JAVA:NPO法人 動物実験の廃止を求める会(Japan Anti-Vivisection Association)

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動物実験の廃止を求める

日本で生まれた感作性試験代替法<h-CLAT>

JaCVAM第3回ワークショップ h-CLATシンポジウム
-日本で生まれた感作性試験代替法の概要とその応用-

2010年1月20日 国立医薬品食品衛生研究所

感作性試験とは、動物実験が求められる場合の毒性試験のひとつで、皮膚アレルギーを調べるものである。接触によって皮膚アレルギーの原因となるのは、化粧品や香水といった香粧品、ニッケルやプラチナ等の金属、漆などが多いと言われている。
現在、感作性試験の代替法としては、LLNA法(マウス局所リンパ節増殖試験/マウスの耳に試験物質を塗布)が、2002年OECDのガイドラインに収載されている。従来のモルモットの皮膚に試験物質を塗布する実験より、短期間で実施出来ることや、動物福祉の面からは動物の外傷や使用数を少なく出来るといった利点があり、世界の規制当局に受け入れられている。しかし日本ではまだまだ認められていないと聞く。

h-CLAT(human Cell Line Activation Test/エイチクラット)は、花王、資生堂を中心に多くのメーカーが協力しあって、7年間に亘って研究開発がされてきた。その研究については早くから代替法学会等で報告を聞く機会が私たち市民にもあった。特筆すべきは、LLNA法のようなReduction、Refinementではなく、Replacementであることだ。ヒトの培養細胞であるTHP-1(ヒト単球由来株化細胞)を使用し動物は犠牲にしない方法である。また、日本で開発されたという点も非常に心強く、ぜひOECDのガイドラインに収載され世界に広まってほしいと思う。

今回は、今までの研究を総括した発表がされた。下記プログラムをご覧いただければわかるが、複数の大手メーカーが共同研究を行っている。これは海外ではあまり見られないことで、日本の良い特徴だそうだ。

  • 試験の原理と概要(花王) 
  • 具体的試験法(資生堂) 
  • 施設間再現性(ポーラ化成工業) 
  • 細胞選択条件(カネボウ化粧品) 
  • 血清選択条件(資生堂) 
  • 細胞培養条件(ライオン) 
  • 香料の評価(コーセー) 
  • 防腐剤の評価(花王) 
  • 染毛剤の評価(日本メナード化粧品) 

総括としては、それぞれの研究から施設間再現性の良好、LLNA法との高い一致性などが導き出され、h-CLATは感作性試験の代替法として有用であることが示唆されたとの報告だった。しかし、疑陰性を示すことがあると、OECDでは第二段階のスクリーニング法とされる可能性も高く、結局、h-CLATの後にLLNA法を行うことになりかねないとの危惧も聞かれた。次の段階としては、今年の7月から公的機関によるバリデーション(妥当性評価)を開始、また、ECVAM(欧州代替法評価センター)がコーディネイトするバリデーションも行っていくとのこと。それでも実用化されるには、早くても3年はかかるようだ。

代替法学会と比べると、各発表の後には活発かつ具体的な質疑応答がなされ、研究者やメーカーからのh-CLATの実用に向けた意気込みや期待が感じられた。シンポジウムに参加すると、専門的なことはほとんどわからないのだが、ひとつの確立した試験法を研究開発することの大変さを垣間見ることが出来る。高齢の研究者はじめ、まだまだ動物実験を求める声もあるそうだが、私たち市民もどのような研究がなされているのか知る努力をして、代替法開発をさらに応援していく必要がある。

※3Rの原則
Replacement:動物を使用しない方法への置き換え
Reduction:動物使用数の削減
Refinement:動物の苦痛の軽減

(JAVA NEWS No.84より)

日本動物実験代替法学会第22回大会報告

第22回日本動物実験代替法学会学術大会報告

 2009年11月13日~15日 大阪大学

毎年開催されている大会で、今回は5つのシンポジウムと口頭発表、インターナショナルセッション、チャレンジコンテスト、市民講座、ポスター発表というプログラムだった。

●NEDOプロジェクトによる化学物質の短期in vitro試験法の開発
NEDOとは、新エネルギー・産業技術総合開発機構のことで、経済産業省の外郭研究開発機関である。一般工業用化学物質の管理に関しての国際動向からは「迅速で安価な手法」「3Rs精神の拡張として、種差等の問題をはらむ動物実験に依存してきた毒性学からの転換」が求められていることから、有害性情報の収集についての短期in vitro有害性評価研究を推進している。そして技術体系を構築して国際標準とすることを目指すプロジェクトだ。発ガン性、免疫毒性、発生毒性に関する4つの研究発表がされた。

●ES、iPSを使用した代替法研究(日本組織培養学会共催)
ES細胞(胚性幹細胞)とiPS細胞(人工多能性幹細胞)は、共に様々な臓器や組織の細胞に分化する能力を持っていることから、再生医療に役立つとして非常に注目されている。細胞の品質や分化などにまだ問題はあるが、代替法にも応用できるものとして研究が増加しているようで、9つもの発表が行われた。創薬における薬効や副作用の判定、薬剤の発生毒性評価、化学物質の発生毒性試験、医療機器や生薬品質評価など様々な研究があった。

●医薬品開発と3Rs
「ひとつの新薬開発には150~300億円の費用と15~20年の歳月がかかるが、医薬品となる確率は0.005%といわれる。そのため開発初期から成功確率の高いものを選別する必要があり、効率的な開発は3Rsの追求が鍵になる」との話がまずなされ、続いて肝細胞を用いた毒性・薬効評価試験やin sillico(コンピーターシミュレーション)を利用した毒性評価について発表がされた。

●実験動物学協会から見た動物実験代替法
動物実験を擁護する立場から、「動物実験は必要不可欠」「動物福祉には十分留意している」とした3つの発表がされた。動物実験技術者からは、研究者ではなく実験動物施設や環境を手がける立場からすれば、3RsのRefinementのみが課題となるという内容だった。実験動物学会ではないのであるから、動物実験を擁護せざるを得ない人々をこの学会に招く意味があるのか疑問を感じるシンポジウムだった。

●第1回マンダム動物実験代替法国際研究助成 研究報告会
2008年に化粧品メーカーの株式会社マンダムによる「動物実験代替法に関する研究」への助成金交付を受けた、4つの研究報告がされた。選考基準に「特にReplacementに着目した研究テーマ(助成金にて動物実験を一切行わない)」とあり、志の高い助成で私たちも注目している。マンダムからの「動物実験が出来ないことはある意味、産業の発展をとめていることにもなるが、良い代替法が出来て世界の産業を発展させたい。」との話には、そういった姿勢が感じられた。残念だったのは、実験動物への麻酔の影響に関する研究を発表した東海大学医学部から「マンダムの助成金では動物実験が出来ないので、他の資金で比較するための動物実験を行った」と報告されたことだ。また、大阪大学・黒澤教授の発表では、「安全性評価にはたくさん動物が使われていて何とかしたいとの思いで、ES/iPS細胞による代替法研究に取り組んだ」と嬉しい言葉を聞いたが、最後に「資金が尽きたので動物実験に戻る」とおどけて発言したことには心底がっかりした。

●第3回チャレンジコンテスト
・貝で調べよう(小学生による水質実験)
・カタツムリを用いたカルシウム形成研究の提案(高校生による宇宙での微小重力下におけるカルシウム形成実験)
全国の小中高生から動物実験の代替法に関する自由な発想によるツール、試験方法、解析法、アイデア等を募集し発表してもらうという催しだが、第1回、2回に引き続き、残念ながら行われた動物実験の発表がされた。この企画自体に無理があると思われる。


今大会は、日本実験動物学会の評議員でもある大阪大学の黒澤教授が大会長として開催された。氏は、「動物実験は必要である」との立場をはっきり表明しており、3RsのRefinementこそが代替法と言わんばかりだ。大会開催挨拶文にも「本会は動物実験が必要であるとする動物実験擁護の立場をとらざるを得ない学術団体である。」と記している代替法学会が動物実験擁護であるならば、国際社会に認められる代替法が生み出せるわけもない。力のある研究者、偏った研究者によって学会の方向が決められないよう、JAVAや市民から「Replacementを目指すべき」と常に、そして強く提言していかなければならない。

(JAVA NEWS No.84より)

 

動物実験第三者評価制度を検証

第三者認証制度は動物を救わない
―HS財団の動物実験第三者評価制度を検証する―

財団法人ヒューマンサイエンス振興財団(HS財団)が、2008年4月、「動物実験実施施設検証センター」を設立し、7月から動物実験の第三者評価制度をスタートさせました。JAVAは、現在、日本で進められている第三者評価・認証制度について、2月開催のWC6フォローアップシンポジウムの講演で、動物実験廃止の妨げになるとして反対の立場を明確にしました。
ここでは、HS財団を例にとり、改めてこの制度の問題点を検証していきます。

検証1 この制度は、動物実験が支障なく行われるための制度である
2004年、日本の科学者の代表機関である日本学術会議は、「動物実験に対する反対運動は根強い(中略)動物を用いた研究が適正に、かつ支障なく実施されるためには、研究の意義と実施状況が広く社会に認識、理解され、動物実験に関する社会的合意が形成されることが必要」として、その具体策として「国内で統一された動物実験ガイドライン制定とその実効を担保するための第三者評価システムの構築」を提言し、「動物愛護法」が改正された後では国内統一ガイドラインを制定しました。このガイドラインの制定と前後して、各省庁も、動物実験が支障なく行われるようにと、自ら指針を作成しています。このように産官学が連携して動物実験を守るスタンスを取り始め、HS財団の第三者評価制度はこの流れのなかで出てきたものであることを踏まえなければなりません。

検証2 この制度は当事者に都合よく作られた制度である
2007年に発足したHS財団の第三者評価準備委員会は、下記の一覧のとおり製薬企業、大学、その他の研究機関で動物実験に深く関わってきた人たちで構成され、3ヶ月間にわずか5回の会合で内容が決められ、この制度が始まりました。つまり、始めから動物愛護のためでなく、動物実験を社会からガードするために作られた制度なのです。

