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環境省「犬猫以外の動物の飼養基準もつくる」と明言

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9月15日、JAVAとアニマルライツセンター、PEACEの3団体は、福島みずほ参議院議員を介して、環境省動物愛護管理室の室長と動物愛護管理係長と面会し、犬猫以外の動物についてもきちんと飼養基準を策定してくれるよう要望しました。

室長からはその場で「犬猫以外の動物の基準もつくる」との回答がありました。
ただ、犬猫の飼養基準が来年6月に施行される時までには間に合わず、6月以降に「動物の適正な飼養管理方法等に関する検討会」で議論したり、専門家からヒアリングをする必要があることから、議論・検討の開始時期も策定時期も未定とのこと。

この回答を受けて、3団体からは「犬猫以外の動物の基準もつくる」方針を私たちへの口頭での回答ではなく、何かしらの文書で示すこと、また、策定時期を決めることを強く求めました。

3団体では、引き続き環境省への働きかけを行っていきますが、ぜひ皆様からも「1日でも早く犬猫以外の動物の飼養基準もつくって」「犬猫の飼養基準ができたらすぐ、犬猫以外の動物の基準づくりに取り掛かってください」の声を届けてください。

【要望先】
環境省
環境大臣 小泉進次郎殿
〒100-8975 東京都千代田区霞が関1-2-2中央合同庁舎5号館
E-mail:moe@env.go.jp

自然環境局 総務課 動物愛護管理室
TEL:03-3581-3351(代)
FAX:03-3508-9278(直)

環境省に「犬猫以外の動物の飼養基準もきちんと作って!」の声を

6月1日に施行された、改正動物愛護法。
今回の法改正により、第21条「基準遵守義務」に第2項「動物の愛護及び適正な飼養の観点を踏まえつつ、動物の種類、習性、出生後経過した期間等を考慮して、次に掲げる事項について定めるものとする。 」が新たに追加され、動物取扱業(第1種及び第2種)の飼養基準が改善される、と期待していました。

犬猫の販売業については、具体的に定めることとなっているため(第3項)、これまで環境省では、「動物の適正な飼養管理方法等に関する検討会」において、犬猫の飼養基準に関し議論が行われ、8月31日にとりまとめ報告が公表されました。
適正な飼養管理の基準の具体化について

100%とまでは言えなくても、これまでより格段に厳しく、また具体的な基準となっています。
ところが、このとりまとめ報告がされた飼養基準の対象は犬猫のみなのです。
動物愛護法第21条で基準を定める対象は、動物取扱業者が取り扱う「動物」となっています。つまり犬猫以外の哺乳類、鳥類、爬虫類も対象になるわけです。

「動物の適正な飼養管理方法等に関する検討会」での議論は法改正以前から進められており、平成30年に行われた第1回、第2回の検討会では、爬虫類や様々な動物種について議論がなされていたのですが、次第に犬猫について先に検討する流れになっていきました。しかしこのことは犬猫以外の動物については検討しないということに決まったわけではなく、実際そのような議事録も残ってはいません。

犬猫についての飼養基準案のとりまとめがなされ、いよいよ犬猫以外の動物についても検討が始まるかと思いきや、驚くべきことに環境省は、改正前の動物愛護法で規定されていた「動物の愛護及び管理に関する法律施行規則」の動物取扱業者に関する箇所と、第1種と第2種の「動物取扱業者が遵守すべき動物の管理方法等の細目」を犬猫以外の動物の新しい飼養基準としてほぼそのまま利用すると言うのです。

このままでは、犬猫以外の動物、たとえば家庭で飼われているケースも多いウサギやハムスターなどの飼養基準は変わらないということになってしまいます。今回の新しい飼養基準で犬猫のケージについては、足を痛める金網の床は禁止になりますが、ウサギやハムスターは金網の床でもよい、ということになってしまうなど、多くの問題が改善できないままになってしまうのです。

また、これまでに視察報告をしたことがある劣悪なエキゾチックアニマル展示即売会「東京レプタイルズワールド」のようなイベントで、ヘビやトカゲが身動きが取れないお惣菜パックに入れられて販売されていることも、フクロウが足をリューシュでつながれ、長時間拘束状態で展示・販売されることも改善できません。

JAVAは、動物愛護法の活動を連携して行ってきたアニマルライツセンターとPEACEとともに、犬猫以外の動物の飼養基準について、環境省に要望書を提出したり、面会して直接申し入れをするなど働きかけを続けています。

3団体の要望書の全文はこちら

しかし、世論が高まらなければ環境省は、もっとも省エネな方法、つまり、現行の施行規則と細目をそのまま利用という方法で終わらせてしまいます。
ぜひ環境省に対して、

*「動物愛護法は犬猫だけの法律ではない。犬猫以外の動物の飼養基準もきちんと作って」
*「犬猫以外の動物の飼養基準について十分な時間をかけて議論して」
*「動物愛護法の第21条で定めることになっている基準は犬猫に限定されていない。犬猫以外の動物の飼養基準もつくるべき」
*「犬猫以外の動物が劣悪な販売や展示をされているケースも非常に多い。今の基準や細目を変えないと、ひどい現状を変えられない」

