JAVA:NPO法人 動物実験の廃止を求める会(Japan Anti-Vivisection Association)

ENGLISH

入会

寄付

JAVA ホーム > お知らせ

お知らせ

JAVAの最新情報をお知らせするコーナーです。進行中の活動、パネル展やイベントなどのご案内、これまでの活動・成果などをご紹介していきます。

Yahoo!に生体と生餌の販売禁止を求めよう

Yahoo!に生体と生餌の販売禁止を求めよう

大手インターネット関連企業ヤフー株式会社が運営している「ヤフオク!」と「Yahoo!ショッピング」において、生体や生餌(いきえ)が“出品”* されています。
JAVAは、ヤフーに対して、生体と生餌の出品禁止を求めていますが、ヤフーはそれに応える気がありません。

*“出品”は、動物を物のように扱うものであり、不適切な表現と考えていますが、ここでは、わかりやすいようにヤフーの規約に合せた表現にしました。

ヤフーは、「ヤフオク!」でインターネットオークションサービス、「Yahoo!ショッピング」ではインターネットショッピングサービスを提供しています。ヤフーと契約した出品者によって、生きた動物が「ヤフオク!」でオークションにかけられ、「Yahoo!ショッピング」で販売されているのです。
JAVAには、これまで「生餌は虐待にならないのか」「インターネットで生き物を販売することをやめさせられないのか」といった声が寄せられてきました。

ヤフオク!ではマウスなどの違反出品も

ヤフオク!は、ガイドラインで「哺乳類」「鳥類」「爬虫類」の生体を出品禁止にしています。しかし過去には、JAVAが把握しているだけでも生きているマウスやヤモリが出品されていたことがありました(下の写真) 。

ヤモリ出品

マウス出品

餌用としてヤフオク!に出品されていたマウスとヤモリ(2015年8月時点)

 

「動物の愛護及び管理に関する法律」(以下、動物愛護法)において、「愛護動物」に規定された種類の動物を販売する業を行う者は「第一種動物取扱業」として、登録等の義務が課せられています。このヤフオク!のマウスの販売者は、「愛護動物」であるマウスを自家繁殖させて出品していることから、「第一種動物取扱業」の条件(反復・継続して、営利を目的として動物の取扱いを行う)に該当しているといえるでしょう。
「第一種動物取扱業」を行うには、都道府県等の登録を受けること、そして、業に係る広告(インターネット広告を含む)には、氏名、登録番号等を掲載する義務があります。また、購入しようとする者に対して、あらかじめ直接、その動物を見せ、必要な飼育等に関する説明を文書を用いて行う「対面販売・説明」も義務付けられており、インターネット上のみのやりとりで販売することは禁じられています。つまり、このマウスの販売者は、これらすべてに反している、重大な動物愛護法違反行為を行った可能性は高いのです。

現時点では、マウスをはじめ、出品を禁止している種類の動物はヤフオク!では見受けられませんが、出品が禁止されていない魚、ザリガニ、昆虫などがペット用、餌用として出品されている状況に変わりはありません。これらはガイドライン違反でも法律違反でもありませんが、インターネット販売では、販売者から購入者には宅急便で搬送されることになり、その動物へ相当な心身の負担がかかることは明らかです。
また、命あるものをオークションにかけることは、動物愛護法の「動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。」という基本原則に背く行為であり、倫理的に許されるものではありません。

Yahoo!ショッピングでの動物販売の規制は…

Yhahoo!ショッピングでは、個人/ライト出店とプロフェッショナル出店の2種類の出店タイプがあり、プロフェッショナル出店では「動物(魚類、昆虫類、虫類、両生類を除く)」の販売が禁じられています。個人/ライト出店では、魚類、昆虫類、虫類、両生類を含めて販売が禁止されています。ヤフオク!と同様の理由で、プロフェッショナル出店についても、ライト出店と同じくすべての種類の動物の販売を禁止するべきです。

JAVAは生餌にも野生動物の飼育にも反対

生餌は、その名の通り、生きた餌です。飼育されているピラニアやアロワナといった肉食魚や爬虫類、猛禽類に与えるために、生きたマウス、ラット、金魚、カエル、ドジョウ、コオロギなどが売られています。
生餌にされた動物は、人間の手で逃げ場のない捕食動物がいる水槽などに放り込まれ、食べられるわけですから、野生の動物の補食とは状況が全く違います。

JAVAは、生餌には当然反対です。そしてそれ以前に、本来野生で生きる動物を飼育すること自体、問題と考えます。ただ残念ながら、肉食魚や爬虫類、猛禽類を飼育すること、生餌を与えること、愛護動物以外の動物をインターネット販売することが現状では合法なのです。その状況のなかでも、「ヤフオク!」と「Yahoo!ショッピング」のような大手の人気のあるインターネットサービスにおいて、生体・生餌の取扱いが禁止されれば、生餌にされる動物の犠牲や、動物たちが搬送などで受ける負担を減らすのに大きな効果を出せるでしょう。

ヤフーは改善する気なし

JAVAは、動物愛護法の理念にのっとり、高い企業理念を掲げてほしいと、ヤフーに以下の事項を求めました。

  1. ヤフオク!、Yahoo!ショッピングにおいて、すべての種類の生体(生餌を含む)の出品を禁じること。
  2. 違反出品者に対しては再出品させないことを規約に加えること。

しかし、ヤフーからの回答は「法令に基づき利用規約を定めている」、つまり、違法ではないから、と生体や生餌の出品を今後も認めるとしています。

利用者として声を届けよう

残念ながら、ヤフーのみならず、楽天市場やAmazonでも生体や生餌の出品を全面禁止していません。
それぞれ独自の規約、ガイドラインを作っており、法律違反でなくとも、生体や生餌の出品に反対する利用者から多くの声が届けば、規約が改訂されることも期待できます。種類を問わず、すべての動物の出品を禁止してくれるよう、ぜひ皆さんからも要望してください。

 

<ヤフー株式会社>
代表取締役社長 宮坂 学 殿
〒102-8282 東京都千代田区紀尾井町1-3 東京ガーデンテラス紀尾井町 紀尾井タワー

<楽天株式会社>
代表取締役会長兼社長 三木谷 浩史 殿
〒158-0094 東京都世田谷区玉川一丁目14番1号 楽天クリムゾンハウス
電話(楽天市場 お客様サポートセンター):050-5838-4333(9時~18時)
楽天市場問い合わせメールフォーム

<アマゾンジャパン合同会社>
社長 ジャスパー・チャン 殿
〒153-0064 東京都目黒区下目黒1-8-1
電話:0120-999-373
社長へのご意見Eメールアドレス: jasper@amazon.com

 

