JAVA:NPO法人 動物実験の廃止を求める会(Japan Anti-Vivisection Association)

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動物実験の廃止を求める

2012ラッシュプライズでJAVAが受賞!

化粧品の動物実験をなくすために---

英国の化粧品会社ラッシュ(LUSH)が今年6月に創設した「ラッシュプライズ」。
「代替法開発」「教育」「ロビー活動」「世論喚起」「若手研究者」の5部門で目覚ましい活躍を遂げた団体または個人に、賞金(各部門5万ポンド:約650万円)が与えられるというこの企画。
なんと、私たちJAVAが、記念すべき第一回目の“Public Awareness(パブリックアウェアネス部門/世論喚起)”部門の最優秀受賞者に輝きました!

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私たちJAVAが受賞したプロジェクトは2009年から展開してきた「ウサギを救え!化粧品の動物実験反対キャンペーン」。
受賞の決め手となったのは、署名、デモ行進、株主総会会場でのアピール行動など、積極的なアクションを通じて最大手の資生堂に動物実験廃止を決断させたこと。

この賞は、“ウサギを救え!化粧品の動物実験反対キャンペーン”に参加してくれた皆さん一人一人が受賞したものです。
皆さん、どうもありがとう。
そして、おめでとう。

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11月15日には、ロンドンにて行われた授賞式に出席。

受賞スピーチでは、スライドで写真を使いながら日本での生き生きした活動の様子を伝えると、会場から大きな拍手と歓声が沸き起こりました!

日本の動物実験反対運動が海外で評価を得たことはとても大きなことです。
この受賞をバネに、動物実験廃止というゴールに向けて、飛び跳ねるウサギのごとく!さらなる飛躍を遂げていきたいと思います!
ぜひ皆さんも、私たちと一緒にがんばっていきましょう!

 

各部門の受賞者と授賞プロジェクトおよび賞金額はこちら
http://www.lushprize.org/the-2012-prize-winners-are/

簡単な日本語訳はこちらに掲載しています。
http://usagi-o-sukue.sblo.jp/article/60231348.html

服部栄養専門学校でのラットの解剖を阻止、廃止へ

<教育プロジェクト>

あの服部栄養専門学校でラットの解剖
JAVAの指摘を受け入れ、廃止決定!

学校での解剖実習は、以前より減ってきたものの、まだまだ続けている学校があります。テレビでおなじみの服部幸應氏が校長を務める服部栄養専門学校でも、ラットを使った解剖が行われ続けていることが発覚しました。
JAVAは学校に対し強く廃止を働きかけ、当初は曖昧な態度を示していた同学校も最終的に解剖実習の廃止を決定しました。

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昨年11月~12月に学校法人服部学園 服部栄養専門学校の学生さんや保護者の方々より、栄養学科1年生の「解剖生理学実習」の授業の中で、ラットの解剖実習が行われたとの情報が入り、「とても辛かった」「2年生でも解剖をするらしい。もうやりたくない」「自分の子が心を痛めているので、今後、解剖実習を行わないよう学校に働きかけてもらいたい」との訴えが、JAVAに寄せられました。

【JAVAに入った主な情報】
◆約50人のクラスが3クラスあり、1班4~5人で、各班に1匹のラットが割り当てられた。デモンストレーションも行われたので、1クラスにつき計10匹以上が殺された。
◆人体の仕組みを学ぶはずが、解剖の主な目的は「ラットを解剖することによって体の中の様子を観察すること」と説明された。
◆助手の先生が、麻酔をかけたラットを運んで来たが、麻酔は完全にはかかっておらず、ラットは頭や手を動かしていた。
◆実習は、ラットの手足に紐をつけて仰向けに固定し、腹部にハサミをいれて開き、臓器を観察した。さらに、臓器を取り出して、長さや重さを測り記録するという内容だった。
◆ 解剖以外の動物を用いない学習方法はまったく提示されなかった。必修科目であり、皆、単位のことが心配であることから、休んだり、ボイコットしたいと言い出せないでいたが、先生によるデモンストレーションを見て、泣きだした学生や廊下へ出ていった学生もいた。

「解剖」は時代錯誤な授業
動物を使った実験・実習については、「3Rの原則」(Replacement:動物を使用しない実験方法への代替 Reduction:動物使用数の削減 Refinement:実験方法の改良により実験動物の苦痛の軽減)の遵守が国際的な流れとなり、日本でも、「動物の愛護及び管理に関する法律」(以下、動物愛護法)の6年前の再改正の際、先述の「3Rの原則」が盛り込まれました。さらに、来年実施される法改正に向けて、拘束力が強化されるべく、現在、議論が進められている最中です。
つまり、「3Rの原則」に従わずに代替法を用いることなく、生きたラットの解剖を行っている服部栄養専門学校は、動物愛護法に抵触する行為を行っていると言っても過言ではありません。
欧米では、従来動物実験が必要不可欠と考えられていた大学の獣医学部や医学部においてさえ、「動物を殺す非人道的な教育を拒否する権利」を多くの学生たちが主張し始めた結果、動物実験を廃止して代替法を用いる大学が急増し、実際、北米の獣医学部の60%以上、米国の医学部の90%以上が動物実験をしないで卒業できるようになっています。

解剖の義務はなし 「代替法」で学ばせるべき
生き物の体の仕組みを学ぶ方法には、解剖する以外にも、コンピュータを使用した学習法、ビデオ、3Dの模型など様々あります。そのような代替法を使用すれば、解剖の過程を何回でも繰り返すことができ、また学生一人一人が自分のペースで学習を行うことができるなど、多くのメリットがあるのです。そして、解剖を行った学生と代替法で学んだ学生では、その知識に差はない、もしくは、代替法で学んだ学生の方が優秀であったことが、数多くの研究で証明され、論文が発表されています。

栄養士養成課程のカリキュラムにおいては、JAVAが厚生労働省に問合せたところ、「人体の構造と機能を学ばせるという規定はあっても、その方法は学校が決める。解剖は義務付けられていない」との回答でした。
そもそも、「人体の構造と機能」を学ばせるのに、ヒトとは大きさも構造も異なるラットで学ばせること自体、学生に誤った知識を与えることになります。つまり、学生たちに、きちんと「人体の構造と機能」を学ばせ、知識を身に付けさせたいと真剣に考えるのであれば、代替法を用いるべきなのです。

JAVAの廃止要請に曖昧な回答
命ある動物たちを人間の好奇心を充たすための道具として、まるで機械の構造でも調べるかのように殺し、内臓を見るといった行いは残酷極まりなく、教育の名を借りた一種の犯罪行為と言えます。
このようなことから、JAVAは服部栄養専門学校に対し、
①ラットをはじめ、いかなる動物の解剖実習も今後、決して行わないこと
②動物の命を尊ぶ教育に全力を傾けること
を強く要請しました。
これに対し、同学校は、「実験動物の数を減らしてきている」「事前に、解剖の必要性や命の大切さについて講義をしている。そして、碑を建て線香を焚いて弔っている」といった言い訳に終始し、「次年度に向けて、検討する」に留めた回答で、解剖実習の廃止を決断しなかったのです。

新2年生の解剖準備が始められる4月、新年度に入り、新2年生となった学生たちに「生化学実験書」(発行 服部栄養料理研究会)が配布され、ラットの実験が掲載されていました。異なる飼料を与え、その後、ラットから採血したり、解剖して、取り出した臓器の重さや長さを測ったりするというもので、近々、その実験が行われるとの情報が入ったのです。
JAVAでは、その実験を阻止すべく、学校に再度、強く抗議し、服部校長と担当教官との直接面談を申し入れしました。

やっと「廃止」を決断
後日、学校からは「解剖実習は行わない」と簡単な回答がありました。ただ、今後二度と行わないのか、それとも、一時的な中止なのか、また解剖以外の動物実験についてはどうなのか不明であったため、公開質問状にて確認を行いました。そして、代理人を務める弁護士より、次のとおり、やっと、「全面廃止」の回答を出してきたのです。(一部抜粋)

服部学園は従来、栄養士科の解剖生理学実習及び生化学実験に際して行っていたラットの解剖実習につき、これを廃止するよう貴会から要請がありました。
服部学園は動物愛護の精神に則り、貴会の見解を尊重して解剖実習をはじめ動物を使った実験、実習は全て廃止しました。

その後、実際に授業では解剖は行われず、ラットについての話もなかったとの報告が学生さんたちからありました。

全国には数多くの栄養専門学校がありますが、服部栄養専門学校は、その中でも名が知れているため、いまだ解剖を続けている学校への良い影響が期待されます。教育現場における動物を犠牲にする授業がなくなるまで、JAVAの「教育プロジェクト」を推し進めなければなりません。

(JAVA NEWS NO.87より)

3Rsの実効性確保と実験動物の福祉向上

3Rsの実効性確保と実験動物の福祉向上
進む世界と遅れる日本

日本では現在3度目の動物の愛護及び管理に関する法律(以下、動物愛護法)の改正に向けた動きが加速しています。今回の焦点はもっぱらペットショップ規制だといわれていますが、動物実験に関しても「実験動物繁殖業者の動物取扱業への追加」「実験動物施設の届出制または登録制の導入」「代替法3Rsの実効性確保」などが課題として挙がっています。一方、昨年来、3Rsや実験動物の福祉向上を巡っていくつもの国際的に大きな動きがありました。

OIE “実験動物福祉綱領” 施行

家畜など動物の国際的な安全基準を決める機関であるOIEは2010年5月、国際標準としていわゆる“実験動物福祉綱領”(Use of animals in research and education)を制定しました。3Rsの実践を筆頭に、監視の枠組み、動物実験従事者の訓練、獣医学的ケアの整備、実験動物の供給、実験施設と環境条件(換気、温湿度、照明、騒音等)、飼育飼養(輸送、ケージ、エンリッチメント、給餌給水等)など項目が細かく分かれています。数値こそ示されていないものの、現在の欧米の標準に準拠していると考えられ、これが日本を含むすべての加盟各国に適用されることになります。OIEの定める国際標準に違反した場合、OIEは当該国をWTOへ提訴することが可能です。つまり、違反が発覚して提訴されるようなことがあれば、実験動物の輸出入取引にも響するほど厳しいものだといえます。「経済制裁を避けよう」という動機が、実験動物の福祉につながるというわけです。

OIE:国際獣疫事務局(L’Office International des Epizooties)
1924年設立。別名世界動物保健機関(World Organization for Animal Health)。本部パリ。現在世界178か国・地域が参加。WTO(世界貿易機構)から参考機関として認定されている。口蹄疫の殺処分はOIEの勧告に基づくもの。

EU実験動物保護法の改訂

2010年9月「EU、動物実験を大幅制限 霊長類の使用は原則禁止」とのニュースが流れました。これは1986年に制定されたDirective 86/609/EEC(いわゆるEU実験動物保護法)の改訂によるもの。旧指令は加盟各国での法制化が義務付けられていませんでしたが、今回は加盟各国に法制化を義務付けるようDirective 2010/63/EUとして改訂されました。
類人猿の動物実験禁止/霊長類実験の規制強化などが主な改訂点ですが、「生きた動物の使用を伴わない方法に切り替えるのが望ましいことであるが、人間、動物の健康および環境を守るためにはいまなお動物実験は必要である。しかしながらこの指令は、科学的に可能であればすぐにでも科学的及び教育的目的の動物利用を完全に代替するという究極の目標達成に向けての重要なステップを意味している」との前文は注目に値します。

