JAVA:NPO法人 動物実験の廃止を求める会(Japan Anti-Vivisection Association)

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お知らせ

JAVAの最新情報をお知らせするコーナーです。進行中の活動、パネル展やイベントなどのご案内、これまでの活動・成果などをご紹介していきます。

中・高等学校で動物実験についての講演を行う

2018年12月、東京・中野区にある都立富士高等学校・都立富士高等学校附属中学校にて、生徒さん60名を前に、動物実験についての講演を行いました。その時の様子をご報告します。


2018年12月18日、JAVAの事務局長の和崎、理事の石島、事務局の山本の3人が同校を訪問し、動物実験についての講演を行いました。この講演を行うに至ったのは、附属中学校3年生(当時)の渡辺小春さんから「JAVAに動物実験についての講演をお願いしたい」という依頼をいただいたことがきっかけでした。

講演は放課後に行われ、希望者のみが参加する形でしたが、依頼者の渡辺さんが、企画、ポスター制作、アナウンス、先生との連携など、しっかりと準備してくださったおかげで、勉強や部活動などで忙しい中にもかかわらず、中高生合わせ60名もの生徒さんたちが参加してくださいました。

参加者の皆さんにご挨拶をした後、まず初めに動物実験への関心を高めるための導入として、石島がJAVAの活動に参加するまでの自身の体験談を話し、動物実験が行われる分野や使われる動物の種類、動物実験の賛否などについて、生徒さんたちに挙手していただく形でのアンケートをとりました。

次に、和崎が、この日のために制作した60枚のスライドを使いながら動物実験についての講演をしました。

講演内容は、「意外と身近な動物実験」というテーマで、まずは動物実験が私たちの日常生活にとても密接に関わっているという説明から始めました。実験に使用される動物の種類や頭数、動物実験の内容やその残酷さ、科学的根拠に基づいた動物実験の問題点を述べ、動物実験に代わる代替法の紹介や、動物実験をなくしていくためにはどうしたらいいかなどの対策を話しました。それらは資生堂に対するキャンペーンや解剖実習をなくすためのキャンペーンなど、JAVAの活動の実例を挙げて、順序立ててまとめたものでした。動物実験についての説明は難しい言葉が多くなりがちですが、中高生でも理解できるような言葉に言い換えたり、専門的な言葉には丁寧な説明を加えたりするなどの工夫をしました。

初めての会場だったので、音響や映像の不調も何度かありましたが、先生方のサポートで、大きなトラブルもなく無事に講演を終えることができました。

1時間以上もの間、生徒さんたちはとても熱心に耳を傾けてくださり、最後に、配布していた用紙に感想や質問を書いていただきました。感想を集計した結果、最終的に「動物実験に賛成」が2名、「動物実験に反対」が53名、「動物実験の賛否に中立」が6名でした。また21名が「講演を聞いて気持ちが変わった」と答え、13名が「この事実を周知したい」と意思表示をしてくださいました。全員がとても丁寧に感想を書いてくださり、心温まるメッセージもたくさんいただきましたので、いくつかご紹介いたします。

  • 私も将来は、動物実験や殺処分を減らせるような仕事に就きたいと思う。そして、少しでもJAVAの皆さんの活動に貢献できるように日本の未来を変えていきたい。
  • JAVAの動物実験廃止への行動力が素晴らしいと思い、考えさせられた。これから少しでも廃止されるように自分達にできることはしたいなと思った。
  • 私は動物実験の存在は知っていて、私自身、動物が好きだけれど、それがかわいそうだ、残酷だと感じていませんでした。しかし今回、動物実験の実態とともに人間がしていることの残酷さを知り、お話を聞いたり、写真を見ていて、とても胸が痛くなり、悲しくなりました。「動物実験をゼロに」と言うと綺麗ごとのようになってしまうかもしれないけれど、まずは多くの人が動物実験の残酷さを知り、少しでも多くの動物を救わなくてはならないと思いました。また、自分でもできる小さなことから動物の命を守っていきたいと感じました。今回の講演は私に大きな影響を与えるものでした。このような機会をありがとうございました。

日本では今でも「動物実験は必要」というイメージを持つ人が多いと思いますが、動物実験の問題点や残酷さをきちんと伝えることができれば、「動物実験反対」という私たちのメッセージは、多くの方に理解していただけるのだと改めて実感しました。この度の講演は私達としてもいい経験となりましたし、若い方たちの感想を受け、今後の活動の励みにもなりました。 これからの日本を担う素晴らしい生徒さんたちに、動物実験について知っていただく貴重な機会を設けてくださった富士高等学校附属中学校の皆様、誠にありがとうございました。


この講演を企画してくれた渡辺小春さんは、その後4名のチームメンバーと共にアイデアをまとめ、今年3月に米国・シリコンバレーで様々な企業に対して動物実験に関するプレゼンテーションを行いました。その時の様子をレポートしていただきました。(富士高等学校附属中学校では、シリコンバレー研修を今年から開始。その第1回目のわずか24名の中に、渡辺さんも選ばれていたのです。)