<ノルウェー>捕鯨を止めない裏には…

ノルウェーが捕鯨を止めない裏には…

ノルウェーは、IWC(国際捕鯨員会)が商業捕鯨を禁止した後も独自で捕獲数を880頭と設定し捕鯨を続けており、2006年からすでに5,500頭のミンククジラを捕殺している。ノルウェーの鯨肉輸出量は上昇傾向にあり、その輸出先というのが同じく捕鯨を行っている日本、フェロー諸島、アイスランドである。これらの国はCITES(ワシントン条約:絶滅の恐れのある野生動物の種の国際取引に関する条約)の規制の網を巧みにくぐり抜け鯨の国際取引を続けている。
ノルウェー人が鯨肉を好まないにもかかわらず、捕殺された鯨がすべて輸出されない。それはなぜか。米国の動物福祉団体AWIと環境NGOであるthe Environmental Investigation Agencyによれば、75頭以上の鯨がノルウェーの毛皮農場へ売られているからである。飼料農場(Rogaland Pelsdyrforlag) から入手した資料には、2014年に113.7トンの鯨肉が毛皮農場で餌に使用されたという記録があった。このことがメディアに流れると、飼料農場は2015年も鯨肉を飼料にしたことを認めた。

ノルウェーの子ギツネ

©NETWORK FOR ANIMAL FREEDOM
餌として鯨肉を与えられている毛皮農場の子ギツネ

AWI Quarterly (Animal Welfare Institute) 2016 summer: AWI Responds to Norway’s Whaling Defiance

<欧米>多くの鳥も研究と実験に使われている

多くの鳥も研究と実験に使われている(欧米)

実験に使われる動物はげっ歯類や霊長類が代表的であるが、実は鳥類も数多く使用されている。米国では、鳥類は「動物福祉法」の適用外であるため統計はないが、毎年60万羽以上が使用されていると推測される。

一方、EUでは2011年に675,000羽が使用され、これはEU内の全実験動物数の5.9%にあたる。それらのほとんどが動物の基本的な性質を調べるための生物学的研究に使用された。たとえば、鳥に装置を埋め込み飛行中の呼吸器内の空気の流れを調べたり、脳の一部を損傷させて、さえずりの発達への影響を調べる研究などがあった。また、医学・獣医学用の製品と医療器具の研究、開発、品質管理にも多くの鳥が使われ、その中の89%は家禽の病気、とりわけ鳥インフルエンザの研究に使用された。

それ以外では、人間や動物用薬品、農業用物質、飼料の添加物の毒性や安全性を調べる試験には、17,000羽以上が使われた。これらの試験には、試験物質を高用量投与する急性、亜急性試験といった鳥たちに大きな苦痛を与える実験も多く含まれている。

実験に使われる鳥たち

 AV Magazine(American Anti-Vivisection Society) Issue 1, 2016: Birds in Research and Testing

子ども向け科学講座で「ブタの臓器の解剖」

<東京・渋谷区> 子ども向け科学講座で「ブタの臓器の解剖」
二度と行わないよう働きかけを!

東京都渋谷区にある「こども科学センター・ハチラボ」で7月10日(日)、ブタの臓器を解剖する講座が行われました。ハチラボは、子どもにさまざまな科学実験などを体験させる渋谷区が運営する施設です。
JAVAは実施前に中止を求めましたが、渋谷区は強行し、廃止する考えもありません。


区報に出ていた講座の告知

●ハチラボ講座「ブタの臓器・器官から読み解くヒトの体のつくり」

[用いたブタの部位]心臓、肺、腎臓、肝臓、胆のう、舌、食道、胃、小腸
[入手方法]卸問屋から購入
[部位ごとの使用数]各5組
[目的]ヒトの臓器や器官のつくりやしくみについて、ブタの臓器・器官から学ぶ。
[内容]講座や実験の概要を説明⇒各臓器を観察したり、実際に触ってみる⇒ワークシートに記入⇒各臓器を廃棄
定員 15人(抽選)

実施した解剖講座の詳細(JAVAが渋谷区から得た情報)

日時 7月10日(日) 14:00~16:30場所 こども科学センター・ハチラボ
内容 ブタの臓器や器官を観察し、呼吸や消化の仕組みを学ぶ
講師 都立小山台高校教諭 飯塚慎氏
対象 在住・在学の小学校6年生~中学生(中学生優先)
定員 15人(抽選)

死体・臓器の解剖にも問題がある

「死体・臓器の利用」であれば、その動物に痛み、苦しみ、恐怖を味わわせるといった問題はありませんが、その動物たちは寿命をまっとうしたのではなく、人間によって殺されたことをまず考えなければならないでしょう。死体を解剖するということは、その前段階において、その生き物を殺す行為(今回の場合は食用のためにと畜された)が必ず必要になるわけです。つまり、死体の解剖を良しとするなら、生き物を殺す行為をも容認することになるのです。

ましてや、小中学生のような多感な時期の子どもが、高校教師の指導で行われる区の講座に参加したら、「食べているものなんだから、感謝すれば何をしてもよい」「動物の体を解剖するのはよいこと」という誤った認識を持ちかねません。そういう認識を持ってしまったら、子どもたちは弱い立場の動物を慈しむ気持ちに蓋をするようになり、殺すことや切り刻むことに無感覚になることが懸念されます。そして、「自分でカエルや魚を捕まえて解剖してみよう」「車に轢かれた猫の死体を解剖してみよう」と考える子どもが出てくる可能性もあり、今後、どのようにエスカレートするか計り知れません。

さらに、近頃、人間の遺体をバラバラにして棄てるといった猟奇的な犯罪が多発しています。それに関して、評論家などは、人々の道徳心が希薄になり、遺体への畏敬の念が薄れてきたため、と指摘しています。死んでいるのだから何をしてもよいという感覚は、命を軽視することに繋がるものであり、極めて危険な発想です。 渋谷区の解剖実習はつまり、そのような恐ろしい考え方を子どもたちに教えているのも同然であることを区は理解すべきなのです。

区は解剖を強行

JAVAでは、渋谷区長に対し、死体・臓器の解剖の問題点を指摘し、事前に講座の中止を求める文書を提出しました。しかし、JAVAに対する渋谷区の回答は、次のようなJAVAが指摘した問題点に答えていないばかりか、到底納得できるものではありませんでした。そして、解剖講座を強行したのです。

★渋谷区要望回答

区の回答に対するJAVAの反論

【反論①】  「学校では経験できないことを経験させる」ために解剖をさせることは、教師の信念を否定する
区長の回答は、「最近は、解剖実習を行う学校が減ってきている。だからハチラボで体験させる」と解釈できます。動物愛護意識が徐々に向上し、また教育現場で命の大切さを教えることの重要性が言われてきて、それが解剖実習の減少につながっていると考えられます。減ってきているから、あえて体験させるというのは時代錯誤もいいところです。
どのような方法で動物の体の仕組みを学ばせるかは、学校・教師が決めることができますが、なかには「子どもたちに、解剖のような行為をさせたくない」という高い倫理観をもって解剖をあえてさせていない教師もいます。そのような学校・教師の方針を、この講座は否定し、侵害するものです。