CIOMS動物実験国際指針改訂案決定

人間にとっての医科学の研究推進を目的とするCIOMSが1985年に発表した「動物を対象とする生物学研究のための国際指針」は世界の動物実験界に大きな影響を与えました。この指針の改訂原案がICLAS(International Council for Laboratory Animal Science)によって2010年11月にまとめられました。そこには次のような注目すべき記述があります。
・ 「人道的な敬意を払う」という道徳上の義務を見失ってはならない
・ 人間に痛みを引き起こす処置はほかの脊椎動物に痛みを引き起こす
・ (動物の苦しみが酷い場合には)動物を安楽死させるべきである
CIOMS:国際医科学団体協議会(Council for International Organizations of Medical Sciences)
WHO(世界保健機構)とユネスコとの協賛により1949年設立。本部ジュネーブ。各国の医学関連団体、研究グループ、行政機関など現在55の組織が加入。

ILARガイドブック第8版発行

実験動物分野の国際的参考書として最も需要の高いILARの「実験動物の福祉と利用に関するガイドブック」は、アメリカで動物愛護運動が最も盛んだった1962年に第1版が発行された後、コンスタントに改訂が繰り返され、2010年12月、旧版から14年を経て第8版が発行されました。飼育方法や飼育環境、疾病予防や安楽死などの獣医学的管理、緊急災害時の対応等、事細かに規程。今回の主な改訂点としては、3Rsの実践を根幹としたこと、霊長類の集団的飼育の推奨や水生動物についての記載の追加などが挙げられます。第三者認証機関であるAAALAC(国際実験動物管理公認協会)も動物実験施設認証評価基準にこのガイドを使用しています。
ILAR:米国実験動物研究協会(Institute for Laboratory Animal Research)


このように国際社会では、動物実験に対する監視の目がますます厳しくなってきています。
一方、日本はどうでしょうか。2005年の動物愛護法改正でようやく3Rのすべてが盛り込まれたものの、翌年に日本学術会議が出した「動物実験の適正な実施に向けたガイドライン」は、動物実験の削減や縮小、廃止に向けたものではなく、研究者自らの手で動物実験という“聖域”を守ろうという動機に基づいて準備されてきたものでした。このガイドラインに基づいて、文部科学省(大学関係)、厚生労働省(製薬等企業)、農林水産省(畜産関連研究所等)の3つの所管省が別々に動物実験の実施に関する指針を設定しましたが、罰則もなければ強制力もありません。さらには鳴り物入りで始まった「第三者評価制度」については、JAVAは2008年当時「動物実験の削減・廃止につながるものではない」と警鐘を鳴らしましたが、「第三者」とは名ばかりで事実上は仲間内による“自主管理”であることを研究者自ら認めているのです。今、この身内で作った甘い制度を標準化させてしまおうとする動きがあります。
2010年10月には、法改正の動きに対し、日本実験動物学会、国立大学法人動物実験施設協議会(国動協)、日本実験動物協会(日動協)などの動物実験関連12団体はこぞって実験動物繁殖業者の取扱業への追加や登録制・届出制の導入に反対する要望書を政府に提出しました。国や社会の監視の目が入ることにすら抵抗して、国際的な流れに向き合おうとせず、より堅固な動物実験要塞を作ろうと巧妙に動き回る研究者たちを止めなければ、3Rsの実践も実験動物の福祉の向上も、実現することなど到底できません。

(JAVA NEWS NO.86より)

<内部告発>北里大学での残虐実験!

<内部告発>北里大学での残虐実験!!
― 猫の頭を開き、電極を刺す!! ネズミを画鋲で張り付け!! ―
全く反省のない北里大学へ、引き続き抗議の声を!

2010年11月、現役の臨床検査技師の方から、この技師が北里大学に在籍中に体験した、おぞましい動物実験についてJAVAに内部告発がありました。
JAVAは北里大学に対し、強く抗議しました。また、ホームページ等でこの告発内容を広く知らせ、北里大学には多くの非難の声が寄せられました。しかし、北里大学は「動物実験は必要」「法律やガイドラインを守ってやっている」の一点張りで、なんら反省や改善をしようという態度がありません。
引き続き、北里大学に厳しい抗議をお願いします。

 

告発内容

北里大学で臨床検査技師を目指す衛生学部衛生技術学科(現、医療衛生学部医療検査学科)で行われたことです。
現在の現状は確認できていませんが、今までずっとどこかに訴えたかったので、この場をお借りして申し上げたいと思います。

【ハツカネズミの無麻酔実験】
3年生で行った実験動物学の実習のことです。60~70人の学生が、2人で1匹ハツカネズミを与えられ、無麻酔でネズミの四肢を画鋲で板に張り付け、腋下を鋏で切りスポイトで血を吸い上げ致死させる実習がありました。
小さな薄ピンクのもがく手足に画鋲を刺したときの感覚や下手な手技のため血だらけで起き上がるハツカネズミの周囲の光景などが記憶に残っています。その場にいられず廊下で泣いている学生もいました。
何も意味をなさない残酷な実習の意味を、ニヤニヤしながらゴミ袋に死体を回収している指導者に問いかけたところ、「動物を扱った経験が必要」とのことでした。我われは臨床検査技師の資格取得が目的の学生でした。医師ではありません。

【カエル、ウサギ、そしてブタの胎児の解剖】
生理学実習では心臓の動きを観察する目的で、4~5人で1匹のカエルを使い、その脊髄にゾンデ(探針)を突き刺し神経を破壊して生きた心臓を取り出しました。
学生はカエルにさわることもままならないおぼつかない手先でやるため、一度で神経を破壊させることは少なく、半殺しのカエルの喉にゾンデを何度も刺すことになります。
その他、ウサギから取り出された小腸の蠕動運動を観察したり、解剖学実習ではホルマリン漬けされたブタの胎児を2人で1匹解剖しました。

【猫の脳に電極を刺す実験】
4年生になると研究室に所属することになります。生理学教室は相川貞男教授の指導下でした。相川教授は全日本鍼灸学会に所属しており、独自のマルチ電極を使用し研究しています。

教授が創ったマルチ電極を用いて脳の視床下部と感覚神経の相関を示すため、一週間に1匹、猫の脳を開頭し視床下部に電極を刺し、手足や胴を刺激して電極からでる信号を記録する、という実験を行っていました。
猫たちは動物舎で飼育され、人懐っこい性格もいれば、怯えたり、怒ったりする猫もいます。狭い檻で食べ物もなく、弱った猫から選びます。

院生がまず猫に麻酔を注射し、講師の先生2人と院生1人の3人で頭、顎など器具に固定し開頭します。準備ができたら刺激を開始します。
我われ生理学教室の学生(約20人)は4班に分かれて各回交代で実験を手伝います。
4~5人が実験室のドア越しに待機し、心拍数や麻酔投与量、刺激部位や反応を記録し、読み上げて音声をテープに記録するなどを分担します。
麻酔下で行いますが1晩かけて死んでいきます。猫の体力が尽きるまで12~20時間くらいにおよびます。猫のうつろに開かれた半開きの目からは涙が出、弛緩してオシッコも流れます。実験後ゴミ袋に入れられた姿はボロ布のようでした。この動物実験が学生の卒業論文になります。

当時、「どこから入手したのか」とか「どこの猫か」と何度か先生方に訊きました。「その辺の野良猫」との答えでした。だんだん猫の捕獲が難しくなったようで、飼い猫と思われる猫も連れてきたことがあると聞いたこともあります。猫達は動物舎の二重扉の一室で管理され、世話は院生などの学生がやります。ゲージの下は川のように水が流れて排泄物がゲージ内に蓄まらないようになっていました。
動物舎にはその他、犬、ブタ、ウサギ、ラットなどがいるようですが鍵がかかっているため鳴き声しか聞こえませんでした。

現在、相川教授は高齢のため退任し、秋田久直准教授はどこかの愛護団体のバッシングにあったのと猫の入手が難しいらしく、ここ数年はラットで同じことをしています。

私は今、病院の検査技師ですが、間違いなくどれもこれも無意味な死であったと思います。ヒトの解剖を病院実習で見ましたが、その経験だけで十分学べました。ヒトはヒトですし、不必要な実験動物があまりに溢れている現実に愕然とします。
現実は厳しいですが私に出来ることは協力したいと考えております。
JAVAに賛同します。

 

代替法へ転換すべき
動物を用いた実験・実習については、『3つのRの原則』(Replacement:動物を使用しない実験方法への代替 Reduction:実験動物数の削減 Refinement:実験方法の改良により実験動物の苦痛の軽減)の遵守が国際的な流れとなり、ご存知のように、日本でも、『動物の愛護及び管理に関する法律』の6年前の再改正の際、先述の『3つのRの原則』が盛り込まれました。北里大学をはじめ教育機関も例外ではなく、この原則を遵守しなければなりません。
北里大学においても、動物を犠牲にしない方法において研究を実施するよう全力をあげるべきなのです。

内部告発に書かれている実験の多くは、過去に行われたものですが、だからといって許されるものではありません。
特に、電極実験については、動物を猫からラットに変えて、現在も行われ続けているのです。
このようなことから、JAVAは、北里大学に対して、次のことを強く要望しました。

  1.  脳に電極を刺す動物実験をやめること
  2.  現行の動物実験・実習を見直し、動物を犠牲にしない方法を用いるよう、全力で取り組むこと

全く反省のない北里大学
ところが、北里大学からの回答は次のようになんら反省のないものでした。(一部抜粋)

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生物の生命活動を科学的に理解することは、人類や動物の福祉、環境の保全と再生などの多くの課題の解決にとって極めて重要であり、動物実験はそのために必要な、やむを得ない手段であります。本学では、動物実験の計画及び実施に際しては、動物愛護の観点から3Rの原則を遵守しています。

さらに、学生・研究者には授業や教育訓練を通して動物愛護の精神を説き、動物への慈しみと感謝の念を育むようにし、生命科学をこころざす者としての倫理を高めています。実験に供された動物は毎年慰霊祭を開き、供養を奉げています。動物の生命の代償として得られた教育研究の成果は、人類と動物の福祉の向上に最大限活用するよう心しています。
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脳に電極を指すなどという残酷な実験を許可している北里大学の「動物愛護の観点」や「3Rの原則を遵守している」などという言葉や言い訳は、まったく説得力はなく、矛盾しています。
いくら感謝されようが、慰霊祭で供養されようが、実験で虐待、惨殺された動物が救われるわけではありません。
北里大学はホームページに、このJAVAへの回答と同様の内容を掲載し、北里大学における残虐実験に反対の声をあげた多くの市民の怒りをなだめよう、という魂胆がみえみえです。

引き続き抗議の声を!
回答内容に到底納得できないJAVAは、再度、強く抗議しました。
北里大学にこれまで残虐な動物実験を行ってきたことを反省させ、今後、動物を犠牲にしない実習・研究に転換をさえるために、皆さんからも引き続き厳しい抗議をお願いします。

<抗議先>
北里大学 学長:柴 忠義
〒108-8641東京都港区白金5-9-1
TEL:03-5791-6425(法人本部総務部)
e-mail:honbu@kitasato-u.ac.jp(法人本部総務部)

医療衛生学部 医療衛生学部長:石原和彦教授
〒252-0373 神奈川県相模原市南区北里1-15-1
TEL:042-778-9603(総務係)

(JAVA NEWS NO.86より)

伊藤園が動物実験廃止へ

伊藤園、動物使用する実験廃止へ 

【3月24日 AFP】

飲料大手の伊藤園(Ito En)は23日、緑茶や飲料製品の健康への有効性を証明するために行うこともあった動物実験を廃止したと明らかにした。
同社の広報は声明で、動物を使わない実験に切り替えるとコストが増えるかもしれないが、動物保護はいまや世界中の流れとなっていると説明した。