NO!!! ANIMAL EXPERIMENTS

こんにちは。渡辺小春です。私は3月に学校の研修で1週間シリコンバレーへ行ってきました。シリコンバレーはサンフランシスコの中にある、グローバル企業が多く集まっている地域です。そこで学校の友達とチームを組んで準備していた動物実験に関するプレゼンテーションを行なったので、そのお話をさせていただきたいと思います。プレゼンの内容は、どうして動物実験は問題なのか、どうしたら動物実験をしなくて済むのか、そしてそのためにどんなアイデアがあるのかという、動物実験をゼロに近づけるためのアイデアピッチです。私たちのチームは、動物実験が問題である理由として、残酷であるからだけでなくコストパフォーマンスが悪いことや人と動物には科学的に大きな違いがあることなどをあげました。動物実験の問題を、感情論だけでなくより科学的・論理的にして多くの人を納得させるためです。

※投資家に対して新しいアイデアをアピールするカジュアルなプレゼンテーション。シリコンバレーで生まれた用語。

私たちのチームのアイデアは代替法を生み出すことと動物実験をしていない商品を売るためのことです。代替法のアイデアは、人の細胞を使って植物から皮膚や眼球など人の器官を作り出すことです。

売るためのアイデアは、AIとスマートフォンを利用して動物実験の情報を送り、多くの人に知ってもらうことや、ボディブレッドという臓器の見た目をしたパンを売り、パンの酵母菌と人との関係性が動物実験のない世界を作れることを宣伝する、ということなどです。現地の人によるアイデアピッチのフィードバックではそれらを開発するのには莫大な費用と技術が必要であることや、たくさんの努力、経験、教育をもって、これを続けていかなければならないと言われました。何より重要なのはお金の問題だとおっしゃっていました。具体的な面では、動物実験をしていない商品を見分けるためにどのようなことができるかと質問されました。私たちのグループでは、見分けるためのマークを商品に付けるというアイデアをピッチしましたが、これからもっといい方法も考えていけたらと思っています。

JAVAの方々の力もお借りして、シリコンバレーで、いいプレゼンテーションができました。ありがとうございました。この恩を返すためにも、今回だけで終わらせずこれからもっと良いアイデアを、企業に力を借りれるようなアイデアを考えていきたいと思います。

都立富士高等学校・附属中学校3年生 渡辺小春

海外ニュース5件アップ

2018年12月25日

海外の動物保護団体から入る、様々な動物たちをとりまく情報を掲載しました。

<サウジアラビア>王子の使命は中東ヴィーガン化

<サウジアラビア>王子の使命は中東をヴィーガン化すること

カレド・ビン・アルワリード(Khaled bin Alwaleed)王子は、リヤドにある46万平方フィートの宮殿で育った世界屈指の大富豪とされる王家の子息である。以前の彼は、肉を食べ、毛皮をまとい、ガチョウのダウン毛布で眠り、南アフリカにトロフィー・ハンティング旅行(趣味で野生動物をハンティングし、その記念として剥製、毛皮などを持ち帰る)にも出掛けていた。しかし今や、動物を殺戮した経験はぬぐえない記憶となり、自ら「卑劣な」所業と呼ぶ。罪の意識に苛まれた彼は、ヴィーガン(完全菜食主義者)として暮らすことに安らぎを見出すようになった。今では母国サウジアラビアはもちろん、周辺国の人々にも、自分と同じようにヴィーガンのすばらしさを体験してほしいと思っている。

「動物福祉、工場畜産、環境は、切り離せない問題です。貪欲さを捨てて、経済や人道の面から現実的に考えれば、解決方法が見つかるはずです」とカレド王子は言う。

“Saudi Prince on a Mission to Veganize the Middle East”

<英国>動物を使用しない医学研究所

<英国>動物を使用しない医学研究所

英国の動物代替センターARC (Animal Replacement Center of Excellence)は最先端の科学を駆使して、ヒトモデルを進化させ、現在のがん研究で使用されている動物の数を減らすことを目指している。ARCはロンドン大学クイーン・メアリーのブレイザー研究所と英国で動物を用いない研究に助成金を提供する助成機関AFR UK (Animal Free Research UK)が協力して運営している。

人の病気はヒトモデルで

ARCのMike Philpott教授のプロジェクトは、人の皮膚がん、頭頸部がんにおける動物からの置き換えや、ヒト細胞モデルを使うことに焦点を当てている。例えば皮膚がんについては、ヒトのがん組織、がん細胞株、または美容整形手術から寄贈された正常な皮膚細胞のいずれかを使用しており、そこから遺伝子発現を変えることによって皮膚がんのモデルを作成している。人の皮膚がんでは最も一般的である基底細胞がんを対象にしている。基底細胞がんを治療するために使用される薬物の多くは、マウスを用いて試験されてきた。しかし、基底細胞がんはマウスではなく人の皮膚の病気であるため、創薬試験のモデルとしては、マウスよりもヒト細胞モデルの方がはるかに優れている。