【反論②】 解剖ではない「理科離れを食い止めるための見て、触れての体験」はさまざまある
理科離れが指摘されていて、その対策として、「観察や実験に力を入れる」ことが国の方針でも出されています。
講義を受けるより、子どもたちは実際に観察・実験することに興味を示すでしょう。だからといって、解剖をさせてよい理由にはなりません。
生物分野の「観察・実験」なら、たとえばフィールド観察にて、野生動物たちがたくましく、懸命に生きる姿や植物の成長を観察させたり、人間の骨格やその動きを講座の参加者同士で動かしながらお互いに学んだり、学校では持っていないような学習ソフトや顕微鏡を使わせるなどの体験もできます。
子どもたちに解剖をさせる行為については、「解剖体験のショックから、科学の道に進もうという意欲をそぐことにもなりかねない」と指摘する論文もあり、子どもたちの理科離れを防ぐどころか、加速させてしまう恐れもあるのです。

【反論③】 解剖をして「医学・生物学分野への関心をもつきっかけになる」は疑問
高齢女性を惨殺した名古屋大学の女子学生は理学部に属していました。同級生を殺害した佐世保市の女子高生は、さまざまな小動物を解剖し、人間の解剖にも興味を持っていました。
「子ども達が医学・生物学分野への関心をもつきっかけになることへの期待を含めて開催する」と渋谷区は主張しています。子どもが「生物学の勉強をして世の中の役に立つ研究をしたい」「医者になって病気の人を助けたい」と思うきっかけは、苦しんでいる人、困っている人のことを知ったり、そういった人と接しているうちに湧いてくる熱意ではないでしょうか。解剖を体験して「生物学系・医療系に進みたい」と考えるようになった子どもの場合、「今度は生きた動物を解剖したい」「人間でやってみたい」という考えを持つ危険性を孕んでいると言っても過言ではありません。

これまでの医学研究の歴史においては、ブタは多く使われてきました。だからといって、子どもたちにブタの臓器を解剖させる必要性は全くなく、そればかりか医学研究においても動物を使用しない方法の開発・採用が進められています。
また、米国・カナダにある197の医学校すべてが生きた動物を使用したカリキュラムをなくしたなど、医学教育分野でも動物を犠牲にしない努力が進められており、この講座は時代に逆行しているとも言えます。

廃止に向けて、アクションを!

渋谷区の回答や解剖を強行したことを受けて、JAVAは区に解剖の問題点を厳しく追及をしたところ、今度は不都合な質問には答えないという対応をしてきました。これからも廃止に向けて追及を続けていきます。
皆さんからも、「動物もその死体も臓器も使う講座はやらないで」といった声を渋谷区やハチラボに届けてください。

 

<長谷部健 渋谷区長>
〒150-8010渋谷区渋谷1-18-21
区長への手紙専用FAX:03-5458-4900
区長への手紙メールフォーム

<区の担当部署>
渋谷区教育委員会 生涯学習振興課 生涯学習係
〒150-0042渋谷区宇田川町5-2 渋谷区役所 神南分庁舎
電話:03-3463-3049 FAX:03-3463-3822

<解剖を実施する施設>
こども科学センター・ハチラボ
〒150-0031渋谷区桜丘町23-21 文化総合センター大和田内
電話:03-3464-3485 FAX:03-3464-4785

活動記事を新しく掲載しました(2016年7月)

2016年7月13日

新しく、活動報告や記事をアップしましたので、ぜひご覧になってください。

海外ニュース5件をアップしました

海外の動物保護団体から入る、様々な動物たちをとりまく情報を掲載しました。

<米国・カナダ>すべての医学校で生きた動物を使う実習が廃止!

アメリカとカナダのすべての医学校で生きた動物を使った実習が廃止される!

ジョンズ・ホプキンス大学医学校に続き、テネシー大学医学校も動物の使用を中止した。この結果、アメリカとカナダにあるすべての医学校の実習で、動物が使用されることがなくなった。

米国の動物実験に反対する医師・科学者の団体PCRM(責任ある医療のための医師委員会)は30年以上、医学校での実習で動物を使用することを止めさせるキャンペーンを展開してきた。1985年にPCRMが設立された当時は、ほとんどの医学校は、病気の治療法を熱心に学びたいと望んでいる学生に対し、動物の体を切り開く外科手術や、薬の反応を見るために犬たちにさまざまな薬を注射するなどの実習をやらせ、動物を殺すことを要求していた。多くの学校では、このような実習に参加しなかった学生は罰せられたり退学させられたりしていた。

今回の成果で、アメリカとカナダのすべての医学校で、学生は動物を傷つけることなく医師の資格を取ることができるようになった。

PCRM: All Medical Schools END ANIMAL USE for Trainin

The Washington Post: One last U.S. medical school still killed animals to teach surgery. But no more.

<米国>「動物実験を最小限に」―有害物質規制法改正!

「動物実験を最小限に」―有害物質規制法が改正される!
米国政府、行動を起こす!

2016年6月22日、新しい化学物質の安全に関する法律にバラク・オバマ大統領が署名した。動物実験に対する画期的な非難を組み入れたこの改正法を動物保護団体は称賛している。
上下両院の賛成を得てオバマ大統領が署名した改正有害物質規制法(TSCA)は、動物実験の削減をさらに促進させる次のような条項が盛り込まれている。
アメリカ連邦議会はEPA(米国環境保護庁)に対し、この法の制定日から2年後までに脊椎動物を用いた試験の削減と苦痛軽減と代替試験について、方法や戦略の開発と実施を促進する戦略計画を提出することを命じている。また、計画書作成から5年後以降、5年ごとにその計画の実施と進歩、今後の代替試験の方法と戦略の実施目標について記載した報告書を連邦議会に提出することも指示している。さらにこの法は、EPAが脊椎動物を使用した実験をするよう要求する前に、既存の毒性学の情報と代替試験を用いることによって、脊椎動物を使った実験を行わない方法をまず検討することも命じている。
動物実験は、コストが高く、試験に時間がかかり、ヒトへの影響の予測性が低いことが多い。「この改正法は、アメリカ連邦議会が動物実験を最小限に抑え、代替法の開発とその使用のための戦略を優先することを初めて明確にしたものだ。またこの改正法は、化学物資、殺虫剤、バイオサイド*、化粧品などのリスク評価あるいは安全性確認における動物使用からの脱却の動きを加速するであろう。」と米国の動物保護団体HSUS(全米人道協会)の会長兼CEOであるウエイン・パーセル氏は述べた。
*工業製品の微生物汚染を防ぐ薬剤(防腐剤、防かび剤、防虫剤など)

The Huffington Post: The U.S. Takes Action to Minimize Animal Testing
One Hundred Fourteenth Congress of the United States of America