検証3 HS財団は厚生労働省の天下り先である
そもそもHS財団がどのような組織かというと、研究資源の供給や、創薬の研究開発支援などを行っている厚生労働省所管の公益法人です。そして、この財団には厚生労働省の役職を退官後に役員として天下った理事が数多く存在しています。「天下り」は日本で長らく社会問題となっていますが、HS財団も、国の補助金、委託費を仲介して研究機関に交付する「トンネル法人」と批判され、税金の無駄使いが指摘されてきました。つまり、国が研究機関に直接交付する場合より公益法人の管理・人件費(天下った役人の給料)などが上乗せされ、コストが余計にかかることになるという指摘です。

検証4 評価の対象は多額の会費を納める企業である
HS財団は会員制で、多額の会費(入会費100万円、年会費最低80万円)を納める賛助会員の半数が製薬工業協会加盟の製薬企業です。このように多額の会費を納めている賛助会員である製薬企業に対してHS財団が正当かつ公正な評価をすることは期待できず、形式的な評価で認定証を与えることが容易に想定できます(一度認定証を与えたら3年間はノーチェックです)。また、この制度に対しては業界内部でも「仲間内の認証となり意味がない」「とりあえず体面的な制度を作ればよいと考えたり、自分たちの天下り先を求める人たちによって推進されている」といった批判の声があります。

検証5 この制度は、「適正な」動物実験を補強するものである
この第三者評価の流れは「この研究機関は『適正な自主管理によって』『適正な動物実験を行っている』ので、認定証を出します」という流れになることがおわかりいただけるでしょう。
こうして認定された企業や大学が「第三者機関の認証を受けています」「動物に優しい機関です」と宣伝すれば、市民の動物実験に対する抗議のレベルを弱めることができる、と考えているのです。
この制度で公開される情報はあくまで、「自主管理に関する自己評価結果」です。どんな動物が、どんな実験に、どのような形で使われ、どのような形で処分されていくのか―実験動物たちの置かれている現状が公開されるわけではないのです。
HS財団の第三者評価制度は、徹底して「自主管理」を主張し続けてきた研究者が、「どうすれば動物実験を守れるか」「どうすれば動物実験がもっとやりやすくなるか?」と考えた末にできあがった制度なのです。
JAVAは、研究者側が言う「動物実験の規制」は、抗議運動を鎮めるためのものであって、動物を救うことや動物実験廃止にはまったく役に立たないとして反対してきました。我々は、何が本当に動物たちのためになるのかを見抜く力を身につけ、動物たちの置かれている現状や、動物実験の実態を知らせていく活動を広げていかねばなりません。

(JAVA NEWS NO.82より)

代替法学会は名ばかりか?動物実験の擁護に終始する体たらく

代替法学会は名ばかりか?
動物実験の擁護に終始する体たらく

2008年10月、東京で日本動物実験代替法学会主催の「第2回動物実験代替法チャレンジコンテスト―教育現場における動物実験と3Rsの啓発-」が開催された。

第一部が、メインテーマの小中高生による「動物実験代替法チャレンジコンテスト」であった。これは、動物実験や代替法に関する意見や具体的な代替法について、学生達が応募した作品を発表する場であった。ところが、発表はただ一人で、しかも、その学生の発表内容は、「学校でラットの解剖をすることで命の大切さを実感した」というものだった。
まがりなりにも「代替法」と命名されている学会の主催するシンポジウムとしては不適切。そして、この唯一の発表者が表彰され、表彰式では、日本動物実験代替法学会の会長が、動物の解剖実習を肯定する発言まであった。いったい教師(代替法学会所属)とシンポジウムの主催者は何を考えているのか。

続く第二部と第三部では、教育現場における動物実験や3sRについて、日本動物実験代替法学会に所属する薬学部教授や高校教諭、獣医学部淮教授などによる発表やパネルディスカッションが行われた。しかし、その場でも、「動物実験に反対するならば、人間 は死ななければならないかもしれない」「生命現象を学ぶためには解剖実習が不可欠である」「自治体で殺処分された犬猫の死体を実験用に提供するよう求めたが断られている」といった驚くべき発言が相次いだ。JAVAの「命を奪うことでは、その大切さは学べない」「代替法のシンポジウムなのに動物実験が必要という発表ばかりで納得できない。趣旨が違う」などの強い批判に対し、言い訳の返答に終始した。

今回の企画、そして日本動物実験代替法学会の現状には疑問を持たざるを得ない。本当の意味での代替・Replacementこそが、代替法学会の目指す道なのだということを、JAVAは厳しく指摘していく、それこそが、JAVAがこの学会の会員となっている意義である。

(JAVA NEWS No.82より)

世界最大の実験用マーモセットの繁殖施設建設を撤回させる

世界最大の実験用マーモセットの繁殖施設
JAVA、建設計画を撤回させる!

2008年3月、「沖縄県金武町が、2,000頭もの実験用マーモセットを飼育し、繁殖、販売をする施設の建設を計画している」と地元新聞が報じました。

金武町は、この計画を25人の雇用や、年間4億5,000万円以上の収益など、町の活性化や経済効果をかなり期待して、町長、町議会が一丸となって押し進めていることが判明しました。この計画を中止させるには、ただ動物実験の実態や残酷性を訴えるだけでは無理であることから、JAVAは、町が期待しているほどマーモセットの需要は無く、経済効果は見込めないことをデータによって示さなければならないと考え、協力関係にある英国、米国の動物保護団体に情報提供や意見を求めました。
そして、金武町と金武町が事業実施の相談をしている北部広域市町村圏事務組合に対し、この計画について、以下の6点の問題点やデメリットを指摘し、計画の撤回を求めました。 

1)動物実験は大変残酷な行為であり、国内外で動物実験反対の機運が高まっている。
動物実験については3Rの原則の遵守が国際的な流れとなり、日本においても「動物愛護法」にこの原則が取り入れられている。また、OECDなどの安全性ガイドラインにおいても、動物実験を外して代替法を取り入れる努力が進められたり、代替法評価機関が欧米に続いて日本にも設立されるなど、世界的な規模で動物実験に反対する動き、代替法を推進する動きが高まるなか、この計画は時代の流れに逆行するものである。

2)特に霊長類の実験使用に対して強い批判がある。
ニュージーランド、英国をはじめ、大型類人猿の実験使用を禁止している国がいくつもある。また、日本でも侵襲的実験は行っていない。その他、2005年の「ベルリン宣言」、2007年の欧州会議における「0040/2007宣言」の採択などからわかるように、いまや科学者、動物保護団体、議会などあらゆるところから、霊長類の実験反対の声が上がる時代である。マーモセットについては、2002年、英国ケンブリッジ大学でのマーモセットを使った残酷な実験の実態が、同国の動物保護団体BUAVによって明らかにされ、国内外からの抗議が殺到し、実験施設増設計画が中止となったケースがある。

3)期待されている経済効果は見込めない。
施設の運営主体となる、実験動物の生産販売会社・日本クレアは、4億5,000万円の収益が見込めるとか、日本国内や欧州で年間2,000頭以上、米国で年間1万頭以上の市場が期待できるなどの経済効果を金武町に提示した。しかし、マーモセットの繁殖はわりと容易であり、欧米ではマーモセットは不足しておらず、欧州ではEUやETS123(実験その他の科学目的に使用される脊椎動物の保護のための欧州協定)加盟国以外からの輸入はほとんどなく、米国では年間275~375頭にとどまっている。日本でもマーモセットの使用数は多く見積もっても400頭であることなどから、日本クレアが提示した経済効果は見込めない。この建設計画を進めたならば、町に莫大な経済損失が発生することは必至である。

4)周辺や自然環境を汚染する恐れがある。
1998年、フランス・ホルツハイムにおいて、実験用サルの飼育施設建設計画が立てられたが、動物実験への反対感情だけではなく、新しいウィルスへの脅威や、排泄物などによる地下水などへの環境汚染の危険性から、大きな反対運動が起こり、建設計画が中止になった。
2,000頭ものマーモセットの飼育を行えば、常に環境汚染の危険性がある。金武町は豊かな自然を有するところであり、環境汚染は、観光産業に大打撃を与えかねない。

5)日本クレアが撤退した場合、町は、残されたマーモセットの飼育とその飼育費用に膨大な負担を負うことになる。
1997年、動物用医薬品メーカー・ブルー十字血液センターが、実験用犬猫440頭を残し倒産したケースがある。このときは、犬猫であったため、地元動物保護団体が救出し、新しい飼い主を見つけることができた。しかし、マーモセットの場合、一般家庭への譲渡はまず不可能。
現に、チンパンジーについては、日本では、侵襲的実験が廃絶となったため、残されたチンパンジーたちは、製薬会社・三和科学研究所が引き取り、飼育を続けているが(2007年4月より運営が京都大学霊長類研究所に移管され、サンクチュアリになっている)、年間維持費が2億5,000万円にのぼると報道されている。
万が一、日本クレアがマーモセットを残して撤退した場合、金武町がその飼育をすることになる。マーモセットは寿命が15~20年と長く、管理費や人件費に莫大な費用がかかることは容易に推測できる。

6)動物実験に加担すれば、金武町のイメージダウンになる。
動物実験対する批判は国内外で高まっており、それに加担すれば、金武町のイメージダウンは必至で、金武町の主産業である観光へのダメージは計り知れない。

JAVAが問題点を指摘し、その計画の白紙撤回を求めて約1ヶ月後、北部広域市町村圏事務組合から「JAVAからの指摘は当組合でも懸念していることであり、実施は不可能と考えている」との回答がありました。
その後、金武町長から「計画を断念する」旨の回答がありました。JAVAは、この計画が撤回されなければ、世界各国の動物保護団体に呼びかけ、大規模な反対キャンペーンを展開する覚悟で臨み、その決意を金武町にも伝えていました。そして、計画が撤回され、多くのマーモセットの犠牲を出さずにすんだのです。協力してくれた海外の動物保護団体から、喜びや賛辞のメッセージが届きました。動物実験をなくすために、今回のような動物実験をサポートするような計画には、今後も強い反対の姿勢を示していかなければなりません。

(JAVA NEWS NO.82より)

学校での解剖、JAVAの問題指摘後、3校が中止に!

<教育プロジェクト>

いまだ続けられている学校での解剖
JAVAの問題指摘を受け入れ、3校が中止決定!