また、Adrian Biddle博士(AFR UKが代替法で資金提供している研究者)による研究では、人のがんとの適合性がより高い腫瘍の侵入、転移および治療抵抗性が異なる細胞亜集団に対する重要な試験を行うことができるイン・ビトロモデルを構築している。新鮮なヒト腫瘍標本をモデルに組み込む技術は、大きな進歩である。この研究は、口腔がんと乳がんの両方のヒト腫瘍標本を用いて行われている。

“HOW COSMETIC SURGERY CAN HELP US BEAT SKIN CANCER”

“THE ANIMAL REPLACEMENT CENTRE OF EXCELLENCE (THE ARC)”

(右から)Philpott教授と研究メンバーのDr. Rahman、Dr. Biddle 、Dr. Youssef
©Animal Free Research UK

活動記事を新しく掲載しました(2018年12月)

2018年12月4日

夏以降の活動記事をアップしましたので、ぜひご覧になってください。

【海外ニュース】

<中国>いったんは許可したトラやサイの部位の使用を不許可に

中国政府は、医療目的であれば、飼育したトラとサイの部位の使用を認める方針を発表したが、前言を取り消し、禁止措置が継続されることになった。
© MAX SANG

 2018年10月29日、中国国務院は、飼育されたトラやサイから採った骨や角を「医療研究および治療」目的で使用することを許可する方針を発表した。これは、25年間続いてきた禁止措置を覆すものである。動物愛護団体は直ちに、「そのような製品が再び合法的に取り扱えるとなれば、ブラックマーケットの売人に、合法を装った野生のサイやトラの部位取引をさせる絶好の機会を与えることになる」として強硬に反対した。

それから2週間後の11月12日、中国政府は前言を撤回した。国務院の丁学東・副秘書長は、国営メディアのインタビューの中で、「この指令の実施を保留し、医療目的によるトラとサイの骨や角の使用は、少なくとも現段階では、継続して禁止する」と述べた。

“China Allows-Then Disavows- Medicinal Use of Tiger, Rhino Parts”

AWI Quarterly Winter 2018/Volume 67/Number 4

日本動物実験代替法学会第31回大会が熊本で開催

<動物実験代替法学の体系化と人財育成>
 日本動物実験代替法学会第31回大会報告

2018年11月23日~25日、「動物実験代替法学の体系化と人財育成」というテーマを掲げた日本動物実験代替法学会の第31回大会が、熊本県にある崇城大学にて開催されました。2016年4月に発生した地震の被害からの復興のさなかにある熊本を支援しようということで開催地が決まったとのことです。

「日本動物実験代替法学会第31回大会」のWebサイト

代替法を学問として

今大会のテーマである「動物実験代替法学の体系化と人財育成」についてのシンポジウムでは、大会長である崇城大学の松下琢副学長が登壇。「動物実験代替法に必要となる学問体系について」と題する発表で、「動物実験代替法(3Rs)の考え方の根底には「動物愛護の精神」があるが、「かわいそう」という感情的なものではなく、動物行動学、生理学、生態学など科学的根拠のある「動物福祉(アニマルウェルフェア)」に基づいており、さらに、生命倫理学、組織培養学、統計学、応用情報学といったさまざまな学問分野が関係しているという概要が改めて説明されました。そして、少子化で学生数が減少する昨今、この3Rsを担っていく人材を育成するためにも、これらの必要な学問を「動物実験代替法学」として早急に体系化していきたいとの提言がありました。体系化した場合、基礎科目としては英語や数学のほか生命倫理や動物愛護についても学ばせること、また、演習として薬理学実習や細胞培養実習に加え動物愛護センターでのボランティアなどが考えられるとしました。

続いて同大学総合教育センターの鈴木俊洋氏による「なぜ我々は動物を保護するのか? ―動物愛護の倫理的根拠―」という発表では、21世紀の科学は倫理について考えていかなければならないとし、人間と動物との関係における両極の考え方を紹介。①動物には意識も心もなく、よって権利もなく、保護する理由はもっぱら人間の利用のためとする人間中心主義、②動物には人間と同様の権利があり動物実験も肉食も禁止すべきという動物の権利思想の二極だが、動物の利用を認めつつストレスや苦痛を少なくする「動物福祉」という考え方はどちらにも属さず、中途半端だと考えられがちである。しかしいまの社会のなかでは我々の実感に沿った倫理であり、今後は動物にも道徳的コミュニティが拡大していくと考えられると話しました。この問題を考えるにあたって2本の映画「キューティー・ブロンド2」「猿の惑星(創世記)」を薦めていました。

※3Rsとは Replacement(動物を使用しない方法への置換)、Reduction(動物使用数の削減)、Refinement(実験技術の洗練による動物の苦痛軽減)の頭文字3つのRのこと。本来の言葉の意味から言えば動物実験代替法とは動物を使用しないReplacementだが、数の削減や苦痛軽減も含めて3Rsが広義の代替法とみなされている。

これからの動物愛護

熊本市獣医師会の松田光太郎元会長の特別講演では、これからの動物愛護のあり方として、「かわいそう」という感情に基づくものから、ヒト以外のすべての生き物との関わり方を論理的・科学的にとらえなおした学問として再構築していくべきとの提言がありました。障害者と健常者の間に優劣がないのと同様、同じ地球に存在する生命体にも優劣はなく、すべてが対等という認識のもとに、動物を「かわいがる」のではなく「命を尊重して共生する」と考えるべきである、として「感情からの離脱」を訴えていました。

口腔ケアはまだ動物実験が?