エシカル消費の中の「動物への配慮」

エシカル消費ムーブメントのなかで「動物への配慮」が浸透中

いわゆる「エシカル消費」とは、消費行動を通じて持続可能な社会を導こうという取り組みです。しかし、まだ明確な定義はなく、その内容も含めて消費者庁が設置した「『倫理的消費』調査研究会」(以下、研究会といいます)にて1年前から議論が重ねられています。
私たちJAVAでは昨秋、この「倫理的消費」の概念のなかに「動物への配慮」を含めるよう消費者庁および研究会の各委員に提言していました
その後、このエシカル消費をめぐるムーブメントのなかで、さまざまな方々からの動物にまつわる問題提起が増え、動物に対して配慮が必要だという認識が着実に向上しています。

消費者庁「『倫理的消費』調査研究会」

2016年6月3日に開かれた第6回目の研究会では、日本女子大学の細川幸一教授から「アニマルウェルフェアとエシカル消費について」と題する話題提供がありました(第1回目からの研究会の詳細は、消費者庁のウェブサイトで見ることができます。「消費者庁」「倫理的消費」で検索してください)。
豚の妊娠ストール飼育、採卵鶏のバタリーケージ飼育、アンゴラウールやダウンの残酷な採取方法、化粧品の動物実験などの事例が説明されると、聞いていた委員たちの顔色がたちまち曇っていきました。
最後に細川教授からの「『倫理的消費』調査研究会で、動物という、意識・感覚を持ち、地球上に人間とともに生きる存在がどのような扱いを人間から受けているかの検証を行うことは当然と考える」との言葉が力強く響きました。

エシカル朝食会

6月14日、都内で開かれた「エシカル朝食会 特別交流会」に参加し、エシカル消費の普及に際して動物への配慮の必要性を訴えました。
「エシカル朝食会」は、およそ2か月に一度、企業やNGO、大学教授など日本のエシカル消費の動きをリードする人たちが集まり、講師からの講演を聴いて、朝食をとりながらエシカル消費への理解を深めることを目的にしている会(主催:日本エシカル推進協議会)ですが、これまで、安倍昭恵首相夫人、坂東眞理子昭和大学理事長らが講師を務め、板東久美子消費者庁長官(当時)、鳩山由紀夫元総理大臣など政界の要人も参席しています。
オリンピック、金融、マーケティング、遺伝子組み換え、フェアトレードと、多岐にわたるテーマについて各分野の最前線で取り組む方々からプレゼンテーションが行われました。
この場で、JAVAを含む3つの動物保護団体で構成する「美しさに犠牲はいらないキャンペーン実行委員会」は、化粧品の動物実験について問題提起をいたしました。また、「エシカル消費に動物への配慮が取り入れられるように」と一緒に活動しているアニマルライツセンターからは卵の残酷な生産過程について発表がありました。

エシカル朝食会 特別交流会1

美しさに犠牲はいらないキャンペーン実行委員会のプレゼンテーション(PEACE・東さん)

エシカル朝食会 特別交流会2

ファッションジャーナリスト、生駒芳子さんからの配布資料。WWD Japan 6月13日号の特集記事。

<米国>禁酒で胎児性アルコール障害は防げる

禁酒で胎児性アルコール障害は防げる (米国)

アメリカでは、20人に1人の子どもがFASD(胎児性アルコールスペクトラム障害)児とされており、心臓や肝臓の障害、脳のダメージ、行動障害や知的障害などを発症する可能性がある。NIAAA(米国立アルコール乱用・アルコール症研究所)は、ミミズから霊長類までを使ったFASDの研究に1,500万ドル(約15億円)以上を使っているが、この実験データをヒトのFASD患者に当てはめることはできず、この複雑な病気を理解するために行われる動物実験が役立っていない。英国の医学雑誌 「ザ・ランセット」 に最近掲載された127の研究から、FASD患者は428の病気を併発し得るということが分った。
近年、APHA(米国公衆衛生協会)は、動物ではなくヒト生物学に焦点を当てていくべきだという方針を出しており、PCRM(責任ある医療のための医師委員会)も協力している。CDC(米国疾病管理予防センター)はFASDを防ぐ最適の方法は妊娠中の禁酒であるという勧告を出している。

Good Medicine (Physicians Committee for Responsible Medicine) Spring 2016/vol. xxv, No.2:
Could Human Intervention Studies Prevent Birth Defects?

環境省が「猫カフェの夜間展示」についてのパブコメ募集

2016年4月7日

環境省が「猫カフェの夜間展示を認める改正案」について
パブコメ募集開始
ご意見を届けてください!

猫カフェの夜間展示についてのパブコメ結果

4月27日に開催された環境省の中央環境審議会動物愛護部会(第43回)において、このパブリックコメントの結果が報告されました。
環境省からは短くまとめられた資料配布と簡単な報告があっただけで、部会の委員からは22時までの夜間展示に反対する声は上がらず、それどころか「猫カフェは適正飼育の普及啓発になりうる」という発言が出たほどです。そして、22時までの展示を認める省令及び告示の改正が行われる方向になってしまいました。

141人(団体)から寄せられた意見は、「展示時間を20時までにすべき」「展示時間が12時間は長すぎる。もっと短くすべき」とJAVAと同じ意見が大半であったにもかかわらず、環境省や委員はそういった国民の声に耳を傾けることはありませんでした。
非常に腹立たしく、また残念な結果ですが、これからも動物愛護法関係の政省令の改正は行われます。
少しでも動物たちにとって良いものになるよう、根気よく取り組んでいきましょう。

(2016年4月28日記)

3月23日、環境省が「猫カフェの夜間展示(20~22時)を認める施行規則等の改正案」ついて、パブリックコメント(国民の意見)募集を開始しました。

このパブリックコメント募集についての環境省のホームページ
※締め切りは4月21日(木)です。
※意見提出の様式が決められていますので、環境省のホームページでご確認のうえ、ご提出ください。

平成24年6月1日から、動物愛護法において、販売業者、貸出業者、展示業者が、犬猫を20時から翌朝8時までの間、展示することが禁止されています。
しかし、「成猫(生後1年以上の猫のことをいう。)を、当該成猫が休息ができる設備に自由に移動できる状態で展示を行う場合」、いわゆる「猫カフェ」については、例外とし、今年平成28年5月31日まで、22時までの展示が認められる経過措置がとられています

今回のパブコメは、施行規則等を改正して、今後もずっと22時までの営業を認めさせるという案に対しての意見募集です。

そもそもこの経過措置がとられた理由には、法改正の審議のなかで「猫カフェ」という営業形態が想定されておらず、情報や審議が不十分であったこと、また、猫カフェ業界から「仕事帰りの利用客が多く、夜間の展示が禁止された場合、営業に著しい支障が生じる」といった意見が出されたことなどがあります。
そのため、経過措置期間内で、「猫カフェ」の実態調査や、展示時間の延長による猫にかかるストレス調査などを行っていく、ということになっていました。