学校での解剖実習は、以前より減ってきたとはいうものの、まだまだ続けている学校があります。解剖を行おうとする教師たちは「生き物を解剖させて、生徒に命の尊さを学ばせる」と主張しますが、動物を殺して、切り刻んだりしても命の大切さを知ることなどできません。

先日も、中学生がハクチョウを撲殺するといった許し難い事件が発生しました。命の教育の重要性が叫ばれる今、JAVAに3つの学校の解剖に関する通報が相次いで寄せられました。JAVAは学校に対し中止するよう、強い態度で臨み、その結果、3校全てが解剖を中止しました。

【1】高校の文化祭で鶏の死体の解剖
ある県立高校の生徒さんたちから、「文化祭で科学部が鶏の死体を解剖する予定です。抗議しに行ったのですが、先生が聞く耳を全くもってくれません。どうかJAVAからも中止するよう要請してもらえませんでしょうか。」といった通報が入りました。

【2】中学一年生の理科の授業でネズミの解剖
ある私立中学校でネズミの解剖が毎年行なわれているという通報が生徒さんたちや保護者の方たちから入りました。 詳しくは以下の通りです。

  •  解剖は、中学一年生の「理科Ⅱ」の授業で毎年3月に行なわれている。
  •  教諭がネズミを薬で殺して、生徒4人に1匹のネズミが渡される。
  •  生徒たちがネズミのお腹を切り、各臓器の位置や形の確認、肋骨を切り取り、心臓の確認、小腸の長さの計測などを行う。
  • 一クラスが約35名なので、一クラスで約10匹殺す。一学年は6~7クラスなので、合計約6~70匹のネズミが毎年殺されている。
  • 教科書に「解剖」についての記載はない。生物の教諭たちの「人体のしくみの学習の一環なので、哺乳類を解剖しないといけない」という考えで行なっている。
  • 解剖には、「命の大切さを教える」という目的もある。
  • 泣き出す女子生徒も多数いる。
  • 解剖を強制され、解剖以外の方法はまったく提示されなかった。必修科目であり、皆、単位のことが心配であることから、休んだり、ボイコットすることができなかった。

【3】女子高の生物の授業でブタの眼球の解剖
ある県立女子高校でブタの眼球の解剖が行なわれるという、次のような通報が保護者の方たちから入りました。

  •  解剖は生物の時間に行なわれる。
  • ブタの眼球を使い、生徒たちが解剖する。
  • 「生き物の体の器官を調べ、命の大切さを教えるため」と学校は主張している。
  • 解剖をすることを嫌がっている生徒が多数いる。
  • 心を痛めている生徒がいるのに、学校は気づいておらず、また、知ろうともしていない。

解剖は国際的な流れに逆行している
動物を使った実験・実習については、『3つのRの原則』(Replacement:動物を使用しない実験方法への代替 Reduction:実験動物数の削減 Refinement:実験方法の改良により実験動物の苦痛の軽減)の遵守が国際的な流れとなっていて、学校などの教育機関も例外ではありません。
中等教育における解剖実習に関する見解について、JAVAが文部科学省に問合せたところ、『最近は、解剖実習ではなく、有効なビデオ教材などを使って命の大切さを指導するという傾向になっている。動物の解剖を実施する学校は、全国的に減少してきている』との見解でした。また、教育課程の変更にともない、中学校の学習指導要領には、「解剖」という言葉はなくなっています。このような改善がなされてきたのも、「生命尊重の観点からみると、生命をモノとして扱う解剖実習が、青少年にとって好ましくない」という認識が浸透してきた結果と言えます。
欧米では、大学の獣医学部や医学部においてさえ、「動物を殺す非人道的な教育を拒否する権利」を多くの学生たちが主張し始めた結果、動物実験を廃止して代替法を用いる学校が急増し、実際、アメリカでは、大学の獣医学部の60%以上、医学部の80%以上が動物実験をしないで卒業できるようになっています。
また、初等中等教育での生きた動物の解剖実習や、大学以下の学校での動物の死体の解剖を禁止している国もあるほどです。

死体の解剖にも、大きな問題がある
「死体なら、殺すわけではないので問題ないのではないか?」「ブタの眼球の解剖は、食べるために殺した動物を、食べるだけでなく解剖材料としても有効利用している」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、いくら死体であっても、小中高校生という多感な時期の生徒に生き物の体を切り刻むという行為はさせるべきではないでしょう。また、生徒たちがやりたくないと思うのは当然の感覚ではないでしょうか。

98年に東大阪市の小学校の教諭が交通事故死した猫の死体を学校に持ち帰り、児童の前で解剖を行ったという問題がありました。泣き出したり、気分を悪くしたりする児童もいて、保護者が市の教育委員会に抗議をし、大きく報道されました。報道で知ったJAVAも教育委員会に要望書を提出しました。
そして、教育委員会からは、「たとえ死体であっても児童の前で解剖するという行為は許されるべきではない。厳しく対処する」と回答がありました。

児童や生徒が事故死した動物を発見した場合には、解剖の対象として見るのではなく、命あったものとして、慈しみ、埋葬するなどの優しい対応をしてくれることを期待せずにはいられません。
命の大切さは、モノのように動物を切り刻むことでわかるものではなく、保護したり、愛情を持って育てること、またその過程を経て死を受け入れることで学ぶものと考えます。

 解剖は、生徒の心を蝕む
3校のケースに共通することは、いずれも解剖を嫌がっている生徒がいるという点です。そういった生徒たちの意思など無視して、「人体のしくみの学習の一環なので、哺乳類を解剖しないといけない」「生きた動物を解剖することで命の大切さも学べる」という歪曲した考え方によって、解剖を強制しているのです。

このようなことは中学・高校という人間形成にとって最も重要な時期の教育を担う教育者の自覚を欠いており、到底、見過ごせるものではありません。

命ある生きた動物たちや、かつて命あった動物の死体を、人間の好奇心を充たすための道具として、まるで機械の構造でも調べるかのように、殺し、内臓を見たり、取り出すといった行ないは、残酷極まりなく、教育の名を借りた一種の犯罪行為と言えるのでしょう。それを生徒たちに強制するということがどういうことなのか、そして、どれだけ生徒たちの心に悪影響を与えるか考えた場合、到底解剖実習などできるはずがありません。さらに、解剖実習がきっかけになって、小動物への虐待行為、さらには人間に対する犯罪へとエスカレートする危険性は多いにあり、「自分さえよければ、他者には何をやっても良い。特に弱者は刃向かってこないからやりたい放題できる」などといった自己中心の身勝手な考えを正当化させる可能性もあります。
教育において、「観察する」「しくみを調べる」ことの大切さを否定するつもりはありませんが、それは、痛みのともなわない、機械やモノに対してのみ許される行為です。

命の犠牲がなく、知識も身につく「代替法」がある
生き物の体の仕組みを学ぶ方法には、生体や死体を解剖する以外にも、コンピューターを使用した学習法、ビデオ、3Dの模型など様々あります。

そのような代替法を使用すれば、解剖の過程を何回でも繰り返しでき、また生徒一人一人が自分のペースで解剖を行なうことができるなど、多くのメリットがあります。
そして、解剖を行った生徒と代替法で学んだ生徒では、その知識に差はない、もしくは、代替法で学んだ生徒の方が優秀であったことが、数多くの研究で証明され、論文も発表されています。
つまり、学校側が、生徒たちに生き物の体の仕組みを学ばせ、知識を身に付けさせたいと真剣に考えているのであれば、こういった代替法を用いるべきなのです。

3校の解剖、中止となる!
このようなことから、JAVAは、3校の校長に対し、上記のような命を犠牲にする教育の問題点を指摘し、解剖を行わないことを強く求めました。
後日、3校からは、「解剖は実施しない」旨の回答がありました。

(JAVA NEWS No.81より)

第三者認証制度は実験動物を救えない

「第三者認証制度は動物を救えない」JAVAが警鐘

WC6フォローアップシンポジウム「3Rsに基づく動物実験の規制と第三者認証」
参加報告

2008年2月23日(土)、日本学術会議と日本動物実験代替法学会の共催で、動物実験に関するシンポジウムが東京・六本木ヒルズアカデミーヒルズにて行われました。
第6回国際動物実験代替法会議(6th World Congress on Alternatives & Animal Use in the Life Sciences: WC6)において「科学者と市民の対話の機会が十分でなかった」等の反省から企画されたこのシンポジウムでは、代替法にかかわる関係各省庁からの報告に加え、動物実験現場の研究者からの報告、そして現在導入が進められている動物実験施設に対する「第三者認証評価」について当事者団体からの報告がなされました。
シンポジウム後半には動物愛護団体によるパネルディスカッションが開かれ、JAVAは「第三者認証制度は動物を救えるか」と題した講演を行ない、「現在進められている第三者認証制度は動物実験廃止に逆行するものである」として警鐘を鳴らしました。

第三者認証は動物実験を救えるか ~JAVAの講演から~

シンポジウムに出る理由
当初JAVAでは、このシンポジウムにパネラーとして参加するべきかどうか、慎重に考えました。なぜなら、今回のテーマである第三者認証制度、とりわけ製薬工業協会の加盟企業に認証を与えようというヒューマンサイエンス財団の認証制度はすでに内容がほぼ決定しているだろうと思いますが、今までに5回ほど行われたという準備委員会からは、当会に対して意見を求められることはありませんでした。この制度が始まる直前の段階になって私たちが意見を述べても、それが反映されることはまずないと言える状況にあったからです。それにも関わらず、なぜこのようなシンポジウムが開かれることになったのか?製薬業界の第三者認証システムを、動物実験に不信感を抱く人々からも反発されないようにするために、「シンポジウムで動物保護団体から意見を聞きました」という形をつくるために企画されたのではないか、という見方もできました。
しかし、たとえJAVAが利用されるだけであったとしても、私たちは、動物愛護を標榜する立場として、動物の側に立ち、私たちの考えを皆さんにきちんとお伝えし、この先の制度の改善に役立てていかなければならない。そういう使命をもってこのシンポジウムに臨んでいることを、はじめに申し上げておきたいと思います。

動物実験に対するスタンス
国民の動物愛護意識が高まった結果、2005年改正の動物愛護法には、従来からあったリファインメントに加え、リダクションとリプレイスメント、つまり3Rの理念がすべて取り込まれました。これによって、動物愛護の観点からの代替法の推進発展の責務が日本の研究界全体に課せられたわけです。
しかし残念ながら、日本の研究界では動物愛護をベースにした代替法の考え方を認めず、逆に「動物実験の適正化」というフレーズを使って、動物愛護の波を封じ込めようという方向に流れています。

第三者認証制度をどう評価するか
したがって、今回のシンポジウムのテーマである第三者認証制度についても、その良し悪しは、動物実験を削減し廃止につなげられるという、動物愛護の観点に立脚した制度であるかどうかで判断すべきであり、動物実験を守るための「隠れ蓑」としての制度であるならば、私たちJAVAは容認することはできません。