動物保護団体は歓迎している。国際動物愛護団体「動物の倫理的扱いを求める人々の会(People for the Ethical Treatment of Animals、PETA)」は、伊藤園は「健康を看板にしたうたい文句でお茶製品を販促するため、求められていない動物実験をしていた」が、日本の消費財大手としては動物実験を全廃した初の企業だろうと評価し、他社もこの「進歩的な」事例に倣うべきだとの談話を発表した。

食品から化粧品まで消費者製品のほとんどは、人間が使用した場合の安全性を確認するために何らかの試験を行っている。(c)AFP

(AFPBB Newsより)

このニュースについては、JAVAと協力関係にあるPETAアジア支部からJAVAの事務局に一報が入りました。PETAアジア支部は長年、伊藤園に動物実験廃止を働きかけていました。

PETAアジア支部からの通報を受けて、早速、JAVAも伊藤園に対して、独自に事実確認のための質問状の提出や電話での情報収集などを行いました。

●「緑茶や飲料製品の健康への有効性を証明するために行うこともあった動物実験を廃止した」というAFP通信の報道は事実に間違いない。
●伊藤園及び伊藤園グループ全体においての動物実験は、例外なく廃止する。
●廃止実施日は、2010年5月1日より。
●ただし、公的機関が、原や製品の安全性を証明するために動物実験を要請する場合には、第三者機関に依拠する。
●廃止決定について伊藤園自らが公表する予定はない。

今後、場合によっては、動物実験を第三者機関に委託する可能性があるため、手放しで喜ぶことができませんが、伊藤園には委託先に代替法による安全性試験を求めていただきたいと思います。また、今回の廃止決定を広く公表すれば、企業のイメージアップや動物実験をしていない製品を求めている多くの消費者からの支持に繋がるはずであり、記者会見やHPへの掲載などをして、積極的に公表するよう勧めたいものです。
しかしながら、大手企業である伊藤園の「動物実験廃止」決断は、他の日本の飲料メーカーをはじめ、動物実験を続ける企業に一石を投じました。

今後、企業のこういった流れを大きく広めていくため、さらに公的機関を代替法の推進、採用に積極的にさせるためには、「動物実験はやめて」という私たち消費者の声が必要であることは言うまでもありません。これからも、動物実験をしていない製品を企業に求めていきましょう。

(JAVA NEWS NO.84より)

酪農学園大を動物愛護法違反で刑事告発

牛の首を切り、放血させる・・・
酪農学園大を動物愛護法違反で刑事告発
虐殺を全廃させよう!

JAVAでは、2009年7月12日付けで、牛を虐殺している酪農学園大学(北海道)を、動物の愛護及び管理に関する法律(以下、動物愛護法)違反で刑事告発しました。
その件について、7月15日付けの読売新聞 北海道版に記事が掲載されました。記事の内容は次のとおりです。

解剖用牛処分巡り酪農学園大学長告発
東京の団体、地検に

江別市の酪農学園大学が、解剖用の牛を麻酔を使わずに殺処分しているなどとして、動物保護団体「動物実験の廃止を求める会」(本部・東京)が14日、同大の谷山弘行学長を動物愛護法違反容疑で札幌地検に告発したと発表した。同会によると、同大はこれまで、牛の病理解剖や解剖実習などで年間約500頭を使用しているが、麻酔などを使わずに殺処分しており、「動物に苦痛を与えないことを定めた動物愛護法に違反する不正な行為」などと主張している。
これに対し、酪農学園大学学務部は、「告発状を見ておらず、正式なコメントは差し控えるが、動物実験には、規定をそろえて対応している」としている。

(2009年7月15日 読売新聞 北海道版)

酪農学園大学獣医学科では、牛の病理解剖や剖検、解剖実習、殺処分において、鎮静剤(キシラジン)もしくは筋弛緩剤(サクシニルコリン)の接種のみしか行っていない状態、つまり、牛を意識や感覚が明瞭である状態で、学生達が力づくで牛を横倒しにして、押さえつけ、首を切り開き、頚動脈を引っ張り出して切断し、放血(血をすべて流れ出させる)させて殺しています。牛は大変な苦痛と恐怖を味わいながら死んでいくのです。

その他、筋弛緩剤(サクシニルコリン)と獣医用薬品ではない科学実験用の試薬である硫酸マグネシウムを注射し、全身、特に呼吸筋と神経系機能を侵し、窒息死させたり、牛舎や牛の体を消毒するための逆性石鹸「パコマ」を静脈内に投与し、酸素欠乏に陥らせて殺処分する、といった方法も用いられるケースがあるのです。
虐殺の実態は、酪農学園大学の獣医学生など関係者からの内部告発で明らかになりました。その実態は以下のとおり、非常に凄惨です。

筋弛緩剤を頸静脈に打ち、牛が倒れたら「足結び係」が足を結び「放血係」が首を刀で裂き、頚動脈を引き剥がし、鉗子で動脈を挟み、ハサミで切れ込みを入れ、バケツにつながるチューブを動脈内に挿し込み、鉗子をはずし放血をする。 眼瞼反射や肛門反射で死を確認し、足のロープにフックを掛け、吊り上げて体重を量る。解剖室中央に牛を移動させ(天井からフックのついた牛を左右に移動できる機械がある。有線のリモコンで操作。)頭をはずし、また牛を移動させ、台に降ろし、四肢をまずはずし、そのあと「腹出し係」がお腹を刀で裂き、腸、胃、肝臓などを取り出す。 そして「胸出し係」が胸くうを空け、肺と心臓を取り出す。一方では「脳出し係」が脳を出している。 子牛の場合は、ドンと押せば倒れるので、その要領で倒し、足を結び、いきなり刀で首を裂く。時折、子牛を連れてくる研究室の学生がキシラジンを打っていたが、牛の意識ははっきりしていた。子牛の場合はチューブを動脈内に挿しはせず、ズバっと切って血が流れるままにする。動脈は体の深部にあるので、深く切る。殺される牛の中にはそれほど弱っていない牛もいた。その際、牛がモーモー!!!!!!とひどく苦しそうに、大きな叫び声をあげることがあったが、放血を担当していた当時の病理学教室の大学院生がそれに対し、「モーモー!!!!!だってよ、アハハハハ!!」と笑ったこともあり、その光景はまさに地獄絵図のようだった。 まだ鳴いている子牛に先生が近づき、刀で気管を切り裂いたこともあった。

一人の女子学生は、この残酷な殺処分方法に対して、勇気を振り絞り、「せめて麻酔を打って欲しい」と学長に直訴しました。しかし、彼女の訴えを学長は黙殺し、この残酷な方法を続けました。女子学生は、日々、行われる牛の虐殺のことで悩み続け、昨年10月末、首をつり自殺をしたのです。彼女の死後も大学は何ら改善を行っていません。
動物愛護法の第40条第1項において、「動物を殺さなければならない場合には、できる限りその動物に苦痛を与えない方法によってしなければならない」と定められており、同法に基づく「動物の処分方法に関する指針」の第3 処分動物の処分方法においては、「処分方法は、できる限り処分動物に苦痛のない方法を用いて意識喪失の状態にし・・・」とあります。そして、「苦痛」の定義として、肉体的な痛みだけでなく、精神的苦悩、恐怖、不安等も含まれると定められています。
動物愛護法第44条第1項において、みだりに愛護動物を殺すことが禁じられているにも拘らず、酪農学園大学では、年間約500頭にものぼる数の牛が虐殺の犠牲となっているのです。

札幌地検と面談
2009年12月8日、JAVAのスタッフ2人が札幌地方検察庁に出向き、担当検事と主任捜査官と2時間にわたり、酪農学園大学に対する告発の詳細、事実確認などについて面談いたしました。
話し合いの内容の詳細については、現在、告発中で捜査準備段階にあるので、残念ながらお伝えできませんが、JAVAから提出した告発状をはじめ、証拠を確認しながら、今後の進め方についての具体的な話し合いを行ないました。
そして、引き続き連携をとりながら、違法の疑いのある行為には毅然とした姿勢で対応を進めて行くことを確認しました。

国内外からの協力や関係者からの反響が続々
JAVAでは、この酪農学園大学の問題については、国内外に広くその実態を知らせ、大学への働きかけを呼びかけてきました。
それに対し、多くの方々が電話やEメールなどで、大学に改善を求める声を届けてくださったり、獣医学の専門家の方々が意見書を提出してくださったり、動物関係団体が、会報誌への記事掲載やEメールニュースで呼びかけてくださったなど、たくさんのご協力をいただきました。
また、JAVAのホームページ等で、この問題を知った酪農学園大学の卒業生や現役の獣医学生からもコンタクトがあり「卒業生として恥ずかしい」「ここの学生だけれども、知らなかった。改善のためにできる限りのアクションを起こしたい」などの反響が寄せられました。

獣医学会も「無麻酔放血殺は安楽殺ではない」
JAVAでは、(社)日本獣医学会に対しても公開質問状を送り、酪農学園大学の実態を伝え、「日本獣医学会は、無麻酔での放血殺という方法は、安楽殺処置であるとお考えになりますか?」と問うたところ、「安楽殺ではない」と明確な回答をしてきました。(回答書/PDFファイル)
そして、牛及び大動物の安楽死処置としては、「米国獣医学会の安楽死に関する研究会報告にある、バルビツール酸誘導体の投与、全身麻酔下の塩化カリウム投与等の方法が妥当と考える」との見解も示してきました。
つまり、日本の獣医学の最高権威である獣医学会も、「酪農学園大学のとってきた殺処分方法は不適切である」と認めたのです。

酪農学園大学が「原則廃止」を回答。しかし…
JAVAは酪農学園大学を刑事告発するとともに、大学に対して、ありとあらゆる抗議活動を展開し、直接「無麻酔での殺処分の廃止」を繰り返し求めてきました。その結果、酪農学園大学は、無麻酔下で殺処分を行ってきたことを認め、「昨年4月の動物の安楽死に関する指針制定とともに原則廃止した」とJAVAに回答してきました。
この大学の決定は、日本全国、そして海外からも多くの抗議や批判の声が寄せられた結果と考え、一応の成果ではありますが、JAVAでは決して楽観できないと考えています。
それというのは、酪農学園大学は、無麻酔下の放血殺が不適切であったとは、いまだに認めず、「無麻酔での殺処分は今後二度と行わない」との確約をしようとしないのです。
しかも、実際、麻酔使用を開始した研究室もありますが、まだ、無麻酔での殺処分を実施している研究室がある疑いは晴れてはいません。

酪農学園大学が「無麻酔の殺処分が虐殺であり、不適切であった」と真摯に認めて、「いかなる場合においても、二度と実施しない」と確約するまで、追及の手を緩めることはできません。完全廃止、全廃を実行させるため、引き続き、皆様の声を届けてください。

【酪農学園大学】
学長:谷山弘行
〒069-8501 北海道江別市文京台緑町582番地
TEL:011-386-1111(代表)
FAX:011-386-1214(代表)
E-mail:koho@rakuno.ac.jp(広報)

獣医学教育に動物の犠牲はいらない
~獣医学専門家の見解~

酪農学園大学の牛の虐殺の問題については、JAVAは、日本にとどまらず、海外にも情報を発信していました。日本の獣医大学でも動物の犠牲のない教育プログラムを実現させるために、代替法教育の専門家の協力を強く求めました。
その要請に対し、BUAV(英国動物実験廃止連盟)が、カリフォルニア大学デイビス校の獣医学名誉教授 Nedim C.Buyukmihci 博士を紹介してくれました。博士はBUAVのコンサルタントをされています。
博士はJAVAへの協力を快諾くださり、酪農学園大学や関係機関に対し、酪農学園大学の方法を批判し、代替法による教育を求める意見書を送ってくださいました。
また、米国の動物福祉のために活動する獣医学の専門家団体Humane Society Veterinary Medical Association(HSVMA)も酪農学園大学に対し同様の意見書を提出してくれました。

■カリフォルニア大学のBuyukmihci博士から酪農学園大学長あての意見書 (PDFファイル)

■HSVMAのKrebsbach博士から酪農学園大学長あての意見書 (PDFファイル)

※どちらもとても参考になりますので、ぜひご一読ください。

(JAVA NEWS No.83&84より)

中学校でマウスの解剖を強行実施

中学校でマウスの解剖を強行実施
二度と行わないよう廃止を求めよう!