最初に経過措置を設ける案が出たときからJAVAでは反対してきましたが、長期間の経過措置を設けた挙句に、それを正規の規則にしようとは憤りを感じます。
「猫カフェ」も比較的新しい動物を使った商売といえますが、今後、いろいろな動物を使った、さまざまな商売形態が出てくるでしょう。そのたびに、猶予を与えたり、例外措置を設けていてはキリがありません。
すでに、うさぎカフェ、ふくろうカフェなど、他の動物を使ったカフェもたくさんでてきてしまっています。
生きた動物を扱っている以上、動物たちにストレスなどの負担を与えることには違いなく、生きた動物を扱う商売の規制を厳しくしていくことにより、そういった商売が増えないよう、また減らしていく方向にもっていかなくてはなりません。

JAVAは、4月7日付けでこの夜間展示を認める案に強く反対する意見を環境省に提出しました。

JAVAの意見書(PDF)

ぜひ、皆さんからも環境省にご意見を届けてくださいますよう、よろしくお願いいたします。
お近くの猫カフェに行って、お店や猫の状態をチェックして、お気づきになったこと、問題と感じたことを環境省への意見に盛り込んでいただくのも良いと思います。

<米国>軍用犬を死なす

2016年3月31日

<米国>輸送業者の“怠慢”、軍用犬を死なす

これまでも戦闘に使用される軍用犬の末路については深く懸念されてきたが、戦闘だけが死の危険を伴うものではない。2016年3月、アフガニスタンに派遣予定の14頭の軍用犬を高温の輸送用バンの中で窒息死させたとして、輸送業者APHが有罪判決を受けた。裁判記録によると、AMK9(軍用犬、探知犬、セキュリティなどに使用される犬を提供する民間会社)で爆発物探知の訓練を受けた犬は、2010年12月、APHに一晩預けられ、翌日飛行機で輸送されることになっていた。安全、丁寧な輸送を謳うこの業者は、温度管理が万全の部屋で犬を預かると確約していたにもかかわらず、翌朝、14頭の犬は換気装置不備の密閉されたバンの中で窒息死しているのが発見された。悪臭が立ち込めたバンの中の床や木枠には、何とか逃れようとして付いた血痕もあった。実はこの業者は以前にも実験用マウスを放置、死亡させたことがあり、設備や動物の取り扱いの改善を求められていて、動物虐待は常習的であった。
AMK9は損害賠償を請求、米国農務省(USDA)も調査を開始、動物福祉法違反で告訴した結果、前述の有罪判決になったのである。判事は罰金の支払いと今後違反を犯さぬよう命じたが、動物取り扱い業者の資格の剥奪はできず、この輸送業者APHは、破産宣告をした後、名義を変え再び登録をして、現在でも業務を続けている。この事件は、許可制でなく登録制になっている動物福祉法の抜け穴を際立たせる出来事にもなった。

 

米ミリタリードッグ

©TECH SGT STEPHEN HUDSON

AWI Quarterly /Winter 2016/volume 65/ number 4
http://awionline.org/awi-quarterly/2016-winter/neglect-leads-death-military-dogs
(Animal Welfare Institute)

全国初「8週齢努力義務」/札幌市条例

全国初「8週齢努力義務」を盛り込んだ札幌市の動物愛護条例が成立
しかし、この条例には多くの問題も

2016年3月29日、札幌市議会で「札幌市動物の愛護及び管理に関する条例」(以下、札幌市動物愛護条例)が成立しました。10月1日に施行されます。
この札幌市の条例は、すべての犬猫の飼い主に「生後8週間は親子を共に飼養してから譲渡するよう努めること」という、「8週齢規制」につながる条項を盛り込んだものになっています。これはとても画期的な条項ですが、一方で、多くの問題ある条項も盛り込まれてしまいました。

「8週齢規制」とは

8週齢(生後56~62日)に満たない子犬・子猫の販売等を禁じる規定で、米国、英国、ドイツ、フランスなどではすでに法律で規定されています(国によっては犬のみ)。
この規定制定の理由には、8週齢未満の子犬・子猫を親兄弟姉妹と引き離すことは、母親から受け継ぐ免疫や、親兄弟姉妹とのコミュニケーションによって身に付く社会化などにおいて問題が起こるということがあります。
このように、海外では8週齢規制がすでに設けられているのですが、日本の「動物の愛護及び管理に関する法律」(以下、動物愛護法)では、実現していません。
実は、動物愛護法にも次のように「8週(56日)齢規制」が明記されています。

第22条の五 犬猫等販売業者(販売の用に供する犬又は猫の繁殖を行う者に限る。)は、その繁殖を行つた犬又は猫であつて出生後56日を経過しないものについて、販売のため又は販売の用に供するために引渡し又は展示をしてはならない。

しかし、附則によって緩和措置が設けられていて、「出生後56日」は「出生後45日」に読み替える(2016年9月からは「出生後49日」と読み替える)となってしまっているのです。しかも、緩和措置の期限は決められていないために、「8週齢規制」の実施がいつになるのか見通しが立っていないのです。

「8週齢規制」については、先の動物愛護法改正の時にも、JAVAは強く求めてきました。札幌市の条例に盛り込まれた「生後8週間は親子を共に飼養してから譲渡するよう努めること」は「努力義務」ではありますが、動物愛護法における「8週齢規制」実現にもつながる、ひいては犬猫以外の動物の販売規制にもつなげられる大きな一歩と考えています。

「生後8週間は親子を共に」の条項を応援する緊急集会
JAVAは条例の問題点も指摘

8週齢集会
少しでも幼い方がお客は可愛いと感じて売れるため、ペット業界は「8週齢規制」に反対し続けています。この札幌市動物愛護条例案にも業界からの反発が考えられることから、これに屈することなく札幌市が8週齢の条項を実現するよう、条例案が審議される札幌市議会の定例会開会直後の2月19日、「札幌市動愛条例の『幼い犬猫守る条項』を応援する緊急院内集会」が衆議院第二議員会館で開催されました(主催:幼い犬猫を守る札幌市条例を応援する有志)。また、開催に合わせて、オンライン署名プラットフォームChange.orgにて、札幌市長、札幌市議会、環境省動物愛護管理室にあてた署名集めも開始されました。
集会では、獣医師や法律家などの専門家、国会議員、動物愛護団体が登壇して、それぞれの立場や専門的観点から「8週齢規制」の必要性・重要性を訴えるという充実した内容で、定員140名の会場は満席でした。
JAVAも登壇し、「動物愛護法では実現していない状況の中、札幌市の条例案には、『犬猫は生後8週間は親子を共に』という条項が盛り込まれていることはとても評価できます。」と述べるとともに、「一方で、忘れてはいけないのが、条例案には、猫の駆除を促しかねない『猫の所有明示の義務付け』や、地域猫活動を阻害するおそれのある『飼い主のいない猫に繰り返し餌を与える者の遵守事項』が盛り込まれていたり、愛護条例にはふさわしくない、『野犬の捕獲・掃討』が、既存の『畜犬取締り及び野犬掃とう条例』から引き継がれていたりと、問題点も多々あり、修正の必要があるということです。」と、8週齢の条項が注目されるあまり、見落とされてしまっている条例案の問題点についても指摘しました。