欧米の第三者認証制度を検証する
海外における動物実験の規制は、EU諸国などのように、行政による査察が義務付けられているタイプ、そして、AAALACインターナショナル(国際実験動物管理公認協会;http://www.aaalac.org/japanese/index.jp.cfm)のような民間機関が実験施設からの申請を受けて、つまり任意で評価を行なうタイプの2つがあります。
現在日本の製薬企業などに対して導入が検討されているのは、民間による第三者認証制度です。
この制度では、動物のケージの大きさや温度や湿度の調節、水や餌をあげる頻度、実験動物の傷病の治療など動物実験委員会の機能を評価委員が調査し、基準をクリアしていれば、施設に認証が与えられる、というものです。どんな目的の、どんな内容の動物実験を行っているのかといった動物実験の計画書自体の審査や却下はなされません。

(1)アメリカにおける問題点
アメリカの動物保護団体からは、自国の第三者認証制度について、このような意見が寄せられました。

  •  動物実験業界の人で運営されている。
  •  研究者の隠れ蓑である
  •  基準が非常に緩い。
  •  事実上、自己認証制度である。
  •  認証を失うことはほとんどない。
  •  AAALACは事前に予告してから調査している。

実験動物の数について、USDA(農務省)の統計データはほぼ横ばい状態です(マウスとラットは統計対象外)。また、2004年までは、殺される実験動物の総数はだいたい2500万と言われていたのですが、科学雑誌「サイエンティフィック・アメリカン」2004年8月号に「遺伝子導入マウスの数は1億匹」との衝撃的な記事が掲載されたことにより、新たに1億匹が算入されています。この数年前からこの数に近い遺伝子導入マウスが使用されていた可能性があります。
結局、第三者認証があるからといって数が減っているわけではない、それどころか遺伝子導入動物というあらたな犠牲が大量に生み出されていることがわかります。
同じく第三者認証制度のあるカナダでも、この近年の実験動物使用数は横ばいあるいは増加傾向にあるとも言えます。

(2)イギリスにおける問題点
世界中で最も動物愛護意識が進んでいるといわれ、動物実験を行う個人や施設だけでなく、それぞれの実験計画も政府(内務省)の審査を受けなければならないという厳しい制度のイギリスの現状はどうでしょうか。

● ケンブリッジ大学のマーモセットの実験
ケンブリッジ大学の神経科学霊長類研究所において2000年から2001年にかけて行われたマーモセット(小さいサル)を使った脳の損傷を調べる実験で、審査段階でマーモセットが受ける苦痛を「中程度」と判断した内務省はライセンスを発行。ところが実際は、マーモセットに発作を起こさせるために頭蓋骨の一部を切断するという「相当な苦痛」だったことが、同国の動物保護団体BUAVの調査で明らかになりました。BUAVは「不当なライセンスを与えた」として政府を提訴、2007年7月には、ロンドンの高等法院がBUAVの主張を認める判決を出しています。
実験計画の審査される制度ですら、実際の実験内容を精査するのは極めて難しく、その結果「苦痛の大きい実験」ですら、許可され、実施されてしまうことがわかります。

● イギリスの動物保護団体の意見

  •  評価システムは使用数削減のためにまったく役立っていない。
  •  動物福祉を提言するはずの諮問機関(APC)が、政府の計画に反する勧告を出すと無視されることが多く、事実上機能していない。
  •  政府による動物愛護の目標に向けたアプローチはまったくない。
  •  システムを厳しくして、ライセンス申請の許可を少なくしようという考えもない。
  •  英国は「動物実験規制が世界で最も厳しい」とよく言われるが、「厳しい」と「人道的」とは別だ。

● イギリスの統計
イギリスでも実験動物の使用数は増えています。
つまり、動物実験に対する社会の監視の目が最も厳しいイギリスの、より厳しい第三者認証制度でさえ、動物実験を減らすことができない。
この現状から考えても、動物愛護意識が遅れている日本で第三者認証制度が導入されても、動物実験の削減にはつながらないことがお分かりいただけたと思います。
しかも、日本が導入を検討しているのはイギリスより遥かに甘い認証制度なのですから、動物実験廃止への足掛かりには到底なりえません。

なぜ研究者は第三者認証制度を導入したいのか
(1)「抗議のレベルを弱めたい」
1995年に日本で行われた日本実験動物学会での、イギリス実験擁護協会理事マーク・マットフィールド氏による講演内容です:
「イギリス実験擁護協会は、動物実験廃絶を唱える人々から動物実験を防御する組織であります。イギリスでは、研究者は政府が出している3つのライセンスを持たなければいけないと言われております。最も重要なのは、プロジェクトに対して与えられるライセンスです。これは、非常に厳しい制度のように思われるかもしれませんが、 このシステムによって実験が中止になったという例はありません。システムは、研究を中止させるためではなく、人道的に倫理的に実験が行われていることを”保障する”というのがその目的です。(動物実験を批判する)一般の人たちの声に最初から耳を傾けるようにしていれば、抗議のレベルを逆に弱めることができるでしょう。一般国民は無知であります。動物実験に関しては、特に知識はないのです。われわれ科学者、専門家の役割というのは、一般の人たちに正しい情報を与えてやるということです。倫理的な問題が適切に、そして賢明に対処されていることを、大衆に示してやることです」
つまり、「厳しい制度であるように見えても心配は要らない。規制のシステムでは実験は止められないのだから。制度を設けるのは、実験を中止させる為でなく、動物実験反対の声を弱め、実験を滞りなく行えるようにする為。情報は全て公開しなさい。知識のない市民は、情報を与えてやることで、改善されたと思い込み、安心する。この制度の目的は、実験を保障することである」と日本の研究者たちに語ったのです。
この講演から13年経った今、日本でもこれを具体化しようとしているのが、現在、検討されている第三者認証制度なのです。

トリックにだまされないで
「動物実験はなくして欲しい」と願う市民の皆さんが、第三者認証制度のことをお聞きになったら、「査察」をうけ「認証」されたという規制のシステムは、いかにも進歩的に映るかもしれません。「わが社は、わが大学は~の認証を受けています」「動物に優しい機関です」という宣伝文句を聞いたなら、「認証を受けているならここの研究機関は大丈夫ね」というイメージを持たれることになるでしょう。
しかしながら現実はいま述べた通りです。先ほどのイギリス実験擁護協会理事が言う「無知である一般国民」とは、このからくりを理解できない国民をさしているのだということ、そして、第三者認証制度は動物実験に対する抗議のレベルを弱める役割を果たす、そのために導入されるものなのだ、ということ、これをぜひ理解してください。

(2)学術会議「根強い反対運動」への対抗策
日本の研究界の中枢組織であり本日のシンポジウムの主催者である日本学術会議は、2006年に策定した動物実験に関するガイドラインに先駆けて「動物実験に対する社会的理解を促進するために」と題した提言書を2004年に出していますが、それには次のような記述があります。
動物実験に対する反対運動は根強い。(中略)動物を用いた研究が適正に、かつ支障なく実施されるためには、研究の意義と実施状況が広く社会に認識、理解され、動物実験に関する社会的合意が形成されることが必要。
動物実験に対する社会的理解をいっそう促進するため、次の二点を提言する

  1.  統一ガイドラインの制定
  2.  統一ガイドラインの基準が満たされていることを第三者の立場から評価・認証する機構の設置

つまり、現在の日本の研究界も、第三者から「認証」という「お墨付き」をもらえれば、世論の抗議を受けずに堂々と動物実験ができる、と考えているのです。
このようなことから、私たちJAVAは、現在日本で導入されようとしている第三者認証制度が動物実験の削減につながるものではなく、逆に動物実験の廃止を妨げることになる、ということを警告いたします。

人道的な研究が目指すところはどこか
「科学における最も偉大な業績は、常に最も人道的である」と述べたのは、3Rを提唱した研究者ラッセルとバーチでした。
何が人道的であるかといった問題、人間性という基準は、いつの時代でも、根本的な問いかけであり続けています。しかし明確なことは、「人間性という基準」は時代と共に変化し、進歩するということです。例えば150年ほど前、動物実験が行なわれるようになった時代には、動物を痛みも苦しみも感じないモノとしてしかとらえられていませんでした。だからこそ命ある動物を切り刻むという残酷な行為が平然と行なわれもしたのです。しかし、現在、動物も人間と同じく痛みや苦しみを感じ、人間と同じくストレスにさいなまれる存在であることを否定する人はいないでしょう。
動物実験に携わる研究者の皆さん一人一人が、命あるものを使い捨ての道具として利用しているという行為の重さをきちんと認識していれば、動物実験をやり続けるため、守るためにではなく、動物実験をなくすために全力を注がれるはずです。

(JAVA NEWS NO.81より)

第6回国際動物実験代替法会議

動物実験廃止を目指してー代替法の進歩―
第6回国際動物実験代替法会議

第6回国際動物実験代替法会議(6th World Congress of Alternatives & Animal Use in the Life Sciences)が、8月21日~25日に東京・江東区のホテルイースト21東京で開催されました(主催: Alternative Congress Trust(国際動物実験代替法会議連合)、日本動物実験代替法学会、日本学術会議)。
今までにボルチモア、ユトレヒト、ボローニャ、ニューオーリンズ、ベルリンと世界各国で開催されてきて、今回がアジアで初めての開催となりました。
参加者は35の国と地域から1,000名以上と過去最多で、世界中から大勢の研究者や科学者などの専門家、学生、動物実験関係や代替法関係の企業が集まりました。そして、JAVAをはじめ、動物実験の廃止を目指して活動している各国の動物保護団体も、代替法に関する情報を得るだけでなく、この絶好の機会を活かして参加者に代替法の推進を働きかけるため、一堂に会しました。
5日間、英語による多くの講演、研究発表が行われ、その数は250を超え、また、ポスター展示による研究発表は258にものぼりました。「代替法の技術的な情報」「代替法の評価方法やその過程」「代替法に関する情報の入手方法」「代替法や実験に関する組織・機関の説明」「教育分野における代替法」など、発表は、多岐にわたっていました。

JAVAが推薦した3名が講演

この会議の大きなテーマに「科学者と社会との対話」が掲げられており、特別シンポジウム「市民との対話」が行われました。JAVAがこの会議の運営委員会に推薦した、次の3名の講演もありました。