解剖実習を行なう学校が徐々に減ってきている中、2月、ある学校がマウスの解剖を実施しました。

JAVAでは、解剖を嫌がっている生徒たちの気持ちを伝え、中止要請をしていましたが、学校は解剖を強行したのです。さらに、いまだ、「今後は廃止する」との決定もしていません。


「解剖はイヤ!」
生徒の気持ちを無視し、学校は解剖を強制

その学校とは、神奈川県にある中高一貫教育を行なう自修館中等教育学校(以下、自修館中学)。3年生の生徒や保護者の方々より、生物の授業でマウスの解剖が行なわれるという内部告発がJAVAに入りました。
生徒たちは、「解剖をしたくない。でも、これからも学校にいることを考えると、無理して受けるしかない…」ととても苦しみ、悩んでいました。
JAVAでは早速、学校に中止を働きかけましたが、その直後の2月18日、学校は解剖を強行したのです。

【自修館中学における解剖実習の現状】

  •  マウスの解剖は、中学3年生の生物の授業で行なわれた。
  •  生徒たちは教師から生きたマウスを渡され、そのマウスを殺し、解剖させられた。
  •  殺し方は、生徒たちがマウスの首をおさえ、尻尾を引っ張り、頸椎を脱臼させる方法。
  •  2年前、フナの解剖もさせられている。
  • 多くの生徒たちが解剖を嫌がっていたが、成績への影響や学校に居づらくなるのではないか、などの恐怖心から拒否できなかった。

JAVAが即、解剖を強行したことを抗議したところ、自修館中学は、「神奈川県に問い合わせたが、解剖は禁止されていないとのことだった」「どうしても嫌な生徒は授業に出なくても良いと話した。強制はしていない」といった言い訳をしました。さらに、今後の方針についても、「生徒の気持ち、学習能力をのばすこと、生命尊重などを総合的に考えて、どうすべきか検討する」に留め、すぐに廃止を決定しようとすらしないのです。

解剖はいまや時代遅れ
すぐにでも廃止できる

たしかに解剖実習は法律で禁止はされていません。しかし、義務付けもされていないのです。つまり、学校の判断次第ですぐにでも廃止できるのです。
それどころか、解剖実習を含め、動物を使った実験・実習については、『3つのRの原則』(Replacement:動物を使用しない実験方法への代替 Reduction:実験動物数の削減 Refinement:実験方法の改良により実験動物の苦痛の軽減)の遵守が国際的な流れとなっていて、学校などの教育機関も例外ではありません。日本でも、『動物の愛護および管理に関する法律』(以下、動物愛護法)の5年前の再改正の際、この『3つのRの原則』が盛り込まれました。つまり、この原則に反してフナやマウスの解剖を実施している自修館中学は、動物愛護法に抵触する行為を行ったと言っても過言ではないのです。
中等教育における解剖実習に関する見解について、JAVAが文部科学省に問合せたところ、『最近は、解剖実習ではなく、有効なビデオ教材などを使って命の大切さを指導するという傾向になっている。動物の解剖を実施する学校は、全国的に減少してきている』との見解でした。

欧米では、大学の獣医学部や医学部においてさえ、「動物を殺す非人道的な教育を拒否する権利」を多くの学生たちが主張し始めた結果、動物実験を廃止して代替法を用いる学校が急増し、実際、アメリカでは、大学の獣医学部の60%以上、医学部の80%以上が動物実験をしないで卒業できるようになっています。また、学校での生きた動物の解剖実習を法律で禁止している国もあるほどです。

解剖=動物虐殺
生徒たちへの強制=教育的暴力

学校側の説明は、「嫌なら授業に出なくてもよいと生徒に話した」でした。しかし実際は、「どうしても耐えられなくなったら、解剖をしている教室から出て行っても良い」という指示であって、「授業に出なくても良い」ということではなかったことが生徒や保護者たちからの報告で判明しています。
たとえ、「授業に出なくても良い」と言われていたとしても、授業に出ることを拒否できる生徒がいるはずはありません。「先生に嫌われたらいづらくなる」「成績に響くかもしれない」といった恐怖心を抱くのが当然です。生徒たちは嫌でも授業に出たことでしょう。もし、率直な気持ちを先生に伝えることができる教師との信頼関係があるならば、生徒や保護者の方々が第三者であるJAVAに通報をしてくる必要はなかったはずなのです。

命ある生きた動物たちを、人間の好奇心を充たすための道具として、まるで機械の構造でも調べるかのように、殺し、内臓を見たり、取り出すといった行ないは、残酷極まりなく、教育の名を借りた一種の犯罪行為と言えるのでしょう。それを生徒たちに強制するということがどういうことなのか、そして、どれだけ生徒たちの心に悪影響を与えるか考えた場合、到底解剖実習などできるはずがありません。
今回の自修館中学の行為は、中学という人間形成にとって最も重要な時期の教育を担う教育者の自覚を欠いており、決して見過ごせるものではありません。

殺すことで「命の大切さ」は学べない

文部科学省の学習指導要領によると、生物の授業には、「生命を尊重する態度を育てる」といった目的も含まれています。実際、この学校の校長も「命の大切さは、私たちが一番教えたいことでもある」と発言しました。
それなら、なぜ解剖を行うのでしょうか。生き物を殺して、解剖して命の大切さがわかるでしょうか!?

解剖実習がきっかけになって、小動物への虐待行為、さらには人間に対する犯罪へとエスカレートする危険性は多いにあり、「自分さえよければ、他者には何をやっても良い。特に弱者は刃向かってこないからやりたい放題できる」などといった自己中心の身勝手な考えを正当化させる可能性もあります。教育での、「観察する」「しくみを調べる」ことの大切さを否定するつもりはありませんが、それは、痛みのともなわない、機械やモノに対してのみ許される行為です。

生徒のことを考えるのなら「代替法」で学ばせるべき

生き物の体の仕組みを学ばせる方法には、動物を使わなくても、コンピューターを使用した学習法、ビデオ、3Dの模型など様々あります。そのような方法を用いれば、解剖の過程を何回でも繰り返しでき、また生徒一人一人が自分のペースで解剖を行なうことができるなど、多くのメリットがあります。
そして、解剖を行った生徒と代替法で学んだ生徒では、その知識に差はない、もしくは、代替法で学んだ生徒の方が優秀であったことが、数多くの研究で証明され、「The American Biology Teacher」などに論文も発表されています。
つまり、学校側が、真剣に生徒たちに生き物の体の仕組みを学ばせ、知識を身に付けさせたいと考えているのであれば、こういった代替法を用いるべきなのです。

自修館中学が、今後も解剖実習を続けていけば、さらに多くのフナやマウスが殺され、これからも生徒たちの心も傷つけることになります。これ以上、生き物の命や生徒たちの心を犠牲にしないために、二度と解剖を行わないよう、解剖実習の廃止を要望してください。

<要望先>
自修館中等教育学校
学校長 安井正浩
〒259-1185 神奈川県伊勢原市見附島411番地
TEL:0463-97-2100
FAX:0463-97-2200
Eメールアドレス: 公開されていません

(JAVA NEWS NO.84より)

日本で生まれた感作性試験代替法<h-CLAT>

JaCVAM第3回ワークショップ h-CLATシンポジウム
-日本で生まれた感作性試験代替法の概要とその応用-

2010年1月20日 国立医薬品食品衛生研究所

感作性試験とは、動物実験が求められる場合の毒性試験のひとつで、皮膚アレルギーを調べるものである。接触によって皮膚アレルギーの原因となるのは、化粧品や香水といった香粧品、ニッケルやプラチナ等の金属、漆などが多いと言われている。
現在、感作性試験の代替法としては、LLNA法(マウス局所リンパ節増殖試験/マウスの耳に試験物質を塗布)が、2002年OECDのガイドラインに収載されている。従来のモルモットの皮膚に試験物質を塗布する実験より、短期間で実施出来ることや、動物福祉の面からは動物の外傷や使用数を少なく出来るといった利点があり、世界の規制当局に受け入れられている。しかし日本ではまだまだ認められていないと聞く。

h-CLAT(human Cell Line Activation Test/エイチクラット)は、花王、資生堂を中心に多くのメーカーが協力しあって、7年間に亘って研究開発がされてきた。その研究については早くから代替法学会等で報告を聞く機会が私たち市民にもあった。特筆すべきは、LLNA法のようなReduction、Refinementではなく、Replacementであることだ。ヒトの培養細胞であるTHP-1(ヒト単球由来株化細胞)を使用し動物は犠牲にしない方法である。また、日本で開発されたという点も非常に心強く、ぜひOECDのガイドラインに収載され世界に広まってほしいと思う。

今回は、今までの研究を総括した発表がされた。下記プログラムをご覧いただければわかるが、複数の大手メーカーが共同研究を行っている。これは海外ではあまり見られないことで、日本の良い特徴だそうだ。

  • 試験の原理と概要(花王) 
  • 具体的試験法(資生堂) 
  • 施設間再現性(ポーラ化成工業) 
  • 細胞選択条件(カネボウ化粧品) 
  • 血清選択条件(資生堂) 
  • 細胞培養条件(ライオン) 
  • 香料の評価(コーセー) 
  • 防腐剤の評価(花王) 
  • 染毛剤の評価(日本メナード化粧品) 

総括としては、それぞれの研究から施設間再現性の良好、LLNA法との高い一致性などが導き出され、h-CLATは感作性試験の代替法として有用であることが示唆されたとの報告だった。しかし、疑陰性を示すことがあると、OECDでは第二段階のスクリーニング法とされる可能性も高く、結局、h-CLATの後にLLNA法を行うことになりかねないとの危惧も聞かれた。次の段階としては、今年の7月から公的機関によるバリデーション(妥当性評価)を開始、また、ECVAM(欧州代替法評価センター)がコーディネイトするバリデーションも行っていくとのこと。それでも実用化されるには、早くても3年はかかるようだ。

代替法学会と比べると、各発表の後には活発かつ具体的な質疑応答がなされ、研究者やメーカーからのh-CLATの実用に向けた意気込みや期待が感じられた。シンポジウムに参加すると、専門的なことはほとんどわからないのだが、ひとつの確立した試験法を研究開発することの大変さを垣間見ることが出来る。高齢の研究者はじめ、まだまだ動物実験を求める声もあるそうだが、私たち市民もどのような研究がなされているのか知る努力をして、代替法開発をさらに応援していく必要がある。

※3Rの原則
Replacement:動物を使用しない方法への置き換え
Reduction:動物使用数の削減
Refinement:動物の苦痛の軽減

(JAVA NEWS No.84より)

