  •  解剖の対象となる動物は、博物館が保管している交通事故死したタヌキやハクビシンの死体の予定。
  •  筋肉の観察がメインになるので、ある程度、皮をはいでから見る。余裕があれば内臓の観察も行う。
  •  10:00~15:00と長丁場になるのは、慣れていないとお腹にメスを入れて開くだけで午前中いっぱいかかる。あとは学芸員の解説なども1時間はかかるため。
  •  冷凍庫から出すと、固まっていた血が解けるので血は結構出る。特に打ち所が悪くて出血していた場合。
  •  臭いはかなりきつい。 

 

死体の利用=殺した行為の容認

「死体の利用」であれば、その動物に痛み、苦しみ、恐怖を味わわせるといった問題はありませんが、その動物たちは寿命をまっとうしたのではなく、人間によって殺されたことをまず考えるべきです。
死体を解剖するということは、その前段階において、生き物を殺す行為(今回の場合は車で轢き殺す)が必ずや必要になるわけです。よって、「死体なら構わないだろう」と死体の解剖をするなら、生き物を殺す行為をも容認するもの、ということになるのです。

 

犠牲になる動物をなくす努力をしなくなる

野生動物たちが車に轢かれる大きな原因は、山を開発し道路を通したこと、つまり、野生動物たちの住処を人間が荒らしたことにあるわけで、その原因はすべて人間にあります。本来なら、どうやって犠牲になる動物をなくせるかを最優先に考え、対策に全力を講じるのが人間の責任です。
不幸にも人間のせいで死に至った動物を「有効利用」しようという考えは、殺したことへの罪悪感を薄めることにもなります。それは、国民の動物愛護意識や生命尊重の念を低下させ、ひいては事故の防止に全力を傾けようとしなくなります。これでは、野生動物の交通事故は永久になくすことができないばかりか、減少させることすらできません。

 

献体制度とは明らかに異なる

獣医学生の実習において、飼い主から提供を受けた動物の死体、つまり献体を利用する方法が欧米では多くの大学で採用されています。死体という点は同じでも、この献体は、「その動物が治療を施すことができず、そのまま生かしておくことの方が苦しむことになる重大な傷病を患い、獣医学的な判断と、心からその動物を思う飼い主による判断によって、苦痛のない方法で死に至った」、つまり、安楽死となった動物の遺体を飼い主の承諾のもと獣医学実習に利用しています。人間の献体システムとただ一つ違うのは、その動物の意思は確認できないので、飼い主がその代理をしている点です。
交通事故死した動物たちを解剖することは、こういった献体利用とは異なり、「どうせ処分するか、腐敗する死体を活用してやっている」「教材や剥製にすることで無駄にしないでやっている」といった感覚に陥り、死体をモノのように扱うことになり、参加者たちの生命軽視にもつながる恐れがあります。

 

解剖では命の大切さは学べない

「動物をモノや機械として扱うことはできない」のが人間としての倫理観です。死体だからと情け容赦なく切り刻むことなどできるものではなく、また安易にすべきではありません。ましてや、不幸にも人間によって殺された動物たちの死体を教材にするとは許されることではありません。
命の大切さは、命あるもの、命あったものを丁重に扱い、尊重してこそ学べるものであって、解剖して学べることではありません。しかも、高校生のような多感な時期の青少年が、博物館の指導で行われるイベントに参加したら、「動物の体を解剖するのはよいこと」という誤った認識を持ちかねません。

 

知識を身に付けさせるなら、代替法で

生き物の体の仕組みを学ぶ方法には、生体や死体を解剖する以外にも、コンピュータを使用した学習法、ビデオ、3Dの模型など様々あります。
コンピュータを使った代替法を使用すれば、解剖の過程を何回でも繰り返しでき、また一人一人が自分のペースで解剖を行うことができるというメリットがあります。博物館が、市民に動物の体の仕組みを学ばせ、知識を身に付けさせたいと真剣に考えるのならば、こういった代替法を用いるべきです。

 

JAVA、館長に中止を要請

JAVAでは、井上尚明館長に対し、死体の解剖の問題点を指摘し、次の事項を求めました。 

  1. 2月8日に予定されている動物の解剖イベントを行わないこと
  2. 生体、死体を問わず、今後二度と、動物の解剖を市民に行わせないこと
  3. 学芸員であっても、生体の解剖は行わないこと

 

解剖の中止決定!!

後日、JAVAからの中止を求める要望書に対して、井上館長より、以下の文書回答がありました(一部抜粋)。

要望1につきましては、ご意見をいただき改めて内部で検討した結果、今回の事業では解剖は行わず、既存の博物館資料を使うなど、別の方法で動物に関する理解を深めることといたしました。

要望2につきましては、今後は、様々なご意見があることを踏まえ、解剖を目的とした講座ではなく、より総合的に生命の尊さや動物の体のしくみを学ぶことのできる事業を検討してまいります。

要望3につきましては、学芸員による動物の生体の解剖はこれまでも行っておらず、今後も実施の予定はありません。

 

世間では、「死体の解剖にまで反対するの?」「痛みや苦しみを感じないのだから、教材にして有効利用したほうがいいのでは?」といった意見もあります。しかし、JAVAは、ものを言わぬ動物たちの権利を守り、動物たちにやさしい社会にしていかなくてはならないと考えています。動物の命の尊厳を軽んじていては動物実験の廃止は実現できません。そういったことからも、「死体の解剖」についても動物たちがいかにして殺されたかを考え、そして、犠牲になる動物たちをなくすためにどうしたらよいかを最優先に考え、決して「有効利用」をすることを認めてはならないのです。