Dr.チャド・サンドスキー

(動物実験に反対する医師の団体PCRMの毒性学部長兼ICAPO代表)
講演タイトル:Current and Future Technologies : Pushing the Boundaries of the 3R’s toward Replacements(現在と今後の技術:Replacement(置き換え)主体の3Rを)

ミッシェル・シュー氏

(動物実験廃止活動を専門に行い、108年もの歴史を持ち、化粧品の動物実験禁止決定などEU議会へ大きな影響力をもつ英国の団体BUAV代表)
講演タイトル:Responding to Public Concern – Advancing the Animal Protection Agenda Worldwide(世論に応えること―動物保護の課題を世界中で進める)

アンドリュー・ナイト氏

(獣医で代替法研究やその普及活動で世界的に有名なアニマルコンサルタンツインターナショナル(ACI)の代表)
講演タイトル:Animal Experimentation :The Need for Critical Scrutiny(動物実験に対して綿密な批評の必要性)

国際的な会議であることから、会場には、JAVAの提案でICAPO(OECDプログラムにおける国際動物保護委員会)の活動について紹介するブースを出しました。
ブース出展にあたり、ICAPOについて説明するパンフレットを作成し、また縦1.5メートル、横90cmの大きなポスターを作成しました。JAVAは、市民の立場から科学者に代替法の普及を求める、といった内容でリーフレットを新規作成し、英語版、日本語版を用意しました。4㎡という限られたスペースでしたが、ICAPOとメンバー団体の紹介資料を約300名の参加者たちに手渡して、動物実験ではない方法の研究・開発の必要性とともに、ICAPOの存在と活躍をアピールできました。

各国の動物保護団体との連携を強化

会議開催期間中に、海外の動物保護団体との2つのミーティングが行われました。

●ICAPOミーティング
ICAPOミーティングでは、会計報告や今後のOECD会議の参加予定など事務的な話し合いが行われました。

●動物保護団体のサテライトミーティング

14団体から23人参加しました。
まず、2005年にベルリンで開催された前回のこの代替法会議の反省と今回の会議についての意見を出し合いました。
そしてその後、動物実験をはじめとする日本の動物問題の現状についてJAVAがプレゼンテーションを行いました。内容は(1)動物実験の規制とガイドライン (2)動物実験に使用される動物の種類と数、その入手ルート (3)動物実験に対する一般の人々の反応 (4)研究者の態度 (5)動物の福祉向上への機会と障害といったテーマを中心に発表しました。

会議を終えて~私たちが進めるべきこと~

会議全体としては、代替法に関する会議であるにも関わらず、動物実験を推進するような発表がいくつもあったり、「これは研究発表とまでいえないのではないか」と思うような内容があったのも事実です。
一方で、「霊長類の動物実験使用について」をテーマに少人数でのディスカッションがあり、霊長類の実験使用について反対(動物保護団体)、賛成(研究者)、中間(霊長類学者)の立場の人たちが集まって自由に意見を述べる場もありました。考え方は相反するわけですから当然、結論が出るわけではないのですが、お互いに顔をつき合わせて話し合いをすることは動物実験廃止のためには避けては通れませんし、重要なことでしょう。
そして、発表の中にあった、「バッチ検査に関する動物実験をほぼ100%なくせる」「動物実験では皮膚ガンを人工的に移植するため、正確な結果が得られるとは限らないが、代替法だと、より正確なデータが得られる」「米国科学アカデミーの報告書では、動物実験の費用、動物実験からヒトの結果を推測することの不適切性などから、代替法を推奨している」などの発言から分かりますように、研究者、科学者といった専門家たちも、JAVAをはじめとした動物保護団体と同じく、動物実験を否定し、代替法のメリットを主張しているのです。
しかし、これも発表にもありましたが、代替法の確立、普及への弊害として、各国の「政治的背景」や「遅れた意識」があります。つまり、いくら代替法の研究が進んでも採用されなければ意味がないのです。

この国際動物実験代替法会議は、次回は2009年にローマで開催されます。その時までには、多くの代替法が確立して動物の犠牲が大幅に減り、動物実験廃止により近づくよう、研究者だけでなく、私たちも努力を惜しんではなりません。動物保護団体や市民のより一層の働きかけが必要とされています。

ICAPO

International Council on Animal Protection in OECD Programmes(OECDプログラムにおける国際動物保護委員会・略称:ICAPO)
OECD(経済協力開発機構)の会議に正式な参加を認められている動物保護団体の連合。JAVAはこのICAPOのアジア唯一のメンバー。OECDは、世界の工業国30ヶ国からなる経済連合で、化学物質のガイドライン作成や内分泌かく乱化学物質に関するプログラムなどの調整を行なっている。ICAPOは、OECDにおける正式な立場から、こういった影響力の大きいガイドラインやプログラムに代替法を広く取り入れるよう求めている。
加盟国は、OECDのガイドラインを採用することになるため、そのガイドラインやプログラムに代替法を取り入れさせることは、動物実験廃止への大きな前進となり、多数の動物を救えることになる。
ICAPOメンバーは、国際レベルでの新薬承認審査基準に関する業務を行なっているICH(日米EU医薬品規制調和国際会議)の医薬品テストガイドラインにおいて動物保護を推進するために、ICAPI(International Council on Animal Protection at the ICH・ICHでの国際動物保護委員会)も結成している。

ICAPOメンバー団体

  • Animal Alliance of Canada(カナダ動物同盟)
  • British Union for the Abolition of Vivisection(BUAV:英国動物実験廃止連合)
  • Doris Day Animal League(ドリス・デイ動物同盟)
  • Eurogroup for Animals(動物のための欧州グループ)

    Vier Pfoten (オーストリア),GAIA (ベルギー),Dyrenes Beskyttelse(デンマーク),Animalia(フィンランド),Suomen Elainsuojeluyhdistys(フィンランド),Fondation Brigitte Bardot(フランス),OABA(フランス),Deutscher Tierschutzbund eV(ドイツ),Bund gegen Misbrauch der Tiere e.V.(ドイツ) ,GAWF(ギリシャ),FAUNA Society(ハンガリー),ISPCA(アイルランド),LAV(イタリア),Dzivnieku Draugs (Animals’ Friends) (ラトビア),Ligue Nationale pour la Protection des Animaux(ルクセルブルグ),Dierenbescherming(オランダ),AVS Proefdiervrij (オランダ),Klub Gaja(ポーランド),TOZ(ポーランド),LPDA(ポルトガル),ANDA(スペイン),Djurens Ratt (Animal Rights Sweden) (スウェーデン),Djurskyddet Sverige(スウェーデン),Schweizer Tierschutz STS(スイス),RSPCA(イギリス),USPCA(イギリス),CIWF(インターナショナル),IFAW(インターナショナル),WSPA(インターナショナル)

  • European Coalition to End Animal Experiments(ECEAE:動物実験廃止のための欧州連合)

    ADDA(スペイン),Animal (ポルトガル),Animal Friends Croatia (クロアチア),Animal Rights Sweden (スウェーデン),Animalia (フィンランド),BUAV (イギリス),DeutscherTierschutzbund (ドイツ),Dyrevernalliansen (ノルウェー) ,EDEV (オランダ) ,Forsogsdyrenes Varn (デンマーク),GAIA (ベルギー),Irish Anti-Vivisection Society (アイルランド),LAV (イタリア),One Voice (フランス),People for Animal Rights (ドイツ),Svoboda zvirat (チェコ),SSPA (スイス),Vier Pfoten (オーストリア)

  • Humane Society of the United States(HSUS:全米人道協会)
  • People for the Ethical Treatment of Animals(PETA:動物の倫理的扱いを求める人々)
  • Physicians Committee for Responsible Medicine(PCRM:責任ある医療のための医師委員会)
  • Dr Hadwen Trust(ドクター・ハドウェン・トラスト(医学研究における代替法の開発・促進を行なう財団))
  • Japan Anti-Vivisection Association(JAVA:NPO法人動物実験の廃止を求める会)

■代替法3R・・・1959年にラッセルとバーチが提起した人道的な実験技術の原則
Replacement : 動物を使用しない方法への置換え
Reduction  : 動物使用数の削減
Refinement : 動物の苦痛の軽減

(JAVA NEWS NO.80より)

代替法教育の専門家がJAVAを訪問

<インタビュー>

アンドリュー・ナイト氏&ヤスミン・デ・ブー氏
-代替法教育の専門家が来局-

 

アンドリュー・ナイト

Andrew Knight
オーストラリアのマードック大学の獣医学部に在学当時、動物実験に反対する活動を行い、「動物実験を拒否する権利(良心的拒否権)」をオーストラリアで初めて勝ち取り、動物実験をしないで獣医師になる。現在は、英国で「国際動物コンサルタント(ACI)」と「animals count」の代表として、動物の権利擁護や代替法の普及を広めるため、世界各国で講演や執筆活動を行なう。

ヤスミン・デ・ブー

Jasmijn de Boo
世界動物保護協会(WSPA)の教育プログラムのコーディネイターとして代替法の普及に取り組んでおり、ACIの協力メンバーとしても活躍している。

2007年8月16日、アンドリューさんとヤスミンさんが第6回国際動物実験代替法会議に参加するため来日。その当日、JAVA事務局で、インタビューを受けてくださることになりました。「国際動物コンサルタント(ACI)」の活動、アンドリューさんが獣医学生だった当時の様子、代替法を取り入れる意義、欧米の状況などを伺った後、ご持参くださった代替法キッドの使い方も説明していただきました。長旅でお疲れだったにもかかわらず、終始ユーモアを交えて一つ一つの質問に丁寧にお答えくださるなど、知的で明るいお二人の人柄を窺い知る事も出来た貴重なインタビューでした。(一部抜粋した内容をご紹介します)

アンドリューさんは、前回2005年、ベルリンで行なわれた国際動物実験代替法会議で「動物の発がん性研究:人間の発がん性の予測には信頼性に欠ける」という研究を発表し、それが高く評価され、ポスター賞を獲得されましたね。このことは、JAVAの会報でも掲載し会員に報告しました。

JAVAからお祝いの手紙をもらうなど、他の国の人たちからいろいろな励ましのメッセージをもらうことはとても嬉しく、皆さんに感謝しています。そして、それがまた大きな活力になります。

アンドリューさんは、世界各国で講演をされていますが、それにかかる旅費など、いろいろたいへんでご苦労があるのではないですか?