日本動物実験代替法学会第22回大会報告

第22回日本動物実験代替法学会学術大会報告

 2009年11月13日~15日 大阪大学

毎年開催されている大会で、今回は5つのシンポジウムと口頭発表、インターナショナルセッション、チャレンジコンテスト、市民講座、ポスター発表というプログラムだった。

●NEDOプロジェクトによる化学物質の短期in vitro試験法の開発
NEDOとは、新エネルギー・産業技術総合開発機構のことで、経済産業省の外郭研究開発機関である。一般工業用化学物質の管理に関しての国際動向からは「迅速で安価な手法」「3Rs精神の拡張として、種差等の問題をはらむ動物実験に依存してきた毒性学からの転換」が求められていることから、有害性情報の収集についての短期in vitro有害性評価研究を推進している。そして技術体系を構築して国際標準とすることを目指すプロジェクトだ。発ガン性、免疫毒性、発生毒性に関する4つの研究発表がされた。

●ES、iPSを使用した代替法研究(日本組織培養学会共催)
ES細胞(胚性幹細胞)とiPS細胞(人工多能性幹細胞)は、共に様々な臓器や組織の細胞に分化する能力を持っていることから、再生医療に役立つとして非常に注目されている。細胞の品質や分化などにまだ問題はあるが、代替法にも応用できるものとして研究が増加しているようで、9つもの発表が行われた。創薬における薬効や副作用の判定、薬剤の発生毒性評価、化学物質の発生毒性試験、医療機器や生薬品質評価など様々な研究があった。

●医薬品開発と3Rs
「ひとつの新薬開発には150~300億円の費用と15~20年の歳月がかかるが、医薬品となる確率は0.005%といわれる。そのため開発初期から成功確率の高いものを選別する必要があり、効率的な開発は3Rsの追求が鍵になる」との話がまずなされ、続いて肝細胞を用いた毒性・薬効評価試験やin sillico(コンピーターシミュレーション)を利用した毒性評価について発表がされた。

●実験動物学協会から見た動物実験代替法
動物実験を擁護する立場から、「動物実験は必要不可欠」「動物福祉には十分留意している」とした3つの発表がされた。動物実験技術者からは、研究者ではなく実験動物施設や環境を手がける立場からすれば、3RsのRefinementのみが課題となるという内容だった。実験動物学会ではないのであるから、動物実験を擁護せざるを得ない人々をこの学会に招く意味があるのか疑問を感じるシンポジウムだった。

●第1回マンダム動物実験代替法国際研究助成 研究報告会
2008年に化粧品メーカーの株式会社マンダムによる「動物実験代替法に関する研究」への助成金交付を受けた、4つの研究報告がされた。選考基準に「特にReplacementに着目した研究テーマ(助成金にて動物実験を一切行わない)」とあり、志の高い助成で私たちも注目している。マンダムからの「動物実験が出来ないことはある意味、産業の発展をとめていることにもなるが、良い代替法が出来て世界の産業を発展させたい。」との話には、そういった姿勢が感じられた。残念だったのは、実験動物への麻酔の影響に関する研究を発表した東海大学医学部から「マンダムの助成金では動物実験が出来ないので、他の資金で比較するための動物実験を行った」と報告されたことだ。また、大阪大学・黒澤教授の発表では、「安全性評価にはたくさん動物が使われていて何とかしたいとの思いで、ES/iPS細胞による代替法研究に取り組んだ」と嬉しい言葉を聞いたが、最後に「資金が尽きたので動物実験に戻る」とおどけて発言したことには心底がっかりした。

●第3回チャレンジコンテスト
・貝で調べよう(小学生による水質実験)
・カタツムリを用いたカルシウム形成研究の提案(高校生による宇宙での微小重力下におけるカルシウム形成実験)
全国の小中高生から動物実験の代替法に関する自由な発想によるツール、試験方法、解析法、アイデア等を募集し発表してもらうという催しだが、第1回、2回に引き続き、残念ながら行われた動物実験の発表がされた。この企画自体に無理があると思われる。


今大会は、日本実験動物学会の評議員でもある大阪大学の黒澤教授が大会長として開催された。氏は、「動物実験は必要である」との立場をはっきり表明しており、3RsのRefinementこそが代替法と言わんばかりだ。大会開催挨拶文にも「本会は動物実験が必要であるとする動物実験擁護の立場をとらざるを得ない学術団体である。」と記している代替法学会が動物実験擁護であるならば、国際社会に認められる代替法が生み出せるわけもない。力のある研究者、偏った研究者によって学会の方向が決められないよう、JAVAや市民から「Replacementを目指すべき」と常に、そして強く提言していかなければならない。

(JAVA NEWS No.84より)

 

動物実験第三者評価制度を検証

第三者認証制度は動物を救わない
―HS財団の動物実験第三者評価制度を検証する―

財団法人ヒューマンサイエンス振興財団(HS財団)が、2008年4月、「動物実験実施施設検証センター」を設立し、7月から動物実験の第三者評価制度をスタートさせました。JAVAは、現在、日本で進められている第三者評価・認証制度について、2月開催のWC6フォローアップシンポジウムの講演で、動物実験廃止の妨げになるとして反対の立場を明確にしました。
ここでは、HS財団を例にとり、改めてこの制度の問題点を検証していきます。

検証1 この制度は、動物実験が支障なく行われるための制度である
2004年、日本の科学者の代表機関である日本学術会議は、「動物実験に対する反対運動は根強い(中略)動物を用いた研究が適正に、かつ支障なく実施されるためには、研究の意義と実施状況が広く社会に認識、理解され、動物実験に関する社会的合意が形成されることが必要」として、その具体策として「国内で統一された動物実験ガイドライン制定とその実効を担保するための第三者評価システムの構築」を提言し、「動物愛護法」が改正された後では国内統一ガイドラインを制定しました。このガイドラインの制定と前後して、各省庁も、動物実験が支障なく行われるようにと、自ら指針を作成しています。このように産官学が連携して動物実験を守るスタンスを取り始め、HS財団の第三者評価制度はこの流れのなかで出てきたものであることを踏まえなければなりません。

検証2 この制度は当事者に都合よく作られた制度である
2007年に発足したHS財団の第三者評価準備委員会は、下記の一覧のとおり製薬企業、大学、その他の研究機関で動物実験に深く関わってきた人たちで構成され、3ヶ月間にわずか5回の会合で内容が決められ、この制度が始まりました。つまり、始めから動物愛護のためでなく、動物実験を社会からガードするために作られた制度なのです。

検証3 HS財団は厚生労働省の天下り先である
そもそもHS財団がどのような組織かというと、研究資源の供給や、創薬の研究開発支援などを行っている厚生労働省所管の公益法人です。そして、この財団には厚生労働省の役職を退官後に役員として天下った理事が数多く存在しています。「天下り」は日本で長らく社会問題となっていますが、HS財団も、国の補助金、委託費を仲介して研究機関に交付する「トンネル法人」と批判され、税金の無駄使いが指摘されてきました。つまり、国が研究機関に直接交付する場合より公益法人の管理・人件費(天下った役人の給料)などが上乗せされ、コストが余計にかかることになるという指摘です。

検証4 評価の対象は多額の会費を納める企業である
HS財団は会員制で、多額の会費(入会費100万円、年会費最低80万円)を納める賛助会員の半数が製薬工業協会加盟の製薬企業です。このように多額の会費を納めている賛助会員である製薬企業に対してHS財団が正当かつ公正な評価をすることは期待できず、形式的な評価で認定証を与えることが容易に想定できます(一度認定証を与えたら3年間はノーチェックです)。また、この制度に対しては業界内部でも「仲間内の認証となり意味がない」「とりあえず体面的な制度を作ればよいと考えたり、自分たちの天下り先を求める人たちによって推進されている」といった批判の声があります。

検証5 この制度は、「適正な」動物実験を補強するものである
この第三者評価の流れは「この研究機関は『適正な自主管理によって』『適正な動物実験を行っている』ので、認定証を出します」という流れになることがおわかりいただけるでしょう。
こうして認定された企業や大学が「第三者機関の認証を受けています」「動物に優しい機関です」と宣伝すれば、市民の動物実験に対する抗議のレベルを弱めることができる、と考えているのです。
この制度で公開される情報はあくまで、「自主管理に関する自己評価結果」です。どんな動物が、どんな実験に、どのような形で使われ、どのような形で処分されていくのか―実験動物たちの置かれている現状が公開されるわけではないのです。
HS財団の第三者評価制度は、徹底して「自主管理」を主張し続けてきた研究者が、「どうすれば動物実験を守れるか」「どうすれば動物実験がもっとやりやすくなるか?」と考えた末にできあがった制度なのです。
JAVAは、研究者側が言う「動物実験の規制」は、抗議運動を鎮めるためのものであって、動物を救うことや動物実験廃止にはまったく役に立たないとして反対してきました。我々は、何が本当に動物たちのためになるのかを見抜く力を身につけ、動物たちの置かれている現状や、動物実験の実態を知らせていく活動を広げていかねばなりません。

(JAVA NEWS NO.82より)

代替法学会は名ばかりか?動物実験の擁護に終始する体たらく

代替法学会は名ばかりか?
動物実験の擁護に終始する体たらく

2008年10月、東京で日本動物実験代替法学会主催の「第2回動物実験代替法チャレンジコンテスト―教育現場における動物実験と3Rsの啓発-」が開催された。

第一部が、メインテーマの小中高生による「動物実験代替法チャレンジコンテスト」であった。これは、動物実験や代替法に関する意見や具体的な代替法について、学生達が応募した作品を発表する場であった。ところが、発表はただ一人で、しかも、その学生の発表内容は、「学校でラットの解剖をすることで命の大切さを実感した」というものだった。
まがりなりにも「代替法」と命名されている学会の主催するシンポジウムとしては不適切。そして、この唯一の発表者が表彰され、表彰式では、日本動物実験代替法学会の会長が、動物の解剖実習を肯定する発言まであった。いったい教師(代替法学会所属)とシンポジウムの主催者は何を考えているのか。

続く第二部と第三部では、教育現場における動物実験や3sRについて、日本動物実験代替法学会に所属する薬学部教授や高校教諭、獣医学部淮教授などによる発表やパネルディスカッションが行われた。しかし、その場でも、「動物実験に反対するならば、人間 は死ななければならないかもしれない」「生命現象を学ぶためには解剖実習が不可欠である」「自治体で殺処分された犬猫の死体を実験用に提供するよう求めたが断られている」といった驚くべき発言が相次いだ。JAVAの「命を奪うことでは、その大切さは学べない」「代替法のシンポジウムなのに動物実験が必要という発表ばかりで納得できない。趣旨が違う」などの強い批判に対し、言い訳の返答に終始した。

今回の企画、そして日本動物実験代替法学会の現状には疑問を持たざるを得ない。本当の意味での代替・Replacementこそが、代替法学会の目指す道なのだということを、JAVAは厳しく指摘していく、それこそが、JAVAがこの学会の会員となっている意義である。

(JAVA NEWS No.82より)

世界最大の実験用マーモセットの繁殖施設建設を撤回させる

世界最大の実験用マーモセットの繁殖施設
JAVA、建設計画を撤回させる!