「札幌市動物愛護条例」 案の問題点

JAVAが札幌市愛護条例案で問題があると考える点は次のとおりです。

【問題点-1】第8条の(1)「犬を飼養施設の敷地外に連れ出す場合は、当該犬の排せつを事前に済ませてから連れ出すよう努める」

犬が散歩中に行う排せつ行為には、単なる排せつだけでなく、臭い付けや他の犬とのコミュニケーションの目的もあり、本能的な行為です。臭い付けは不妊・去勢手術によって減らすことは可能で、この努力を飼い主が行うことは必要ですが、人為的に散歩前に排せつさせることは不可能に近く、その上、犬にストレスをかけることにもなり、習性にも反します。
この規定が盛り込まれたなら、「散歩前に排せつしないから、散歩ができない。今日の散歩は止めよう」と、飼い主が考えることにもなりかねません。それは、犬にとって、適切な散歩を阻害することになり、虐待にも繋がり得る規定と言えます。
また、条例に盛り込まれることで、「あなたの飼い犬は電柱におしっこをしたから、条例違反。市に通報します」というような空気が市内に広がれば、近隣住民同士の啀み合いやトラブルが発生し、住民同士がぎくしゃくした、暮らしにくいまちとなってしまいます。
よって、この規定は盛り込むべきではありません。

【問題点-2】第8条の(1)「当該犬のふん等を処理するための用具を携行するなどして、これらを速やかに処理すること」及び、第32条の(1)「第8条の(1)への違反者に対する罰則」

まちの美化や住民の生活環境を守ることは大切ですが、同条例によって、「犬のふん尿を処理しなかったら、罰金」となれば、つまりは、札幌市が多くの市民を容疑者・犯罪者に仕立て上げることになり、【問題点-1】で述べたことと同じように監視社会になる可能性が高くなるため、「処理するよう努めること」と努力規定に留めるべきです。

【問題点-3】第9条の(1)「柵又はおりその他の囲いの中で飼養する場合には、これらは鉄、金網その他の堅固な材料で造られたものとし、その出入口の戸に錠を設けること」及び第9条の(2)「丈夫な綱、鎖等で固定した物につないで飼養する場合は、飼い主以外の者が容易に近づけないようにすること」

飼い主が、この特定犬に関する規定を重視するあまり、例えば、おりに閉じ込めっぱなしにしてしまうなど、犬の福祉に反した飼養をしてしまう恐れがあるため、あえて「特定犬の心身にストレスを与えないよう、福祉に十分配慮すること」の一文を加えておく必要があると考えます。

【問題点-4】第12条第2項「猫の所有者は、その飼養する猫をやむを得ず屋外に出す場合には、当該猫がみだりに繁殖することを防止するため、避妊手術、去勢手術その他の措置を講ずる」

繁殖制限の徹底が殺処分の減少に不可欠なことは明らかです。また、不妊・去勢手術の実施は発情によるストレスをなくす効果もあり、犬猫の福祉向上にもなります。
よって、屋外に出す猫に限定せず、屋内飼養の猫、そして犬にも適用すべきです。このように修正することは動物愛護法に合致し、何ら問題ありません。

【問題点-5】第12条第2項「猫の所有者は、その飼養する猫をやむを得ず屋外に出す場合には、首輪、名札等により飼い主がいることを明らかにするための措置を講じなければならない」

マイクロチップは体に埋め込むことへの抵抗感や装着費用の高さなどから、普及しているとは言い難いのが現状です。今も所有明示の方法として、首輪の装着がもっとも一般的な方法となっていると考えます。
しかし、猫は狭いところに入り込んだりするため、首輪が何かに引っかかり首吊り状態になって死亡するという事故が起こる可能性は大いにあり、なかには首輪等の異物をつけることでパニックになったり、ストレスから皮膚病等を発する個体もいます。実際このような理由から、あえて首輪を付けない飼い主もいます(首輪をつける場合は、一定の力が加われば留め金が外れる、ゴム製でひっかかっても伸びて猫が抜け出せるといった安全設計のものにしなければ危険です)。
さらに、猫の所有明示を市民に徹底させようとすることは、飼い猫と野良猫を区別し、本来、平等である命の差別化を助長することにもなります。猫は、飼い猫であれ野良猫であれ、動物愛護法において愛護動物に規定されており、虐待すれば罰せられますが、なかには、「野良猫ならば虐待したり殺しても構わない」と思っている人も未だにいて、野良猫の虐待事件が後を絶ちません。このように、日本の動物愛護意識の低い現状で、飼い猫と野良猫が区別されることになれば、野良猫を狙った動物虐待犯罪が増加するのは明らかです。動物虐待は人を殺害するといった凶悪犯罪と密接な関わりがあると指摘されており、そうなれば、地域社会の治安にも著しく悪影響を与えることになります。犯罪抑止のためにも、この規定は不適切です。
動物愛護法においても、所有明示は努力規定となっているにもかかわらず、札幌市が条例で義務付けることは問題であり、「努めること」と努力規定に留めるべきです。

【問題点-6】第13条「飼い主のいない猫に繰り返し餌を与える者の遵守事項」

地域猫活動を全く理解していない規定です。地域猫活動とは、地域の野良猫たちに不妊・去勢手術や餌やりを行って世話を続けながら、野良猫を減らし、ゴミ荒らしなどを防いでいくという動物愛護にかなった方法で地域の環境問題を解決する活動です。
環境省をはじめ、全国の自治体も推進し、全国的な広がりをみせているように、「野良猫の増加」「猫のふん尿」などの問題は、動物愛護を基盤にした、地道な息の長い地域ぐるみの取り組みによってしか、根本的な解決の道はありません。行政と連携した本格的な活動を行う市民グループも増えていますが、このような取り組みも元をたどれば、一人、二人の市民による取り組みが発展したものです。
地域猫活動は、本来、市民からの猫の苦情に頭を悩ます行政がその対策として、行政主導で取り組むべきものです。しかし、実際は、ボランティアで行われている活動に大きく依存していることからも、できるだけボランティアを増やすためには、その取り組みを細かく規定しすぎてハードルをあげたり、厳しく縛りつけるべきではありません。飼い主のいない猫に繰り返し餌を与える行為は、まさに、地域猫活動の第一歩であり、行政はそれを奨励し、地域猫活動へ発展するよう努めるべきなのです。
ボランティアの負担を少しでも軽くするのが、行政の努めであるにもかかわらず、飼い主と同等の義務を負わすこの条項は、市民が餌を与える行為、つまり、地域猫活動がやりにくくなるだけの規定です。野良猫の増加やふん尿問題を解決したいとするなら、この規定は削除し、行政主導で野良猫に餌を与え、不妊・去勢手術をするボランティアが増えるよう、全力をあげて取り組むべきなのです。それに目を背け、猫好きな市民の善意に頼るばかりか、猫の餌やりに足かせをはめ、地域猫活動にブレーキをかけるような条項は、野良猫問題を解決させようという意思が札幌市に全くないとしか考えられません。この第13条の規定を削除するべきです。