数あるポスター発表のなかで目に付いたのが口腔ケア用品。ライオン、花王、サンスターの3社による、ヒト3次元口腔粘膜培養モデルを用いた口腔ケア用途の原料の有用性評価に関する共同研究発表がありました。化粧品では大手各社が脱・動物実験の方向に進むなか、口腔ケア用品に関しては代替法の確立がまだ難しく、いまなお研究段階にあるとのこと。口腔ケアの有用性評価ということは、つまり薬用ハミガキ関連の分野です。購入する前に、動物実験を行っているかどうか、ぜひ問い合わせてください。化粧品の動物実験に反対する際の訴えと同様、「新規原料を開発するなら代替法が確立してからで十分。動物実験はやめてほしい」と声を届けましょう。

まとめ

今大会では、代替法を学問として位置付けるために、感情に依拠する動物愛護とは一線を画したいという研究者の思いが見て取れました。たしかに、不特定多数の、様々な価値観を持つ人たちに対して訴えていくとき、しっかりとした根拠に基づいた主張の仕方は大切です。でも、言葉の通じない動物たちの不幸な境遇を知って、「かわいそう」「助けたい」と思うのは自然な感情の発露。そこから次にどういうステップを踏むかが大事なのであって、感情自体を否定せず、説得力のある活動へとつなげていきたいものです。

動物プロダクションの不適切飼育

ソフトバンクの“お父さん犬”も所属する
動物プロダクションの不適切飼育問題
― 動物愛護法の改正なくして改善はない ―

 

数々のCMやテレビ番組に動物タレントを派遣し、「国内映像業界の90%以上のシェアを修めている」と宣伝している「株式会社湘南動物プロダクション」(千葉県成田市)。

2017年11月3日に放送されたテレビ朝日の深夜番組「※注 芸人調べ」において、このプロダクションの施設を芸能人たちが訪れて、飼育されている動物たちを紹介した際、劣悪な飼育状況も映し出されました。

JAVAには番組を観た方たちから次のような問題を訴える声が寄せられ、JAVAも録画映像によってこれらの状況を確認しました。

<猫について>

  • 「敷地内にいる野良猫を捕まえて飼育して、タレント猫として派遣する」と話していた。
  • 猫専用の部屋が紹介されたが、狭いケージに入れられていた。
  • 猫が2匹も入れられていたケージもあった。
  • 水を入れた容器が見当たらなかった。

<フクロウについて>

  • 「ウラル」という名前のフクロウが小さなケージに入れられていた。
  •  止まり木が角材だった。

問題点1:猫の捕獲について

猫は、屋外を徘徊しているから、首輪を着けていないからといって野良猫と断定することはできません。猫を捕獲するという行為には、他人の猫を盗むことになる可能性があります。 だからこそ、地域猫活動においては餌を与えながら飼い猫か否かを慎重に判断しているわけです。このプロダクションの場合、保護や地域猫目的ではなく、商品にするため捕獲して劣悪な環境においており、言語道断です。

問題点2:飼育環境について

猫やフクロウが入れられているケージは搬送や一時的な保管に使用されるものであって、飼育するには不適切です。
動物の愛護及び管理に関する法律(以下、動物愛護法)に基づく「展示動物の飼養及び保管に関する基準」には、施設の構造等について、「個々の動物が、自然な姿勢で立ち上がり、横たわり、羽ばたき、泳ぐ等日常的な動作を容易に行うための十分な広さと空間を備えること。また、展示動物の飼養及び保管の環境の向上を図るため、隠れ場、遊び場等の設備を備えた豊かな飼養及び保管の環境を構築すること。」とあります。
それに対し、湘南動物プロダクション(以下、湘南プロ)での飼育は、猫にとって不可欠である上下運動もできない、フクロウにとって必要な水浴びができない状況にあります。また、猫もフクロウも身を隠すことのできる場所が必要ですが、設けられていません。止まり木については、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州の展示動物保護法(Exhibited Animals Protection Act)に基づく「飼育下の猛禽類の展示基準(Standards for Exhibiting Captive Raptors in New South Wales)」では、「止まり木は少なくとも地面から2m以上離して設置すること」「止まり木は清潔で天然の枝であること。枝の直径や断面積はツメの長さの円周以下にならないようにすること」「止まり木と屋根は、翼を広げて弧を描いて離着陸するのに十分な距離を離すこと」と規定されています。