2008年3月、「沖縄県金武町が、2,000頭もの実験用マーモセットを飼育し、繁殖、販売をする施設の建設を計画している」と地元新聞が報じました。

金武町は、この計画を25人の雇用や、年間4億5,000万円以上の収益など、町の活性化や経済効果をかなり期待して、町長、町議会が一丸となって押し進めていることが判明しました。この計画を中止させるには、ただ動物実験の実態や残酷性を訴えるだけでは無理であることから、JAVAは、町が期待しているほどマーモセットの需要は無く、経済効果は見込めないことをデータによって示さなければならないと考え、協力関係にある英国、米国の動物保護団体に情報提供や意見を求めました。
そして、金武町と金武町が事業実施の相談をしている北部広域市町村圏事務組合に対し、この計画について、以下の6点の問題点やデメリットを指摘し、計画の撤回を求めました。 

1)動物実験は大変残酷な行為であり、国内外で動物実験反対の機運が高まっている。
動物実験については3Rの原則の遵守が国際的な流れとなり、日本においても「動物愛護法」にこの原則が取り入れられている。また、OECDなどの安全性ガイドラインにおいても、動物実験を外して代替法を取り入れる努力が進められたり、代替法評価機関が欧米に続いて日本にも設立されるなど、世界的な規模で動物実験に反対する動き、代替法を推進する動きが高まるなか、この計画は時代の流れに逆行するものである。

2)特に霊長類の実験使用に対して強い批判がある。
ニュージーランド、英国をはじめ、大型類人猿の実験使用を禁止している国がいくつもある。また、日本でも侵襲的実験は行っていない。その他、2005年の「ベルリン宣言」、2007年の欧州会議における「0040/2007宣言」の採択などからわかるように、いまや科学者、動物保護団体、議会などあらゆるところから、霊長類の実験反対の声が上がる時代である。マーモセットについては、2002年、英国ケンブリッジ大学でのマーモセットを使った残酷な実験の実態が、同国の動物保護団体BUAVによって明らかにされ、国内外からの抗議が殺到し、実験施設増設計画が中止となったケースがある。

3)期待されている経済効果は見込めない。
施設の運営主体となる、実験動物の生産販売会社・日本クレアは、4億5,000万円の収益が見込めるとか、日本国内や欧州で年間2,000頭以上、米国で年間1万頭以上の市場が期待できるなどの経済効果を金武町に提示した。しかし、マーモセットの繁殖はわりと容易であり、欧米ではマーモセットは不足しておらず、欧州ではEUやETS123(実験その他の科学目的に使用される脊椎動物の保護のための欧州協定)加盟国以外からの輸入はほとんどなく、米国では年間275~375頭にとどまっている。日本でもマーモセットの使用数は多く見積もっても400頭であることなどから、日本クレアが提示した経済効果は見込めない。この建設計画を進めたならば、町に莫大な経済損失が発生することは必至である。

4)周辺や自然環境を汚染する恐れがある。
1998年、フランス・ホルツハイムにおいて、実験用サルの飼育施設建設計画が立てられたが、動物実験への反対感情だけではなく、新しいウィルスへの脅威や、排泄物などによる地下水などへの環境汚染の危険性から、大きな反対運動が起こり、建設計画が中止になった。
2,000頭ものマーモセットの飼育を行えば、常に環境汚染の危険性がある。金武町は豊かな自然を有するところであり、環境汚染は、観光産業に大打撃を与えかねない。

5)日本クレアが撤退した場合、町は、残されたマーモセットの飼育とその飼育費用に膨大な負担を負うことになる。
1997年、動物用医薬品メーカー・ブルー十字血液センターが、実験用犬猫440頭を残し倒産したケースがある。このときは、犬猫であったため、地元動物保護団体が救出し、新しい飼い主を見つけることができた。しかし、マーモセットの場合、一般家庭への譲渡はまず不可能。
現に、チンパンジーについては、日本では、侵襲的実験が廃絶となったため、残されたチンパンジーたちは、製薬会社・三和科学研究所が引き取り、飼育を続けているが(2007年4月より運営が京都大学霊長類研究所に移管され、サンクチュアリになっている)、年間維持費が2億5,000万円にのぼると報道されている。
万が一、日本クレアがマーモセットを残して撤退した場合、金武町がその飼育をすることになる。マーモセットは寿命が15~20年と長く、管理費や人件費に莫大な費用がかかることは容易に推測できる。

6)動物実験に加担すれば、金武町のイメージダウンになる。
動物実験対する批判は国内外で高まっており、それに加担すれば、金武町のイメージダウンは必至で、金武町の主産業である観光へのダメージは計り知れない。

JAVAが問題点を指摘し、その計画の白紙撤回を求めて約1ヶ月後、北部広域市町村圏事務組合から「JAVAからの指摘は当組合でも懸念していることであり、実施は不可能と考えている」との回答がありました。
その後、金武町長から「計画を断念する」旨の回答がありました。JAVAは、この計画が撤回されなければ、世界各国の動物保護団体に呼びかけ、大規模な反対キャンペーンを展開する覚悟で臨み、その決意を金武町にも伝えていました。そして、計画が撤回され、多くのマーモセットの犠牲を出さずにすんだのです。協力してくれた海外の動物保護団体から、喜びや賛辞のメッセージが届きました。動物実験をなくすために、今回のような動物実験をサポートするような計画には、今後も強い反対の姿勢を示していかなければなりません。

(JAVA NEWS NO.82より)

学校での解剖、JAVAの問題指摘後、3校が中止に!

<教育プロジェクト>

いまだ続けられている学校での解剖
JAVAの問題指摘を受け入れ、3校が中止決定!

学校での解剖実習は、以前より減ってきたとはいうものの、まだまだ続けている学校があります。解剖を行おうとする教師たちは「生き物を解剖させて、生徒に命の尊さを学ばせる」と主張しますが、動物を殺して、切り刻んだりしても命の大切さを知ることなどできません。

先日も、中学生がハクチョウを撲殺するといった許し難い事件が発生しました。命の教育の重要性が叫ばれる今、JAVAに3つの学校の解剖に関する通報が相次いで寄せられました。JAVAは学校に対し中止するよう、強い態度で臨み、その結果、3校全てが解剖を中止しました。

【1】高校の文化祭で鶏の死体の解剖
ある県立高校の生徒さんたちから、「文化祭で科学部が鶏の死体を解剖する予定です。抗議しに行ったのですが、先生が聞く耳を全くもってくれません。どうかJAVAからも中止するよう要請してもらえませんでしょうか。」といった通報が入りました。

【2】中学一年生の理科の授業でネズミの解剖
ある私立中学校でネズミの解剖が毎年行なわれているという通報が生徒さんたちや保護者の方たちから入りました。 詳しくは以下の通りです。

  •  解剖は、中学一年生の「理科Ⅱ」の授業で毎年3月に行なわれている。
  •  教諭がネズミを薬で殺して、生徒4人に1匹のネズミが渡される。
  •  生徒たちがネズミのお腹を切り、各臓器の位置や形の確認、肋骨を切り取り、心臓の確認、小腸の長さの計測などを行う。
  • 一クラスが約35名なので、一クラスで約10匹殺す。一学年は6~7クラスなので、合計約6~70匹のネズミが毎年殺されている。
  • 教科書に「解剖」についての記載はない。生物の教諭たちの「人体のしくみの学習の一環なので、哺乳類を解剖しないといけない」という考えで行なっている。
  • 解剖には、「命の大切さを教える」という目的もある。
  • 泣き出す女子生徒も多数いる。
  • 解剖を強制され、解剖以外の方法はまったく提示されなかった。必修科目であり、皆、単位のことが心配であることから、休んだり、ボイコットすることができなかった。

【3】女子高の生物の授業でブタの眼球の解剖
ある県立女子高校でブタの眼球の解剖が行なわれるという、次のような通報が保護者の方たちから入りました。

  •  解剖は生物の時間に行なわれる。
  • ブタの眼球を使い、生徒たちが解剖する。
  • 「生き物の体の器官を調べ、命の大切さを教えるため」と学校は主張している。
  • 解剖をすることを嫌がっている生徒が多数いる。
  • 心を痛めている生徒がいるのに、学校は気づいておらず、また、知ろうともしていない。

解剖は国際的な流れに逆行している
動物を使った実験・実習については、『3つのRの原則』(Replacement:動物を使用しない実験方法への代替 Reduction:実験動物数の削減 Refinement:実験方法の改良により実験動物の苦痛の軽減)の遵守が国際的な流れとなっていて、学校などの教育機関も例外ではありません。
中等教育における解剖実習に関する見解について、JAVAが文部科学省に問合せたところ、『最近は、解剖実習ではなく、有効なビデオ教材などを使って命の大切さを指導するという傾向になっている。動物の解剖を実施する学校は、全国的に減少してきている』との見解でした。また、教育課程の変更にともない、中学校の学習指導要領には、「解剖」という言葉はなくなっています。このような改善がなされてきたのも、「生命尊重の観点からみると、生命をモノとして扱う解剖実習が、青少年にとって好ましくない」という認識が浸透してきた結果と言えます。
欧米では、大学の獣医学部や医学部においてさえ、「動物を殺す非人道的な教育を拒否する権利」を多くの学生たちが主張し始めた結果、動物実験を廃止して代替法を用いる学校が急増し、実際、アメリカでは、大学の獣医学部の60%以上、医学部の80%以上が動物実験をしないで卒業できるようになっています。
また、初等中等教育での生きた動物の解剖実習や、大学以下の学校での動物の死体の解剖を禁止している国もあるほどです。

死体の解剖にも、大きな問題がある
「死体なら、殺すわけではないので問題ないのではないか?」「ブタの眼球の解剖は、食べるために殺した動物を、食べるだけでなく解剖材料としても有効利用している」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、いくら死体であっても、小中高校生という多感な時期の生徒に生き物の体を切り刻むという行為はさせるべきではないでしょう。また、生徒たちがやりたくないと思うのは当然の感覚ではないでしょうか。

98年に東大阪市の小学校の教諭が交通事故死した猫の死体を学校に持ち帰り、児童の前で解剖を行ったという問題がありました。泣き出したり、気分を悪くしたりする児童もいて、保護者が市の教育委員会に抗議をし、大きく報道されました。報道で知ったJAVAも教育委員会に要望書を提出しました。
そして、教育委員会からは、「たとえ死体であっても児童の前で解剖するという行為は許されるべきではない。厳しく対処する」と回答がありました。

児童や生徒が事故死した動物を発見した場合には、解剖の対象として見るのではなく、命あったものとして、慈しみ、埋葬するなどの優しい対応をしてくれることを期待せずにはいられません。
命の大切さは、モノのように動物を切り刻むことでわかるものではなく、保護したり、愛情を持って育てること、またその過程を経て死を受け入れることで学ぶものと考えます。

 解剖は、生徒の心を蝕む
3校のケースに共通することは、いずれも解剖を嫌がっている生徒がいるという点です。そういった生徒たちの意思など無視して、「人体のしくみの学習の一環なので、哺乳類を解剖しないといけない」「生きた動物を解剖することで命の大切さも学べる」という歪曲した考え方によって、解剖を強制しているのです。

このようなことは中学・高校という人間形成にとって最も重要な時期の教育を担う教育者の自覚を欠いており、到底、見過ごせるものではありません。

命ある生きた動物たちや、かつて命あった動物の死体を、人間の好奇心を充たすための道具として、まるで機械の構造でも調べるかのように、殺し、内臓を見たり、取り出すといった行ないは、残酷極まりなく、教育の名を借りた一種の犯罪行為と言えるのでしょう。それを生徒たちに強制するということがどういうことなのか、そして、どれだけ生徒たちの心に悪影響を与えるか考えた場合、到底解剖実習などできるはずがありません。さらに、解剖実習がきっかけになって、小動物への虐待行為、さらには人間に対する犯罪へとエスカレートする危険性は多いにあり、「自分さえよければ、他者には何をやっても良い。特に弱者は刃向かってこないからやりたい放題できる」などといった自己中心の身勝手な考えを正当化させる可能性もあります。
教育において、「観察する」「しくみを調べる」ことの大切さを否定するつもりはありませんが、それは、痛みのともなわない、機械やモノに対してのみ許される行為です。