などなど、新しい飼養基準が犬猫に関するものだけにならないよう、皆さんの声を届けてください。

【要望先】

環境省
〒100-8975 東京都千代田区霞が関1-2-2中央合同庁舎5号館

環境大臣 小泉進次郎殿
E-mail:moe@env.go.jp

自然環境局 総務課 動物愛護管理室
TEL:03-3581-3351(代)
FAX:03-3508-9278(直)

犬猫以外の動物の基準が変わらないと・・・

現在、動物取扱業者が守るべき基準は、「動物の愛護及び管理に関する法律施行規則」や「第一種動物取扱業者が遵守すべき動物の管理の方法等の細目」等で規定されていますが、これが改正されず、そのまま犬猫以外の動物の飼養基準として運用されるということになれば、たとえばほんの一例ではありますが、以下のような問題ある動物の取り扱いが全く変わらないということです。

  • カワウソは水中を泳ぐ習性を持つが、カワウソカフェなどでは水がない状態で飼育されており、それが変わらない。
  • 猛禽類は相当な距離を飛ぶ習性を持っているが、猛禽類の販売イベントやフクロウカフェにおいて、短いリューシュに常時繋がれ、休憩中や夜間も拘束されたままであり飛べない。これも変わらない。
  • 今の細目でも鳥類は「羽ばたく」ことができるスペースが必要であるが、羽を広げることもまともにできない広さでも羽が動かせればよしとされている。これも変わらない。
  • どの販売業者においても、動物が運動できるスペースを確保していることはほぼ無いが、これも改善できない。運動ができないということは健康をじわじわと損なうことになる。
  • 犬猫以外の動物のケージは金網の床でも問題ないとされてしまう。

このように、巷では泳ぐ、飛ぶ、体を伸ばすといった、日常的な動作を容易に行うことができない状態での飼育が横行しています。犬猫しか新しい飼養基準が作られないということは、上記のような問題を改善しなくてよいと言っているのも同然です。

改正された動物愛護法の第21条において、犬猫だけでなく「動物」について、「動物の種類、習性、出生後経過した期間等」を考慮して、飼養施設の管理やその設備の構造・規模・管理、飼養保管に従事する従業員の人数、飼養保管の環境、疾病対応、展示方法と輸送方法、繁殖していい回数や繁殖ができる動物とその方法、その他動物の愛護及び適正な飼養に関し必要な事項を定めなさいとしています。
今の細目や施行規則に同様の規定がありますが、それでは効力を発揮できなかったわけですから、より細かく、そして厳しい新しい飼養基準を犬猫以外の動物についても作ることが不可欠です。

このように変えたい

JAVAがアニマルライツセンターとPEACEとともに環境省に提出した要望書では、環境省が施行規則や細目を犬猫以外の動物の飼養基準とする方針であることを踏まえ、それらを次のように改正した上で基準とすることを求めています。私たちの提案を第21条第2項の条項に分類して箇条書きにします。

一 飼養施設の管理、飼養施設に備える設備の構造及び規模並びに当該設備の管理に関する事項

  • 犬猫以外の動物にあっても、最低限、犬猫の数値の考え方に準ずる構造、広さ及び空間を有するものとする。
  • 「飼養期間が長期間にわたる場合」は「飼養期間が24時間以上にわたる場合」とする。
  • 「個々の動物が自然な姿勢で立ち上がる、横たわる、羽ばたく等の日常的な動作」は「個々の動物が自然な姿勢で立ち上がる、横たわる、回転する、飛ぶ、飛び跳ねる、全身を伸ばす等の日常的な動作」とする。
  • 「必要に応じて、走る、登る、泳ぐ、飛ぶ等の運動ができるように」は「個々の動物が動物の種類、習性に応じて、走る、登る、泳ぐ、飛ぶ等の運動ができるように」とする。
  • 「運動スペースを設け、隠れる、地面を掘る、止まり木に止まる、爪とぎをする、砂浴びをする、水浴びをする、泥浴びをする、探索する、社会性を発揮する等の正常な行動をとるための設備等を有するものとすること。また、これらの運動スペース及び設備等については、日常的に動物の利用に供させること。」を追加。
  • 「常時飲水可能な状態」にすることを追加。
  • 「動物が直接接する床には、動物の脚等に負担をかけることのない、及び不快感を与えることのない素材を用いるものとし、金網の使用を禁止する。」を追加。
  • 「習性に応じて排せつ用のスペースを設ける」を追加。
  • 「適切な出産及び営巣の場所の確保等必要な条件を整えること」を追加。