旅費などは自己負担しています。1年のうち9ヶ月は獣医として働き、あとの3ヶ月は、いろいろな活動をしています。テンポラリーな獣医でいるのは、動物のための活動の時間を十分作りたいからです。

アンドリューさんは、動物実験をしないで獣医大学を卒業し、獣医師になりましたが、一方、動物実験をして卒業した人とではどんなところに差が出てくるのでしょうか?

一般的には、卒業して獣医になったばかりの時は、誰でも失敗が怖いので自信がまだありません。しかし、私は代替法を使い、そして獣医のアドバイスと指導のもと、病院やシェルターで手術などの実習をしました。動物実験をして学習した他の学生より、5倍以上もの動物の治療を行ないました。このことが卒業して獣医になった時に、大きな自信になりました。
実験をやっている学生は、病院やシェルターへ行っての実習は必要ないと思っています。しかし、そこで犬猫の避妊手術の実習ができることはとても大事なことです。普通、学生時代には1匹ぐらいしかする機会がありませんが、自分は23匹もの実習を行なったので、それが自信につながったのだと思います。

アンドリューさんは代替法でマードック大学を卒業されましたが、オーストラリアでは、獣医大学が何校あり、そのうちどのくらいの大学が代替法で卒業できるようになったのですか?

現在6校あります。そのうちの4校は、2005年には動物を犠牲にしないで卒業できるようになりました。残りの2校の獣医大学も、動物を犠牲にしないカリキュラムを持っています。

ヨーロッパではどの国の獣医大学の代替法が進んでいるのですか?

英国です。かなり前から、英国にある6校全部では、動物を犠牲にするカリキュラムがありません。

アンドリューさんは、世界各国の代替法の状況をご覧になってどのように感じられていますか?

ここ15年ほどの間に、アメリカ、オーストラリア、ブラジル、インド、ロシア、ウクライナなどで代替法は進んできました。

日本では、獣医大学の教授が、欧米の獣医大学では動物実験をしないで卒業できること、また、実践されている代替法なども知っているはずなのに、「動物実験は必要で、欧米で実践している方法はあくまでも補助手段である。生きた動物の使用は不可欠である」などと教授自らがシンポジウムで発言していますが、これについて、どう思われますか?

いろいろな意見があるとは思いますが、実際、学校の試験、成績について、代替法を使った人と使わなかった人を比較すると、代替法を使った人のグループの方が優れているという結果が出ています。私自身も実験せず代替法や実習で獣医師になりましたが、技術的なことはもちろんですが、何より学生たちは代替法で教育を受けることによって、動物には苦痛を与えてはいけないという気持ちが強くなっていきます。そしてそれは、優れた獣医師を育てることになります。

アンドリューさんが今回の国際動物実験代替法会議で発表するために持参された代替法キッドの使い方の説明をしてくださいました。キッドの中には500回繰り返して使えたり、部分的に取り替えることも出来るものもあるそうです。

【スキン・キッド】
大きな犬とかブタ用。皮膚を縫うための手技の練習に使います。
自動車のチューブと同じような材料で出来ています。

スキン・キッド

【ネコ Fluffy】
900ドル。ハリウッドで働いていた人が獣医と共同開発。
心臓の音で20の病気を判断することが出来ます。どの動物でも基本的な治療には役立ち、採血、点滴、筋肉注射、脈をとる、人工呼吸、骨折の固定などの練習ができます。
(アンドリューさんが抱いているのが、Fluffy)

fluffy

代替法キットその他

その他にも犬やブタの胃のモデルも見せていただきました。また解説書で、馬が洪水などで動けなくなった時、レンジャーなどが水の中から救出するための練習用の馬のモデル(名前はLucky、本物は実物大。)や、犬が銃などによって傷を負った時の治療練習用の犬のモデル(名前はFetch)や、CD-ROM(カエル、魚)での解剖や手技の練習などの説明もしていただきました。

スイス、英国、オランダなど、ほとんどのヨーロッパのハイスクールでは生きた動物は使われていないとのことです。子供は大人が思っている以上に繊細な心で真剣に命について考えています。JAVAには、小・中・高等学校のマウス、カエルなどを使った解剖実習に対し、「かわいそうだから、JAVAから学校に中止を求めてほしい」と訴える生徒や、獣医師になりたいが、動物実験はしたくないのでどうすればいいのかなど、進路に対する悩みや問い合わせも増えてきています。しかし、このような子供や学生の思いに対し、残念なことに教育機関や教育現場にいる教師たちの意識があまりに低く、他の国に比べて遅れているのが日本の現状です。

また、今の日本の獣医大学には、動物の命を助けるために獣医師になろうとして勉強している学生に対し動物実験をさせ、動物を傷つけ、殺さなくてはならないような矛盾した教育システムがあります。そんな教育の中で学生たちが、動物を傷つけることに慣れてしまい、殺すことに麻痺してしまえば、獣医師としての倫理観を失うことになります。動物の命を大切に思える人こそが、誇りある獣医師になれることに疑う余地はありません。今回のアンドリューさんの話をお聞きし、代替法を学ぶことは、命を扱う獣医師としての精神的そして技術的な向上にもつながることを確信しました。獣医大学での教育システムに、代替法や動物病院などでの実習を取り入れるよう、今後もJAVAは働きかけて行きます。

アンドリューさんから獣医師を目指す人へのメッセージ

動物たちを治すことを学ぶために、彼らを殺す必要はまったくないのです。
獣医になるために動物を傷つけたり殺したりする必要などないのです。

アンドリュー・ナイト

(JAVA NEWS No.80より)

子供たちに動物実験をさせてはならない!

<教育プロジェクト>

子供たちに動物実験をさせてはならない!

小中学校の初等教育の場で、カエルやフナなどを使った解剖実習がいまだに行なわれています。義務付けではないにもかかわらず、教育者の「命を奪うことで命の大切さを教える」といった、誤った”生命軽視”の考え方によって、子供たちが実験をさせられるケースが後を絶ちません。使われる生き物、そして子供たちの心が犠牲になっています。

【1】「コガネムシに接着剤」etc…酷い昆虫実験

NHK教育テレビ番組「理科3年ふしぎだいすき」の中で、「コガネムシに接着剤をつける」という酷い実験が行なわれました。この実験は、生きたコガネムシに瞬間接着剤をつけて針金の先とくっつけ、針金のもう一方の先に丸めた粘土をくっつけて”やじろべえ”を作り、昆虫の飛ぶ様子を観察するというものでした。番組では、小学生に対してその実験に挑戦するよう勧めているのです。

この実験の問題点
この実験を紹介しているNHKの番組ホームページには、「接着剤が虫のはねやあしにはつかないように気をつけよう」と書かれています。しかし実際には、小さな虫の羽や足につかないように接着剤をつけることは容易ではなく、もしも、接着剤が虫の羽や足について飛べなくなるなどしたら、虫が犠牲になるだけでなく、自分の行為によって虫を傷つけたことに子供たちは大きなショックを受けるでしょう。
また、今回の実験は、「接着剤を生き物につけても構わない」と教えているに等しいと言えます。その結果、子供たちが、「飼っているハムスターに接着剤をつけたらどうなるだろう」「近所の野良猫につけてみよう」などと、身近な小動物で試してみようと考えたとしても不思議ではなく、小動物に対する虐待行為にエスカレートする危険性さえ孕んでいるのです。

問題を理解しないNHK
JAVAはNHKに対し、今後、昆虫をはじめ、”生き物”を不適切に扱う放送を決して行わないことや、ホームページなど、昆虫に接着剤をつける実験について記載された箇所を全て削除することなどを求めました。ところが、NHKは、接着剤の取り方等についての説明不足は認めましたが、「子供たちに生命の驚異とダイナミズムへの理解を深めてもらうというもの」「この実験方法は昆虫を傷つけたり殺したりするものではない」といった回答をしてきました。
NHKの回答は、今回の実験が虫を傷つけるか否か関係なく、生き物を工作道具のように扱っていること、そして、子供の生命倫理観の欠如など悪影響を及ぼすといった問題があるというJAVAの指摘を全く理解していない、あまりに意識の低いものでした。

また、実験を指導した多摩動物公園の昆虫専門家は、この他にも水の中で呼吸ができるようになっていない陸上に住む昆虫を水に落として、泳げるか溺れるかを観察する実験や、アリジゴクが餌である虫をどう捕らえるかを観察するため、人為的に巣穴に生きた虫を落とし食い殺されるのを見るという残酷な実験も紹介しているのです。

「虫ぐらいは・・・」という考えはおかしい
「子供が虫を傷つけたり、殺すぐらい仕方ない」と考える方もいるかもしれません。たしかに子供の成長期において、これらの実験のような行為を子供同士の遊びの中で行ってしまうことがあったでしょう。しかし、現在、生き物が景品にされたり、テレビゲームの中で殺しあいをするなど、生命に対する感覚が麻痺してきている状況において、生き物を苦しめ、死んでいく様子を「観察する」ことは(しかも、大人がそのような実験を勧めることは)、子供たちの生命倫理観の欠如を招く危険性が大いにあるのです。

何事にも好奇心を持ち、調べたり学んだりすることは重要ですが、それはあくまで、生き物を苦しめたり粗末に扱うなどの行為が無いことが大前提です。
「どんなに好奇心や興味があっても、やってならないことがある」という分別をつけさせることが、他者の痛みをわかる人格形成につながるとJAVAは考え、企画し指導している多摩動物公園の運営者である東京都知事対して、今後、”生き物”を不適切に扱う企画を決して行わないことなどの事項を強く要望しました。

【2】中学校でのマウスの解剖実習を阻止!