命の犠牲がなく、知識も身につく「代替法」がある
生き物の体の仕組みを学ぶ方法には、生体や死体を解剖する以外にも、コンピューターを使用した学習法、ビデオ、3Dの模型など様々あります。

そのような代替法を使用すれば、解剖の過程を何回でも繰り返しでき、また生徒一人一人が自分のペースで解剖を行なうことができるなど、多くのメリットがあります。
そして、解剖を行った生徒と代替法で学んだ生徒では、その知識に差はない、もしくは、代替法で学んだ生徒の方が優秀であったことが、数多くの研究で証明され、論文も発表されています。
つまり、学校側が、生徒たちに生き物の体の仕組みを学ばせ、知識を身に付けさせたいと真剣に考えているのであれば、こういった代替法を用いるべきなのです。

3校の解剖、中止となる!
このようなことから、JAVAは、3校の校長に対し、上記のような命を犠牲にする教育の問題点を指摘し、解剖を行わないことを強く求めました。
後日、3校からは、「解剖は実施しない」旨の回答がありました。

(JAVA NEWS No.81より)

第三者認証制度は実験動物を救えない

「第三者認証制度は動物を救えない」JAVAが警鐘

WC6フォローアップシンポジウム「3Rsに基づく動物実験の規制と第三者認証」
参加報告

2008年2月23日(土)、日本学術会議と日本動物実験代替法学会の共催で、動物実験に関するシンポジウムが東京・六本木ヒルズアカデミーヒルズにて行われました。
第6回国際動物実験代替法会議(6th World Congress on Alternatives & Animal Use in the Life Sciences: WC6)において「科学者と市民の対話の機会が十分でなかった」等の反省から企画されたこのシンポジウムでは、代替法にかかわる関係各省庁からの報告に加え、動物実験現場の研究者からの報告、そして現在導入が進められている動物実験施設に対する「第三者認証評価」について当事者団体からの報告がなされました。
シンポジウム後半には動物愛護団体によるパネルディスカッションが開かれ、JAVAは「第三者認証制度は動物を救えるか」と題した講演を行ない、「現在進められている第三者認証制度は動物実験廃止に逆行するものである」として警鐘を鳴らしました。

第三者認証は動物実験を救えるか ~JAVAの講演から~

シンポジウムに出る理由
当初JAVAでは、このシンポジウムにパネラーとして参加するべきかどうか、慎重に考えました。なぜなら、今回のテーマである第三者認証制度、とりわけ製薬工業協会の加盟企業に認証を与えようというヒューマンサイエンス財団の認証制度はすでに内容がほぼ決定しているだろうと思いますが、今までに5回ほど行われたという準備委員会からは、当会に対して意見を求められることはありませんでした。この制度が始まる直前の段階になって私たちが意見を述べても、それが反映されることはまずないと言える状況にあったからです。それにも関わらず、なぜこのようなシンポジウムが開かれることになったのか?製薬業界の第三者認証システムを、動物実験に不信感を抱く人々からも反発されないようにするために、「シンポジウムで動物保護団体から意見を聞きました」という形をつくるために企画されたのではないか、という見方もできました。
しかし、たとえJAVAが利用されるだけであったとしても、私たちは、動物愛護を標榜する立場として、動物の側に立ち、私たちの考えを皆さんにきちんとお伝えし、この先の制度の改善に役立てていかなければならない。そういう使命をもってこのシンポジウムに臨んでいることを、はじめに申し上げておきたいと思います。

動物実験に対するスタンス
国民の動物愛護意識が高まった結果、2005年改正の動物愛護法には、従来からあったリファインメントに加え、リダクションとリプレイスメント、つまり3Rの理念がすべて取り込まれました。これによって、動物愛護の観点からの代替法の推進発展の責務が日本の研究界全体に課せられたわけです。
しかし残念ながら、日本の研究界では動物愛護をベースにした代替法の考え方を認めず、逆に「動物実験の適正化」というフレーズを使って、動物愛護の波を封じ込めようという方向に流れています。

第三者認証制度をどう評価するか
したがって、今回のシンポジウムのテーマである第三者認証制度についても、その良し悪しは、動物実験を削減し廃止につなげられるという、動物愛護の観点に立脚した制度であるかどうかで判断すべきであり、動物実験を守るための「隠れ蓑」としての制度であるならば、私たちJAVAは容認することはできません。

欧米の第三者認証制度を検証する
海外における動物実験の規制は、EU諸国などのように、行政による査察が義務付けられているタイプ、そして、AAALACインターナショナル(国際実験動物管理公認協会;http://www.aaalac.org/japanese/index.jp.cfm)のような民間機関が実験施設からの申請を受けて、つまり任意で評価を行なうタイプの2つがあります。
現在日本の製薬企業などに対して導入が検討されているのは、民間による第三者認証制度です。
この制度では、動物のケージの大きさや温度や湿度の調節、水や餌をあげる頻度、実験動物の傷病の治療など動物実験委員会の機能を評価委員が調査し、基準をクリアしていれば、施設に認証が与えられる、というものです。どんな目的の、どんな内容の動物実験を行っているのかといった動物実験の計画書自体の審査や却下はなされません。

(1)アメリカにおける問題点
アメリカの動物保護団体からは、自国の第三者認証制度について、このような意見が寄せられました。

  •  動物実験業界の人で運営されている。
  •  研究者の隠れ蓑である
  •  基準が非常に緩い。
  •  事実上、自己認証制度である。
  •  認証を失うことはほとんどない。
  •  AAALACは事前に予告してから調査している。

実験動物の数について、USDA(農務省)の統計データはほぼ横ばい状態です(マウスとラットは統計対象外)。また、2004年までは、殺される実験動物の総数はだいたい2500万と言われていたのですが、科学雑誌「サイエンティフィック・アメリカン」2004年8月号に「遺伝子導入マウスの数は1億匹」との衝撃的な記事が掲載されたことにより、新たに1億匹が算入されています。この数年前からこの数に近い遺伝子導入マウスが使用されていた可能性があります。
結局、第三者認証があるからといって数が減っているわけではない、それどころか遺伝子導入動物というあらたな犠牲が大量に生み出されていることがわかります。
同じく第三者認証制度のあるカナダでも、この近年の実験動物使用数は横ばいあるいは増加傾向にあるとも言えます。

(2)イギリスにおける問題点
世界中で最も動物愛護意識が進んでいるといわれ、動物実験を行う個人や施設だけでなく、それぞれの実験計画も政府(内務省)の審査を受けなければならないという厳しい制度のイギリスの現状はどうでしょうか。

● ケンブリッジ大学のマーモセットの実験
ケンブリッジ大学の神経科学霊長類研究所において2000年から2001年にかけて行われたマーモセット(小さいサル)を使った脳の損傷を調べる実験で、審査段階でマーモセットが受ける苦痛を「中程度」と判断した内務省はライセンスを発行。ところが実際は、マーモセットに発作を起こさせるために頭蓋骨の一部を切断するという「相当な苦痛」だったことが、同国の動物保護団体BUAVの調査で明らかになりました。BUAVは「不当なライセンスを与えた」として政府を提訴、2007年7月には、ロンドンの高等法院がBUAVの主張を認める判決を出しています。
実験計画の審査される制度ですら、実際の実験内容を精査するのは極めて難しく、その結果「苦痛の大きい実験」ですら、許可され、実施されてしまうことがわかります。

● イギリスの動物保護団体の意見

  •  評価システムは使用数削減のためにまったく役立っていない。
  •  動物福祉を提言するはずの諮問機関(APC)が、政府の計画に反する勧告を出すと無視されることが多く、事実上機能していない。
  •  政府による動物愛護の目標に向けたアプローチはまったくない。
  •  システムを厳しくして、ライセンス申請の許可を少なくしようという考えもない。
  •  英国は「動物実験規制が世界で最も厳しい」とよく言われるが、「厳しい」と「人道的」とは別だ。

● イギリスの統計
イギリスでも実験動物の使用数は増えています。
つまり、動物実験に対する社会の監視の目が最も厳しいイギリスの、より厳しい第三者認証制度でさえ、動物実験を減らすことができない。
この現状から考えても、動物愛護意識が遅れている日本で第三者認証制度が導入されても、動物実験の削減にはつながらないことがお分かりいただけたと思います。
しかも、日本が導入を検討しているのはイギリスより遥かに甘い認証制度なのですから、動物実験廃止への足掛かりには到底なりえません。

なぜ研究者は第三者認証制度を導入したいのか
(1)「抗議のレベルを弱めたい」
1995年に日本で行われた日本実験動物学会での、イギリス実験擁護協会理事マーク・マットフィールド氏による講演内容です:
「イギリス実験擁護協会は、動物実験廃絶を唱える人々から動物実験を防御する組織であります。イギリスでは、研究者は政府が出している3つのライセンスを持たなければいけないと言われております。最も重要なのは、プロジェクトに対して与えられるライセンスです。これは、非常に厳しい制度のように思われるかもしれませんが、 このシステムによって実験が中止になったという例はありません。システムは、研究を中止させるためではなく、人道的に倫理的に実験が行われていることを”保障する”というのがその目的です。(動物実験を批判する)一般の人たちの声に最初から耳を傾けるようにしていれば、抗議のレベルを逆に弱めることができるでしょう。一般国民は無知であります。動物実験に関しては、特に知識はないのです。われわれ科学者、専門家の役割というのは、一般の人たちに正しい情報を与えてやるということです。倫理的な問題が適切に、そして賢明に対処されていることを、大衆に示してやることです」
つまり、「厳しい制度であるように見えても心配は要らない。規制のシステムでは実験は止められないのだから。制度を設けるのは、実験を中止させる為でなく、動物実験反対の声を弱め、実験を滞りなく行えるようにする為。情報は全て公開しなさい。知識のない市民は、情報を与えてやることで、改善されたと思い込み、安心する。この制度の目的は、実験を保障することである」と日本の研究者たちに語ったのです。
この講演から13年経った今、日本でもこれを具体化しようとしているのが、現在、検討されている第三者認証制度なのです。

トリックにだまされないで
「動物実験はなくして欲しい」と願う市民の皆さんが、第三者認証制度のことをお聞きになったら、「査察」をうけ「認証」されたという規制のシステムは、いかにも進歩的に映るかもしれません。「わが社は、わが大学は~の認証を受けています」「動物に優しい機関です」という宣伝文句を聞いたなら、「認証を受けているならここの研究機関は大丈夫ね」というイメージを持たれることになるでしょう。
しかしながら現実はいま述べた通りです。先ほどのイギリス実験擁護協会理事が言う「無知である一般国民」とは、このからくりを理解できない国民をさしているのだということ、そして、第三者認証制度は動物実験に対する抗議のレベルを弱める役割を果たす、そのために導入されるものなのだ、ということ、これをぜひ理解してください。

(2)学術会議「根強い反対運動」への対抗策
日本の研究界の中枢組織であり本日のシンポジウムの主催者である日本学術会議は、2006年に策定した動物実験に関するガイドラインに先駆けて「動物実験に対する社会的理解を促進するために」と題した提言書を2004年に出していますが、それには次のような記述があります。
動物実験に対する反対運動は根強い。(中略)動物を用いた研究が適正に、かつ支障なく実施されるためには、研究の意義と実施状況が広く社会に認識、理解され、動物実験に関する社会的合意が形成されることが必要。
動物実験に対する社会的理解をいっそう促進するため、次の二点を提言する