JAVAから改善を要望

湘南プロは広大な土地を所有していることから、十分な広さの飼育施設を建築することは不可能ではないと考えます。そして、常時、清潔な水を飲めるようにしておくことは、動物飼育の基本中の基本です。
2018年2月、JAVAは湘南プロに対して、飼育動物の福祉を担保するために最低限必要な以下のことを要望しました。
( 1) 猫に十分に動き回れる、上下運動ができるスペースを与えること。
( 2) 猫に身を隠せる場所を与えること。
( 3) 猫に爪とぎや遊ぶ道具を与えること。
( 4) フクロウに翼を広げ、飛翔できるスペースを与えること。
( 5) フクロウに身を隠せる場所を与えること。
( 6) フクロウをはじめ、鳥類には角材ではなく、種類や大きさに適した止まり木を設置すること。(適した止まり木とは:清潔な天然の枝で、直径や断面積はツメの長さの円周以下にならないもの。少なくとも地面から2m以上のところ、飛翔後に着地する際、翼が屋根にあたらないところに設置したもの)
( 7) 鳥類など水浴びをする動物は、水浴びができるようにすること。
( 8) その他の動物も、「展示動物の飼養及び保管に関する基準」を遵守した、自然な姿勢で立ち上がり、横たわり、羽ばたき、泳ぐ等日常的な動作を容易に行うための十分な広さと空間を与えている。また、隠れ場、遊び場等の設備も与えること。
( 9) すべての動物が常に新鮮な水が飲めるようにすること。
(10) 排泄場所を決める動物については、排泄場所と運動や寝るスペースを別にすること。
(11) 屋外飼育の動物については、砂浴びやストレス軽減のため、床材を土か砂にすること。
(12) すべての動物が野外の景色を眺めることができる、日光を浴びることができる等、できるだけ自然を感じることが可能な環境に置くこと。

その後、湘南プロから届いた回答では、「定期的に行政の視察を受け入れ、指摘を受けた事項については速やかに改善をしている」「JAVAからの要望事項について、一通りの現況の確認を行い、JAVAの要望の水準を満たしていると判断した」旨の回答(回答1/PDFファイル)がありました。

視察を拒否

では、どのように改善されたか、本当にJAVAの求める水準を満たしているのかを確認するため、JAVAは湘南プロに視察を申し入れました。
それに対して湘南プロは、「行政による視察を受け入れることはしているが、そうした法令に基づくものでなければ、第三者に当社内部の施設を見ていただくようなことは通常は行わない」「法令に基づいて立ち入りを制限しなければならないという事情があるほか、不用意に外部の方を立ち入らせることは飼養されている動物の安全や衛生を害すると考えるから」(回答2/PDFファイル) として、視察を断ってきました。

質問状にも答えない
つまりは何の改善もなし

湘南プロのいう理由からすると、ではなぜ、テレビの撮影隊やタレントたちを入れたのかという疑問が生じますが、私的な施設だけに視察を拒否されては致し方ありません。そこで、JAVAの求める水準を満たす改善をしたのかをはじめ、次の点を確認する質問状を送付しました。

【質問1】 「動物の飼育環境の改善を求める要望書」(2018年2月21日付)に対する貴社からのご回答(同年4月19日付)に「複数の監督庁からの御指導を遵守するとともに、定期的に行政の視察を受け入れ指摘を受けた事項については速やかに改善をしています」とありますが、複数の監督庁とはどこになりますでしょうか?

【質問2】 ご回答に「テレビ番組の演出により視聴者の方や貴会に御懸念を招いた部分がある点については反省を致します」とありますが、「テレビ番組の演出により視聴者の方や貴会に御懸念を招いた部分」とは具体的にどのようなことかご説明をお願いします。

【質問3】 テレビ番組では、貴社が「敷地内にいる野良猫を捕まえて飼育して、タレント猫として派遣している」と紹介されました。この野外にいる猫の捕獲に関する貴社の現状について、該当する項目に○をつけてください。(エ)の場合、具体的にご記入ください。
(ア)現在、猫の捕獲は行っておらず、今後も行わない
(イ)現在も猫の捕獲を続けている
(ウ)番組制作側の誤った報道で、そもそも猫の捕獲は行っていない
(エ)その他(                         )

【質問4】 ご回答には、「貴会からの御要望事項(上記の( 1)~(12)の項目)について、(略)現在においても御要望の水準を満たしていると判断しました」とありました。
12項目それぞれにつきまして、当会の要望を満たされているかについてお尋ねします。「はい」もしくは「いいえ」のうち、該当する項目に○をつけてください。

この質問状に対しては、個々の質問には答えず、「質問事項は要望書と重複しており、回答はすでに差し上げたとおり」「御社からのご指摘を機に、その方法については当社内で検討をして参りたいと考えている」との回答(回答3/PDFファイル)がありました。12項目を守っているのであれば、12項目の「はい」に○をつければよいだけの話です。それにもかかわらず、個々の項目を守っているか否かを答えていません。さらに「水準を満たしている」としながら、「JAVAからの指摘を機に検討して参りたい」と、まるで検討をこれから始めるかのような言い方をしています。つまりはJAVAの求める水準を満たしているどころか、何の改善もしていないと受け取らざるを得ません。