【問題点-7】第14条「多頭飼養の届出」

多頭飼養が不適切飼養や周辺環境への問題につながりやすい、またそういった問題が発生していることは承知しています。しかし、具体的な頭数で届出規制をかけることは明確な根拠がありません。パブリックコメント募集の段階では、犬猫合計10 頭以上の場合に届け出るとなっていましたが、10頭は問題で、9 頭なら問題ないのか、といったことになってしまいます。また、1 頭でも不適切飼養や周辺環境への問題に繋がっているケースも多々発生しています。
さらに、むやみに規制をかけることは、常に多くの犬猫を保護する活動をしている市民ボランティアに負担をかけ、活動に支障をきたす恐れもあることから、この届出義務規定は削除すべきです。

【問題点-8】第19条「野犬等の捕獲等」

「野犬等の捕獲や掃討」の規定は、もともと「札幌市畜犬取締り及び野犬掃とう条例」に盛り込まれていましたが、同条例は、社会生活の安全確保と公衆衛生の向上が目的の条例です。「愛護」と名の付く「札幌市動物の愛護及び管理に関する条例」にこの「野犬等の捕獲や掃討」の規定はそぐわないものです。「野犬等の捕獲や掃討」の業務は狂犬病予防法によって定められており、あえて新条例には盛り込む必要もなく、盛り込むべきではありません。
ただ、狂犬病予防法においては硝酸ストリキニーネによる犬の毒殺という残酷行為がいまだに認められているのは言語道断と言わざるを得ません。この殺処分方法は犬を苦しめる虐殺行為であり、大きな問題であると言えます。対処として、条例にて「やむを得ず動物を殺処分する場合には、その殺処分方法は、化学的又は物理的方法により、できる限り動物に苦痛を与えない方法を用いて当該動物を意識の喪失状態にし、心機能又は肺機能を非可逆的に停止させる方法によること。」というように動物愛護法に基づく「動物の殺処分方法に関する指針」にのっとった規定を盛り込むことにより、これに反する毒殺が実質行われないようにする方法が考えられるでしょう。
いずれにしても、「野犬等の捕獲や掃討」の規定は動物愛護条例にはふさわしくなく、盛り込むべきではありません。

【問題点-9】第21条第3項 「市長は、(略)当該動物を適正に飼養することができると認めるものに譲渡することその他の方法により処分することができる」

動物愛護法第35条第4項では、「都道府県知事等は、引取りを行った犬又は猫について、殺処分がなくなることを目指して、(略)その飼養を希望する者を募集し、当該希望する者に譲り渡すよう努めるものとする。」と規定されています。
ご存知のとおり、過去には自治体が収容した犬猫を動物実験用に払い下げるという処分方法が行われていました。国民の動物愛護意識の向上により、全国の自治体はこれを廃止し、動物愛護法に基づく「犬及び猫の引取り並びに負傷動物等の収容に関する措置」からも動物実験用の払い下げに関する一文は削除されました。
しかし、札幌市動物愛護条例案の「その他の方法により処分することができる」という一文は、その他の方法が具体的に示されていないことから、動物実験用に払い下げるという、過去の悪習の復活すら疑わざるを得ないものです。
収容動物の処分については、動物愛護法に規定されていることから、あえて条例において規定する必要はなく、「愛護」と名のつく条例にふさわしく、「適正に飼養することができると認めるものへの譲渡」に限定し、さらに「譲渡することができる」という緩い規定ではなく、動物愛護法に合せて、「譲渡するよう努めなければならない」という努力義務とするべきです。

【問題点-10】第27条「犬又は猫の引取り申請をしようとする者の手数料の納付」

動物愛護法の第35条に基づいて、札幌市では飼い主から飼養できなくなった犬猫の引取りを行っているわけですが、同条では引取りを求める相当の事由がない場合として省令に定める場合には引取りを拒否できると規定されています。つまり、行政は終生飼養をしない無責任な飼い主から引き取るか否かを判断する立場にあり、飼い主への飼養継続の説得や、「終生飼養できないなら、二度と動物を飼養すべきでない」といった教育をするなど主導権を握らないとなりません。しかし、手数料を払うことで、飼い主側は反省するどころか、「費用を払うのだから、つべこべ言わずにさっさと引き取れ」という態度・思考に至りかねません。
よって、引取手数料の徴収は札幌市の立場を不利にするだけで、引取り数の削減等には寄与しないと考えます。もし、手数料を徴収するのであれば、条例案に示されている2,100円という低額ではなく、飼い主側が引取り依頼をためらうぐらいの高い金額にした上で遺棄や虐待を防ぐために徹底した指導をしなければ、この規定を加える意味がないばかりか、全くの逆効果でしかありません。

イラスト犬と猫

「良い条項が入ったのだから、そこまで細かいこと言わなくても」と思われるかもしれませんが、動物愛護法も、多くの自治体の動物愛護条例も、人間の都合のために動物の管理を強める傾向が出てきています。本来、動物たちを守り、彼らが幸せに暮らせることを最優先にした法律や条例にするべきで、そのためには、動物愛護に反する条項は盛り込ませてはならないのです。そうしなければ、ますます動物たちの置かれる状況は過酷になってしまいます。
私たち動物のために活動する団体・市民は、「これくらいは仕方ない」と妥協するのではなく、「動物の愛護」と名のつく法律・条例としてふさわしい形を目指し、細かいことにも目を光らせ、良くないことは良くないと言い続けなければなりません。
JAVAでは、前回同様、次回の愛護法改正においても「8週齢規制」を強く求めていきます。それと同時に、全国の動物にとって良くない条例やシステムについて、今後も問題を指摘して、その改善にも取り組んでいきます。

高級ブランドARMANI(アルマーニ)、毛皮使用をやめる!

2016年3月22日、高級ブランドとして名高いアルマーニが、本物の毛皮の使用をやめると発表しました。
この素晴らしい決定は、JAVAもメンバー団体となっている毛皮に反対する国際連盟FFA(Fur Free Alliance/事務局:オランダ・アムステルダム)が、アルマーニに働きかけてきた成果です。
アルマーニは、2016年秋冬コレクションから、ラビットファーを含むすべての毛皮の使用をやめます。

ジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)は、次のように述べています。
「私は、アルマーニグループが、コレクションにおいて毛皮使用の廃止を確約したと発表できることを嬉しく思います。長年にわたる技術の進歩は、私たち人間が動物に対して行ってきた不必要かつ残虐な行為を、適切な別の方法に替えることを可能にさせました。以前より積極的な取り組みを続けてきましたが、環境や動物を守るという大きな課題への我が社の意向を反映し、今、大きな一歩を踏み出します。」

FFA代表であるヨー・ヴィンディング(Joh Vinding)は、「アルマーニの毛皮使用をやめるという発表は、デザイナーや消費者が動物虐待にまったく手を貸すことなく、自由な創造と贅沢をもたらすことを明確にしました。アルマーニ氏は、何十年もの間、ファッション界における流行の仕掛け人であり、この最新の発表は、思いやりと改革は、ファッションの未来であることを証明しています。」と述べています。

昨年のHUGO BOSSにつづき、この世界的なブランドの毛皮使用廃止の決定は、世界中のファッションブランドに良い影響を与えることは間違いありません。

このニュースを拡散してください!