  1.  統一ガイドラインの制定
  2.  統一ガイドラインの基準が満たされていることを第三者の立場から評価・認証する機構の設置

つまり、現在の日本の研究界も、第三者から「認証」という「お墨付き」をもらえれば、世論の抗議を受けずに堂々と動物実験ができる、と考えているのです。
このようなことから、私たちJAVAは、現在日本で導入されようとしている第三者認証制度が動物実験の削減につながるものではなく、逆に動物実験の廃止を妨げることになる、ということを警告いたします。

人道的な研究が目指すところはどこか
「科学における最も偉大な業績は、常に最も人道的である」と述べたのは、3Rを提唱した研究者ラッセルとバーチでした。
何が人道的であるかといった問題、人間性という基準は、いつの時代でも、根本的な問いかけであり続けています。しかし明確なことは、「人間性という基準」は時代と共に変化し、進歩するということです。例えば150年ほど前、動物実験が行なわれるようになった時代には、動物を痛みも苦しみも感じないモノとしてしかとらえられていませんでした。だからこそ命ある動物を切り刻むという残酷な行為が平然と行なわれもしたのです。しかし、現在、動物も人間と同じく痛みや苦しみを感じ、人間と同じくストレスにさいなまれる存在であることを否定する人はいないでしょう。
動物実験に携わる研究者の皆さん一人一人が、命あるものを使い捨ての道具として利用しているという行為の重さをきちんと認識していれば、動物実験をやり続けるため、守るためにではなく、動物実験をなくすために全力を注がれるはずです。

(JAVA NEWS NO.81より)

第6回国際動物実験代替法会議

動物実験廃止を目指してー代替法の進歩―
第6回国際動物実験代替法会議

第6回国際動物実験代替法会議(6th World Congress of Alternatives & Animal Use in the Life Sciences)が、8月21日~25日に東京・江東区のホテルイースト21東京で開催されました(主催: Alternative Congress Trust(国際動物実験代替法会議連合)、日本動物実験代替法学会、日本学術会議)。
今までにボルチモア、ユトレヒト、ボローニャ、ニューオーリンズ、ベルリンと世界各国で開催されてきて、今回がアジアで初めての開催となりました。
参加者は35の国と地域から1,000名以上と過去最多で、世界中から大勢の研究者や科学者などの専門家、学生、動物実験関係や代替法関係の企業が集まりました。そして、JAVAをはじめ、動物実験の廃止を目指して活動している各国の動物保護団体も、代替法に関する情報を得るだけでなく、この絶好の機会を活かして参加者に代替法の推進を働きかけるため、一堂に会しました。
5日間、英語による多くの講演、研究発表が行われ、その数は250を超え、また、ポスター展示による研究発表は258にものぼりました。「代替法の技術的な情報」「代替法の評価方法やその過程」「代替法に関する情報の入手方法」「代替法や実験に関する組織・機関の説明」「教育分野における代替法」など、発表は、多岐にわたっていました。

JAVAが推薦した3名が講演

この会議の大きなテーマに「科学者と社会との対話」が掲げられており、特別シンポジウム「市民との対話」が行われました。JAVAがこの会議の運営委員会に推薦した、次の3名の講演もありました。

Dr.チャド・サンドスキー

(動物実験に反対する医師の団体PCRMの毒性学部長兼ICAPO代表)
講演タイトル:Current and Future Technologies : Pushing the Boundaries of the 3R’s toward Replacements(現在と今後の技術:Replacement(置き換え)主体の3Rを)

ミッシェル・シュー氏

(動物実験廃止活動を専門に行い、108年もの歴史を持ち、化粧品の動物実験禁止決定などEU議会へ大きな影響力をもつ英国の団体BUAV代表)
講演タイトル:Responding to Public Concern – Advancing the Animal Protection Agenda Worldwide(世論に応えること―動物保護の課題を世界中で進める)

アンドリュー・ナイト氏

(獣医で代替法研究やその普及活動で世界的に有名なアニマルコンサルタンツインターナショナル(ACI)の代表)
講演タイトル:Animal Experimentation :The Need for Critical Scrutiny(動物実験に対して綿密な批評の必要性)

国際的な会議であることから、会場には、JAVAの提案でICAPO(OECDプログラムにおける国際動物保護委員会)の活動について紹介するブースを出しました。
ブース出展にあたり、ICAPOについて説明するパンフレットを作成し、また縦1.5メートル、横90cmの大きなポスターを作成しました。JAVAは、市民の立場から科学者に代替法の普及を求める、といった内容でリーフレットを新規作成し、英語版、日本語版を用意しました。4㎡という限られたスペースでしたが、ICAPOとメンバー団体の紹介資料を約300名の参加者たちに手渡して、動物実験ではない方法の研究・開発の必要性とともに、ICAPOの存在と活躍をアピールできました。

各国の動物保護団体との連携を強化

会議開催期間中に、海外の動物保護団体との2つのミーティングが行われました。

●ICAPOミーティング
ICAPOミーティングでは、会計報告や今後のOECD会議の参加予定など事務的な話し合いが行われました。

●動物保護団体のサテライトミーティング

14団体から23人参加しました。
まず、2005年にベルリンで開催された前回のこの代替法会議の反省と今回の会議についての意見を出し合いました。
そしてその後、動物実験をはじめとする日本の動物問題の現状についてJAVAがプレゼンテーションを行いました。内容は(1)動物実験の規制とガイドライン (2)動物実験に使用される動物の種類と数、その入手ルート (3)動物実験に対する一般の人々の反応 (4)研究者の態度 (5)動物の福祉向上への機会と障害といったテーマを中心に発表しました。

会議を終えて~私たちが進めるべきこと~

会議全体としては、代替法に関する会議であるにも関わらず、動物実験を推進するような発表がいくつもあったり、「これは研究発表とまでいえないのではないか」と思うような内容があったのも事実です。
一方で、「霊長類の動物実験使用について」をテーマに少人数でのディスカッションがあり、霊長類の実験使用について反対(動物保護団体)、賛成(研究者)、中間(霊長類学者)の立場の人たちが集まって自由に意見を述べる場もありました。考え方は相反するわけですから当然、結論が出るわけではないのですが、お互いに顔をつき合わせて話し合いをすることは動物実験廃止のためには避けては通れませんし、重要なことでしょう。
そして、発表の中にあった、「バッチ検査に関する動物実験をほぼ100%なくせる」「動物実験では皮膚ガンを人工的に移植するため、正確な結果が得られるとは限らないが、代替法だと、より正確なデータが得られる」「米国科学アカデミーの報告書では、動物実験の費用、動物実験からヒトの結果を推測することの不適切性などから、代替法を推奨している」などの発言から分かりますように、研究者、科学者といった専門家たちも、JAVAをはじめとした動物保護団体と同じく、動物実験を否定し、代替法のメリットを主張しているのです。
しかし、これも発表にもありましたが、代替法の確立、普及への弊害として、各国の「政治的背景」や「遅れた意識」があります。つまり、いくら代替法の研究が進んでも採用されなければ意味がないのです。

この国際動物実験代替法会議は、次回は2009年にローマで開催されます。その時までには、多くの代替法が確立して動物の犠牲が大幅に減り、動物実験廃止により近づくよう、研究者だけでなく、私たちも努力を惜しんではなりません。動物保護団体や市民のより一層の働きかけが必要とされています。

ICAPO

International Council on Animal Protection in OECD Programmes(OECDプログラムにおける国際動物保護委員会・略称:ICAPO)
OECD(経済協力開発機構)の会議に正式な参加を認められている動物保護団体の連合。JAVAはこのICAPOのアジア唯一のメンバー。OECDは、世界の工業国30ヶ国からなる経済連合で、化学物質のガイドライン作成や内分泌かく乱化学物質に関するプログラムなどの調整を行なっている。ICAPOは、OECDにおける正式な立場から、こういった影響力の大きいガイドラインやプログラムに代替法を広く取り入れるよう求めている。
加盟国は、OECDのガイドラインを採用することになるため、そのガイドラインやプログラムに代替法を取り入れさせることは、動物実験廃止への大きな前進となり、多数の動物を救えることになる。
ICAPOメンバーは、国際レベルでの新薬承認審査基準に関する業務を行なっているICH(日米EU医薬品規制調和国際会議)の医薬品テストガイドラインにおいて動物保護を推進するために、ICAPI(International Council on Animal Protection at the ICH・ICHでの国際動物保護委員会)も結成している。

ICAPOメンバー団体

  • Animal Alliance of Canada(カナダ動物同盟)
  • British Union for the Abolition of Vivisection(BUAV:英国動物実験廃止連合)
  • Doris Day Animal League(ドリス・デイ動物同盟)
  • Eurogroup for Animals(動物のための欧州グループ)

    Vier Pfoten (オーストリア),GAIA (ベルギー),Dyrenes Beskyttelse(デンマーク),Animalia(フィンランド),Suomen Elainsuojeluyhdistys(フィンランド),Fondation Brigitte Bardot(フランス),OABA(フランス),Deutscher Tierschutzbund eV(ドイツ),Bund gegen Misbrauch der Tiere e.V.(ドイツ) ,GAWF(ギリシャ),FAUNA Society(ハンガリー),ISPCA(アイルランド),LAV(イタリア),Dzivnieku Draugs (Animals’ Friends) (ラトビア),Ligue Nationale pour la Protection des Animaux(ルクセルブルグ),Dierenbescherming(オランダ),AVS Proefdiervrij (オランダ),Klub Gaja(ポーランド),TOZ(ポーランド),LPDA(ポルトガル),ANDA(スペイン),Djurens Ratt (Animal Rights Sweden) (スウェーデン),Djurskyddet Sverige(スウェーデン),Schweizer Tierschutz STS(スイス),RSPCA(イギリス),USPCA(イギリス),CIWF(インターナショナル),IFAW(インターナショナル),WSPA(インターナショナル)

  • European Coalition to End Animal Experiments(ECEAE:動物実験廃止のための欧州連合)

    ADDA(スペイン),Animal (ポルトガル),Animal Friends Croatia (クロアチア),Animal Rights Sweden (スウェーデン),Animalia (フィンランド),BUAV (イギリス),DeutscherTierschutzbund (ドイツ),Dyrevernalliansen (ノルウェー) ,EDEV (オランダ) ,Forsogsdyrenes Varn (デンマーク),GAIA (ベルギー),Irish Anti-Vivisection Society (アイルランド),LAV (イタリア),One Voice (フランス),People for Animal Rights (ドイツ),Svoboda zvirat (チェコ),SSPA (スイス),Vier Pfoten (オーストリア)

  • Humane Society of the United States(HSUS:全米人道協会)
  • People for the Ethical Treatment of Animals(PETA:動物の倫理的扱いを求める人々)
  • Physicians Committee for Responsible Medicine(PCRM:責任ある医療のための医師委員会)
  • Dr Hadwen Trust(ドクター・ハドウェン・トラスト(医学研究における代替法の開発・促進を行なう財団))
  • Japan Anti-Vivisection Association(JAVA:NPO法人動物実験の廃止を求める会)

■代替法3R・・・1959年にラッセルとバーチが提起した人道的な実験技術の原則
Replacement : 動物を使用しない方法への置換え
Reduction  : 動物使用数の削減
Refinement : 動物の苦痛の軽減

(JAVA NEWS NO.80より)

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