本来、行政が改善指導すべき
不適切業者の対策には、愛護法改正が不可欠

皆さんご存知の通り、湘南プロだけでなく、ペットショプ、ブリーダー、動物園等々、問題ある動物取扱業は、数えきれないほどあります。
本来、動物愛護法に基づき、不適切な飼育をする動物取扱業に対しては、都道府県や政令市が改善勧告をして、その勧告に従わなければ命令をし、それにも反した場合、営業停止や業登録の取り消しができます。
ところが、この湘南プロのケースでは、JAVAと協力関係のある動物保護団体PEACEによる通報で判明したことですが、千葉県は立入検査をしたうえで「問題なし」という結論をだしています。 こういったケースがいくつも発生しています。
これには、JAVAは主に次の3つの要因があると考えています。

【要因1】虐待・劣悪飼育の基準があいまいで判断がしづらい
今回、JAVAの指摘の一つに「猫を狭いケージに入れている」という点がありました。しかし、どれくらいのスペースを「狭い」と感じるかは人によって差があります。現行の動物愛護法では、飼養保管に関する基準や細目はあるものの、「十分な広さと空間を備えること」「適切な温度、通風及び明るさ等が保たれる構造にすること」というように抽象的な内容です。また飼育スペース以外でも、どういった扱いが“虐待”や“飼育放棄(ネグレクト)”にあたるのかも法文には記されていません。そのため、立入り検査に入った行政職員の判断、感覚に委ねられています。それゆえ私たちがどうみても「劣悪」と感じる状態も「問題なし」との結論が出されることすらあるのです。ですので、法文に虐待の定義を盛り込んだり、飼養に関する規程を設けることで一定の判断ができるような改正が必要です。

<JAVAが求める改正>
⇒ 虐待の定義を法文に盛り込む。
⇒ 最低限の飼養設備の飼養面積及び高さや運動量等を規定する。(具体的な数値ではなく、動物種ごとに習性にあった形で体長・体高の○倍といった規定にする。犬の散歩等運動を義務化する。従業員一人当たりの飼養可能頭数を規定する等)

【要因2】勧告・命令や営業停止・登録取り消しが義務ではない
立入調査に入った行政が、「改善の必要あり」と判断した場合の改善の勧告・命令、そしてその命令にも従わなかった場合の営業停止や登録取り消しは、「できる」であって、「しなければならない」と行政の義務にはなっていません。そのため、何度も何度も改善指導を繰り返しても一向に改善しない業者が営業を続けていたりします。これでは、いつまでたっても悪質業者がなくならないばかりか、人手不足の自治体にとっても大きな負担です。例えば1ヶ月など猶予期間を定め、その期間中に改善がされなかったら、自動的に勧告、命令と手続きを踏むようにする実効力のある法改正が必要です。
また、登録取り消しで廃業した場合、そこにいる動物たちの行く末が心配で厳しい措置が取れないという行政の声もあることから、緊急保護や取り消し後5年の立入権限なども併せて盛り込む改正をJAVAは求めています。

<JAVAが求める改正>
⇒ 違反については1か月以内の勧告を義務付け、勧告に従わない業者に対して1か月以内の措置命令を義務付ける。
⇒ 行政の権限を増やし、実効性をあげる。(登録時の立入の義務化、動物の緊急保護、迅速な登録取り消し、登録取り消し後5年までの立入権限等)

上記のような法改正がなされなければ、今回の湘南プロのようなケースでは、飼育状況の改善は困難です。
JAVAは、上記の改正をはじめ実効性があり、動物たちを真に守ることができる動物愛護法にするため、積極的なロビー活動を続けています。

砂防堤の底に落ちた2頭のイノシシ
数多くの「山に帰してあげて!」の声で救出される

2018年10月18日、朝日新聞が「イノシシ2頭、砂防堤の底うろうろ 壁登れず脱出不能に」と報じました。またテレビ西日本など他の複数のメディアでもこの件が報じられました。
それらの報道によると、2頭のイノシシが北九州市門司区の川に造られた砂防施設間に転落して、少なくとも同月12日から脱出できない状態に置かれていました。砂防施設の壁は約6メートルもあり、イノシシたちは脱出しようと駆け上っては途中で力尽き、また川底に落ちているとのこと。餌があるような場所ではなく、このままでは衰弱死もあり得る状況でした。

鳥獣保護法の規則で助けられない!?

北九州市は、マスコミに対して、「野生動物が自然界の中で今回のようなアクシデントに遭った場合、鳥獣保護法の考えでは『原則として手出しをせずに見守ることになっている』」とまるで鳥獣保護法の決まりで手出しできないようなコメントをしたのです。しかし、鳥獣保護法でアクシデントにあった野生動物を助けてはいけないという規定はありません。そもそもこの事故の原因は人間が砂防施設を造ったことであり、そのためにイノシシたちは転落し、山に戻れなくなったわけですから、これは自然界でのアクシデントではなく、人災です。鳥獣保護法の規定により、理由はなんであれ、またすぐ放すとしても捕獲する場合には捕獲許可が必要になりますが、市長が許可を出せばいいわけです。

ご存知のようにイノシシは農作物を荒らす悪者とされてしまっていて、全国的に有害獣駆除の対象になっていますが、それと今回の転落事故は別問題です。「イノシシは駆除している動物だから」として、今回のイノシシたちをじりじりと衰弱させ、餓死させるのは動物虐待に他なりません。

22日にJAVAが北九州市鳥獣被害対策課に電話で確認したところ、その日に市の担当者が現地に行っていて、状況を見たうえで今後の方針を検討するという説明でした。JAVAは上記のような理由から、この2頭を山に帰すよう強く要望しました。

アクションの呼びかけに大きな反響

市が「状況を見たうえで、今後の方針を検討する」とJAVAに説明した時点で、すでに転落から1週間以上たっていることから、イノシシの体力を考えるとあまり猶予はありません。
イノシシの救助を求めるたくさんの声を北九州市や福岡県へ届ける呼びかけも行ないました。それに対して多くの方たちから「電話しました」「メールしました」といったご報告や「拡散します」といった大きな反響をいただきました。

福岡県が動き出す!