二 動物の飼養又は保管に従事する従業者の員数に関する事項

  • 「動物の飼養又は保管に従事する従業者の員数は、8時間労働を標準とし、1頭当たりの飼養管理に要する平均的な作業時間を想定し、1人当たりが管理できる頭数を算出した上で、動物の飼養又は保管に従事する従業者の員数の上限を割り出し、飼育頭数を見合ったものとすること。上限の飼育頭数は、犬猫の規定を指標とする。」を追加。

三 動物の飼養又は保管をする環境の管理に関する事項

  • 「定期的に清掃」は、「1日1回以上清掃」とする。
  • 「ケージ等」は「寝床、休息場、運動スペース等」とする。
  • 「動物種に応じ、著しく暑い、寒い、日照が不足している、乾燥している等の状態を防ぐため、空調、保温器具、ライト、ミスト等、環境管理を行うための設備を用いるものとする。」を追加。
  • 温度計、湿度計等の計測器具や台帳管理ができる事務所の設置を追加。
  • 「群れ等を形成する動物については、社会性を発揮できるよう、その規模、年齢構成、性比等を考慮し、複数で飼養及び保管すること。」を追加。
  • 「捕食動物とその被食動物を組み合わせることを避けること」を追加。
  • 「野生由来の動物を業に供する場合」は、「家畜化されていない野生動物等に係る選定については、飼養及び保管が困難であること、譲渡しが難しく飼養及び保管の中止が容易でないこと、人に危害を加えるおそれのある種又は原産地において生息数が少なくなっている種が存在すること、逸走した場合は人への危害及び環境保全上の問題等が発生するおそれが大きいこと等から、その飼養については限定的であるべきことを勘案しつつ、慎重に検討すべきであること。」とする。

四 動物の疾病等に係る措置に関する事項

  • 高齢猫限定であった定期的な獣医師の健康診断はすべての動物に対して行う。
  • 輸送後2週間以上、状態の観察はすべての動物に対して義務付ける。

五 動物の展示又は輸送の方法に関する事項

  • 「常時飲水可能な状態」にすること、「十二時間を超えて餌が絶たれることを避けること」を追加。
  • 「展示業者にあっては、本来の形態及び習性を損なうような施術、着色、拘束等をして展示しないこと。」を追加。
  • 「動物の生理、生態、習性等に配慮し、演芸、訓練等が過酷なものとならないようにすること。」は、「動物の生理、生態、習性等に反することがなく、演芸、訓練等が痛み、恐怖、及びストレスがかかるものとならないようにすること。」とする。
  • 「正当な理由なしに顧客等に動物を接触させないこと。特に、野生種の動物を顧客と接触させることがないようにすること。」と記述を強化。
  • 接触がやむを得ない場合は「顧客等に対して動物への接触方法及び動物の生理生態について指導するとともに、顧客と一対一の対応ができる従業員数を確保すること。また、常時飲水ができる状態を確保するものとし、接触が過度にならないよう、動物が休憩できる設備に自由に移動することが可能となる状態を確保すること。」とする。
  • 不必要な輸送が生じないようにする。
  • 輸送ルートの下調べをし、事前に輸送計画を立てる。
  • 「一般人に誤解を与えるおそれのある食物や形態による与え方をさせないようにすること」を追加。

六 動物を繁殖の用に供することができる回数、繁殖の用に供することができる動物の選定その他の動物の繁殖の方法に関する事項

  • 「遺伝性疾患等の問題を生じさせるおそれのある動物、幼齢の動物、高齢の動物等を繁殖の用に供し、又は遺伝性疾患等の問題を生じさせるおそれのある組合せによって繁殖をさせないこと。」の除外規定「ただし、希少な動物の保護増殖を行う場合にあってはこの限りでない。」を削除。
<参考>
動物の愛護及び管理に関する法律
(基準遵守義務)
第二十一条 第一種動物取扱業者は、動物の健康及び安全を保持するとともに、生活環境の保全上の支障が生ずることを防止するため、その取り扱う動物の管理の方法等に関し環境省令で定める基準を遵守しなければならない。
2 前項の基準は、動物の愛護及び適正な飼養の観点を踏まえつつ、動物の種類、習性、出生後経過した期間等を考慮して、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 飼養施設の管理、飼養施設に備える設備の構造及び規模並びに当該設備 の管理に関する事項
二 動物の飼養又は保管に従事する従業者の員数に関する事項
三 動物の飼養又は保管をする環境の管理に関する事項
四 動物の疾病等に係る措置に関する事項
五 動物の展示又は輸送の方法に関する事項
六 動物を繁殖の用に供することができる回数、繁殖の用に供することができる動物の選定その他の動物の繁殖の方法に関する事項
七 その他動物の愛護及び適正な飼養に関し必要な事項
3 犬猫等販売業者に係る第一項の基準は、できる限り具体的なものでなければならない
※第4項省略
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