「理科の教諭がマウスの解剖実習をすると発言している。絶対やりたくない。解剖実習を絶対に行なわないよう、JAVAから学校に働きかけてほしい」と、ある中学校の生徒たちやその保護者たちから悲痛な訴えがありました。

中等教育における解剖実習については、教育課程の変更にともない、中学校の学習指導要領には「解剖」という言葉はなくなっています。このような改善がなされてきたのも、「生命尊重の観点からみると、生命をモノとして扱う解剖実習が、青少年にとって好ましくない」という認識が浸透してきた結果と言えます。
また、欧米では、大学の獣医学部や医学部においてさえ、「動物を殺す非人道的な教育を拒否する権利」を多くの学生たちが主張し始めた結果、動物実験を廃止して代替法を用いる学校が急増し、実際、アメリカでは大学医学部の80%以上が動物実験をしないで卒業できるようになっています。また、初等中等教育での解剖実習を法律で禁止している国もあるほどです。

JAVAは、その中学校校長に対し、命を犠牲にする教育の問題点を指摘し、解剖実習を行わないことを強く求めたところ、後日、事務局に「解剖実習は実施しない」旨の回答文書が届きました。

【3】メダカを使って洗剤の毒性実験

「大学が主催する子供を対象にした夏休みの体験学習で、メダカを使った洗剤の実験を行う」との情報をつかみました。

セミナーの内容
この体験学習は、「家庭で使用している洗剤をメダカやミジンコの入ったビーカーへ入れ、どの洗剤が環境に悪影響を与えるのかを確かめる」という内容で、岩手大学が参加者する子供の募集を行っていました。

環境問題の根本とは
地球規模で進行している環境汚染の現実を、洗剤という身近なものから子供たちに教えていくことは大切なことです。しかし、この環境問題に取り組む前提には、”地球上のあらゆる生命を尊重する心”が培われていることが不可欠です。人間以外の他の小さな生命に向けるやさしい心なくしては、環境問題の根本を捉えることはできないはずです。
ところが、岩手大学のセミナーは、その大切にすべき小さな命を殺すことから始めています。これは明らかに環境問題に取り組む趣旨から逸脱しているだけでなく、逆に、「メダカくらいなら、殺してもかまわない」と、小さな命を踏みにじることを子供たちに教えているも同然です。

子供の心へのダメージ
犬や猫だけでなく金魚やメダカを大切に飼っている子供も多く、そのようなやさしい心をもった子供たちに、メダカを殺す残酷な実験を見せつけることは、子供の心に深い傷を残します。またそれは、教育者・先生・大人に対する不信感につながる恐れもあり、登校拒否などの深刻な事態になることさえも懸念されます。現に、以前の実験においては、メダカが殺されていく様子を見せつけられ涙を流した子供がいたと大学側は話しています。
それにもかかわらず、子供の心を傷つけたことへの何の反省もなく、「最小の犠牲はしかたない」と言い放ち、その後も同じ内容のセミナーを行い続けるとは、言語道断です。国立大学としてあるまじきその教育方法に、JAVAは強い抗議を行いました。

(JAVA NEWS No.78より)

ウサギの解剖をブログで公開

医学生がウサギの解剖をブログで公開

宮崎大学医学部の学生6人が、車ではねたウサギを自宅で解剖し、その惨たらしい様子をブログで公開し、大学の壁にはその「ウサギ狩り部」のPRやアドレスを記載したポスターを掲示していた。ブログには「9月15日、悲願の初のウサギ狩りを果たす」「殺した。殺した。」などとあり、この頃から、解剖したウサギの写真の掲載を始めていたとみられる。学生らは「冗談が過ぎた」と弁解しているが、このブログを見た医療関係者は「彼らがこのまま医者になると、いつか大変なことをしでかすだろうと危機感を持った」と話しており、また、「同じ医学生として恐ろしい」などの苦情も大学に寄せられている。

(12月12日付けの新聞報道)

 

これは9月に起きた事件でしたが、大学側は3ヶ月もの間、この事実を隠していました。早速JAVAが大学に対して抗議を行ったところ、大学の総務課の職員は、「教授会で該当する学生の処分等を決めることになっている。もし、こういった学生が医者になったら、自分も恐くてかかれない」などと述べ、大学側もかなり深刻に考えているようではありました。JAVAや多くの市民の方々からの強い抗議の結果、後日、2名が2年の停学、4名が1年の停学という処分が教授会で決定しました。

今回の宮崎医大の学生が起こした事件には、現在社会を巣くっている「陰湿な残酷さ」をはっきりと見ることができます。医学の道に進み、いやしくも人の命を預かる医者になろうとする人間が、命を命とも思わず、自分たちの存在をアピールするためにおもしろおかしく騒ぎ立てる知的レベルの低さ、欠落した倫理観など、この不快な行為は、命の尊さを冒涜する以外の何ものでもありません。

また、大学側は学生の処分は行ったものの、死体を解剖し、もてあそんだという問題の本質をまったく認識しておらず、「解剖をインターネットで公開したこと、世間を騒がせたこと」に問題点をすり替えてしまっています。このように、今回の事件は大学の医学教育に問題があったからこそ、こんな学生を生み出してしまったと言えるのではないのでしょうか。

(JAVA事務局通信 Vol.4より)

あの指圧学校で行われていたサルの解剖実習

指圧の学校で行われていたサルの解剖実習
JAVAが廃止へ!

指圧の学校でサルの解剖!
「指圧の学校でサルを解剖している」といった驚くべき情報が事務局に入りました。調査の結果その指圧学校である浪越学園では、5~6年前から、1年に1頭、サルの死体を購入し、何回かに分けて、解剖実習を行っていることが判明。学校側によると、「医学部ではないので人体解剖ができず、筋肉や骨格がどのようになっているかなど、ビデオで見るより、人間に近いサルを解剖して直接観察した方が参考になると、学術的な理由からサルの解剖を行ってきた」というのです。しかし、明らかに人間とサルは違います。指圧の学校でサルの解剖を行うことは、常識的にも理念的にも全く考えることはできません。また、動物実験を少なくしていこうとする世界の流れにも逆行しており、この「サルの解剖実習」は、単に好奇心を満たすため、生徒集めの目玉として利用しているだけとの誹りは免れません。 

義務付けられていないサルの解剖
浪越学園は厚生労働大臣認定の日本唯一の指圧専門学校です。指圧学科のカリキュラムに解剖学の科目があるので、「あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師に係る学校養成施設規則」を所管している厚生労働省に問い合わせたところ、「解剖学は基本的に科目として厚生労働省が義務付けているものではなく、人体の構造と機能の中で学校側が自由に設定できるものです」といった回答がありました。人体の解剖実習が指定されている訳ではなく、ましては、種の異なるサルの解剖などを行う義務についてはまったく言及されておりません。 

小・中学校のカエルの解剖も減少方向
以前、JAVAが廃止させた中学校でのカエルの解剖実習の時の文部科学省の見解は、「最近では、有効なビデオ教材も豊富に整っている事から、解剖実習ではなく、生き物のしくみをそれらの教材で観察する学校が増え、命の大切さを指導するという傾向になってきている。生命尊重の観点から、動物の解剖を実施する学校は、全国的に減少してきている」ということでした。それに加えて、担当官の、「生徒に苦痛を与えるような授業は好ましくない」とのコメントもありました。今回再び確認したところ、文科省の学習指導要領には、学習すべき事項として、どのような力を付けさせていくかを押さえていれば、その他のことは学校側に委ねられており、学校で解剖実習を行う根拠は全くない事を確認しました。 

海外では・・・広がる”サルの実験使用禁止”
海外の医学部や獣医学部では、動物を授業で使う代わりに、CD-ROMによるコンピュータープログラムを導入している学校も増えてきており、アメリカの126校ある医学部のうち、生きた動物を使っているのはわずか20校です。このように、医学部でさえ、生徒からの「解剖拒否の声」に対し、改革を行っているのが現状です。また、2003年6月、スウェーデンでは、英国の類人猿の実験禁止令と同じように、類人猿と9種類テナガザルの実験の使用を新しい法規の下で禁止することを発表しました。今年8月、ベルリンでは、世界各国の動物保護団体、科学者などが霊長類を研究に使用することを禁止することを求める宣言に署名しています。今や実験動物への使用禁止は、霊長類にまで対象を広めています。 

愛護法の3Rの原則にも反する解剖実習
昨年改正された動物愛護法の改正点のひとつに、動物を科学上の利用に供する場合の配慮として、「3Rの原則」が組み込まれています。その中には、できる限り実験動物の数を少なくし、できる限り動物を使わない方法を利用することが明記されています。浪越学園が「サルの解剖実習」を継続することになれば、この「実験動物を使わない方法(代替法)を用いること」「実験動物の使用数の削減」にも反する事にもなります。 

廃止を求めたJAVAに対し、即時「廃止」の回答!
JAVAは、浪越学園に対し、即時、サルの解剖実習を廃止することを求めました。そして、この件について、面談の上での回答を求めた結果、理事長から「1年のカリキュラムが決まっているので調整が大変だが、サルの解剖実習は廃止する」との連絡があり、その後事務局に、廃止する旨、書面での回答書が届きました。

もし今後、教育の場で同じようなケースにあなたが直面した時には、JAVAに情報を流すと同時に、毅然とした態度で学校側に抗議をしましょう。一人一人がちょっとした勇気を持って望めば、教育現場を改善することができるのです。

(JAVA NEWS No.76より)

告発!動物園のサルが狙われている!

告発!文部科学省の残酷プロジェクト
動物園のサルが狙われている!

文部科学省は、「ニホンザルを大量に繁殖して、脳神経などの実験を行っている施設に動物実験用として送り込む」といった大規模な動物実験計画を企てています。その計画とは、「ナショナルバイオリソースプロジェクト」。
そして驚くことに、文部科学省は、1,500頭から2,400頭ものニホンザルを全国の動物園や野猿公園から集め実験用に回すといった計画を、国民に知られないよう水面下で密かに進めているのです!

“サルの実験用譲渡”の差し止めを求め 「訴訟」に!
2003年、函館市、松本市、札幌市の動物園において、ナショナルバイオリソースプロジェクトにもとづくニホンザルの実験用譲渡が計画されていることが発覚。このことが新聞で報道されるや、たちまち、JAVAをはじめとした市民の猛抗議に会い、函館市と松本市は相次いで譲渡の中止を決定しました。ところが、札幌市だけは市民の声を無視し、あくまでも譲渡を強行すると発表。私たちJAVAは、「譲渡の差し止めを求める訴訟」踏み切りました。

文部科学省は 計画の撤回を!
現在、京大霊長類研究所は、過繁殖となっている動物園や野猿公園をターゲットに選び、水面下で着々と交渉を進めています。これを阻止するためには、バイオリソースプロジェクト自体の見直しが必要不可欠です。JAVAでは、国内だけでなく海外にも広く協力を呼びかけ、文部科学省に対して、「動物園のサルの実験用譲渡計画」の撤回を強く求めていきます。

【ナショナルバイオリソースプロジェクトとは】
サル、マウス、ラットなどを、実験動物として全国の実験施設へ安定的に送り込もうという国家プロジェクト。文部科学省が、2010年までの7年計画で、総額44億円を投じて始めた。毎年300頭のニホンザルを繁殖し実験施設に送り込む予定とされ、そのためには、1,500頭から2,400頭の繁殖用母体が必要とされている。この繁殖用母体のサルを確保するため、京大霊長類研究所が、全国の動物園や野猿公園と交渉を進めている。繁殖施設で産まれたサルたちは、全国の実験施設に送り込まれて脳神経などの実験に使われ、最終的には殺処分される。

文部科学大臣と札幌市長へ陳情
署名総数 20,000名に!