このニュースはJAVAのフェイスブック、ツイッターに投稿済みです。
また、FFAのウェブサイト、フェイスブック、ツイッターにも英語の記事が出ています。
ぜひ、これらの記事にシェアや「いいね!」、リツイートをお願いします。

●JAVA●
フェイスブック https://www.facebook.com/JapanAntiVivisectionAssociation
ツイッター https://twitter.com/JAVA_ANIMAL
●FFA● (英語)
webサイト http://www.furfreealliance.com/
フェイスブック https://www.facebook.com/furfreeretailer
ツイッター https://twitter.com/FurFreeAlliance ハッシュタグ ‪#‎furfreearmani‬‬

バナーを広めてください!

このニュースを広めるための、下記のFFA共通バナーの日本バージョンも広めてください。皆さんのフェイスブックやツイッターなどにご自由にお使いください。

アルマーニバナー

 

アルマーニバナー横長

●twitter用バナー●

LUXURY BRAND ARMANI GOES FUR FREE

22 MARCH 2016 – The Fur Free Alliance praises renowned luxury brand Armani for today’s announcement to drop all real animal fur. With its decision the Italian high-end label responds to a growing consumer demand for ethical and sustainable fashion.

Armani will leave out all real fur, including rabbit fur, from its collection starting from the fall/winter season 2016. The brand committed to this policy after working with the Fur Free Alliance, an international coalition of over 40 animal protection organisations focused on ending the fur trade.

Giorgio Armani:I am pleased to announce that the Armani Group has made a firm commitment to abolish the use of animal fur in its collections. Technological progress made over the years allows us to have valid alternatives at our disposition that render the use of cruel practices unnecessary as regards animals. Pursuing the positive process undertaken long ago, my company is now taking a major step ahead, reflecting our attention to the critical issues of protecting and caring for the environment and animals.”

Most fur used in the fashion industry comes from fur farms, where wild animals are kept in small cages and killed by cruel methods that preserve the pelts – such as gassing and anal electrocution. On top of that, fur production has high environmental costs and health risks due to its chemical-heavy production process.

By committing to a fur-free policy Armani joins other high-end brands – such as Hugo Boss, Tommy Hilfiger, Calvin Klein and Stella McCartney – and acknowledges the ethical concerns of a new generation of fashion consumers.

Joh Vinding, Chairman of the Fur Free Alliance: “Armani’s fur-free announcement makes it clear that designers and consumers can have creative freedom and luxury all without supporting animal cruelty. Mr. Armani has been a trendsetter in the fashion world for decades and this latest announcement is proof that compassion and innovation are the future of fashion.”

Society’s changed ethical perception of animals and the publicʼs long-standing opposition to the fur industry have led various countries, including the UK, the Netherlands, Austria and Croatia, to ban fur farming. Around the world – as debates on fur farming bans are becoming more and more widespread – governments that value animal welfare are increasingly recognizing the fact that fur holds no future.

Armani’s compassionate decision will save thousands of animals from needless suffering and is celebrated by the Fur Free Alliance and millions of its supporters worldwide. 

<米国>神経疾患研究に使う「ミニ脳」を開発

2016年2月11日

米国のCAATの研究者、神経疾患研究に使う「ミニ脳」を開発

~ヒト由来の組織を使えば、より優れた研究への道を開き、動物実験を減らすことができるかも知れない~

※CAAT;The Johns Hopkins Center for Alternatives to Animal Testing/ジョンズ・ホプキンス大学動物実験代替法センター

ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生学部の研究者たちは次のように語っている。「我々は、ヒトの脳内に存在するニューロンや細胞から成り、さらに脳のいくつかの機能を持つ“ミニ脳”を開発した。そして、それを大量に複製することもできる。この“ミニ脳”は、新薬の有効性と安全性を検証する実験方法を劇的に変え、アメリカの神経科学研究のために使われる何十万もの動物に取って代わるものになるだろう。この三次元の“ミニ脳”は、8週間で自ら成長して脳のような構造を持つ細胞の球になる。この“ミニ脳”を使って行う研究は、げっ歯類の代わりにヒトの細胞に由来するものを用いるため、マウスやラットで研究するよりも格段に優れた研究になるはずである」

この研究のリーダーであるトーマス・アルトゥング(Thomas Hartung)博士(ブルームバーグ公衆衛生学部の「証拠に基づく毒物学」の講座を担当する教授)は次のように述べている。

「動物で実験したときには見込みがあるとされた新薬の95%は、膨大な費用と時間をかけてもヒトに使われると、うまくいかない。げっ歯類は役に立ってはきたが、ヒトは体重150ポンド(約68キロ)のラットではないのである。もちろん、ヒトは細胞の球ではないが、この球からは、げっ歯類からよりもずっと優れた情報を得ることができる。脳研究の未来は、動物に依存するよりも、ヒトの細胞を基本にしたモデルに依るものになると我々は確信している」

この“ミニ脳”を創り出すために数人の健康な成人の皮膚から取った細胞が使われたが、アルトゥング博士によれば、ある種の遺伝的特性を持つ人や患者から得た細胞は、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、さらには自閉症の研究にも利用できるという。ウィルス感染症、トラウマ、脳卒中の研究プロジェクトもすでに始まっている。

“ミニ脳”は、直径が0.35mm、ハエの眼球ほどの大きさで、人の目でやっと見えるほどのごく小さなものであるが、一回のバッチ処理で、数百から数千も複製することが可能である。実験室で、同じ一枚のシャーレの中で、100の“ミニ脳”を成長させることも容易である。

アルトゥング博士は言う。「我々のミニ脳”は、最初のものでも、最高のものでもないが、最も規格が統一された脳モデルである。新薬試験のとき、最も相対的で正確な結果を必ず出すためには、検証中の細胞が可能な限り類似していることが絶対に必要なのである」

アルトゥング博士は、現在“ミニ脳”の特許を申請中で、同時に“ミニ脳”を製造するためのORGANOMEという名の製品開発を進めている。「できるだけ多くの実験室で研究者に使わることを楽しみにしている。このような脳モデルをいつでも、どの実験室でも持てるようになってはじめて、動物実験に取って代わることができる」と述べている。

 http://altweb.jhsph.edu/news/2016/minibrains.html

ページ上部へ戻る