全国からの声を受けて、やっと砂防施設を管理する福岡県が動き出しました。
JAVAが転落したイノシシたちがいる砂防施設を管理する福岡県北九州県土整備事務所に確認したところ、捕獲や麻酔銃といった方法ではなく、イノシシに自力で壁を登らせるための方法を検討しているとのこと。捕獲や麻酔銃は、少なからずイノシシたちの体に負担をかけたり、ストレスを与えるので、自力で壁を登って山に帰れる方法があるなら、それに越したことはないでしょう。
JAVAはイノシシの救出を心から願う多くの人たちとともに声を届け続けました。

2頭のイノシシ、山に帰る!

10月24日、脱出用の足場(スロープ)が組まれました。しかし、25日の夕方まで待っても警戒したイノシシたちはスロープを登ろうとはしませんでした。そのため県は、箱わな(捕獲檻)での捕獲に方法を変更。26日に捕獲を実行し、1頭が捕獲され、すぐさま山に放されました。この日、2頭目は捕獲できず、翌27日に再度試み、成功。2頭のイノシシたちは、山に帰ることができたのです!

県は再発防止のフェンスを設置 

JAVAは2頭の救出とともに再発防止策を講じることを要請していました。これに対して福岡県からは「この砂防ダムに再度イノシシや他の獣が転落することのないよう、フェンスのようなものを今後設置することとしています」との回答があり、救出からおよそ1週間後にはフェンスが設置されたことを確認しました。

設置されたフェンス

今回の件では、一般財団法人日本熊森協会 福岡県支部の方たちがすぐさま現地に出向き、直接行政にイノシシの救出を要請し続け、5日間現地に通い詰めて、2頭の救出を見届けられました。その間、JAVAに随時、イノシシたちの体調をはじめ、現地の情報を提供くださいました。
離れ離れになってしまったので再会できたのか、せっかく山に帰れたのに駆除用のわなにかかってしまわないか、など気かがりはありますが、2頭が無事に帰れたのは「イノシシたちを助けてほしい」と願い、行動してくださった皆様のおかげです。日本熊森協会の皆様、イノシシたちのためにアクションを起こしてくださった皆様に、改めて感謝いたします。
これからも苦しんでいる動物たちのために一緒に取り組んで参りましょう!

バーバリーが毛皮廃止を決定!

英国の高級ブランド「バーバリー(BURBERRY)」は長年、ウサギ・キツネ・ミンク・アジア産アライグマの毛皮を使用してきました。
2018年9月6日、今後、毛皮の使用をやめると発表。最新のコレクションには毛皮を使用していないとのこと。既存の毛皮製品は段階的になくしていくとしています。
また、アンゴラウールも廃止する、と発表しました。

ロサンゼルス市が毛皮製品の製造・販売禁止へ!

2018年9月18日、ロサンゼルス市議会において、毛皮(リアルファー)製品の製造および販売を禁止する条例案が全会一致で可決しました!
この条例案には、毛皮を使った衣料品やバッグ、靴、帽子などのアクセサリーの製造と販売禁止が盛り込まれています。
条例は、今後、議会の最終承認と市長の署名を経て、2020年1月発効予定です。
カリフォルニア州では、すでにウェストハリウッド市、バークレー市、サンフランシスコ市が毛皮製品の販売を禁止していて、ロサンゼルスは毛皮製品の販売を禁止する米国最大の都市になります。
今回のロサンゼルス市の決定は世界の各都市へ良い影響を与えることでしょう!

※9月25日現在の状況

農薬登録基準に動物実験の3Rを

生活環境動植物に関する農薬登録基準
環境大臣に動物実験の3Rを要望

2018年6月15日に改正農薬取締法が公布されました。農薬登録基準のもと、農薬が及ぼす水産動植物(魚類、甲殻類等)に対する影響評価がこれまで行われてきましたが、この改正により、陸域を含む「生活環境動植物」に対象が広げられました。そして現在、環境省の中央環境審議会 土壌農薬部会 農薬小委員会において、「生活環境動植物」に対する影響を評価するための審査基準の設定について、検討・審議が始められています。
この検討・審議を経て、評価対象とする動植物種や試験に用いる生物種の選定、毒性試験の策定等がなされます。これはつまり新たな動物試験が追加されることを意味します。