【動物愛護法改正】殺処分をなくせるものに

【動物愛護法改正】

関係省令も犬猫の引取りの現状を変え、殺処分をなくせるものに

2012年8月に改正動物の愛護及び管理に関する法律(以下、改正動物愛護法)が成立しましたが、環境省では、この改正動物愛護法の2013年9月1日からの施行にむけて、関係する政省令や告示(施行規則、基準、指針、措置、細目など)の策定や見直しの作業が進められています。 

JAVAでは、動物愛護法の改正の際から、動物愛護の理念に反する殺処分を減少させ、なくすことを目指し、犬猫の引取りに関する第35条の改正を最も強く求めてきました。そして、政省令についても、少しでも動物たちのためになるもの、殺処分を減少させ、ゼロを目指せるものになるよう、環境省や国会議員に働きかけるなどしました。 

特にJAVAが力を注いで働きかけたのが、「動物の愛護及び管理に関する法律施行規則の一部を改正する省令」(以下、施行規則)と「犬及びねこの引取り並びに負傷動物等の収容に関する措置について」(以下、引取りの措置)です。 

「動物の愛護及び管理に関する法律施行規則の一部を改正する省令」
JAVAが求める改正
 

施行規則は、動物愛護法で定められたことを実際に行うにあたっての細かい規則が定められたもので、さまざまな内容に及びます。そのなかの「自治体が犬猫の引取りを拒否できる事由」の箇所について、JAVAは次の点を求めました。

所有者からの引取りを拒否できる場合として下記を盛り込む

(ア)  動物取扱業者からの引取り

(イ)  何度も繰り返し持ち込む者からの引取り

(ウ) 繁殖制限措置を怠り、産ませては持ち込む者からの引取り

(エ)  その他、終生飼養の責務の趣旨に照らして、都道府県等が引き取る相当の事由がないと判断した場合

所有者の判明しない犬猫の引取りを拒否できる場合として下記を盛り込む

(ア)  駆除目的で捕獲された猫の引取り

(イ)  その他、虐待など動物愛護に反する行為を行った者からの引取り

JAVAでは、環境省の伊藤自然環境局長、田邉動物愛護管理室長、小西動物愛護室長補佐に面会を申し入れ、面談の上、直接要望を行ったり、パブリックコメントを提出するなどしてJAVAの改正案を取り入れるよう、強く訴え続けました。

所有者の判明しない犬猫の引取りについては、残念ながら盛り込まれませんでしたが、所有者からの犬猫の引取りの際に具体的にどういった場合に拒否できるかについて、次のようにほぼJAVAの要望にかなった内容が規定に定められました。

(犬猫の引取りを求める相当の事由がないと認められる場合)

第二十一条の二 法第三十五条第一項ただし書の環境省令で定める場合は、次のいずれかに該当する場合とする。ただし、次のいずれかに該当する場合であっても、生活環境の保全上の支障を防止するために必要と認められる場合については、この限りでない。

一 犬猫等販売業者から引取りを求められた場合

二 引取りを繰り返し求められた場合

三 子犬又は子猫の引取りを求められた場合であって、当該引取りを求める者が都道府県等からの繁殖を制限するための措置に関する指示に従っていない場合

四 犬又は猫の老齢又は疾病を理由として引取りを求められた場合

五 引取りを求める犬又は猫の飼養が困難であるとは認められない理由により引取りを求められた場合

六 あらかじめ引取りを求める犬又は猫の譲渡先を見つけるための取組を行っていない場合

七 前各号に掲げるもののほか、法第七条第四項の規定の趣旨に照らして引取りを求める相当の事由がないと認められる場合として都道府県等の条例、規則等に定める場合

引取りの改善はJAVAが強く求めてきたことの一つであり、この施行規則を上手く活かし、引取り、そして殺処分の減少につなげていけるかどうかが今後の課題です。 

「犬及びねこの引取り並びに負傷動物等の収容に関する措置について」
JAVAが求める改正
 

「引取りの措置」は自治体における犬猫の引取りのマニュアルとも言える省令です。これには保健所などに収容された犬猫を動物実験施設に譲渡する、いわゆる「実験用払い下げ」を犬猫の殺処分方法の一つとする記述があります。自治体の「実験用払い下げ」に関しては、長年、JAVAの主活動のひとつと位置づけ、会員の皆さんの協力を得て全力で取り組んだことにより、ついに全廃となりましたが、その記述が今も残っているのです。

残っている以上、復活の危険性があること、また「実験用払い下げ」を公的に認める根拠になってしまいます。そのため、JAVAではこの「実験用払い下げ」についての記述の削除を前回2005年の改正時にも求めてきて、今回も、これを最も強く求めました。

JAVAの要望内容は、JAVAが環境省に出したパブコメの22~28ページをご覧ください

実験用払い下げの一文、削除される!

4月10日、環境省動物愛護管理室の田邉室長と小西室長補佐に面会し、JAVAの要望を記した文書を提出するとともに、要望に対する見解を伺いました。 

室長からは、定点収集については、自治体のなかに継続の必要性を主張するところがあったり、環境省としても定点収集の実態をきちんと把握できておらず、調査も必要といった説明があり、残念ながら、今回は、JAVAの求める改正はかなり難しいと感じざるを得ませんでした。 

一方、JAVAが最も強く求める実験用の払い下げの根拠となっている箇所の削除については、室長から「全自治体において廃止されているという事実もあることから、削除での素案を(審議の場である)動物愛護部会に提出する」旨の回答がありました。

そして、実際、5月17日の動物愛護部会において環境省から、改正素案が部会委員たちに提示され、払い下げの部分は削除されていました。 

その後、パブリックコメント(国民の意見)の募集を経て、この「第4 処分」の実験用払い下げの記述は削除されることが決定したのです!

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