JAVAは、2003年から、「動物園のサルを実験用に回す」という文部科学省のプロジェクトに反対する活動に取り組んでいます。そして、実際にサルの実験用払い下げを強行しようとしている札幌市円山動物園に対しては、数回にわたって署名陳情を行い、動物園のサルを実験用に回すといった市民を裏切る行為を行わないよう強く求めてきました。署名総数は、20,000名に達しています。また同時に、「譲渡の差し止めを求める住民訴訟」という法的手段をもって、この譲渡計画の違法性を広く訴えてきました。
一方、2004年には文部科学大臣に対して陳情を行うとともに、文部科学省とJAVAの間で直接話し合いの機会がもたれました。その質疑応答の場で、文部科学省側は、「すでに決まった計画なのだから変更できない」「動物園は教育のための社会教育施設であるが、文部科学省が、動物園を直接指導する立場にはない」などと、責任を回避する姿勢に終始しました。文部科学省は自ら「動物園は社会教育(動物愛護の普及啓発など)のための施設」と言いながら、その裏では動物園のサルを実験用に回すといった、全く矛盾したことを計画しているのですから、国民から批判されるのは当然と言えるでしょう。
文部科学省は、もっと国民の声に耳を傾け、たとえ決定された計画であっても見直し是正するだけの勇気と柔軟性をもつべきです。どれほど多くの国民がこの残酷なプロジェクトの中止を求めているかを、JAVAはこれからも訴え続け、中止が実現するよう強く働きかけていきます。

「サルの実験用譲渡」差し止めを求める住民訴訟

JAVAは、札幌市が計画している「動物園のサルの実験用譲渡」の差し止めを求めて住民訴訟裁判に訴えていましたが、2004年7月29日、一審において棄却、ついで2005年の二審においても、残念ながらJAVAの主張は退けられました。棄却の理由は、次のようなものです。
● 住民訴訟は、自治体における財務会計上の違法行為について審理するものである。本件において、猿に対しては相当額の対価が支払われる予定なので、札幌市に金銭的な損害は生じない。従って、財務会計上の違法行為には当たらない。
● たとえ、動物園のサルの実験用譲渡が動物愛護法に違反するものであるとしても、動物愛護法は財務会計上の法規ではないので、住民訴訟における審理の対象にはならない。

つまり、裁判所は、「動物愛護法は財務会計上の法規ではない」という理由で、JAVAが訴えていた「実験用譲渡が、動物愛護法の展示動物基準に違反する」ことなど、この事件の最も重要な事柄について、一切判断を出さなかったのです。

“動物愛護法違反”の実験用譲渡

動物愛護法に基づく「展示動物の飼養及び保管に関する基準」には、動物の「終生飼養」が定められており、展示動物である動物園のサルを実験用に譲渡することは、この基準に反する違法行為になります。ところが札幌市は、裁判の中で、「(動物愛護法に基づく)展示動物基準は努力義務にすぎない」と述べたのです。これはまさに、”動物愛護法など守らなくてもいい”と言っているのと同じで、行政でありながら法を蔑ろにする姿勢は、絶対に許すことはできません。

2005年3月7日の早朝5時、札幌市は市民の目を盗むように、45頭中、最初の15頭のサルの移送を強行しました。飼育管理の能力不足が招いた過剰繁殖のツケを、何の罪もないサルに押し付け、動物愛護法(展示動物の基準)に違反してまで、市民が大切に育ててきたニホンザルを国へ実験用として差し出す自治体の姿勢は、行政として恥ずべき姿ではないでしょうか。

そして何よりも、子供たちに命の大切さを教える目的で飼育されてきたサルを、動物愛護法に反して実験用に売却することは、市民を裏切る行為であり、子供達に及ぼす悪影響は図りしれないものがあります。

今回の住民訴訟は、「動物園の動物を実験用に譲渡することは、動物愛護法に違反する行為であるから、差し止めてほしい」という、市民として当然の訴えです。それにもかかわらず、裁判によっても救済が得られないとしたならば、司法制度の限界と矛盾を感じずにはいられません。
これからも、私たちJAVAは、札幌市のみならず、このような反倫理的な動物実験計画を企図した文部科学省に対しても、あきらめることなく計画中止の要望を行ってまいります。
長い間、署名にご協力いただきましてありがとうございました。3回に渡り、19,062名分の署名を札幌市に提出いたしました。みなさまのご協力に感謝すると共に、今後ともご協力いただきますようよろしくお願いいたします。

告発!文部科学省 サルたちを実験には渡さない!

告発!文部科学省の残酷プロジェクト
サルたちを実験には 渡さない!

文部科学省は、「ニホンザルを大量に繁殖して、脳神経などの実験を行っている施設に動物実験用として送り込む」といった大規模な動物実験計画を企てています。その計画とは、「ナショナルバイオリソースプロジェクト」。
そして驚くことに、文部科学省は、繁殖に必要とされる1500頭?2400頭ものサルを、全国の動物園や野猿公園から集め、実験用に回そうとしているのです!
私たちJAVAは、動物園のサルを実験から守るために、「訴訟」に踏み切りました。

動物園のサルが狙われている!

密かに進められるプロジェクト
動物園のサルを実験用に回す計画は、国民に知られないよう密かに進められています。国民の抗議が巻き起こり、中止に追い込まれることを恐れているのです。事実、プロジェクトの推進役である京大霊長類研究所は、秘密裏に、「サルを提供するよう」動物園に対して話を持ちかけていました。

譲渡の差し止めを求め 「訴訟」に!
今年の5月、函館市におけるサルの実験用譲渡計画がスクープ報道され、これをきっかけに、松本市、札幌市の動物園でも、京大との間で譲渡の合意がかわされていたことが発覚。新聞で報道されるや、たちまち、JAVAをはじめとした市民の猛抗議に会い、函館市と松本市は相次いで譲渡の中止を決定しました。
ところが、札幌市だけは市民の声を無視し、あくまでも譲渡を強行すると発表。ついに、私たちJAVAは、「譲渡の差し止めを求める訴訟」踏み切ったのです。

文部科学省は 計画の撤回を!
現在、京大霊長類研究所は、過繁殖となっている動物園や野猿公園をターゲットに選び、水面下で着々と交渉を進めています。これを阻止するためには、バイオリソースプロジェクト自体の見直しが必要不可欠です。JAVAでは、国内だけでなく海外にも広く協力を呼びかけ、文部科学省に対して、「動物園のサルの実験用譲渡計画」の撤回を強く求めていきます。

【ナショナルバイオリソースプロジェクトとは】
サル、マウス、ラットなどを、実験動物として全国の実験施設へ安定的に送り込もうという国家プロジェクト。文部科学省が、2010年までの7年計画で、総額44億円を投じて始めた。毎年300頭のニホンザルを繁殖し実験施設に送り込む予定とされ、そのためには、1500頭?2400頭の繁殖用母体が必要とされている。この繁殖用母体のサルを確保するため、京大霊長類研究所が、全国の動物園や野猿公園と交渉を進めている。集められたサルたちは、施設の中で一生、過酷な繁殖を強要され、最後には殺処分される。繁殖施設で産まれ、全国の実験施設に送り込まれたサルたちは、脳神経などの実験に使われる。

サルの実験用払い下げ反対の署名にご協力ください!

いまJAVAでは、文部科学省が進める計画—「動物園のサルの実験用譲渡(払い下げ)」に反対する署名運動を全国で展開しています。サルを動物実験用に払い下げる計画を、直ちに中止するよう、署名にご協力ください。

署名用紙は札幌市長宛、文部科学大臣宛と2種あります。
下記のPDFアイコンをクリックすると署名用紙がダウンロードできます。ダウンロード後、署名用紙のファイルはAdobe Reader(無償配布)がないと見られませんので、お持ちでない方は下記のサイトからダウンロードしてください。
署名用紙をご自分のプリンターから印刷し、ご家族、お知り合い等にご署名いただいて、JAVAにご郵送ください。署名欄は全部埋まらなくても結構です。

*2/29締め切りの署名の期限を 2004年4月末まで延長します。

<新潟県>犬猫の動物実験払い下げ廃止に!

2003年キャンペーン「動物行政の改善を求めて」

「実験払い下げ」廃止に! 新潟県今年4月より、新潟県がJAVAへ正式回答

 

新潟県は、飼い主が保健所などに持ち込んだ犬猫を、長年、新潟大学へ実験動物として払い下げていました。この「払い下げ」は、単なる悪習であり、自治体と研究機関との癒着以外の何ものでもありません。 県が「やめる」と言えば、いつでも払い下 げは止めることができます。しかし、新潟県は、「払い下げを止めてほしい」という 市民に対し、大学との癒着関係を重要視するあまり、「払い下げを廃止するために、 新潟大学との話し合いを成功させたいので、大学を刺激するようなことはしないでほ しい」などと発言し、廃止の決定を先送りにし、市民を失望させ続けてきました。

動物はモノではありません。捨てられた犬猫は、どうせ殺す命だから実験に有効利用 しようという考えは、本来人間を信頼し家族同様に扱われてきた動物を苦痛と恐怖に 満ちた実験に転用することであり、動物愛護に反する行為です。 そして、何よりも 人道に反しています。

今年2月、JAVAは、新潟県に対し要望書を提出するなどして、早急にこの非人道 的な「払い下げ」を廃止すること強く求めました。その結果、3月31日、正式に県 より、平成15年度から廃止する旨の回答書が届き、長年続けてきた「新潟県の払い 下げ」は、今年4月から廃止になりました。

市民や動物保護団体の要望により、「払い下げ」を行なっている自治体の数は少なく なってきていますが、未だに、動物行政を行っている自治体のうち約5分の1が、動 物実験用払い下げを続けているのです。今後もJAVAでは、廃止に向けてそれらの 自治体に働きかけていきますので、みなさんのご協力をお願いいたします。

(JAVA NEWS 71号/2003年5月発行より)

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