欧米は代替法の採用において日本のお手本となることが多いですが、今回の場合、EUや米国では、すでに哺乳類や鳥類といった陸域の生物への影響を評価する動物試験を行っていることから、欧米をお手本とはできません。
しかし、日本においては、化粧品をはじめとした企業の動物実験廃止や様々な分野での代替法の採用が進められています。今回と同じ農薬に関しても、3月に農薬の登録申請に必要な試験からイヌを用いた1年間反復経口投与毒性試験が削除されるという、画期的な動きがあったことは4月にご報告したばかりです。
そして、今般の農薬取締法の改正でも、参議院の付帯決議に次のとおり動物試験に代わる方法の開発・活用や3Rの有効な実施の促進について盛り込まれたのです。

七 試験に要する費用・期間の効率化や国際的な動物試験削減の要請に鑑み、定量的構造活性相関の活用等を含む動物試験の代替法の開発・活用を促進すること。
また、国内外の法制度で明記されている動物試験における3R(代替法活用、使用数削減、苦痛軽減) の原則に鑑み、不合理な動物実験の重複を避けるなど、3Rの有効な実施を促進すること。

JAVAは、8月、国内外の3Rの動向を伝えた上で、中川雅治環境大臣(当時)に対して、「生活環境動植物に係る農薬登録基準」に動物を用いない試験方法を取り入れる等、3Rを最大限考慮することなどを求める要望書を提出しました。今後の環境省の動きに注目し、またご報告したいと思います。

写真:イメージ

毒物劇物の分野での代替法利用についての講演会参加報告

8月2日(木)に東京大学本郷キャンパスで開催された、技術講演会「毒物劇物の判定にどう代替法を用いるか」(主催:日本動物実験代替法学会)に参加しました。

開催挨拶
酒井 康行 (日本動物実験代替法学会会長、東京大学大学院工学系研究科)

毒物劇物の判定基準
古田 光子 (厚生労働省 医薬・生活衛生局医薬品審査管理課 化学物質安全対策室)

OECDのTGとJaCVAM提案書の現状
小島 肇 (国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 安全性予測評価部)

代替法利用における留意点
高橋 祐次 (国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 毒性部)

代替法利用に関する留意点
稲若 邦文 (日本化学工業協会 化学品管理部)

個別研究例 STE法(TG491)の利用
安保 孝幸 (花王株式会社 安全性科学研究所)

個別研究例 毒劇物の眼刺激性評価におけるウシ角膜を用いる混濁度および透過性試験法(BCOP試験)の有用性について
河村 公太郎 (株式会社化合物安全性研究所 安全性研究部)

総合討論(パネルディスカッション)

毒物及び劇物取締法において、化学物質が毒物・劇物の指定対象となるかどうかの判定にも、多くの動物実験が実施されています。
昨年6月に厚労省から出された「毒物劇物の判定基準の改定について(通知)」(薬生薬審発0613第1号 平成29年6月13日)では、近年の動物愛護の観点からの動物実験の廃止などの動向をうけて、毒物劇物の判定に使える具体的な代替法の例示がされました。

通知は国立医薬品食品衛生研究所のウェブサイトでご覧いただけます。

例示された代替法は、皮膚腐食性についての2つの代替法(経皮電気抵抗試験とヒト3次元培養表皮モデル)、眼腐食性と強度刺激性についての4つの代替法(ウシ摘出角膜を用いる混濁度および透過性試験(BCOP)、ニワトリ摘出眼球を用いる試験(ICE)、 フルオレセイン漏出試験法(FL)、in vitro 短時間曝露法(STE))です。また、皮膚刺激性についての代替法も条件つきで考慮可とされました。
ただし、急性経口毒性、急性経皮毒性、急性吸入毒性は、有効の代替法はないとして、動物実験での判断が継続されます。また、毒物劇物に指定された製剤の適用除外申請にも代替法は活用可能とされましたが、具体的な例示はされていません。このような現状や課題について6名の専門家の講演があり、最後にパネルディスカッションが行われました。

講演では、毒性の専門家から「多くの化学物質が対象となる毒物・劇物の分類における代替法の利用は、評価の高速化と効率化にも寄与する」、産業界からは「代替法の利用促進をはかりたい」といった発言がありました。
そして、パネルディスカッションでは、「動物実験ありきで、代替法は動物実験との比較のためだけのツールという印象を受けた。何十年も同じ状態。代替法でやっていこうと考えを変えてもらわないと」と、私たちが「そのとおり!」と思わず叫びたくなるような意見を言ってくれた参加者がいました。JAVAも「一つでも動物実験が減るよう代替法採用にさらに尽力してもらいたい」とパネラーたちに要望しました。

毛皮の表示を求めていこう!

2018年8月2日

動物を殺す毛皮をなくしていくために、私たちはどうすればいいのかしら?
何かできるのかな?

 毛皮を買わないこと!

それはわかるけど、他にはないかしら…

ファーって実は、素材の表示義務がないんです。だから、このモフモフはリアル動物毛なのに、フェイクなのかもわからない。毛皮を買いたくないのに判断ができないと困りますよね。
それならば

 毛皮はハッキリ表示して!
と求めていきましょう。

詳しくは新しくアップした<毛皮をなくすために、あなたにできること>ページをご覧ください。

 

 

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